あぱかば・ブログ篇

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カテゴリ:ボルネオ( 12 )


2013年 03月 18日

ゴーゴー・ボルネオ!〜インデックス

連載期間がだいぶ間延びしたので、インデックスをつけます。

チャンギ空港編
ボルネオ島コタキナバルへは、シンガポールでトランジットしたため、大好きなチャンギ空港でも楽しく遊んでいます。
空港内のひまわりガーデン、スイミングプール、そしてタイガービールのシグネチャーバー!

トランジット/コタキナバル空港&シンガポール編
シンガポールでのトランジットも楽しく!
目的地はコロニアル建築のブラック&ホワイトハウスの、ジャパン・クリエイティブ・センター。
シルクエアーの機内食はおいしうございました。

ジェッセルトンホテル&コタキナバル散策編 その1
コタキナバル随一の老舗ホテル、ジェッセルトンホテルに2泊。

ジェッセルトンホテル&コタキナバル散策編 その2
コタキナバルのおいしいものを駆け足で食べたり、街をちょっとだけ歩いたり。

ガラマ川クルーズ編 その1
ハンサムで日本語堪能なガイドのジェイソンさんの案内で、一日ネイチャーツアー。
ガラマ川をめざす。
道中、さまざまな解説を聞き、この土地の産業や問題などを知る。
生まれて初めて食べたドリアン・ダリ、おいしうございました!

ガラマ川クルーズ編 その2
いよいよ川にボートを出して、テングザルの住む森へジャングルクルーズ!
テングザルのお姿は、崇高でユーモラスで、胸を打たれました……!!!!!!!

ガラマ川クルーズ編 その3
ボートに乗れば他にもいろいろな生き物を見ることができる。
ミズオオトカゲやサル、キラキラと輝く蛍の大群、そして、えっ!ワニ?
それはジェイソンさん、さすがにまずいんじゃないの……?

キナバル公園編 その1・ナバル村
翌日のツアーはガイドのベンさんとドライバーのケンさんの愉快なコンビ。
まずはナバル村というところで、生まれて初めてタラップという果物を食べます。
おいしうございました!

キナバル公園編 その2・公園散策
キナバル公園の中を歩き、植物について教えてもらう。
植物園のランは圧巻でした。

キナバル公園編 その3・ポーリン温泉
ポーリン温泉を散策して、キャノピー・ウォーク体験。
見はるかす樹冠!感動しました!
だが温泉はイメージとちがうから注意だぞ!

キナバル公園編 その4・ラフレシア
最終回。
幻の花ラフレシアを見に行こう。
テングザルとラフレシア、異形ともいえる極端な形は、まごうかたなき一つの究極。
熱帯雨林の懐は、あくまでも深かった……!!!!!!!

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こんどは、ボルネオ島にゆっくり滞在したいなあ。

by apakaba | 2013-03-18 18:48 | ボルネオ | Comments(4)
2013年 03月 18日

ゴーゴー・ボルネオ!(最終回)〜キナバル公園編 その4・ラフレシア

キナバル公園編 その3・ポーリン温泉のつづき。

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ポーリン温泉を出るとき、往きと同じ橋を渡ると、陽射しが勢いをなくしていることに気づいた。
午前も午後も熱帯雨林散策で、だいぶ時間が経っていたのだった。

ボルネオ島滞在の最終目的、ラフレシアへ!

by apakaba | 2013-03-18 16:32 | ボルネオ | Comments(0)
2013年 03月 17日

ゴーゴー・ボルネオ!〜キナバル公園編 その3・ポーリン温泉

キナバル公園編 その2・公園散策のつづき。

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晴天だが山上には雲が出てきた

ポーリン温泉に向かうため、車に戻ると、ドライバーのケンさんは道沿いに広がる空き地を示しながら「ここは日本の資本で、豪華なリゾートホテルが建つらしいですよ」などと教えてくれる。
「ホテルが建てば、日本からのお客さんも増えるし、私の仕事も増えるとは思いますけど……せっかく自然がいっぱいのところなのに、それがここの良さなのに、これ以上ホテルとかはいらないのになあ……このままでいいのになあ……と、私は思うんですよねえ。」
本音なのかどうかわからないが、若いケンさんはそう話していた。
雇用を生むのは現地にとっていいことだとは思うが、環境破壊を心配するのもわかる。
きっとケンさんは、そこまでガツガツ仕事を求めなくても十分に収入があるのだろう。

ポーリン温泉でキャノピー・ウォークをやりますよー!

by apakaba | 2013-03-17 15:52 | ボルネオ | Comments(0)
2013年 03月 16日

ゴーゴー・ボルネオ!〜キナバル公園編 その2・公園散策

キナバル公園編 その1・ナバル村のつづき。

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すばらしい晴天に恵まれたので、キナバル山の勇姿もよく見える。
いつか是非、あのてかてかした山肌を歩いて、頂上まで登りたい。

では、キナバル公園を歩いてみましょう!

by apakaba | 2013-03-16 16:51 | ボルネオ | Comments(0)
2013年 01月 15日

ゴーゴー・ボルネオ!〜キナバル公園編 その1・ナバル村

ガラマ川クルーズ編 その3のつづき。

ガラマ川クルーズの翌日、早朝からまたツアーに参加した。
今度はキナバル公園とポーリン温泉をまわるコースである。

今日のドライバーはケンさんという中国系の男性で、ガイドはベンさんというマレー系に見える男性であり、流暢な日本語を話せる凸凹コンビで、車内はずっとにぎやかだった。
コタキナバルからキナバル公園までは片道2時間ほどかかるが、ケンさんベンさん二人による、道中に見える風景や建物の解説と、いやにていねいな日本語の掛け合い漫才のようなおしゃべりであっという間に時間が過ぎていった。

