あぱかば・ブログ篇

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カテゴリ:子供( 406 )


2017年 09月 01日

ちびっこ忍者

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次男が8月の休みの日に作ってくれた


今日から二学期。
久しぶりに早起きして夫(教員)のお弁当を作っていて、缶詰のふたで指先を切ってしまった。
ガーゼ部分をてっぺんに、絆創膏を二つ折りにするようにして貼る。
くるくる巻きつける普通の貼り方では、指先の怪我を覆うことができないからだ。

幼稚園児だったころの次男「アキタコマチ」の笑顔が、ぱっと浮かんだ。
まだ半分寝ぼけたままの頭で、どうしてなのか考える。
絆創膏をこの形に貼ったら思い浮かんだのだ。

ほぼ20年前、次男は幼稚園に入園した。
そのころは、子供なのでよく怪我をしていた。
指先を怪我すると、泣きながら絆創膏を貼ってもらいに来た。
ガーゼ部分をてっぺんにして、二つ折りの貼り方をしても、指が小さくて細いのでてっぺん部分はだぶついている。
指先であまっている左右の部分をつまむようにして貼り合わせると、ふたつ角(つの)が立って、ちょうど頭巾のように見えた。

「ほら、“ちびっこ忍者”だよ。」
と言うと、「アキタコマチ」は顔を輝かせた。
「アキタコマチ」は、当時のお遊戯会で「ゆけ、ちびっこ忍者」という遊戯を踊っていた。
喜んで絆創膏の指を動かしながら、一緒に「ゆけゆけゆけゆけ、ちびっこ忍者!やあ!」という歌を歌った。

それからしばらくは、指先に怪我をするたびに「ちびっこ忍者にして。」と言ってきた。
ボールペンで、勇ましい男の子の顔を描いてやったこともあった。

やがて、不器用な私よりも、手先の器用な「アキタコマチ」は、自分で“ちびっこ忍者”を形良く作れるようになり、そのうちに怪我もしなくなった。

……と、いうことを、自分で貼った絆創膏を見て、いっぺんに思い出した。
20年近く、ずうっと忘れていた。
急に泣きそうになった。
大事だったはずのひととき。
あんなにかわいいと思って、あんなに楽しかったことも、やっぱり忘れてしまう。
今日は思い出せてよかった。
このままでは、きっとまた忘れて、20年後にはもう思い出せなくなっているかもしれないから、忘れないうちに、ここに書いておく。


by apakaba | 2017-09-01 15:48 | 子供 | Comments(0)
2017年 05月 28日

「アキタコマチ」の最後のディナーへ


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ウニとコンソメジュレ、にんじんのムース。次男作。
ウニを敬遠しがちな「コシヒカリ」もぺろぺろと平らげた


ご無沙汰でございます。
新しい仕事を始めてから、ブログを書く時間がぜんぜんなくなってしまった。
いろんなことがあるから書きたいけど、その気力と体力が残ってない〜。
せめて子供の話題だけでも。


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宮古直送のサクラマスは、片面だけを軽く焼く。
レンズ豆にはコリアンダーなどのエスニックな風味づけが似合う。



次男「アキタコマチ」はフランス料理のコックだが、勤め先のレストランが、諸般の事情により5月いっぱいで閉店することになった。
4月に告知が出ると、閉店を惜しむ常連のお客さんや、「興味はあったけど閉店するなら一度行ってみよう」という新規のお客さんがどんどん予約を入れてきて、ランチもディナーも殺人的な忙しさとなった。


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このお店のスペシャリテ、コンソメスープ。
他店ではまず口にすることはできないであろう味。


実は、閉店の今なのでカミングアウトすると、このレストランは掛け値無しのすばらしい料理を出すのだが、コックの数が異常に少なかった。
息子が就職した2年前の春には、シェフとスーシェフ(二番手シェフ)の二人の下、3人目として働き始めたが、スーシェフは1年もたたないうちに退職してしまった。
そのため、この1年以上、ずっとシェフと息子の二人きりで料理を作ってきた。
街のラーメン屋や洋食屋などの店に何人の料理人がいるかを考えたら、36席のフレンチレストランを二人で回すのがいかに過酷かは想像がつく。
たとえばホテルのレストランなどだったらパセリのみじん切りから始めていたはずのひよっこが、「オレが実質スーシェフとか!」


