あぱかば・ブログ篇

apakaba.exblog.jp
ブログトップ

2003年 10月 12日 ( 1 )


2003年 10月 12日

暑中見舞いハガキとともにフランスを旅する

3年前のインド旅行で、偶然知り合ったカメラマン氏からメール。
「スピティはもう冬になってきています。」

彼は、インドヒマラヤのあの場所で、のべ何日過ごしたのだろう。
私がたった数日間しかいなかった、日本ではまったく無名なスピティという場所に、あの人は何年に渡ってかよっていただろう。

「秋のスピティを撮りたい。俺の写真の中で、秋だけが抜けてるから。」
と話していたことがあった。
思うとおりに、秋は撮れたのかな。
多くの日本人の生活とぜんぜん関わりのないその場所は、彼の仕事・意識・生活に、小さくない位置を占めるようになっているのだろうね。
そう思うと、土地との出会いも、人との出会いと同じように、その人の生き方を決めていくチカラがあるんだろうな。


フランスへ行く直前、彼から暑中見舞いハガキが届いた。
もちろん自前の写真だ。
彼の得意とする、日本的な、涼感と静かさのある写真、返事はフランスから・・・と思いたち、とっさに日記帳の表紙にはさんで旅立った。
結局、返事を書く機会を失ったまま、暑中見舞いハガキは日記帳とともにフランスを旅し、私の家へ戻ってきてしまった。

でも、ホテルの部屋や食堂のテーブルでノートを取り出すたびに、ハガキを見ていた。
日々目にするフランスの風景と、ハガキに写った日本庭園かなにかの風景とは、ひとつの共通点もなく、これは可笑しいなあと自分で思った。
乾燥したひどい暑さの最中(さなか)、その写真が目に留まると、湿気が取り巻き、池の水音と、蝉の声が−−本当にするのだった。
そうやって日に何度か日本の夏へ心を飛ばすことが、繰り返されてきたものだから、それは今年のフランス旅行の一角を占めることとなっていき、帰国しても、日記帳の表紙に挟みっぱなしとなった。
はじめ違和感たっぷりだった写真は、やがてそこが定位置となってしまったから。

ヒマラヤのスピティ、フランス、日本庭園の夏、“偶然の重なり”と言えば言えるんだけど・・・すべてひっくるめて、やっぱり、出会いっておもしろい。

by apakaba | 2003-10-12 14:50 | 旅行の話 | Comments(0)