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2017年 01月 23日

香港フード合宿・中編

やや間が空いてしまったが、前編の続き。
中編は、フード合宿2大ハイライトのレストラン訪問である。

ひとつめは、初日のディナーで入ったプライベートダイニング「法租界」。
私が香港で、というか今のところ世界中で最も好きなレストランだ。
以前、仕事で2種類の記事を作ったので、詳細はそちらを見てほしい。



料理は言うまでもなく、スタッフの雰囲気もレストランのある場所も、すべてが刺激的なレストランなので、ここは絶対「アキタコマチ」が来るべき店だと前々から思っていた。
それがやっと叶い本望である。
「アキタコマチ」は予想以上にビビッドな反応をしていた。
これまで何度も来ているのに、仕事の原稿ばかり書いて、このブログを書く時間がなくなってしまったため、法租界の奇抜な料理を紹介したことがなかった。
この日のメニューは以下の通り。


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A Little Swaying Boat.Chao Phraya River.
左がなすのクネル、トムヤムクン風味。
右は魚の浮き袋、ゆず風味のマリネ。
詩的な料理名はシェフが考えるが、予約した相手には事前にメールで材料や調理法を知らせてくれるから安心。
以下、「アキタコマチ」の感想。
「完全に常温だ。冷たくも温かくもない。すごい。料理って、“温かくなければ!”とか“冷たくなければ!”とか縛りからたいていの料理人は自由になれないんだ。これはなかなかないね!」


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Shanghai Lake.Switzerland Mountain.
上海蟹の生姜風味と、スイスのサワークリームのソースを使ったダンプリング。
上下を混ぜて食べる。
「これは、中華と西洋料理が完璧に1対1だ。上海蟹は完璧に中華料理の手法、でも下のソースの酸味の付け方はまぎれもなく西洋料理の手法。中華にこういう酸味の付け方はない。両方がまったく譲らない。そして……うまい!」


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The Green Days in Mediterranean Sea.
左側は、オランダのムール貝の煮込みと日本のわかめを合わせたものに、揚げた黄ニラをトッピングしたもの。
右側はわけぎのグリッシーニ。
「もはや何が何だか……だが! うまい! ムール貝の煮方は西洋料理なのに、そこに迷いなくわかめを持ってくるとか。」


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Shaking Sleeve.Charcoal Fragrance From A Farm House.
右側は、チャイニーズマッシュルームの蒸し煮と韓国のじゃがいも麵にクリスピーなハモンセラーノをトッピング。
左側はシャントレル(アンズダケ)と、じっくり煮込んだフランス産あひるの胸肉。
「ううーん。すごい。まったく食べたことがない。一体どうしたらこんな料理を考えられるんだ!」


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Soft Pluma.Soft Rice.Fragrance.
plumaはスペイン語で「羽」。
イベリコ豚のプルマ(豚肉の部位の名前)のグリルと、上海風ベジタブルライス。
このお米はゆめぴりかを使っているという。
「あーっ! あまりにもうまくて写真を撮り忘れた!」


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Sumiyaki Coffee.
塩味カスタード入りの卵白を揚げたデザート。炭で色をつけている。
コーヒーマスカルポーネムースと共に。
「このどう見てもまずそうな外見、そして、うまい……! なんなんだよもう……!!!」

興奮しきったままディナーを終えた。
「もう、オレはがっくりと膝をついて泣き出したい気分だ。どうしたらこんな料理ができるんだ?
香港だからなんだな。この“プライドのなさ”は真似できないよ。
料理って、どうしても自分の専門や自分の国から離れられないんだよ。
日本人だったらやっぱり日本料理のセオリーから逃れられないとか、フランス人シェフが日本料理のテイストを入れると言っても、フレンチの中にアクセントとしてほんの少し取り入れるくらいとか。
だからほとんどのフュージョン料理はどっちつかずで失敗する。“創作料理”という名のおいしくない店がいっぱいある。
だけどここは完璧に変なプライドから自由だ。
西洋と東洋ということへの、コンプレックスもこだわりもない。まさに香港っていう土地の根無し草ぶりを体現した料理だよ。
こんな店は日本では絶対に生まれないね。参った。香港すごい。ほんとに、なんという料理だ。感動した! いやあ、うまかった!!」