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アマダイ。腰を抜かすおいしさ。
うろこを逆立ててぱりぱりに焼き、身の方はやっと火が通るだけに仕立てる。
身の厚みに関わらず均一な(やっとの)火通し、神業だ。
ソースの濃さ、味わいの奥行き、採算度外視。


シェフは、まるで息子を育てるように、この2年間ですべての技を「アキタコマチ」に注いでくれた。
他のどこでも味わえないコンソメスープの作り方は、他の誰にも教えてこなかった。前のスーシェフにさえ。
まさに一子相伝の教育には、心から感謝している。
そして、新しい勤め先もしっかり用意してくださった。
こんどのお店は、私のお小遣いでは手が届かない、日本でも屈指のフレンチレストランだ。


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口直しのグラニテは、ルビーグレープフルーツ?
ここまででだいぶ飲んで、忘れてしまった。


ゆうべ、家族で最後のディナーへ行ってきた。
息子が作ったものを、コック姿の本人から直接説明を受けて食べるという機会も、もう最後かもしれない。
いつ来てもおいしかったが、ゆうべは特に、気迫のこもった調理場からのメッセージをダイレクトに受け取るような時間だった。


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乳飲み仔羊。
煮込み、コンフィ、ステーキの3種類の調理法で(ピエール・ガニェールか!)。
今流行りの、やたらと盛り付けがファンタスティックなレストランとは一線を画す質実剛健な料理。
このあとは、食べ物とは思えない香りを発するチーズと、ポートワイン。



小学生から高校生までの間は私が料理を教えたけれど、そのあとは、調理学校とバイト先の人気パブ、そして就職先のレストランで育ててもらった。
ありがたいこと。
すべての関係者に、お礼を言いたい。

5月いっぱいで閉店したら、7月から新しいレストランに移る。
6月は、ひとりであちこち海外旅行へ行くという。
幸あれ。
あ、長男の司法試験も終わってます。まあ受かるでしょう。
ということは……6月の我が家は、無職の男が二人か!
ありゃりゃあ〜〜〜〜。


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ぐるぐるとまわっているように見える人生も、実はちょっとずつ、進んでいる。



by apakaba | 2017-05-28 12:47 | 子供 | Comments(0)
2017年 03月 30日

3月の子供たちのこと

最近の子供たちの話題など。

先日、「ササニシキ」が大学院を卒業したらしい。
「お前の卒業式っていつ」と聞いても、今月になるまで「よくわかんない。」と答えてきた「ササニシキ」だが、一週間くらい前に「28日。」という。
「ふーん。卒業式には出るの。」
「出ない。」
「なんで。」
「時間がない。」
「じゃあ卒業証書はどうやってもらうのよ。」
「わかんない。」
勉強に忙しくて、卒業式にも出る時間がないらしい。
6年前の大学入学式のときには、両方の祖父母が出席してしまうという派手な喜びようだったのに(私は出席しませんよ)、卒業はひっそりしたものだ。

27日、「お前明日卒業式でしょう。」というと、「うふふっ。おかーさん、なんでそんなの覚えてるの。」
「そりゃ当たり前だよ。かわいい子供の卒業式くらい覚えてるでしょう。」
「うひひ。そんなこと言ってー。」
私が子供のことに本当に興味がない親だと思い込んでいるらしい。

きのう、一応卒業パーティーをした。
「アキタコマチ」がパエリアを作った。

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具材が多すぎてコメが見えないけれど、私が作るのとはまるっきり別レベルの味。
当たり前だけど。
「ササニシキ」は卒業後も引き続き大学の図書館を使って勉強をし、私たちが食後のケーキを食べているころにやっと帰ってきた。
法科大学院というのは実に奇妙なもので、司法試験を待たずに卒業させてしまう。
だからとうとう無職の男になっちゃった。
卒業おめでとうという言葉も、なんだか出てきにくい状況。
でも親としては、また一人、子供がもう学生じゃなくなったんだと思うと、それなりに感慨深い。


