あぱかば・ブログ篇

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2016年 11月 22日

死因

きのう、「ママ友のお通夜に行く」と題して書いた。
今日、告別式に行ったという共通のママ友に会ったので、「それで、何が原因で亡くなったの?」と、あらためて尋ねてみた。
その答えはあまりにも意外だった。
原因は「アスベスト」だという。

亡くなった友達が30年前に住んでいた神戸で、アスベストを吸ったことが原因だそうだ。
どんな仕事もしくは住環境にいたのかまでは知らないが、1年前に健康診断でわかったという。
アスベストが原因の「中皮腫」というがんの一種にかかっていたというのだった。

「30年前? そんなことってあるの?!」
思わず叫んだが、帰宅して調べてみると、アスベストを吸ってから発病するまでの潜伏期間は平均40年ほどだそうで、現在50〜60代の人から発見されるのはこの長い潜伏期間によるのだ。


まさしく、亡くなった友達の年代なのだった。

きのうまでは、ただ死を悲しむだけだったが、今日はやり場のない怒りとむなしさに襲われた。
そんな昔のことが原因で、しかも毒性が確認されず、ふつうに働いたり暮らしてきたりしていただけなのに、こんなふうに命を絶たれるなんて。
健康被害問題って、頭では「大変なことだ」と知っていても、どこか自分とは関係ない遠いところにある問題のような気がしていた。
自分を恥じた。
並んで立っていたパパとお嬢さんたちの姿を思い出し、悔しくて仕方がなかった。

いろんな他の国のことも思った。
いちおう先進国のはしくれである日本でも、このありさまだ。
世界の発展途上国では、今日も、今も、劣悪な環境のもとで労働し続け、暮らし続けている人たちがいる。
有毒物質に曝露されて、健康をゆっくりむしばまれていく。
何十年後かに発見されたときには、もう手の施しようがないほど致命的に病気が進んでしまうことがあるとしても、彼らは今日の労働をやめることができないだろう。
どうせ、その前に死んでしまうかもしれないさ。
それよりも、今日の日銭が大事だ——。
そんな彼らは、明日の幸せをゆっくりと手放してしまう。
私のママ友が、美しく成長した二人のお嬢さんの未来を見ることができなくなったように。


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倒れたように見えるがこれから植えられる


文明生活を送る以上、すべての有害物質・有毒物質を排除することはできない。
しかし、こんなに長い期間を経てからツケを払わされるのは、やはりたまらない気持ちだ。
それはやはり、人間同士、誰かが誰かをゆっくりと殺していくことに思える。
たまらない。たまらなく悲しく、やるせない。


by apakaba | 2016-11-22 22:50 | Comments(0)