私や夫は、何度来ても「おいしい!」「食べたことない!」という素人な感想しか出てこないのだが、コックが素材や調理など、料理を分析するとこういう感想になるのか。
しかし、ここのおもしろさを完璧に理解し、「香港という場所でしか生み出し得ない」というところにまで考察が及ぶのはえらいものだと思った。

いつも予約のメールをやりとりしている、サービスチーフのクリスさんは、「皿洗いの女性が休みで、今日はぼくが皿洗いをしなくちゃいけないので……」と、厨房の奥から出てこられず残念だった。
しかし、代わりに二番手の若いサービスマンが、時に筆談も交えつつ「アキタコマチ」に丁寧に説明をしてくれていた。
メールで「息子がコックで、貴店にとても興味を持っているから」と伝えておいたのだ。
「東京のフレンチレストランで働いている」と言うと、
「ぼくは日本の料理の本を読んで勉強しています。ええと、“カイセキリョウリ”の(“懐石料理”と紙に書く)。ええっとその本は、日本の学校の本で……(“辻調理”と紙に書く)。」
「あっ、ぼくはこの学校を卒業しました!」と「アキタコマチ」も驚き、若手サービスマンと盛り上がっていた。

サービスチーフのクリスさんのことを見るや「あの人がチーフだね。いかにも切れ者っぽい。厳しそうな人だな。スタッフには厳しい人だね。見てすぐわかる。」とも言っていた。
このユニークなレストランに初めて来て、ここまで堪能して勉強してもらえたら、フード合宿も成功である。
次回は正統派フレンチレストランへ。
フード合宿のフィナーレとなる。
(後編に続く)


by apakaba | 2017-01-23 15:53 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2017年 01月 09日

香港フード合宿・前編

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夫が香港好きなので、私が毎年連れて行っている。
昨年の8月に行ったとき、次回は次男を連れてきてやろうということになった。
次男「アキタコマチ」はフランス料理のコックをしている。
毎日猛烈に働いている次男に、食べて食べて食べまくって味の勉強をしてもらう旅をプレゼントするわけだ。
その代わり、航空券は自分で買い、ホテルも3人部屋。
観光はナシ、ただ食べるだけ!
二泊三日の“フード合宿”だ。

では!
(なにしろ観光してないことだし!)食べ物記録いってみよー!


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早朝の羽田空港で、「アキタコマチ」のオーダーはこれ。大盛り。
若いってすごいね……。


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「アキタコマチ」の機内食は、リクエストしてあったベジタリアンヒンズーミール。
とにかくこの某航空会社の機内食は悲惨をきわめているため、特別機内食をオーダーすることにしている。
ちょっと味見したベジタリアンヒンズーミール、大変おいしうございました。


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これは私のベジタリアンミール。
こっちはたいしておいしくなかった。
しかし野菜だけなのは胃もたれせず、ありがたい。

空港に着くと、いきなり今夜飲むためのワインをDFSで選ぶ。
赤・白1本ずつ。これは「アキタコマチ」が買ってくれた。
その後、空港の「何洪記」で、麺と炒飯の昼食。
「アキタコマチ」は「乾物のだしがすごい。味付けした味じゃなくて、乾物のうまみから出てくる味が!」とさっそく感激していた。


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ホテルの部屋にあったノスタルジックなエスプレッソマシンを使う「アキタコマチ」。
「オレはそこらへんのカフェの店員よりは、よっぽど上手にエスプレッソを淹れられるよ。このマシンも勉強したから扱える」そうで、私が触ろうともしなかったマシンで私たちの分を作ってくれた。


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ディナーにはなじみのプライベートダイニング「法租界」へ。
詳しくは中編に書く。

ディナーのあと、まっすぐホテルへ帰るかと思いきや、さすが誘惑だらけのランカイフォン、男二人が「もう一軒行く!」と言って聞かない。
仕方なく(夫は財布も持ってきていない)適当なバーに飛び込んで大散財をしてしまった。


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勘弁してよ……しかし「フード合宿だ」とグッと我慢。
「アキタコマチ」は英語がしゃべれないくせに、なぜかお酒(スコッチウイスキー)の質問はひとりでガンガンしているようだった。
なんですかねあれは。


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翌朝は上環にあるコーヒー店「Brew Bros Coffee」へ。
日本人バリスタが店主で、私もなじみのお店なのだ。
ここのことを書いた記事はこちら。