「アキタコマチ」も、ここのところとても大変だった。
勤め先のシェフが、日頃の無理がたたって、怪我の感染症から発熱して入院してしまった。
一気に「アキタコマチ」に責任がかかってきた。
もともとスタッフの数が少なすぎることが、シェフが倒れた原因だ。
しかし、「アキタコマチ」がこの大ピンチをうまく切り抜ければ「なーんだ、お前だけでもどうにかなるもんだなわっはっは」という楽観的な結論になるだろうし、失敗をすれば「なーんだ、やっぱりお前は半人前だな」との評価になるだろうというダブルバインド。
まあ「アキタコマチ」の性格だから、意地でもやり遂げたけど。
シェフももう復帰してくださったので、「わっはっは」めでたしめでたし、ということに落ち着きつつある。


「コシヒカリ」は滑ったり転んだりの台湾ひとり旅から戻ってきた。
旅行記を書いていたので、また掲載していく予定。


台湾から帰ってきて、友達と遊びに行った帰り、中央線のホームで、人が落ちて死ぬところを見てしまったという。
夜のホームですぐ隣に並んでいた酔っ払いの男性が、自らホームに頭から落ちていった。
連れの人か他人かわからないが、その隣にいたメガネの男性が、すぐに緊急停止ボタンを押したが、ホームに入ってきた電車がスピードを落としきれず、そのまま轢いてしまったという。
メガネの男性はメガネを外して駅の階段に座りこみ、頭を抱えていたという。
ショックを受けて帰ってきた。

毎日、子供たちにもいろんなことがある。
それを日々聞いている。


by apakaba | 2017-03-30 11:32 | 子供 | Comments(0)
2017年 03月 14日

「コシヒカリ」が海外ひとり旅デビュー

今は二人とも多忙で無理だが、長男次男とも、以前はかなりたくさん旅行をしていた。

一人ででも友達同士とでも、国内外へどんどん出かけていた。
娘の「コシヒカリ」は、高校を卒業するときに、兄たちに倣って広島へひとり旅をした。
「ひとり旅は、楽しいけど、さびしい。わたしはやっぱりひとり旅には向かないんじゃないかと思う……。」
しばらくそんなことを言っていたが、この春休みに台湾へ行くことにしたらしい。
本当は私に一緒に行ってほしかったようだが、「大学生になったら親を頼らないで一人で海外旅行をしなさい。」と突き放したのだった。

だが!
突き放したはいいが、心配で心配でたまらない。
兄たちとちがい、娘は海外旅行に対する心構えがまるっきりできていない子なのだ。
あんなにいろいろな国へ行っているのに。
娘は、これまでインドネシア(バリ)、ロシア、イギリス2回、香港、マカオ、台湾2回、ポーランド、オーストラリア、シンガポール2回、と、なかなか華麗な渡航歴を持っている。

そ、そ、それなのにですよ。
自宅から羽田空港まで行く行き方がわからない!
ていうかそもそも、羽田空港と成田空港の区別がついてない!
羽田空港に着いたら何をしたらいいのか、まったくわからない!
「あの、みんなが見上げてる、“でんしばん”を見ればいいの?」
「……でんしばん ってナンデスカ。」
フライト案内表示器の見方も知らない。
チェックインも出国審査も搭乗口にいつ行くのかも、とにかくなにもかも、海外旅行を一度もしたことのない人に教えるように話さないといけない。
この子の人任せぶりは、いったいなんだろう?
そのくせ、「台湾は漢字が読めれば大丈夫でしょ」と、なめてかかっている。
2回行ったことがあるとはいえ、両方とも家族が連れて行っていたから、自分ではなにもできないままなのに。