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強い陽射しを避けて、犬は車の影から出てこない

コタキナバルを出て1時間ほどのところにある、ナバル村という場所で途中休憩を入れる。
「キナバルとナバルって、なにか関係があるんですか?名前がそっくりだけど。」
と尋ねてみると、ベンさんは
「さあ〜、多分、キナバルの手前だからナバル、じゃないですかねえ。」
テキトーな答えだが、なんとなく正解のような気がする。
ちなみにキナバル山とは「なすの山」という意味で、「なすが採れたからでしょうねえ。」とのことだった。
私は、キナバル山にここ数年来あこがれを抱いてきたので、勝手に崇高な意味があると思い込んでいた。
たとえば「神の宿る山」とか。
「輝く頂」とか。
「なす」とは思いもしなかった。
きのう訪れたガラマ川のガラマがカニ、キナバルはなす、名付け方が生活密着でシンプルだ。

標高800メートルのナバル村は、日本から仕入れて広がった、しいたけのビニールハウス栽培がさかんだと聞いた。
ビニールハウスは、高級品だとひとつ300万円ほどするそうだが、効率的に収穫できるので増えているという。
とはいっても、しいたけは日本で食べればいいし、ここはやはり、きのうの露店で見かけた、こちらの特産フルーツを試してみたい。
きのうはドリアンダリを初めて食べてみたので、今日はもう一つの、気になっていた「タラップ」を食べてみる。

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これがタラップ。一個で3リンギット。露店で熟した実を選んでくれているベンさん

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そしてタラップを割って実を出してくれているケンさん。二人とも、とってもやさしい

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初めて食べたタラップは、一人でも一個分全部を平らげられるおいしさだった。
きのうのドリアンダリも甘かったが、ほろ苦く香ばしいような芳香が強く、大人っぽい風味だったのに較べて、タラップはもっとジューシーで万人受けする甘さで、これがあればお菓子なんかいらないと思うほどだった。
だが、ベンさんケンさんは、
「おいしかったですか!でもわたしたちは、果物ぜんぶに、“魔法の粉”をかけるんですよ。そうするとなんでもおいしくなるんですよ。いろいろなところで、果物に砂糖をかけたり、塩をかけたりするでしょ。わたしたちは砂糖でも塩でもなく魔法の粉をかけるんです。」
とあやしいことを言う。
「なんですか魔法の粉って。あぶないクスリじゃないの?」
といぶかるが結局どういうものだかわからずじまいだった。
人工甘味料か、それとも、たとえば果物などから抽出した自然食品かなにかだろうか?
自然のものならいいが、人工甘味料だったらガッカリである。
せっかく南国フルーツはこれだけで十分おいしいのに、なんにでもかけてしまうというのは、味覚破壊しそうでおそろしい。

この休憩所でしばらくのんびりしていた。

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大変幸運なことに、すばらしい天気である。
キナバル山もよく見える。
展望台があるので、上ってみた。
展望台の脇にあるパイナップルのオブジェは、「村のシンボル」だという。
このあたりにはたくさんの村があり、各村の入り口のロータリーに、その村が力を入れている産業や、村の特産品などの大きなオブジェを置くということである。

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コタキナバルを出発してすぐにキナバル山の勇姿は遠くに眺められたが、ここまで来ると、だいぶ迫力が出てきた。

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このいい景色をなんとか収めたいとiPhoneのパノラマ機能を使ってみるも、初めての試みでぜんぜんダメ

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ここまでサービス精神旺盛だとこっちも観光客冥利に尽きるよ

この辺りの住民は、ルソン族の人が多いという。
ルソン族は、マレー系より肌の色が白めで、やや目元がきりっとして、中国系に似た顔立ちである。
言われないと意識しないが言われてみるとたしかにそんな感じだ。
また、この辺の山の中に暮らす人々はキリスト教徒がほとんどだという。
山奥までがんばって布教したのは、やはりキリスト教宣教師だったからだ。
こういう場所に来ると毎度思うが、本当に宣教師はよくがんばることだ。

ナバル村周辺では、焼き畑でバナナや赤米をつくっている。
野生バナナもたくさんあるが、実が小さく種が多いため、人々は果実をそのまま食べず、料理につぼみや葉を使うという。

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目の形が同じ

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ケースに入っていると、ハエがたからなくていいね。

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パイナップルはひなたに置いて追熟させているのかな。ただ置いてあるだけかも

「犬には触らないでくださいね。」
と、車から降りる前に注意されていた。
だらだらしているように見えても、犬はペットとしてではなく番犬の目的で飼われているからだという。
あやしい人間だけでなく、山にいる毒蛇などから守ってくれる。

だが、山では犬以外の動物はあまり飼わない。
低地では家畜がたくさんいるが、山に入るとあまり見かけない。
低地の人間の結婚では、結納の品に、男性のほうから水牛が贈られることがあるそうだ。
ベンさんも水牛2頭を妻の家に贈ったという。
ほかには、家の柱を贈ることもあるという。
結納品が水牛や家の柱とは、現金に較べて大掛かりなことだ。