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がっ、つい最近、2号店をオープンさせ、店主の小野さんはそちらへ行っていて留守であった。
「アキタコマチ」に、海外で飲食を勉強した人のお話を聞かせてもらえたらいいだろうと思って連れてきたのだが、残念。


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あいかわらず、キリリと酸っぱい、フレッシュなコーヒーであった。
私はフィルターで「ルワンダ」というコーヒーを選んだ。
1994年の大虐殺のことを思い出したからであるが、現在のルワンダは大躍進を遂げているという。
「アキタコマチ」は、初めての味にぶったまげていた。
「こんなコーヒーは初めてだ! コーヒーというより、お茶のようだ。でもワインのようでもある……」と感動している。
「ものすごく、飛び上がるほど酸っぱいけど、少しも嫌な酸っぱさじゃない。いやこれは初めての体験だ!」
どうしても店主の小野さんと会わせたくなり、午後からひとりで2号店へ行かせることにした。


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「アキタコマチ」がひとりで三つ星レストランのランチへ出かけている間、私たちは分相応に質素なランチ。
ねぎと生姜の麵と、臓物入りおかゆ。
「アキタコマチ」は、三つ星レストランよりも、そのあとに行った「Brew Bros Coffee」2号店の方がよほどおいしかったという。
ランチのあとなのに、勧められるままにカフェランチを食べてしまったと。
若いってすごいね……。

小野さんは、オーストラリアでコーヒーの勉強をして、そのまま日本へ帰らず香港で自分の店を開いたという人。
「日本がまったく視野に入っていないところがすごい!」と、ひたすら刺激を受けたようだった。
世界は広い。
そして飲食業で世界を渡っていくことは、いくらでもできるんだ。

ディナーは、これもなじみのフレンチレストラン「カプリス」で。
詳しくは後編に書く。

翌日の朝食は、フォーシーズンズホテルでいつも入る「Blue Bar」。
おいしくて何度もおかわりに立つ。
この朝食がとっても高いのだけど、これもフード合宿のためだとがんばる。


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私だけでも、これくらいは食べる。
いわんやをや。男二人の元を取ることといったら。
ひっくり返るほど食べてから、部屋でゆうべのディナーのプティフルールを詰めてもらったのを、さらに食べる。


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機内食、私のベジタリアンミールは、やっぱりたいしておいしくなかった。
サラダにドレッシングはおろか塩すらも付いてこず、レモンを絞って食べるというストイックなものであった。


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一方、「アキタコマチ」のベジタリアンヒンズーミールは、やっぱりバカウマなのである(サラダは同じだったが)。
損した気分。
新宿でお好み焼きをササッと食べて、フード合宿終了。
大変な散財をした。
しかし、この先おそらく一生ないであろう、この3人での合宿は、我々両親が予想していたよりはるかに、「アキタコマチ」には得るものがどっさりあったようである。
中編に続く。



by apakaba | 2017-01-09 22:19 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 11月 10日

「ササニシキ」25歳の誕生日祝いなど

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秋生まれの誕生会ラッシュも、長男「ササニシキ」の誕生日をもって終了。
次男「アキタコマチ」のディナーは、とりもものソテーだ。
焼き具合がうまいのは当然としても、ソースが完璧にフレンチのソース。
鶏ガラからちゃんと作ったソース、コンソメなどの調味料ゼロのおいしさに一同うなる。


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デセール(デザート)は柿。
柿をキャラメリゼして、ヨーグルトと生クリームを共立てしたクリームに、ナツメグなどで風味づけし、お酒にも合うデセールになっている。
「アキタコマチ」から「ササニシキ」へのプレゼントのワインは4人ですぐに空けてしまい、グレンモーレンジのソーテルヌカスクも全部空けちゃった。
(結婚記念日祝いに「アキタコマチ」がくれた。その日の記事はこちら)


飲みながらアメリカ大統領選の話をする。
我が家でもトランプが勝つとは予想していなかった。
夫に勧められ、今さらながら、『アメリカの反知性主義』を読み始めた。


by apakaba | 2016-11-10 21:10 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 10月 26日

夫の誕生日祝いの宴

うちの家族は5人中4人が秋生まれで、この時期はお誕生日ラッシュ。
今日は夫の誕生日祝いをした。
夫は、もう本当の誕生日は過ぎて、すでに50歳になっている。
今日は次男の「アキタコマチ」が休みなので、例によってディナーを作ってくれた。
ディナーといっても、おつまみだけというすごいメニュー。

