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2006年 01月 31日

赤インクの万年筆。家庭教師の仕事が終了

明日は私立中学受験の日だ。
私が、おそらくここ1年半くらい国語を教えてきた女の子も、明日が本番。
このブログでも、何回か話題をとりあげてきた。

国語がひどく苦手で、最初のうちは、どうしたもんかと悩むような出来だったけれど、ここのところラストスパートをかけてぐわっと伸びた。
まあ、あれくらいできるようになれば合格するでしょう。

彼女の家庭教師を始めたときに、専用の万年筆を1本買った。
250円くらいの、使い捨ての赤ペン。
私がいつも持っている同じカバンにいつもその万年筆を放り込んでおいた。
長文を意味段落に分けるとき、類義語や対義語の例を出すとき、彼女のまちがえた漢字を直し、熟語で覚えさせる例文を書き出すとき、などに使ってきた。

初めて私がこの安物の万年筆を取り出したとき、「わーこのペンなに、どうやったら書けるの。」と勉強そっちのけで興味津々で見つめた。
うちの子供たちも、万年筆には特別な視線を投げる。
子供の目には、『自分たちには気安く使いこなすことができそうにない、オトナの筆記具』というふうに映るのだろうか。
家で使うのはペリカンの高級品なので、ペン先をインク瓶にひたして、私の定番色ブルーブラックのインクを吸い上げているところなどを、子供はほとんどうっとりと見つめているのだが、家庭教師用のはそんな大層なものではない。
それでも、行くたびに彼女は、
「ねえ貸して、ちょっとだけ書かせて。」
「どの向きで書くとうまくインクが出るの?」
と、私の手から万年筆をなれなれしく奪い、しばしもてあそんだ。

「ほれっ、万年筆はもういいから勉強するんだよ。」
“かわいらしい顔の男の子”と誰からもまちがえられるような、外見もしぐさも男っぽい子で、子供の扱いはどちらかというと男の子のほうが得意な私には、ベタベタした女の子らしさがなくてかえってあっさりとつきあいやすかった。

「インク、ぜんぜん減らないねえ。」
と、勉強机の灯りにかざしてインクの残量をたしかめるのもよくやっていた。
「これくらいの分量を書いているくらいじゃ、そんなには減らないよ。たぶん、あなたの受験が終わるまで、ずっと使い続けられるだろうね。」
と言うと、
「ふーん……。」
灯りにかざしながら“受験が終わるまで”の期間を目で確認しているようだった。

そのうち、私に張り合うように自分も小型の赤ペンを買っていた。
「これねー、そっちと値段が50円しかちがわなくて、それで使い捨てじゃないんだよ。インク交換もできるんだよ。すごくない?ぜったいこっちのがお得だよ。」
まちがいなく、生まれて初めて買った“万年筆”だろう。
私に触発されたのか、そのへんやっぱり女の子だな。

1回2時間でやってきたが、最後の何回かは3時間でやっていた。
本当によくがんばったと思う。
まだまだ先があると思っていたころは、とつぜん国語に無関係な話をし始めたり勉強道具をそろえる準備にやたら時間がかかったりして、勉強をする時間が減ってしまっていたが、昨年末あたりからそういうだらけた感じがいっさいなくなり、目つきが変わった。
それとともに、宿題の解答欄も、空白部分がなくなっていったし、以前はお手上げだった“100字以内で説明しなさい”といったたぐいの文章での解答も、きちんと埋めてくるようになった。
子供っていうのは、本気になると伸びるなあ……。
至近距離で接していると、真剣さとか気迫とかが変わったのが、こちらにびしびし伝わってくるのだ。

先日、最後の1回に行ってきた。
机の灯りにかざすと、万年筆のインクは、少なくなってきたが、まだ残っている。
なにしろひどい安物だから胴体の塗りがはげてきている。ずいぶん使った。