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ケンさんは、ドライバーといっても単独でガイドもできそうなほど日本語がちゃんと話せるし、日本人的な会話の機微を心得ている。
「わたしもキナバル山に2回登ったことがあります。」
とケンさんが言うので、
「へえ!私も今回は無理だけど、いつか絶対登ってみたいんですよ。どうでしたか?」
「もーう二度と登りたくないですねえ!」
「えええ〜。そんな。やっぱりきついんですか?」
「ゆっくり登れば大丈夫ですけど、そのときは日本人の登山のお客さんと登って……日本人の年配の方は強いですねえ!年配の方は、ぜんぜん休憩を入れないんですよ。『どんどん行きましょう』って言われて、わたしは日本語は話せるけど登山はあまりしていないから疲れちゃって、でもお客さんが休まないと言ってるのに若いわたしの方が『待ってくださーい』と置いていかれるわけにはいかないし、ほんとに大変でした!死ぬかと思いました。」
なんか、わかるわ……日本で流行っている、中高年登山の人々が、国内では飽き足らずこういう山にも来ているのだ。
「その点、ベンさんはえらいですよ、山にいつも入っているからたくさん歩けますし。」
ケンさんがベンさんを褒めると、ベンさんはすかさず
「アナタはクルマばかり運転しているからダメなんですよ、歩かないと。」
と馬鹿にしてくる。
二人は本当に仲がよさそうだ。
年長のベンさんを、若いケンさんが立てながらボケたり突っ込んだりを続けている。
行程の打ち合わせなどの内輪の会話は現地語でささっと済ませ、日本人客に聞かせるためにはていねいな日本語で掛け合いをする気遣いをしているのだ。
きのうのガイドのジェイソンさんの日本語能力にも舌を巻いたが(その回)、この二人の誠実なガイドぶりも好ましく、とくに日本語の掛け合いには何度も爆笑させられた。
ケンさんが尊敬する健脚さを誇るベンさんの案内で、これからいよいよキナバル公園に入っていく。

その2 公園散策につづく)

by apakaba | 2013-01-15 08:55 | ボルネオ | Comments(2)
2012年 12月 13日

ゴーゴー・ボルネオ!〜ガラマ川クルーズ編 その3

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ボートが交通手段

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その2のつづき。
テングザルは、思っていたよりずっとたくさん見ることができた。
群れが高い木の上を飛んでいたり、枝に実った大きすぎる木の実のようにじっとしていたりするのを見かけた。
何度見ても、かわいい。
そしてうれしい。
生き延びるために厳しい環境をあえて選んだテングザル。
がんばって頭数を増やしていってほしい。

ボートクルーズはつづき、昔は多くの人が住んでいたという、ほぼ廃村のようなところも通った。
「あれはモスクです。もう使われていませんが」
と言われてみると、なんの変哲もない掘建て小屋のように見えても、たしかに玄関のあたりのデザインがイスラム風である。

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ジェイソンさんが岸辺の木の実をさしながら、
「これはポンポンの木といいます。」
と、かわいいことを言うので一同で和んでいると、
「別名“自殺の木”と呼ばれています。」
とおそろしいことを言い始める。
木の枝で首つりでもするのかと思ったらそうではなく、実に猛毒があるという。
ネズミ捕りの毒餌に使う、というところまではまだわかるとしても、
「インドのケララ州では、この10年間で537人がこのポンポンの木の毒で自殺しています。」
と、あっさり言われると、つやつやした実がとたんに不気味なものに見えてくる。

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トホホ、ピント外れ

白い花はあくまで可憐だ。
昔、ケララを旅したときは、豊かで教育レベルが高く、現地になじんだキリスト教会が味わい深い、のんびりした州だという好印象を持っていた。
それだけに、この実を使って自殺をする人が後を絶たないというのは、のどかなリバークルーズの途中ながらやるせない気持ちになった。
我が日本にも自殺者はたくさんいるが、そこらへんにある木の実の毒で死のうと思いつく人はきっときわめて少ないだろう。
所変わればというか。
ポンポンの木という呼び名はおそらくこの辺りでの通称だろうが、正式にはどう呼ばれているのかわからない。
ご存じの方がいらしたら教えてください。

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我々のボートよりずっと速いモーターボートが背後から近づいてきたと思うと、乗ってきたおじさんにジェイソンさんがお金を払ってチケットを渡してもらっている。
ここは自然保護区なので入場料を支払うのだが、川で徴収するとはのんびりしている。
ツアー代金に含まれているため、入場料がいくらなのかよくわからなかったが、数百円くらいだった気がする。
この森の保護保全や広報活動に役立ててほしい!

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逆光だがシルバー・リーフ・モンキー。テングザルやカニクイザルに較べてシャイな性格で、なかなか姿を見せない。生まれたばかりの子猿はオレンジ色の体毛、3〜5か月くらいからシルバーの毛並みに変わるという。カメラのおじさん撮影。

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同じく。ミズオオトカゲ。長くて立派な尻尾が目を引く。

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奥地まで行って、来た道(道というか川)をUターンしてもとの船着き場に戻ってくる。
全部で12キロくらいの距離である。
我々が戻ってくる途中、何回かほかの会社のボートとすれ違った。
私はこういうときはいつも「ハロー、ハロー」と手を振るので、向こうの乗客も無邪気に振り返してくれているが、内心では「あんなにお客を満載して、融通も効かないだろうなあ。ガイドさんに質問したり、撮影ポイントで停めてくれたり自由にできる、少人数ツアーの会社に申し込んでよかったなあ。」と、優越感にひたっている。

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これが我々の有能なガイドのジェイソンさんである。
ちょっと笑いすぎているが本当はもう少しハンサムである。
帰り道(道というか川)は徐々に雨が激しくなってきて、やや沈滞ムードになってきたが、ジェイソンさんは
「ここは雨ですけど、西の空が晴れていれば、夕焼けはちゃんと撮れますからね。」
と励まし、やがて木々がひらけると、言ったとおりに絶好の夕日ポイントだった。

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やった!
絶対に無理だと思っていたのに、夕日まで見ることができた。
でも興奮して身を乗り出すと、カメラが雨に濡れてしまうー。
ジェイソンさんは、「(カメラの設定は)“夕焼けモード”?」と言って茶化してくる。

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川面を中心に撮ってみると、大粒の雨が降っていることがよくわかる。
ああ、日が暮れていく。

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そして、もとの船着き場に上陸した。
だいたい1時間半くらい、この舟に乗っていただろうか。
まるで飽きることなく、あっという間だった。

