2008年 10月 12日
連休なのにどこにも行けません。 夫が「美術展、映画、ショッピング、庭園散歩……」と子供留守番のプランを考えていたのにすべてキャンセル。 「コシヒカリ」は家にいて退屈しているのでいろいろやらせる。 ぬか床のメンテをやらせた。 いりぬか・塩・水・昆布・干し椎茸・鷹の爪・しょうがを入れて、今なにを入れたかを言わせて覚えさせ、思う存分にかき回させた。 「あぁん、気持ちいいー。どろだんごとおんなじー。いつまでもかき混ぜていたい。」 と、両手を突っ込んでいる。 このぬか床は先祖伝来で軽く100年以上たっているので、大事なのだ。 「これでもう、どう手入れするか覚えたね。おかーさんが死んだらこれを守ってね。」 と言うと、 「やだおかーさんそんなこと言わないで。まだおばあちゃんだって元気なのに、おかーさんのほうが先に死ぬなんて。まだまだ先でしょう。おかーさんが生きているうちに分けてもらうからね。」 そのあと、手作りカレー粉を作らせる。 ただターメリックを煎って、セットで売っているスパイスをふるいにかけながら混ぜ合わせるだけなのだが、それぞれの匂いを嗅いで喜んでいた。 「あのね、学校で、大根を育ててるの。」 「あれ、トマトじゃなかったっけ?」 「トマトは収穫して、そのあとの土に大根を植え替えたの。それで、その入れ替えのときに、ほとんどわたしが一人でやったんだー。」 「どうして?みんなでやるんでしょう?おもしろそうじゃん。」 「みんな、土を触ると怖いって言って。」 「はー?どうして土が怖いの?手が汚れるから?」 「虫が出てくるからだって。みみずとか、むかでとか、だんごむしとかいろいろ出てくるでしょう。あれがキャー!気持ち悪い!って言ってやらないの。だからわたしが。」 「へええー!子供って土いじりとか虫が大好きだと思ってた。」 「収穫し終わったトマトの苗を抜いて、土をひっくり返すとこまではみんな喜んでやってたんだけど、そのあとは見てるだけだったの。みみずとかかわいいのに。それにみみずがいる土はいい土なんだよ。だから、もうすぐ大根を持って帰るから、そうしたら大根のおみそ汁を作ってね。あと、おでんもね。わたし好きだから。」 「わかった。楽しみだね。」 このごろ、よく思うのだが、子供の嗜好というか、なにがダメでなにが好きとかって、どうやって決まっていくんだろう? よく書いているとおり、「コシヒカリ」は生き物が大好きだ。 いわゆるペットはいうまでもなく、すべて「かわいいー」となる。 蛇の目はきょろっとしててかわいい! 蜂の目はきらーんと光っててかわいい! 芋虫がもじもじ動いてかわいい! 蜘蛛が一生懸命、糸で移動してかわいい! あじの口を開かせるとかわいい! だんごむしはわたしの手に載ると、くつろいでてかわいい! とにかくなんでもかんでもかわいく思えるらしい。 私は生き物はなんでも“平気”ではあるが、とくに「かわいい!」と身もだえするほど好きでもない。 土いじりも同じく。 土が怖いとは思わないが、自分から積極的にいじりたいというほどの気持ちもない。 この家に越してきたのは、「ササニシキ」が4年生のときで、転校してきて早々、どこかにざりがにがいて誰もつかめず、「ササニシキ」だけが手でつかみあげると「お前、すごいな!」と言われたと言っていた。 さりがにをつかむなど子供にとってはふつうのことだと思っていた。 東京の子供はずいぶんひ弱だなというのが、越してきて最初の印象だった。 子供の話には誇張があるから、まさかクラス全員が大根の植え替えを拒否したり、ざりがにを触れないというはずはない。 しかし、そういう子が少ないというのは確かなようだ。 でも、うちの子たちももう立派に東京の子だし、とくに自然と触れあう機会を多く与えていることはない。 幼いころから大自然に囲まれて暮らしましたということもない。 それでもそういうことに対して、すんなり手を出すし、入っていく。 とても不思議だ。 身の周りの自然が多いとか少ないとかとは、あまり関係がないようにも思う。 嗜好としかいいようがない。 私はざりがにがとても好きで、沼などで見ると釣らずにいられない。 トンボ・ショウリョウバッタ・カマキリも捕まえずにいられない。 子供にそれらの生き物を、羽を傷めずに捕らえ、足をもがずに逃がすコツを教えたのは私だ。 やっぱりそういうのが影響するのかなあ? でもそれくらいのこと、大人は誰でもするだろうし。 むしろ子供がなにかをしたときの反応の仕方かとも思う。 子供の話や、したことに拒絶的な反応をしないで、「いいね」「おもしろいね」とまずは笑って肯定するとか。 そういうのが大事かな。 大人との関係でも。同じ。
