あぱかば・ブログ篇

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2013年 01月 15日 ( 1 )


2013年 01月 15日

ゴーゴー・ボルネオ!〜キナバル公園編 その1・ナバル村

ガラマ川クルーズ編 その3のつづき。

ガラマ川クルーズの翌日、早朝からまたツアーに参加した。
今度はキナバル公園とポーリン温泉をまわるコースである。

今日のドライバーはケンさんという中国系の男性で、ガイドはベンさんというマレー系に見える男性であり、流暢な日本語を話せる凸凹コンビで、車内はずっとにぎやかだった。
コタキナバルからキナバル公園までは片道2時間ほどかかるが、ケンさんベンさん二人による、道中に見える風景や建物の解説と、いやにていねいな日本語の掛け合い漫才のようなおしゃべりであっという間に時間が過ぎていった。

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強い陽射しを避けて、犬は車の影から出てこない

コタキナバルを出て1時間ほどのところにある、ナバル村という場所で途中休憩を入れる。
「キナバルとナバルって、なにか関係があるんですか?名前がそっくりだけど。」
と尋ねてみると、ベンさんは
「さあ〜、多分、キナバルの手前だからナバル、じゃないですかねえ。」
テキトーな答えだが、なんとなく正解のような気がする。
ちなみにキナバル山とは「なすの山」という意味で、「なすが採れたからでしょうねえ。」とのことだった。
私は、キナバル山にここ数年来あこがれを抱いてきたので、勝手に崇高な意味があると思い込んでいた。
たとえば「神の宿る山」とか。
「輝く頂」とか。
「なす」とは思いもしなかった。
きのう訪れたガラマ川のガラマがカニ、キナバルはなす、名付け方が生活密着でシンプルだ。

標高800メートルのナバル村は、日本から仕入れて広がった、しいたけのビニールハウス栽培がさかんだと聞いた。
ビニールハウスは、高級品だとひとつ300万円ほどするそうだが、効率的に収穫できるので増えているという。
とはいっても、しいたけは日本で食べればいいし、ここはやはり、きのうの露店で見かけた、こちらの特産フルーツを試してみたい。
きのうはドリアンダリを初めて食べてみたので、今日はもう一つの、気になっていた「タラップ」を食べてみる。

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これがタラップ。一個で3リンギット。露店で熟した実を選んでくれているベンさん

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そしてタラップを割って実を出してくれているケンさん。二人とも、とってもやさしい

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初めて食べたタラップは、一人でも一個分全部を平らげられるおいしさだった。
きのうのドリアンダリも甘かったが、ほろ苦く香ばしいような芳香が強く、大人っぽい風味だったのに較べて、タラップはもっとジューシーで万人受けする甘さで、これがあればお菓子なんかいらないと思うほどだった。
だが、ベンさんケンさんは、
「おいしかったですか!でもわたしたちは、果物ぜんぶに、“魔法の粉”をかけるんですよ。そうするとなんでもおいしくなるんですよ。いろいろなところで、果物に砂糖をかけたり、塩をかけたりするでしょ。わたしたちは砂糖でも塩でもなく魔法の粉をかけるんです。」
とあやしいことを言う。
「なんですか魔法の粉って。あぶないクスリじゃないの?」
といぶかるが結局どういうものだかわからずじまいだった。
人工甘味料か、それとも、たとえば果物などから抽出した自然食品かなにかだろうか?
自然のものならいいが、人工甘味料だったらガッカリである。
せっかく南国フルーツはこれだけで十分おいしいのに、なんにでもかけてしまうというのは、味覚破壊しそうでおそろしい。

この休憩所でしばらくのんびりしていた。

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大変幸運なことに、すばらしい天気である。
キナバル山もよく見える。
展望台があるので、上ってみた。
展望台の脇にあるパイナップルのオブジェは、「村のシンボル」だという。
このあたりにはたくさんの村があり、各村の入り口のロータリーに、その村が力を入れている産業や、村の特産品などの大きなオブジェを置くということである。