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素朴ながらもなかなかしゃれている桟橋

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あー暮れていく……

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あー暮れていく……

桟橋にちょっと立っているうちに、いろんな生き物を抱える森は、みるみる真の闇になってしまった。
ここで夕食となる。
これもツアーの内容に組み込まれている。
ツアーに申し込むとき、私は、「せっかく屋台っぽい食事がおいしいマレーシアなのに、お仕着せの夕食はつまらないなあ。どうせバイキングの冷めた中華とかだろうし。」と思っていた。
とにかく束縛されるのが嫌いで、パッケージというものが大の苦手なのである。
だが先ほどのマレー式おやつが思いのほかおいしかったので、少しだけ期待する。

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運ばれてきた食事は、マレー料理で、感動的なおいしさだ!
このツアーに参加して本当によかった。
もう思い残すことはなにもない……!と満足しているところへ、ジェイソンさんは
「じゃあ、蛍を見に行ってみましょうか!」
と言ってくる。
こんなに雨がひどいのに、蛍なんか出ているの?
にわかには信じられず、とまどっていると、桟橋で真っ暗な森と雨の様子をいっとき見てきたジェイソンさんは
「まあ、大丈夫でしょう。行ってみましょう。」
とにこやかに誘う。
この大雨で蛍が見えるとはどうしても信じられないが、ここのことを知り尽くしているガイドが自信満々なのだから言うことを聞くか。

びしょびしょのボートに、再び乗り込んだ。
ついさっきと同じ川をもう一度進んでいるだけなのに、暗闇の中ではちがって見える。
というか見えない。
なんにも見えない。
ジェイソンさんは懐中電灯で川面のあちこちを照らしている。
照らしても蛍は見えないんじゃないの……と思っている矢先、突拍子もないことを言う。
「あっ。ワニがいますよ(!)(←なぜ「!」が括弧に入っているかというと、注目させるために力強く言っているが大声を出すと……以下略。テングザルと同じ)」
「えーっ!どこですか!どこですか!」
私は大騒ぎをして尋ねるが、「ほら、あそこあそこ」と言われても、ちっともわからない。
「あそこです。目が赤く光っているでしょ。」
大騒ぎしている私を落ち着かせようと、ジェイソンさんは何度もライトで指し示す。
やっと、赤い小さな光がわかった。

「あれがワニなの!?すごい、よくわかりますねえ!」
そのまま、遠くを通り過ぎていくのだとばかり思って言うと、
「そうです。ちょっと近づいてみましょう。」
「うええー!ちょっと!待ってよ!だってワニでしょ!大丈夫なんですか!」
「大丈夫ですよ、もうちょっと、もうちょっと近づいてみますね。」
「い、いいですから!ワニなんてそんなに近づいちゃあまずいでしょ!ちょっと!ジェイソンさん!やめてよ!」
すっかりパニックである。
だって暗闇の川にワニの目が光るなんて、怖くないほうがおかしいでしょう!
ボートなんか簡単にひっくり返されたりしたら、どうするの。

船頭さんに言いつけて赤い点にどんどん近づきながら、
「ワニは縦に細い瞳をしていますね。目に光を当てると、網膜を通して、その奥にある輝板に反射するのですが、ワニの目は光を吸収せず反射しやすいため、赤く光るのです。だから夜にワニを探すときはライトを使うのです。」
と説明する。
カメラのおじさんも、
「ああそうですね。ちょうどカメラと同じ原理ですよね。」
などと、いかにもこの人が言いそうなことを言っているが……ジェイソンさんの日本語能力の高さに驚きつつも、私は怖くて緊張していた。

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出ました!ワニです!!!!!!!!!!!!
……ち、小さい……頭から尻尾まで30センチくらい?赤ちゃんじゃないかー。
「イリエワニです。これはまだ生後一か月くらいです。大きくなると6メートルになるものもいます。」
怖がって損したなあ。
この川には、赤ちゃんのワニしか棲まないという。
これくらいのころには小さな虫などを食べて、もっと大きくなってくると、大きな餌を求めて別の川へ移動する。
だから暗闇の中でワニの目を見つけても、ちっとも怖いことはないのだった。

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カメラのおじさん撮影。さすが、全体がよくわかります

「逃げないんですね。子猿みたいに、好奇心に勝てないんですかね?」
「いや、これは好奇心というより、そういう気持ちが出てくるよりももっと小さいので、ちょっとどうしていいかわからなくてぼんやりしているだけですね。」
ジェイソンさんの答えにすっかり和む。
私は感激しやすいたちで、こんなけなげな生き物を間近で見ると、もうかわいくてたまらず、またもや泣きそうになってしまう。
「ワニの子供はだいたいは、鳥などに食べられてしまいますね。」
みんな成長してしまったら川はワニだらけになってしまうが、やっぱり赤ちゃんはどんな動物でも憐憫の情をもよおすものだ。
ライトに照らされてしばらくぼんやりしていた赤ちゃんワニは、のそのそと茂みに隠れていった。
ぼんやりしないで生き延びて、立派な6メートルのワニに育ってほしい。
そしてそんな巨大ワニが悠々と暮らせる自然が残っているといいなあ。

見られるわけがないと思っていた蛍も、ちゃんと見ることができた。
日本の蛍とちがう種類で、点滅が非常に速く、1秒間に3回明滅するという。
光も、日本の蛍のように緑がかった色ではなく、ひたすら白い。
LEDの電飾みたいである。
オスが光ると、メスがそれに応えて光るので、蛍がびっしりついている木はオスとメスが呼応してまさしく電飾っぽい(ジェイソンさん曰く「婚活パーティー」……なんでもよく知っているのね……)。
このツアーの謳い文句で、しばしば「クリスマスツリーのよう」と表現されている意味がやっとわかった。
ジェイソンさんは一匹つかまえて私の手の中に入れてくれた(きっと女性客へのサービスだろう)。
体長は5ミリと大変小さい。
手の中でピカピカ光っているのはかわいらしい。
日本の蛍は幽玄を感じさせるが、ここの蛍には、風情よりも、光り輝く生命をダイレクトに感じた。