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焼きなすとガルバンゾーのレモン風味ムース。


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とりレバーと砂肝のパテ。


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里芋と栗のピュレ。

ビジュアル的には限りなく離乳食だが、どれも素人には決して作れない味で、かなり食べ過ぎた。
「アキタコマチ」が、日本ではめったに見ることのできないトカイの「アスー・エッセンシア」をプレゼントしてくれて、一同、大盛り上がりのうちに一瞬で飲みきってしまう。


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ありがたやー。

「ササニシキ」に「おいしい?」と聞くと、
「長野県の。長野県の……なんだっけ、地名。」
と言う。
「長野県の避暑地。……軽井沢。軽井沢の……コテージの……2階。2階の……」
そこまで聞いて、一同が耳を傾け続けることを諦めたとき、「アキタコマチ」があとを受けて
「うん、木の香りを感じるよね。」
ととてつもなく絶妙な合いの手を入れて、助け舟を出す。
私はビックリする。
長野県長野県と切れぎれにつぶやいている男の言いたいことをそんなに汲んでやれるなんて、「アキタコマチ」にしかできないのではないだろうか。

「わかる。木っていうか樽の香りだよね。」
「そう。そう。あと、えっと……他にも、長野県の……香りがする。……りんごの……」
「ああ、そうだね、カルヴァドスみたいな香りも感じるよね。」
すごいなこの二人。
ちゃんと通じ合っている。
断片的な言葉を拾える「アキタコマチ」がすごいのか、「ササニシキ」が実は的確なのか?

「ササニシキ」に「お父さんへの誕生日プレゼントはないの?」と促すと、
「もちろんあるに決まってるじゃない。」
と、得意満面でポケットから取り出す。
「お父さんに、というかおふたりに。」
私も先月が誕生日だったが軽く無視されていた。
映画館で使える「シネマギフトカード」をくれた。
夫婦のどちらかが50歳になると、多くの映画館で割引になることだし、「これで二人で映画を見てきてください。」と。

ありがたやー。

ちなみに「コシヒカリ」は、食あたりでほとんど何も食べられず、プレゼントも用意できず、失意の日。


by apakaba | 2016-10-26 23:02 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 09月 22日

一応、誕生日ディナー

私の誕生日が近いので、ゆうべは家族そろって誕生日ディナーにした。
した、というか、いつものように次男「アキタコマチ」が作ってくれたのだが。
水曜日が定休日なので、家族の誕生日ディナーは必然的に水曜日になる。
「アキタコマチ」が作ると言うと、夫も「ササニシキ」も「コシヒカリ」も、ふだんより何時間も早く家に帰ってくるのがすごい。
なんて現金なの。

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牛タンの赤ワイン煮。
おいしいに決まってますね。


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湯引きした血鯛のサラダ。
ミモレットとキヌアパフを載せた。


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黒糖とくるみのタルト。
お盆休み返上で、スーパーパティシエのもとで修行してきた(その話はこちら→お盆休みも働くの)。
伝説のシェフに気に入ってもらえたようで、シェフが講演する食のフォーラムの手伝いに駆り出されたりしている。
その会場で、またいろいろな飲食業界のえらい人に紹介してもらったらしい。
その期待に恥じないよう、がんばってください。

勤め先のシェフから「休日は何をするんだ」と聞かれて、「母の誕生日パーティーということで、毎年のように僕が作るんです」と答えると、シェフは感激して半泣きだったと。
「アキタコマチ」は、昔からみんなの息子だ。

それにしても食べたね。
「これ以上の味を出すには、お店(勤め先)のだしがないと……」と本人はもどかしがるが、我々シロート(残りの4人)には、年に何度かしかありつけない、すてきなディナーよ。
日本の将来の飲食業界を、牽引していってくれ。

ところで我が家は、私にプレゼントをくれない。
夫も長男も次男も(彼は料理をするが)くれない。
娘だけが律儀にプレゼントをくれる。
きのうはスリッパをくれた。
うれしいねえー。


by apakaba | 2016-09-22 22:00 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 07月 21日