旅先のトラブル事例や注意事項を、山ほど教えた。
「漢字が読めるからって、油断したらだめ。バスに乗ろうとしたって、同じ行き先が書いてあるバスがバス停にいっぱい来ちゃったりするんだから。そのどれに乗ればいいのか、確かめること。そもそも思っていたよりバス停が遠いとかいうこともあるから、とにかく時間に余裕を持って行動するんだよ!」
と、きのうあんなに言い聞かせたのに、今朝はもう家から出る時間が遅くなっている。
夫に持たせるお弁当をすごい速さで作って、駅まで車で送った。
送りながら怒りっぱなし。

朝の家事を終えて、そろそろ飛行機に乗る頃だなあと思っていると、メールが来た。
私はApple Watchを使っていて、これにはメッセージに対する簡単な返信機能がついているため、タッチミスをしてとんちんかんな返事を送ってしまった。

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ださいやりとり。

台湾をふつうに観光してくるだけなら、私もここまで心配しないが、娘の目的は台湾原住民(原住民とは差別的な呼称ではなく、原住民自身の自称である)の村を訪ねることなのだ。
私が4年前に行こうとして失敗した、ルカイ族という人々の住む山奥の村へ行こうとしている。

私のこの旅行記を読んだことがきっかけだ。
当時壊れていた道路が、今は開通して旅行者も入れるようになったらしいが、外国人の立ち入りを制限している区域なので、警察署に行って入山許可証を取らなければならない。
そんなのできるの?
英語もまるっきりできず、旅スキルゼロの子が。

もうひとつ、私が台湾映画『セデック・バレ』を勧めたこともきっかけになった。
セデック族という原住民の抗日運動の話で、日本統治時代に、山の原住民がいかに日本人に抵抗したかを描いた超大作だ。
思った通り娘は
「原住民かっこよかったー!首狩り(当時は首狩りの習慣があった)超カッコいい!」
と盛り上がり、
「日本人が皆殺しになった場所と、セデック族の首領の碑を見に行く!」
と言い出す。
「原住民はハンサムぞろいだよ。台北から南へ行くと美男美女率がいきなり上がるから!」
と私が言ったのもいけなかった。
「『セデック・バレ』みたいなカッコいい人がいっぱいの台湾!」
と夢見ている。

日本のすぐ近くの国をよく知りたいと思うのは、とてもいいなと思う。
日本人は、台湾人のことを、ともすると都合よく「親日」と思いすぎる傾向があるが、山の暮らしをしていた原住民にとって、日本統治は受け入れられるはずのない強圧であった。
現場へ行って、ルカイ族やセデック族の建築や食生活や習慣といった文化を知り、漢民族とはちがう人々の顔立ちを見て、初めて深く感じ取れることがあると思う。
娘は感激屋なので、行けば100%、感動する。

でも心配。
子供達の旅志向は、結局、親の私の影響というか責任に他ならないけれど、息子二人とはちがってやっぱり心配なのよ。


by apakaba | 2017-03-14 15:41 | 子供 | Comments(0)
2017年 01月 26日

横浜中華街ドライブ

香港フード合宿もまだ中編までしか進んでいないが、香港で新たな刺激を受けたのか、「アキタコマチ」が
「オレの中華料理の腕は、このままだと限界だ。これ以上は、やっぱり中国人コックの料理から学ばなければ!」
と、いきなり言い出す。
「横浜中華街へ行く! そして食べて勉強する!」

そうは言ってもねえ。
横浜中華街にある店が、どこもかしこも勉強になる店ばかりじゃ、ないのよ……と、元横浜市民の私はひそかに思うが、張り切っているので一緒に行くことにした。
大学が春休みに入った「コシヒカリ」も連れて、3人で横浜ドライブ。
以前、「ササニシキ」がひまな大学生だったころには、運転の練習としてやっぱり横浜方面に行ったなあ。

あれは実に傑作なドライブだった(「ササニシキ」の不思議なノリをぜひ読んでください)。
「アキタコマチ」は、免許を取って1年以上たつが、なんと一度も高速道路を走ったことがないという。
これにはビックリした。
首都高は、慣れていないととても大変だ。
(ぶつけたわけじゃないけど精神的に)満身創痍、ヨレヨレと横浜にたどり着く。