ガラマ村へ至るまでの道筋で見たサバ州のさまざまな風景、ガラマ川で生きるたくさんの生き物、大雨の中の夕日とおいしかった食事、そして名ガイド、なにもかもがパーフェクトであった。
ふだんは一人で勝手に歩きまわるだけの旅行をしているが、たまにはネイチャーツアーも楽しいものであった。
キナバル公園編 その1・ナバル村につづく)

by apakaba | 2012-12-13 15:16 | ボルネオ | Comments(0)
2012年 12月 12日

ゴーゴー・ボルネオ!〜ガラマ川クルーズ編 その2

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その1のつづき。
ガラマ川の「ガラマ」とは、蟹という意味だそうだ。
川沿いの畑に蒔いておいた野菜の種を、蟹が食べてしまったからというのが由来だという。

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このあたりでテングザルを見るためのリバークルーズをやっている川は、ガラマ川・クリアス川・ウエストン川があり、このツアーではガラマ川が選ばれていた。
川幅がせまいため、舟から岸辺の生き物を近くに見ることができるという。
2時間のドライブのあと、ボート乗り場に着いたとたんにトイレとおやつの休憩を入れる。
たくさんのツアー会社があるが、どこでもこの運びは同じである。

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休憩所に向かう道で、アブラヤシの熟した実が落ちていた。長靴や袋が散乱して乱雑きわまりない

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この家も乱雑きわまりないが旅の者なので見過ごそう。だがもう少し片付けた方がいいと思うぞ

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ギャラン?色もすごい

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大きくなったらキミが家を片付けたまえ

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豆のお汁粉と、揚げ菓子と、サバティーというこの地の特産の紅茶でおやつになった。
揚げ菓子はおなじみのピサンゴレン(バナナの天ぷら)と、丸くてかわいい形の「ウエイ・ピンジャラン」というものである。
ピサンゴレンとちがって中に何も入っていない。
タピオカでんぷんだろうか、もちもちしている。
どれも大変おいしかった。
「地元のおやつは別にいらないや」と思っていたがあっという間に平らげてしまった。

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マレーシア人は国旗が好きですね

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船頭さん支度中

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船頭さん。ガイドのジェイソンさんと阿吽の呼吸であちこちに舟を停めたり寄せたりしてくれる

雨が激しくなってきて、川の行く手はいかにも前途多難に見える。
船頭さんは雨よけの幌を立て、私はさらにカッパを膝に掛けて、出発した。
涼しいのは助かるが、ワクワクと「出発進行!」という気分には到底なれない。
こんな暗い空の下、タンニンを含むせいで黒い水もますます黒く見えて、はなはだ心細い。
まあ、もし生き物がなんにも出てこなくても、道中のドライブはおもしろかったし(その1へ)、おやつもおいしかったしまあいいか……と、早くも自分を納得させようとしていた。

ところがボートを出してすぐに、「カニクイザルです。」とジェイソンさんが教えてくれる。

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うわーこんなに簡単に最初の動物が見られるなんて!
サルはよく国内外の観光地にいて珍しくもないし、むしろ物を奪ったりして憎たらしいものだが、こういうところにいて無心で木の実を食べているのを見ると、とたんに愛情が湧いてくる。

「逃げないですね。このサルはまだちょっと若いですね。警戒するよりも、好奇心に勝てないのです。」
ジェイソンさんの流麗な日本語解説がつくとますますサルがかわいく感じられる。

だが、このサルはすぐそばまで近づけたから撮れたが、私のカメラは望遠レンズをつけていないため、遠くになるとお手上げである。
ツアーで一緒になった日本人男性の一人が立派なレンズをつけているのを見て、すばやく仲良くなりあとで写真を譲ってもらうことにした。
これで安心してウォッチングに集中できる。
以後、動物撮影はそのカメラのおじさんによろしくお願いしました。

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カメラのおじさん撮影。私が撮ったのより、表情がきょとんとしていてかわいい!

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言われていたとおり、ここは川幅がせまく、まさにジャングルクルーズ(@ディズニーランド)そのものだ。
しかしディズニーランドはすべてが作り物だからなんの緊張感もないが、このようにすべてがホンモノの舞台では身が引き締まる。
ボルネオ奥地に住むという首狩り族や猛獣が襲いかかってくるかもしれない、などとは思っていない。
そういうことではなくて、ただニセモノがどこにもない——ボートを取り囲む黒い水も、両岸のふくれあがるような緑とその真っ暗な陰も、そしてその陰に確実に生きていて、私たちをじっと見ているにちがいない無数の目も皆ホンモノである——ということは、たとえようもなく快感でもあるが、同時に、脅威も感じるのだ。
ぎゃあぎゃあと鳴き交わすサルや鳥はいうまでもなく、もっと小さな動物、目に見えないほどの虫、それらを覆い隠す植物のただなかに、突っ込んでいっている。
運転も観察も人任せな安穏としたボートクルーズであってさえ、ふだん弛緩している感覚を覚ますには十分だ。
このボートに乗ってなお、テレビの紀行番組やディズニーランドのアトラクションと同じ目で周囲を見ているだけの人がいたとしたら、よっぽど自然に対する感性が鈍磨しきった馬鹿者だ。

そんなことを考えていると、ジェイソンさんが
「オスのテングザルです(!)(←なぜ「!」が括弧に入っているかというと、注目させるために力強く言っているが大声を出すとサルが驚いてしまうため実際は小声であると言いたい)」
と呼びかける。
ええっ、まだスタートしたばかりなのにそんなに簡単にいるの?と驚きつつ、言われた方向を見てみると。

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ほんとにいる!
興奮で息を呑み、とりあえず写真を撮ってみる。
どうせ遠過ぎて豆粒になるとわかっていたから、これもあとでカメラのおじさんから画像をもらった。