「コシヒカリ」の誕生日パーティーの「アキタコマチ」のディナー

娘の「コシヒカリ」の誕生日が近いので、きのう定休日だった次男の「アキタコマチ」はいつものようにごちそうを作ってくれた。

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手前は生ハムと焼きなすのカッペリーニ。
「コシヒカリ」が「お雑煮の味がするー」と言っていたが、つまりは焼きなすのロースト臭のことを言っているのね(焼き餅の匂い)。
奥はマッシュルームやアスパラ、トマトなどをごく薄く切ったサラダ。
ドレッシングも作っていた。


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血鯛とさばを西洋料理の手法で〆たと。
洋風の“つま”はズッキーニ、芽ねぎ、大根、にんじんなど。
「芽ねぎ以外は全部オレの手切り」と「アキタコマチ」が言うと、「ササニシキ」は野菜の細さに仰天して目を見張っていた。
野菜たっぷりで、うちに向いている夏らしいメニュー。
作り方は全部自分で考えたという。
おいしかったなあ。コックが家にいるといいなあ。
5人で食事をしたのは、何ヶ月ぶりだろうか。

それからは恒例の、「コシヒカリ」以外がやたらとスコッチウィスキーを飲んでしまう時間帯。
主役のはずの「コシヒカリ」は、ケーキを食べるとさっさと退散してしまった。
まあほんとの誕生日の日には、好物の焼き鳥でも食べに連れて行くから。


by apakaba | 2016-07-21 18:09 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 05月 05日

また結婚記念日を祝う

GWをいかがお過ごしですか。

ゆうべは次男「アキタコマチ」が、「一週間遅くなったけど、結婚記念日をお祝いしてあげる。」と言って、ディナーを作ってくれた。
クロアチア土産のトリュフのオイル漬けとトリュフ塩があり、それを見せると「何これオレの出番じゃん?」と、最近お店で特別メニューとして出しているリゾットをやってくれた。

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プレーンリゾットと、トリュフ入りリゾット。
たけのことアスパラのサラダ。
アスパラは皮をむいて、生のままごく薄切り。
リゾットって作るのが難しいのよね。
おいしい。かなりのお値段をつけられるレベル。

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「アキタコマチ」からのプレゼント。
グレン・モーレンジのソーテルヌカスク!
ありがたやー。
あまりにもやわらかく華やかな香りに驚き、ストレートで3杯飲んじゃった。


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「コシヒカリ」が作ったカスタードプリンに、「アキタコマチ」が買ってきたケーキ添え。
ありがたやー。
よい子たちだー。

あ、長男「ササニシキ」はですね。
どこかで飲んできたらしく、朝帰りして、夕方のそのそ出てきてお風呂に入ったらそれっきりなにも食べずに部屋に引っ込み、いつもは真っ先に飲むはずのグレン・モーレンジも一口も飲まず、一言もしゃべらず座ってましたね。
なんだあれは二日酔いってこと?
いずれにせよ、よい子じゃないのが一人いたな。

しかしよい子でもよい子じゃなくても、5人そろって食事ができるのは、本当に貴重だ。


by apakaba | 2016-05-05 15:18 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2016年 01月 01日

大晦日恒例「冬の大感謝祭」は今までとは別物!

あけましておめでとうございます。


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暮れに「老いては子に従ってみる年末 」に書いたとおり、次男「アキタコマチ」が大晦日のディナーをすべて作ってくれた。
勤めているレストランの仕入れ先から、最高級のシャラン鴨を格安で買わせてもらった。


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きのうやったロースト法は、今流行りの手法らしい。
オーブンで、焼くのと火を止めて余熱で火を通すのをくりかえすという。
たとえば10分焼いたら、オーブンから出して同じ時間(10分)休ませ、また10分焼いて10分休ませてという具合。
時間はかかるが完璧な火通しになるという。

これを解体して、骨を砕き、粉々の骨を炒めてからワインで煮詰めてソースを作ろうとしていた。
しかし、ここで投入したフォアグラが予想以上に油脂分が多く、乳化されず分離してしまった。
ソース失敗。
急遽リカバリーを試み、だいぶあわてながらもなんとかソースを作り上げていた。


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見てくださーい!!!!!!
黒トリュフ、まる1個!
これも勤め先のつてで、日本で食べられる黒トリュフの最高峰を破格で譲っていただいた!!
私はトリュフが大好きで、「いつかトリュフを好きなだけ食べてみたい」と思っていたけど、まさか自宅で食べられるとはね!
これは卵に香りを移している途中。
ココットで蒸して、そこに豪快にトリュフを削るという。
「卵がすっかり見えなくなるまで削れよ! 俺のトリュフ削り器を貸してやる」
と、シェフからのアドバイス。アンド、ありがたくもトリュフ専用削り器を貸していただいた。