2軒はしごして、小皿やセットメニューをいろいろと頼む。
料理の写真はなし。
うなるほどおいしいものが食べられなかったためだ。
ごくふつうの一般的な中華の店で、これなら遠くまで来なくても、結局うちのそばの中華料理屋の方がずっとおいしかったのでは、という身もふたもない結論。
「コシヒカリ」はひとりで盛り上がって、ごま団子や肉まん、天津甘栗など、好物をじゃんじゃん買っては食べている。


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あまり中華料理の勉強にはならなかったようだが、よく晴れた日だったのでドライブは楽しかった。
ふだんは子供たちと出かけることもないし、家では毎日顔を合わせているけれど、出かけているといろいろしゃべるので楽しい。
写真を撮って盛り上がったり。


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「今日は楽しかったね。」と「コシヒカリ」がデートの見本のようなことを言う。

夜は、私が体調不良で夕飯を作るのを渋っていると「アキタコマチ」がおいしい中華料理を作ってくれた。
中華料理ばっかり食べている日になったけど、「アキタコマチ」の作った蒸し魚とニラレバが一番おいしかった。


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イトヨリ。
超高級XO醤をうまく使ってくれた




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ニラレバをレバニラと最初に言ったのはバカボンのパパだとか


中華は火通しがすべてだそうで、たしかにニラレバのレバー、もやし、玉ねぎそれぞれの火通しは完璧であった。
運転は慣れていないからあまり上達しないが、料理は毎日やっているから上達しているな〜。


by apakaba | 2017-01-26 17:14 | 子供 | Comments(0)
2016年 10月 05日

『恋人たちの予感』から

映画が好きな娘「コシヒカリ」は、レンタルショップでバイトを始めて、毎日のように家で映画を見ている。
メグ・ライアンの『ニューヨークの恋人』を見て、メグ・ライアンつながりで『恋人たちの予感』を見ていた。
あのころ、メグ・ライアンはほんとにかわいかったね。
しかしまったく同時代ではない「コシヒカリ」はなかなか見る目がシビアで、
「『ニューヨークの恋人』の方が、演技がうまい。たしかに『恋人たちの予感』の方が若くてかわいいけど、演技があんまり。」
と言う。
ううむ、当時は「メグ・ライアンならなんでも最高!」ってくらいの人気だったから、演技力なんて考えたこともなかったわ。

『恋人たちの予感』は、私にとっては無条件にバンコクを思い出す、懐かしい映画だ。
映画の公開は1989年で、もちろん見たが、1990年の1月から3月、大学の卒業旅行でインド・ネパール・パキスタンをまわっていた。
トランジットで、最初の数日間、滞在したのがバンコクだった。
“安宿ゲットーともいうべき”と当時の『地球の歩き方』に書かれていたカオサンに泊まって、長期旅行の人々に囲まれて食事をしているとき、ちょうど食堂のビデオで『恋人たちの予感』一番の名シーンが流れていた。

 食堂では、ビデオで『恋人たちの予感』をやっていて、ガイジンたちはそれをくい入るように見ていた。通りにはみ出して立って見ている人もいた。(ちょうど、メグ・ライアンが男友達の前で、「恋人とのセックスはどうやっているのか?」と聞かれて、実演するシーンだった。)
ギャハギャハと笑ったりしつつじーっと1つのTVを見つめるガイジンたちに囲まれ、ここはホントにリゾート地なのねと思った。足元をうろうろするおびただしい数の犬と猫(どこかしら病気で、やせている)は、何となくタイの人に似た顔をしている。



娘にその夜の思い出話をするが、当然ながらピンとこない様子だった。
海外へバックパッカー旅行をしたことのない子には、あまりよくわからない感覚か。
危険なことはいっぱいあるけど、やっぱりいろんな国に行ってほしい。
でもかわいい娘が危険な目に遭うのは嫌だな。
息子二人は勝手にタビビトになっているが、女の子は心配だもん。
と、昔は女の子だった私の複雑な思い。