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垂れ下がった長い鼻は成熟したオスの証だ。
メスの鼻は、逆に上を向く。
見事な太鼓腹は、毒性の強い植物を食べて消化するために腸が長くなったからだという。
「あのオスはボスザルですね。体も大きいし、私たちを見ても逃げないですからね。大丈夫だと知っているんです。」
とジェイソンさんが言うとおり、ボートのモーター音を聞いてメスや子供のサルはあちこちの枝に飛び移っているのに、このオスは落ち着き払ってこちらを見下ろしている。
そう、姿を見ようとしたり写真を撮ろうとしたりして浮き足立っているのは、私たちのほうなのだ。
私はとっくに撮影をあきらめ、カメラをおろしてボスを見上げた。
ボスはなにもしないで私を見ている。
感動で少し涙が出る。
この距離だけれど、たしかに“目が合っている”と思った。
錯覚かもしれない。
錯覚でもいい。
不思議な形の大きなサルが、目の前で、ああやって絶滅の危機を生き延びている。
ふわふわした毛並みや特徴的な顔立ちには率直に「かわいい……!」とも思ったし、静かなたたずまいには、この森の生態系のひとつの頂点を見るような神聖さも覚えた。
川に出たときに感じていた、つかみどころのない“自然への畏敬”は、このように最良の形で像を結んでくれたのだった。
(クルーズはその3へつづく)

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オマケ。おじさん撮影の別バージョン。横向きになると急に威厳がガタ落ち……!ペニスがつねに赤くて元気な状態なのはメスへのセックスアピールだという。木の枝とかに引っ掛けないかとちょっと心配(大きなお世話ですね。)

by apakaba | 2012-12-12 14:59 | ボルネオ | Comments(2)
2012年 12月 06日

ゴーゴー・ボルネオ!〜ガラマ川クルーズ編 その1

ジェッセルトンホテル&コタキナバル散策編 その2のつづき。

今回のボルネオ島行きの目的は、豪華ホテルステイでも街歩きでもショッピングでもグルメでもなく、実はただひとつ、ネイチャーツアーなのである。
正味二日間しかないので、日本語の現地ツアーに乗ることにした。

一日目は、「テングザルウォッチング」が目玉のリバークルーズだ。
野生のテングザルは絶滅の危機に瀕していて、ボルネオ島にしか生息していない。
サバ州の保護のおかげで近年はだいぶ頭数が増えてきたという。
それだけクルーズでも確認できるチャンスが増えているということだ。
香港のランタオ島では、ピンクイルカウォッチングで収穫なくものすごくがっかりしたが(その写真→香港・マカオ家族旅行写真一挙掲載!)、生き物好きなので性懲りもなくウォッチングツアーにチャレンジするのだ。
バスツアーかと思ったら、ごく少人数のツアーのためか四駆の小型車であった。

今日のガイドさんは、なかなかハンサムなうえに、日本人以上に日本語が上手なジェイソンさんという中国系マレーシア人である。
昔、インドやネパールなどで現地ツアーバスに乗ったことがあるが、やはり日本語ガイドだと何を見ても理解の深さが段違いである。
きわめて有能な頼もしいガイドであり、この際なんでもかんでもジェイソンさんに尋ねまくる。

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走る車の窓から走る鉄道を撮るのは大変。これが限界だった

コタキナバル中心部のジェッセルトンホテルをスタートし、南西方向へ走る。
途中、何度か「サバ州立鉄道」が走っているのを見かける。
サバ州立鉄道は、ボルネオ島唯一の鉄道路線である。
ジェイソンさんは、
「あっ!サバ鉄道です!走ってます!」
と非常に得意げに紹介してくれる。
次回、ゆっくり来ることができたら、是非乗車してみたい。

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道中、さまざまなものが目に入ると、というか私の目には入っていなくても、ジェイソンさんは次から次へといろんな解説をしてくれる。

「あれは、アブラヤシのプランテーションです。あれはまだ植えたばかりで小さいですが、すぐ大きくなります。植えて2年目から油が採れます。そして20年くらいは採れ続けます。
プランテーションにはとても効率のいい植物です。
収穫した油は、パームオイルとして食用や洗剤、そしてバイオディーゼルに利用されます。」

私は、「サルだー!ヒャホウ!かわいいー動物バンザイ自然バンザイ」というつもりでこのツアーに参加したが、このように道々プランテーションを目の当たりにすると、日本との関係や環境問題などを考えずにはいられなかった。
マレーシアのパームオイル生産者にとって、日本は大口の輸出先だ。
あんなに森林を皆伐してプランテーションを作ってしまったら、もうもとの森林に戻ることはできないだろう。
途上国につきものの低賃金労働という問題もあり(帰国して調べると、より低賃金で働くインドネシア人を雇っているという)、その責任の一端を日本は負っているのだと思うと、暗い気持ちになる。

農産物は工業製品ではない、という当たり前のことを、先進国は忘れてしまう。
機械で機械ものを作るのならまだしものこと、このアブラヤシのように、原料は農産物なのに使い道はおもに工業関係となると、安定供給のために農薬散布や森林皆伐・大量植樹などの無理を強いることになる。
森を切り開けば当然、川は汚染され、川に住む生き物も減るだろう。
このあと川で出会う(と、信じている私!)サルの平和のためにも、ボルネオの森の保護はしなければならないと思った。

また、こんなこともあった。
ジェイソンさんが、一見なんの変哲もない3階建ての鉄筋コンクリート製マンションのような建物を指差し、「あれはなんだと思いますか?」と聞く。
それは、燕の巣の巣、なのであった。
アナツバメの巣は中華料理の高級食材になるが、断崖絶壁にある巣を採取するのは危険であり、多くの人が命を落としている。
このマンションでアナツバメが巣をかけるように仕向けると、初代の作った巣は食べられないが、ここで生まれた二代目のツバメが作った巣からは食用になるという。