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コタキナバルを出発してすぐにキナバル山の勇姿は遠くに眺められたが、ここまで来ると、だいぶ迫力が出てきた。

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このいい景色をなんとか収めたいとiPhoneのパノラマ機能を使ってみるも、初めての試みでぜんぜんダメ

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ここまでサービス精神旺盛だとこっちも観光客冥利に尽きるよ

この辺りの住民は、ルソン族の人が多いという。
ルソン族は、マレー系より肌の色が白めで、やや目元がきりっとして、中国系に似た顔立ちである。
言われないと意識しないが言われてみるとたしかにそんな感じだ。
また、この辺の山の中に暮らす人々はキリスト教徒がほとんどだという。
山奥までがんばって布教したのは、やはりキリスト教宣教師だったからだ。
こういう場所に来ると毎度思うが、本当に宣教師はよくがんばることだ。

ナバル村周辺では、焼き畑でバナナや赤米をつくっている。
野生バナナもたくさんあるが、実が小さく種が多いため、人々は果実をそのまま食べず、料理につぼみや葉を使うという。

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目の形が同じ

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ケースに入っていると、ハエがたからなくていいね。

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パイナップルはひなたに置いて追熟させているのかな。ただ置いてあるだけかも

「犬には触らないでくださいね。」
と、車から降りる前に注意されていた。
だらだらしているように見えても、犬はペットとしてではなく番犬の目的で飼われているからだという。
あやしい人間だけでなく、山にいる毒蛇などから守ってくれる。

だが、山では犬以外の動物はあまり飼わない。
低地では家畜がたくさんいるが、山に入るとあまり見かけない。
低地の人間の結婚では、結納の品に、男性のほうから水牛が贈られることがあるそうだ。
ベンさんも水牛2頭を妻の家に贈ったという。
ほかには、家の柱を贈ることもあるという。
結納品が水牛や家の柱とは、現金に較べて大掛かりなことだ。

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ケンさんは、ドライバーといっても単独でガイドもできそうなほど日本語がちゃんと話せるし、日本人的な会話の機微を心得ている。
「わたしもキナバル山に2回登ったことがあります。」
とケンさんが言うので、
「へえ!私も今回は無理だけど、いつか絶対登ってみたいんですよ。どうでしたか?」
「もーう二度と登りたくないですねえ!」
「えええ〜。そんな。やっぱりきついんですか?」
「ゆっくり登れば大丈夫ですけど、そのときは日本人の登山のお客さんと登って……日本人の年配の方は強いですねえ!年配の方は、ぜんぜん休憩を入れないんですよ。『どんどん行きましょう』って言われて、わたしは日本語は話せるけど登山はあまりしていないから疲れちゃって、でもお客さんが休まないと言ってるのに若いわたしの方が『待ってくださーい』と置いていかれるわけにはいかないし、ほんとに大変でした!死ぬかと思いました。」
なんか、わかるわ……日本で流行っている、中高年登山の人々が、国内では飽き足らずこういう山にも来ているのだ。
「その点、ベンさんはえらいですよ、山にいつも入っているからたくさん歩けますし。」
ケンさんがベンさんを褒めると、ベンさんはすかさず
「アナタはクルマばかり運転しているからダメなんですよ、歩かないと。」
と馬鹿にしてくる。
二人は本当に仲がよさそうだ。
年長のベンさんを、若いケンさんが立てながらボケたり突っ込んだりを続けている。
行程の打ち合わせなどの内輪の会話は現地語でささっと済ませ、日本人客に聞かせるためにはていねいな日本語で掛け合いをする気遣いをしているのだ。
きのうのガイドのジェイソンさんの日本語能力にも舌を巻いたが(その回)、この二人の誠実なガイドぶりも好ましく、とくに日本語の掛け合いには何度も爆笑させられた。
ケンさんが尊敬する健脚さを誇るベンさんの案内で、これからいよいよキナバル公園に入っていく。

その2 公園散策につづく)

by apakaba | 2013-01-15 08:55 | ボルネオ | Comments(2)