娘が『恋人たちの予感』の感想を話す。
「まーしかしね、男女の友情はないですよ。」
と私が断じると、「えーっ、わたしはあると思うけど!」と猛反発してくる。

「いや、もちろんあるよ。男女の友情は。でも、それはかなり女の側の裁量に委ねられやすいってこと。
一般的に男の方が、セックスへのハードルはとっても低いから。
友達だって思っている相手でも、女の方が『いいわヨ』みたいな態度をすれば、『え、いいのー?! わーいいっただっきまーす!』ていうことになるよ。多くの場合。
男女の友情が成り立っていられるのは、女が『いいわヨ』って態度を取らずにいることで保たれていることが多いの。
もちろん全部じゃないよ。でもそんなに男女の友情を信じきるのは、ちょっとどうかと思うよ。
だってメグ・ライアンとビリー・クリスタルだって、長年友達だったのにやっぱりこうなってるじゃん。」

はじめは「そんなのあるわけがない……」と反発していたが、「ああ、そういうのもあるかもしれない。」と、少し思い当たったようだ。

「とにかく自分の身を守るのは自分ですから。」
旅行も同じですね。
旅先のレンアイもね。

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以前にも載せましたが。
1990年3月、最後の滞在先ネパールのカトマンズで。
この旅の男性は、どの国でもけっこうなれなれしかったです。
娘がそろそろこの年頃に。


by apakaba | 2016-10-05 11:13 | 子供 | Comments(0)
2016年 09月 17日

あいかわらずとしか言いようのない「ササニシキ」

少し前のことになるが、次男「アキタコマチ」の誕生日を家族で祝った。
といっても親からはプレゼントはなくて、料理も本人が作ってみんなにふるまうという毎度の形式。

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ビーツの冷たいパスタ。
これにタコとルッコラのソースも添えて、混ぜて食べる


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豆のサラダにごぼうの素揚げを載せた


子供たちは、親はプレゼントしないがきょうだい同士でプレゼント交換をする。
長男「ササニシキ」は、ここ数年、7月の「コシヒカリ」の誕生日には「金がない」と言って間に合わず、9月に「アキタコマチ」にプレゼントを渡すとき、一緒に「コシヒカリ」にも渡している。
「アキタコマチ」にはサーモスのタンブラー(なぜか2個セット)、「コシヒカリ」にはお茶碗と汁椀のセット。
ともにアトレクラブビューポイントのポイント交換でもらったものらしい。
うーんせこい。
ふたりとも微妙に困り顔ながら受け取っていた。


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「ササニシキ」に「あんた3月で大学院を卒業したら、晴れてプータロー?」と聞くと、にっこり笑って「うん」。
「あんたこのままで司法試験に通るの。大丈夫そうなの。」
「174人中、40番。」
「ええとー、それっていいの、ダメなの、私にはよくわからないけど。」
「このままいけば、まあ大丈夫。成績が落ちなければ。」
「ふうん。それならいいけど。このゲロが出そうな字で試験問題の解答を書いているんだね。」
「うふふっ、そう。」
「先生も大変だよね。採点にこんな字を読まなくちゃいけないんだから。ふつうなら無条件でバツだよ。」
うふふふっと笑いながら、
「最後の方は時間がなくなってくるから、よけいにひどい字になる。バーって書きなぐって、自分でも読めない。」
と喜んで見せてくる。


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「お前のこのゲロの出そうな字を、全国のみなさんに晒しておくよ。」
「ふふふ。でもオレ、刑事法は得意だよ。授業中、オレの解答が模範になってまわったりしてる。」
「こんな汚い字が見本としてクラスにまわるの。えええー。」
「いひひひひっ。」
そんな「ササニシキ」は、今朝早くいきなり「福井へ旅立つ。」と言いながら出かけてしまった。


by apakaba | 2016-09-17 11:18 | 子供 | Comments(0)
2016年 08月 11日

お盆休みも働くの

会社勤めの皆様は、お盆休みがスタートしたころでしょうか。
いかがお過ごしですか。

次男「アキタコマチ」はフレンチレストランのコックで、週休1日で働いている。
超人手不足のため、長時間勤務でやっているが、お盆は一週間の休みが取れる。
まとまった日数が空くと、学生のころから、一人で海外や国内の遠隔地へ旅行に行っていた。
「夏休みはどこに行くの」と尋ねると、「働く」。