大規模プランテーションには疑問を持ったが、この「燕の巣の巣マンション」には和んだ。
たしかにちょっと景観は悪いが、ビルを建てるだけで勝手にツバメが巣を作ってくれて、高級食材が安価で食べられるようになればそれに越したことはない。
ベテラン採取人の就労機会を奪う……とかいう問題もあるか?
でも時代の流れだし。
命がけよりはマシでしょう。

天然ガスの採掘場も通った。
天然ガスの埋蔵が新しく見つかって、大規模な開発がおこなわれている最中である。
マレーシアは天然資源が豊富で、うらやましくなる。

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さて、ジェイソンさんが
「今は雨期で果物の季節ですから、寄ってみますか?」
と、露店に立ち寄ってくれた。
マンゴスチンやランブータンは、まあ珍しくないが、今まで見たことのないものを売っていた。

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ひとつは、このぶら下がっているたわしのようなもの。
タラップといって、ボルネオの特産品だというが、ジェイソンさん曰く「まだ熟していない」とのことで見送り、もうひとつのほうを食べてみた。

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ドリアンダリ、別名ドリアンカンポン(田舎のドリアン)という。
いわゆるドリアンと、色も味もちがう。
交配種ではなく原種のドリアンだという。
ねっとり甘くて、でもなぜかクッキーのような、こんがり香ばしいような風味が残る。
手で食べると、いつまでもその香ばしい匂いが手に残っている。
果物なのにわずかにほろ苦い(焦げたような風味)のは、南国フルーツの特徴なのかもしれない。
だから苦みに対して敏感な小さい子供は、南国フルーツが苦手なことが多い。
私はオトナなので、そのほろ苦さを堪能した。

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キミは幼いころから南国フルーツを堪能したまえ

道路沿いに簡単な店を出し、大家族でただぼんやりと、雨宿りというか店番というか、いつ来るとも知れないお客を待っている。
一日でどれくらい売れるのだろう。
売れなかったらみんなで食べればいいのか。
ジェイソンさんに聞くと、この人たちはムスリムでミサイヤ族といって、フィリピンのセブに住む人々と同じ民族だという。
つい、同じ国ということで半島部マレーシアにばかり意識が向くが、地理的にはここからクアラルンプールよりもセブのほうがずっと近いのだ。

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もう少しでリバークルーズの川に着くところで、中国系の人々の寄進で建ったという廟を通りかかった。
マレーシアは多民族国家であり、多くの宗教が信仰されているが、サバ州を走っていて目につくのは圧倒的にキリスト教会である。
正確には教会そのものよりも看板である。
幹線道路の奥、山の奥地に教会が建っているのである。
こういう国に来ると、こんな南のジャングルに分け入って布教をした宣教師の熱意にはいつも驚いてしまう。
かなり奥地の少数民族も、今では土着の信仰よりもキリスト教を信じているそうだ。
禍々しささえ感じる空の下、幹線道路に建つド派手な道教の廟は、熱帯の気候風土には似つかわしくないように見えたが、ではこの地に似合う宗教はなんだろう?
キリスト教でもないような気がする。
信仰を尋ねると、ジェイソンさんはあっさり
「仏教……いや、道教かなー。あんまり真面目に信仰していなくて、アハハ。まあ一応、聞かれたときは仏教と答えるようにしてます。」
と、まるで大多数の日本人のようなテキトーな答えで、親近感が湧く。

そうこうするうち、コタキナバルを出発して2時間ほどで目的地のガラマ川に到着した。
2時間も走っていたら飽きるのではないかと思っていたが、名ガイドのおかげでまったく飽きることなく、楽しく、勉強になる道中であった。
ロードムービーを一本見たような気分だ。
(クルーズは、その2へつづく)

by apakaba | 2012-12-06 13:25 | ボルネオ | Comments(4)
2012年 12月 01日

ゴーゴー・ボルネオ!〜ジェッセルトンホテル&コタキナバル散策編 その2

その1のつづき。

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熱帯雨林散策ツアーの帰り道、ガイドさんが
「コタキナバルで一番有名な食べ物、なんだと思います?」
と聞く。
なにかの果物かなあ、ちがうのかな、なんだろう、と思っていると、
「カ・イ・セ・ン、海鮮ですよ!」
と、思ってもみなかった答え。
コタキナバルの海鮮レストランはおいしいだけでなく、香港はもちろん、マレーシア半島部と較べてもずっと安く食べられるので、近隣の国から来た観光客に大人気だという。
ツアーで一緒だった人同士で、行ってみることにした。

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だだっ広さにびっくりする。
いくつもの店舗が入っているのだった。
ガイドさんのおすすめに従って、「双天(ツインスカイシーフードレストラン)」というところに決める。
静かで、エアコンの効いた屋内の席もあるが、喧噪の屋外席を選ぶ。

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私はこういうゲテ系が好きだがみんながみんなそうとは限らない

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それでもおずおず「シャコが食べたい」と言ってみる。おばちゃんは「シャコはこれ!」とペットボトルを指差す

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ペットボトルに一匹ずつ入っていた。こんなに大きなシャコは初めて見た!

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とりあえずタイガービール!と決めていたのに、お店のおばちゃんはDesterをごり押ししてくるのであった。キャンペーン中か。

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お通しの、瓜らしきもの(若いメロンのような感じ)の甘酢漬け

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あまりにも大きなシャコなので、はさみで切ってもらう

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カラはパリッパリ、身は分厚くトロッとしてタマゴが中からホロリと。こんなおいしいシャコは初めてだ!