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幸せすぎて気絶しそうです……!!!!!!!!!!!!
「もっとかけてー! もっとー!」と叫ぶ。
しまいには、削ったトリュフだけをつまみに飲み続ける私。
もう一生、できないかもしれない……。

「ココットは卵に塩を振らず、ココット容器のほうに塩をしておくこと。」
シェフからのアドバイス。
たしかに、塩がダイレクトにガツンと舌に触れないぶん、トリュフの香りを楽しめる(気がする)。


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「バトー(骨つきの胸肉)ならではの食べ方は、繊維に沿って長く切った肉と、繊維を断って短く切ったものを両方とも盛り付けて、食感のちがいを楽しむ方法なんだ。」
これもシェフからのアドバイス、ありがたやー。
たしかに、切り方によって、肉の味わいがちがう(気がする)。

ガルニチュール(付け合わせ)でチラッと見えている「里芋と下仁田ねぎのピュレ」は絶品だった。
これまた個人で買うのはまず不可能であろうモノスゴいチーズもうまく手に入れて、それにトリュフをガリガリかけたりして、これ以上無理というくらいの贅沢なディナー。
私も奮発してモエのピンク(ハーフボトルだけど)を買ったが、「ササニシキ」が買ってきたなかなかいいワイン2本もすぐに空いて、スコッチやヴィンテージポートを飲んだ。

長男が肉とワインを買い、次男が調理する「冬の大感謝祭(長男命名)」は、「アキタコマチ」がプロ料理人になったことで一気にヒートアップした。
「次は骨つきの羊、次は鳩、その次はうさぎ……」
なにも買ってくれず、大掃除もまるっきり手伝わない夫が夢ばかり語る。
「そしてフランスに修行に行って、それから香港かニュージーランドで店を開けよ。」
ご機嫌でなにより。

「ササニシキ」よ、肉とワインを買ってくれてありがとう。
「アキタコマチ」よ、作ってくれてありがとう。
そしてシェフとスーシェフのおふたり、新入りの息子にありがたいアドバイスと日頃のご指導ありがとうございます。

おせち料理も「アキタコマチ」が完璧なだしを引いて全部作ってくれて、楽々な年末年始。
子供がいずれみんな家を出て行ったら、楽になるけどさびしいだろうなあ。


by apakaba | 2016-01-01 14:42 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2015年 12月 22日

ラーメン二題

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トシのせいか、夜になると眠くて眠くて、ブログを書く力が残っていない。
書きたい話題は山ほどあるし、昔は夜中でも書くことができたんだけどなあ。

というわけで、吉祥寺の人気ラーメン屋、一ヶ月ほど前の撮影。
パクチーどっさりかと期待するも、トッピングの半分はパクチーではなく豆苗だった。
甚だ失望。
そしてキャベツはたっぷり入っているものの、ねぎが見当たらず、これも失望。
ラーメンにねぎが入っていないと、締まりが悪い。

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教訓を活かし、自宅にてふかひれラーメン、ねぎたっぷり。
だが魚介のわざとらしいうまみ付けが大変うるさく感じられ、ねぎたっぷりも効力なし。

やっぱりふつうの東京醤油ラーメンが好きかなー。
横浜出身だというと、「サンマーメンとかいうラーメンがあるんでしょう」と聞かれることがあるけど、東京のラーメンのほうが私は好き。


by apakaba | 2015-12-22 23:11 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2015年 08月 08日

四谷「レスプリ・ミタニ ア ゲタリ」でフランス時間を過ごす

次男「アキタコマチ」が就職してからは、うちの家族5人がそろって食事をすることは、数ヶ月にいっぺんになった。
次男が行きたいと前から言っていたレストランへ、うちの5人と義父母とで行ってみた。
四谷の「レスプリ・ミタニ ア ゲタリ」へ。
肉の塊を豪快に切り分けてみんなで分けて食べるというのが売りのレストランだという。