「旅行するお金はない。だから休みを利用して研修に行こうと思って。」
お盆休みの一週間、シェフの知り合いの有名パティシエの店で、無給で研修に入れてもらうことにしたという。
そこは超人気店で、朝6時に出勤して夜は遅くなると12時になるという、勤め先のレストラン以上のハードな勤めだという。
お菓子ってハードなのね。
できあがったお菓子は夢のカタマリみたいにファンタスティックなのに、作るのは大変なんだねえ。

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研修前日(=夏休みに入る日)、ヴィシソワーズを作ってくれた


息子も、調理学校に2年間かよっていたから、当然お菓子も作れるが、さらにきちんと作れるようになれば、将来役に立つこともあるだろう。
でも私だったら、一週間休みがあったら、仕事と関係ないことをするだろうなあ。
怠け者だった次男が、いつの間にこんなに勤勉でガッツのある社会人になってしまったのか、自分の怠惰さと引き比べても不思議になる。

「オレは、結局みんなが昔がんばってたころに何もがんばってなかったからね。たとえば、部活とか、受験勉強とか、趣味でバンドやるとか……友達はみんなそれぞれの年齢で何かに打ち込んでたけど、オレは地道な努力を回避してた。
だから今がんばってるんだと思うよ。」

おもしろい人に会え、いろんな大人を見ろ、道を極めている人を知れ、と、怠惰な次男には小さいころから言ってきて、そういう環境に身を置くように仕向けてきた。
この夏休みの「パティシエ修行」には驚いたが、自分をギリギリまでこき使うのは、若いうちしかやれない。
いい人とめぐりあってきたことが、実を結んでいるんだな。
人情家でアツい大将のシェフだが、やっぱり超一流の腕と、息子にどんどん大きな仕事を任せてくれる信頼関係が、今は息子を育ててくれているのだろう。
ありがたやー。

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バター醤油風味の焼きとうもろこしのごはん。
(私が作りました)


しかし、料理業界の離職率の高さたるや大変なものらしい。
料理人も菓子職人も、若い人はあまりのキツさに、あっという間にやめてしまうという。
職場の人間関係なども絡むのかもしれないが、せっかく入った調理の仕事、若い人たちにはがんばって続けてほしい。
そのためには、尊敬して付いていけるトップが必要なんだろうけどね。


by apakaba | 2016-08-11 12:45 | 子供 | Comments(0)
2016年 08月 09日

「コシヒカリ」が老いたコーシローを思いやる

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10年前、飼い始めたころのコーシロー



夫と香港旅行に行って、帰ってくると、コーシローは出迎えにも来ずただただ寝ている。
気分屋なので、外出から帰ってきても、いつでも尻尾を振って喜ぶわけでもない。

ただ、毎朝、娘の「コシヒカリ」が起きてくると、たいていはかわいがってもらうために出迎える。
「コーシローは『コシヒカリ』が好きなんだね。」
と私は毎朝言っていた。

「でも、コーシローが本当に好きなのは、おかーさんじゃないのかなって思うの。」
香港から帰ってきた翌朝に、出迎えたコーシローを撫でながら「コシヒカリ」が言った。
「なんで?」
「だって、留守番の最中には、一度もこんなふうに出てこなかったよ。いかにも毎朝わたしにかわいがってもらうために出てきてるみたいにしてるけど、おかーさんが見てないと出てこないんだよ。
たぶん、かわいがってもらっている自分を演出してるだけなんだと思う。
それに、おかーさんがいない間、ずーっとさびしそうにしてクンクン鳴いたり、玄関のところにうろうろ出て行っちゃったりして、あとは死んだみたいにだらーっと寝ちゃってて、ちょっとも動かないの。
呼んでも来ないし。
わたし、もうコーシローはさびしくて死んじゃうんじゃないかと思って、本当に心配だった。
だから、今まで、コーシローが一番好きなのはわたしなんだと思ってたけど、本当に好きなのはおかーさんかなって思った。」