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サユール・マニス。サバ州特産品なので通称サバベジ(サバ州の野菜)。
野菜が好きなのでうれしい。これだけでビールには十分


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「深海虎斑」という魚を蒸したのは、身が引き締まっていてよかったなあ。
家でもこの料理はよく作るが、この魚を使ったことはない


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「この店おいしいの?」「ええ。おいしいですよ。」
店員の自信に満ちた表情


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「うまい!」

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「うまいなあ!」

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「うまいみたいだぜ。じゃ、ここにする?」

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カブトガニかな。これも食べてみたかった……

ガイドさんが強調するほどには「安い!」とは思わなかったが、それでもやっぱり香港に較べたら安かったな。
いけすとか周りのお客さんを眺めるのも楽しいディナーだった。
歩き疲れていたので足マッサージに立ち寄る。

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キヨシローに似たあごひげの人が担当だった。
マッサージのおかげで、翌日はもうぴんぴんしていた。

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翌朝、ジェッセルトンホテルのあるガヤストリートを歩く。
やっぱりひとけが少なく車が多い。
今ひとつ、写真を撮っても盛り上がらない。

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それでもこの道を行くのは、目当ての店があるからだ。
道路にびっしりと駐車されている様子は、フランスの路駐を思い出させる。

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マレーシアに来たら絶対に食べたいのはラクサ!
ここはコタキナバルのラクサの有名店。
辛味は小皿のスパイスで調節できるのがありがたい。
コクがたっぷり。来てよかった。
アイスミルクティーも好きだが、香港にちょっと負けてたな。
香港のミルクティーは、どこで飲んでも悪魔的においしい。

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名店だけあり、満席でスタッフは大忙しである。

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お客さんたちはさっと食べてさっと帰っていく。

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YEE FUNGという名前の店だった。
今、気づいたが、まんなかの藤色のシャツの男性は私にピースしている。
どうもこのあたりの人は、カメラを向けるとピースをするのであった。

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後ろからならピースされない

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ガヤストリートをホテルに向かって戻っていくと、いかにも歴史の深そうなミシン屋があった。
ベタベタと店先に貼られた写真は、どれも植民地時代を偲ばせる。
この街を、もっとのんびりと散策し、植民地時代の面影など追いかけてみたかった。
しかし、私にはやることがある。
それは……

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朝食をもう一回食べることである。
朝食付きプランのホテルだけど、ラクサに行ってしまった。
幸い、ラクサが私にはまったく足りない分量だったから、戻ってからまた食べることにしたのだった。

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よくわからないフレッシュジュース。ゆうべのお通しに似ている。
若いメロンかなにかか?瓜の味。さわやか


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朝食に甘いパンケーキというのはけっこう好きです。
しかし!さすがにこれは大き過ぎて甘過ぎた!


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今回は自然観察だけに的を絞って来島したのだが、サバ州はさまざまな人種と宗教が入り交じって共存している、奥の深い土地である。
また来ることがあったら、もっともっと、人の観察もしてみたい。
ガラマ川クルーズ編 その1につづく)

by apakaba | 2012-12-01 16:27 | ボルネオ | Comments(5)
2012年 11月 29日

ゴーゴー・ボルネオ!〜ジェッセルトンホテル&コタキナバル散策編 その1

トランジット/コタキナバル空港&シンガポール編のつづき。

前回書いたように、サバ州の州都コタキナバルは、マレーシア第二の都市だというのを疑いたくなるくらいにのどかだ。
街一番の老舗ホテル「ジェッセルトンホテル」に二泊した。
創業60年ちかくなる、植民地時代からのホテルである。

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小さなバーは夜になると地元客や旅行者で満席

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トリップアドバイザーでの評価は上々。ただしトリップアドバイザーを調べるときは、「ジェセルトンホテル」と表記されているので注意

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到着したときクリスマスツリーの飾りを始めていた。右下で隠れながらもピースする従業員

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もっと安いバックパッカー宿も、もっと高い超高級リゾートホテルもよりどりみどりだが、観光に便利な場所にあるうえ“歴史ある”とか“落ち着いた”とか書かれているとそっちへ泊まりたくなる。
モハメド・アリも宿泊したことがあるらしいが、なにしに来たんだろう。

写真でわかるとおり、ロビーも部屋も、華美でも質素でもなくまんなかへんのテイスト。
薄茶色のお湯をためて、バスタブに浸かって天井を見上げると、真っ白に塗装されているのになぜか穴がボコッとあいていたりする。
天井だけでなく、タオルにも穴があいていたりする。
でも昔のホテルらしい広々とした部屋の空間や、付かず離れずのサービスは悪くない。

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初日、チェックインして少し海へ向かって歩くと、5分くらいでたちまち海まで出てしまった。
寒い東京から来るとちょっとだけ暑さがこたえる。
だが縮こまっていた体が伸びていく感じもする。

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車の数が歩行者の数を圧する。
コタキナバルの第一印象がそれだった。
これは裏道りだが、表通りは車が一日中びっしりだ。

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だから駐禁にも厳しいんだね。
「P」というマークは、初心者マークのことだと聞いた。

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一日出かけて帰ってくると、ツリーは完成していた

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評判のいいホテル内ダイニング「ベッラ・イタリア」で夜食。
モヒートはきわめて甘くしかもぬるめで、ビールにしなかったことを悔やむ。
ブルスケッタは野菜がおいしいもののバジルではない不思議な味のハーブが刻んであった。
周りのお客さんたちは、ひたすらピッツァに邁進していた。

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朝食付きプランなので、朝も同じ「ベッラ・イタリア」へ。

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早朝なのでがらんとしている

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白身魚の中華粥

お粥と甘いミルクコーヒーでは相性がへんだが、こういうところに来たらあまり気にしない。

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今回は長時間のツアーに参加していたので、自由に街を歩き回る時間がほとんど取れなかった。
それが少し残念だが、限られた時間でも、ちょっとでも歩こう。(その2へ)

by apakaba | 2012-11-29 12:57 | ボルネオ | Comments(2)