by apakaba
| 2008-10-12 23:56
| 子供
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Comments(5)
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喜楽院
at 2008-10-13 01:16
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高3の長女は、休みのたびに補習やら模試やらで不在。
中2の長男も、部活の練習やら大会やらで、いつも不在。 用事が何もない休みを過ごす小6の次女は、 いつも父親とキャッチ・ボールやらシート・ノックやら。 おかげでかなり速い球を投げられるようになりました。 バット・コントロールも、なかなか見事なものです。
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apakaba at 2008-10-13 01:37
おお、うちの状況と酷似していますね。
(夜中に、伴侶は寝てしまってぼけぼけしているという状況も……ありゃりゃ) 小6かー、まだコドモコドモした発言とかするのでかわいいですね。 中学生になると女子はぐぐんと変わってしまう。 それもかわいいのだが。 親と素直にしゃべりつづけるのも、小さいうちだなー。 かけがえのないときだな本当に。
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タカモト
at 2008-10-13 10:33
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昨日、小っさな小っさな庭の草むしりを1人でやったんですが。
相変わらず「得体の知れない虫」が多いこと。(苦笑) 俺は男だけど虫はダメですねぇ。 特に足が多いモノや地面を這うモノは。(ブルブル) だから土いじりは小さい頃からあまり好きではねーなぁ。 しっかし、宅のお子様達はいろりろ変わってて面白いね♪
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のこのこ
at 2008-10-13 13:10
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虫を捕まえてあげる、っていう親はもう殆どいないんじゃないかなあ。特に母親は。
バッタや蝶々やカブトムシでさえ気持ち悪いと逃げる母親のほうが多いと思うよ。 だから子供も虫が怖い、となるわけで。 私は人よりは平気なほうだけど、芋虫系は大の苦手でしたが、結婚して虫だらけの大根葉と格闘したり、田んぼの生き物や、いろんなワイルドな物に随分慣れました。 さっきテレビで里山保育という事で、園児にDASH村みたいな事をさせて子供たちたくましくイキイキってのををやってました。田植え、収穫物の料理、泥遊び、自然と遊んで皆で学ぶいろんな事。 私もいい環境で子育てできて幸せだわ。
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apakaba at 2008-10-13 19:27
生き物レス。
タカモトさん、おつかれさま@草むしり 虫が嫌いというのって、あまり、男女での差はないみたい。 男は虫が好きで女の子は嫌い、とは限らないようです。 暴れん坊ガキ大将タイプの男子でも、蚊よりも小さい虫にギャーギャー大騒ぎする人いるもの。 うちの子はなんだかわけがワカラン。 のこのこさん、 >虫を捕まえてあげる、っていう親はもう殆どいないんじゃないかなあ。特に母親は。 うそだーあ。 私のママ友は平気な人が多いよ。 磯遊びしてても、イソギンチャクに積極的に指をつっこむタイプ。 私は捕まえてあげるっていうより自分が捕まえずにはいられないだけなの。 だっておもしろいじゃん。 虫の形って精巧で、きれいだし。うっとりしちゃう。 そっちの環境はほんとにいいね! うらやましいよ。 田んぼや畑や海……「コシヒカリ」がどんなに喜ぶか。 |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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