「よしお疲れさん。ま、受かるだろ、大丈夫。文章で答えるときは、部分・部分だけを抽出しないで、それらの内容全部を含んだ解答を書くんだよ。いい?あと、もし書けなくても気にしないように。1問ずつはそんなに高い配点じゃないからね。この学校は文法問題はやさしいから絶対に取るように。あなたの文法の実力なら絶対に取れます。これは落としたらダメ。慣用句やオトナっぽい言い回しの難しい語句は、かならず例文全体で覚えること。その言葉だけ覚えようとしても意味まで覚えられないの。覚えるためには口に出して唱えること。」
うんうんとうなずく。まじめな顔。
「じゃ、もうワタシ行くから。……これ使い切らなかったな……、あなたにあげるわ。もう残り少ないけど、使いな。」
ええっ?と、うれしいような困ったような、「いらないよぉ」と言いたげな恥ずかしいような顔。

お守りを渡すような柄ではないから……でも合格祝いはもう決めてある。
いっしょに首をひねって読みまくってきた文章読解問題に、ほんの一部分ずつ出てきた、日本の作家たちの名文。
アホみたいな流行作家の文章に激怒したこともありました。
でも、仕事を忘れて「へえ、そうなのかー」「このつづき読みたい。」としゃべったことも、多々ありました。
一部分だけでなく、いつか通しで読んでみて。
国語が嫌いだから読書なんてあんまり期待できないかもしれない、でも電車通学になったら、ぼつぼつと読んでいきなさいよ。
これからが青春、これからが人生の始まり、だからね。
文庫本を何冊か、プレゼントしようと思う。

by apakaba | 2006-01-31 10:20 | 子供 | Comments(47)
2006年 01月 30日

「ササニシキ」が「コシヒカリ」を買ってきた

「ササニシキ」が学校のスキー教室から帰ってきた。
3泊4日、いいなあうらやましい。
スキーなんて、小さいころからさんざん行っていたのに、もう長いこと行ってないなあ。
楽しかっただろうなー。

「お帰り、どうだった。」
「疲れた……。」
「友だちといっしょだから、どうせ寝不足でしょ。でも楽しかったでしょうスキーは……」
「ごはんが、おいしかった……。」
「ご、ごはん?!」
「行ったところが新潟県で、四日間、毎日魚沼産コシヒカリだった……おいしかった……。ほんとに……。」

「ササニシキ」は、白いごはんがとにかくなによりも、心から好きなのだ。
炊き方とかにもとてもうるさい。
スキーよりなにより、まず最初にごはんのおいしかったことを報告するところが彼らしい。

「おみやげ買ってきた。」
「わあありがとう。笹団子と、飴と……、ん、なんだこれ?この包みなに?」
「魚沼産コシヒカリ。」
「……!!」
「おいしかったから、みんなに食べてもらいたい。」
少ないお小遣いから、家族に食べさせるために3合分の魚沼産コシヒカリを、おみやげに買ってきてくれた。
3合なんてうちじゃ一瞬で終わってしまうんだけど、その心意気がうれしい。

いつもはぎりぎりの遅刻寸前まで寝ている「ササニシキ」が、今朝は私を起こしに来た。
「おかーさん、今朝のごはん、魚沼産コシヒカリ?」
「んっ?(寝ぼけ気味。布団の中から)……ああ、うん。そうだよ。」
「納豆買っといてくれた?」
「買ったよ。」
「ようし。」
(納豆を一日一回食べないと、機嫌が悪い。)

今日は私が水加減をうまくできなかったようで、ふだんよりだいぶ堅めに炊きあがってしまった。
でも、弟妹は兄に気を遣って、
「やっぱりおいしいねー。わざわざ買ってきてくれたんだもんねー。」
などと言いながら食べていた。

「ササニシキ」は真顔で、
「おかーさん。これ3合分で800円だった。……うちが毎日食べるお米が全部魚沼産コシヒカリだったら……。高い!おかーさん。うちの場合、もしも3億円当たったとしても、そんなに夢みたいな暮らしなんて、できないんだね……。」
とぶつぶつ言っていた。

by apakaba | 2006-01-30 17:43 | 食べたり飲んだり | Comments(4)
2006年 01月 29日

読まないと死ぬ

久しぶりに、大きな書店で、家族でゆっくりと時間を過ごす。

昨年末の今年読んだ本、Best10のつづき!の最後にエントリーしていた、『街場のアメリカ論』が、期待どおりに非常に、非常におもしろかった。
アクティヴ、センセーショナル、正論、オリジナリティー、ユニーク、なによりフレッシュ。
すっかり内田樹(たつる)センセイづいてしまった私は、次に読む候補として、彼の著作中もっとも難解そうな『他者と死者』をピックアップし、「でも難しそうだ……」と朝からやや尻込み。