本当に好きなのは、なんて、考えたことないけど、犬にとって、この人はこういう存在という区別はかなりはっきりつけているように思う。
犬は老いて、娘は大きくなった。
でも、犬は自分が老いたという自覚はないように見える。
時間の流れ方がちがうだけなんだな。


by apakaba | 2016-08-09 22:10 | 子供 | Comments(0)
2016年 07月 28日

7月が一番かわいい

「わたしの誕生日って夏休み目前だから、学校では会えなくなるし、みんな忙しくて、プレゼントとかあまりくれないんだよねえ。」
「コシヒカリ」は、誕生日が過ぎたのに、あまりプレゼントをもらえないことを悲しんでいる。
「じゃあ新学期になる9月生まれがよかったの?」

「うん」と答えるとばかり思ったら、意外にも力強く「ううん、わたし7月生まれでよかった。だって7月って、1年で一番かわいいから!!!

私 :…………ええとー。7月って、かわいいんデスカ?
コ :そう。
私 :7月生まれの子がかわいいってこと?
コ :ううん、7月っていう月がかわいいの。
私 :月って、かわいいとかあるの……(また例によって「共感覚」というあれか……→娘の共感覚の話)
コ :7月ってかわいいでしょ! 夏だし! 第一、「ジュライ」って言葉がかわいい、一番!


「ジュ」と「ライ」と両方かわいくて、よくぞ組み合わせてくれたって思うの。
ジューンもかわいいけど、ジュライには負ける。ジュライの「下位互換」って感じ。
マーチもかわいいけど、ちょっと女の子っぽくしすぎ。
メイとか、もはやかわいそう。

だいたい、「バー(ber)」とか「リー(ry)」とか付く月、なんなの。かわいくないし長い。
無理矢理詰め込んでる。
ジャニュアリーとか、ないでしょ。フェブラリーとか言いづらいだけ。
セプテンバーはちょっと怖い。銀の刀で、シャキーンって切られちゃいそう。
オクトーバーとかただのタコでしょ。
ノベンバーとか、アハハ。メンマみたい。
ディセンバーは年寄りっぽい。おじいちゃんて感じ。

エイプリルは、かなりかわいい。
もうちょっとで負けそうになる。でもやっぱりジュライのほうがかわいいな。
ええっとあとは何。
オーガスト? オーガストっていうと、ちょっと秋の感じがする。
ジュライだと夏!って思える。
「7月」っていうと夏の始まり!って思う、ほんとはまだ梅雨だったりするけど、でも語感が。
いよいよ夏だぞーって思う。
「8月」っていうと、ただただ暑いだけ〜って感じ。
でもオーガストだと秋が始まりそうなんだよね。語感が。

つまり、わたしは7月生まれなことをすっごく気に入ってるの。
1年で一番かわいいから。
わたし、英語を習い始めて12ヶ月を覚えたときに、「何このジュライってかわいい!うれしい!」って思ったんだ。
よくこんなにかわいい7月に生んでくれたと思うの。


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シンガポール動物園で、オオコウモリを触る。
生き物はなんでも手なずけてしまう「コシヒカリ」



あのねどうしてわたしがこんなに話しているかというと。
ニール・セダカの『カレンダーガール』を聴いてるとね。

私 :え? えええ? ニール・セダカ?!

コ :うん、ニール・セダカの『カレンダーガール』で、コーラスで「ジャニュアリ〜」とかバックで言ってるんだけど、いつもそれを聴くと、「ああ、やっぱりジュライはかわいい」って思うの。その歌い方が。
「リー」とか「バー」だと音符の中に入りきれてなくて無理矢理でかわいくない。
でも「ジュライ」は「ジュ〜ライッ」って言うの。
それがあんまりかわいくて、たまに聴き終わってからまた「ジュ〜ライッ」のとこだけもう一度聴きたくて、巻き戻したりするんだあ。
7月生まれっていいなあって思って、うれしくなるの。


by apakaba | 2016-07-28 11:12 | 子供 | Comments(0)