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コースの冷たい前菜はトビウオのマリネ。
トビウオをここまでおいしいと思ったのは人生初かも。
じゃがいも・玉ねぎ・にんじんという家庭の野菜三種の神器は、温かい。
冷たい魚と温かい野菜、ささっと食べるのがよし。


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四角いのは豚足と豚耳のガレット、丸いのはモツの入った腸詰め。
かなり癖のある温かい前菜。
うちはもちろん変わったものが大好物なので、この時点ですでに食前酒と、ワイン2本が空だ。
こういうものが苦手な人にはきのこのオムレツに替えられるという。
これも看板の一つらしいが、癖のあるものに邁進する我が家には、ガレットと腸詰めが正解だった。

「この野菜は、セルバチコだよ。」
「アキタコマチ」が教えてくれた。
「ルッコラに似ているけど、ルッコラより野性味があっておいしいでしょう。」
教えてもらわなければルッコラと勘違いしたまま食べてしまうところだった。
料理人と一緒だとこういうところは楽しい。


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これも看板の一つ、魚のスープ。
あなごをたっぷり使ったザラザラした舌触りの野性味あるスープで、ここにグリュイエールチーズを載せた薄切りパンを沈める。
ザラザラしているのは骨も入っているからだろう。
スープというと透明なスープか、生クリームを飲んでいるような滑らかさ重視のスープが多いのに、この力強さはおもしろい。


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ふたり以上の場合、前日までに注文しておくと、メインは塊の肉にすることができる。
乳飲み仔羊、ホロホロ鳥、シャラン鴨、ウサギ、仔牛、イベリコ豚(だったかな?もっとあったかな?)の中から選べるが、人数が多いので仔羊と鴨の二つを選んだ(仔羊が多いので、シャラン鴨ではなく小さめの鴨に変更)。


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豪快なビジュアル。
ローストした羊はその場で切り分け、あとは各自で好きな部位を取る。
野生児の「コシヒカリ」の本領発揮で、迷わず大きな骨付き肉を両手でつかみ、顔をベタベタにしながらいつまでもしゃぶりついている。
あの娘の「骨周り」への執着は人類を超えている。


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見ての通り、付け合わせの野菜は素朴そのもの。
でもおいしい。
仔羊についていたきのこは、また「アキタコマチ」が「これはフランス産のきのこだよ。」と教えてくれたが、いい歯触りだった。


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ワインを3本飲んで、各自食後酒を飲みながらデザートへ。
私と夫は、桃まるごと一個の軽いコンポートの中にアイスクリームの入ったもの。サワヤカ。


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お酒を飲まない義母と娘はさらにサワヤカなフルーツ。


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フランス料理修行中の次男は、もっとも通好みな感じで。
赤ワインのタルト。
食べたことのないおもしろい味! 驚き。


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義父と長男「ササニシキ」は、奥にあるつややかなオペラ。
「アキタコマチ」は、「勝負に出ている……! こんなに苦いチョコレートはなかなか使えない!」とまた驚いていた。

おもしろいお店だった。
大人数で行って、大きな肉を取り分けて食べるという形式は盛り上がる。
コースの組み立てとしては、ふたつの前菜とスープからすでに相当どっしりしているので、よほどの大食いでないと、重く感じるだろう。
さすがの我が家でも食べきれず、残りの肉を持ち帰った。
しかし、一皿一皿の気合の入り方が、そこらへんの軟弱なフレンチとは段違いのレベル。
イマドキの、見た目がちょこまかキレイで、やたらと軽めで甘くて冷たい前菜(泡立てたりムースだったり)は飽きる。

一皿ごとに、確実にフランスを思い出させるものを持っている。
盛り付けの素朴さや大胆さ、「日本人」の好みにおもねらないところがいい。

そして駆け出しとはいえプロのフランス料理人が一緒だと、いろいろ教えてくれるので楽しい。
自分だけなら「食べたことない。なんか、おいしーい」で終わってしまうところだ。
義父母の支払いなので孝行ともいえないけれど、老夫婦ふたりで食事していれば盛り上がりようがないものを、こうして大人数でドカドカと食べるのは、やっぱり幸せなことだろう。
そういう会食に最適の店だ。
楽しい夜を過ごせた。
「男フレンチ」の異名をとるレストランだそうだが、よくわかった。
飾り気なく、味に妥協しない、フランスのフランス料理そのものだった。


by apakaba | 2015-08-08 12:09 | 食べたり飲んだり | Comments(0)