そんな今日、本屋で、『中村屋のボース』が目に飛び込んだ。
うわ、これおもしろそう!!
中島岳志、きてますねえ。
彼の衝撃のデビュー作『ヒンドゥー・ナショナリズム』のときには、前半はただの“若いヤツがつづった旅行記風”、ところが後半はかなりジャーナリスティックにぴしりと引き締まってきて、期待の新人だなという萌芽を感じとったものだったことよ。

「これ買おうよ、これおもしろそう!ボースの生涯ってちゃんと読んだことないんだわ!」
と夫にねだると、
「あーこれ、買った。きのう。うちにある。」
と。はあ、目をつけるのはおんなじか。

つづいて店内をめぐると、ウウッ、これもおもしろそう!!
現代フランスきっての女性思想家、ジュリア・クリステヴァの『斬首の光景』ほしい、ほしいよう。
でもやっぱりみすず書房、高いですね……

「買ってー買ってー買ってー。」
「あ〜これか。これ買おうかなってきのう思ったんだけど(なんだ、また目をつけるのは同じか)、たけぇんだよな……だからどうしようかなって思ってちょっとやめちゃったんだけど。君ほんとに読むのか?あんなに読むのがおせーのに。読むんだろうな?」
「読むよ、もちろん……今日から読んじゃうよ……(めくる)げ、でもこれ、すっげーじ、ちいさくね?(=でもこれ、とても文字がちいさくないですか)」
「うるせーなおまえ、バカかよ!なんだそのバカみたいな口の利き方は!あきれるぜ!」
見捨てられ気味でしたが、なんとか買ってもらえました。バンザイ!
今夜から読み始めますとも。難しいし、すっげーじ、ちいさいんだけど。

それから、映画化でまた流行り始めた『ナルニア国物語』を子供たちが買ってもらっていたので、私も便乗して英語版を買ってもらってみた。
オースターのペーパーバックを読む話を書いたことがあったが、あれ以来、一冊も英語の本を読んでいません。
児童書ならどうにか読めるか……と考え、オースターで英語力のなさにがっくりしたけど再挑戦。
今夜から、お風呂に持ち込んで読み始めた。

読書読書、とても遅読なんだけど、やっぱり一日1ページでも、なにかしら読んでないと死にそう。

by apakaba | 2006-01-29 23:39 | 文芸・文学・言語 | Comments(13)
2006年 01月 28日

恋愛バトンとはトホホ

花子さんからまわってきた久々のバトンもの……しかしこれって若いモンじゃないと、答えるのツラくないですか?
この年こいて、どうしたってオモヒデ話か一般論の方向になってしまうじゃないかー。
でもせっかくのご指名なので、いってみよう(やや弱腰)。


Q1.デートの時、相手が理由もなく1時間遅刻。その時のあなたの一言は?

携帯電話がなかった時代の待ち合わせなんて、こんなもんでしょ。
1時間や2時間、男子学生たちは遅刻してましたねヘーキで。
「寝てた!」とか「フロ入ってた!」とか言うし。
だからとくになにも、言わない、言わなかったと思う。
言っても仕方がない。まあ内心、「一杯くらいおごってくれ」とか思うけど。

大人になってから、待ち合わせで派手に人から待たされた経験がない。
むしろ自分のほうが5分ほど遅刻気味。
いつも奪取です。もとい、ダッシュです。
最近、思い出すかぎりで一番待ちぼうけを食ったのは、去年の夏に飲み会があって、待ち合わせ場所にメンバーのだれも現れず、1時間ぼうぜんと待っていたとき。
暇つぶしの読書もできないほどあたりが暗くなってしまったし。
それはデートとはいわないけど、携帯も電波が悪くて通じないし、そういう仕打ちが久々だったのでかなり悲しかった。
待たされるとかも恋愛の体力がないと乗り切れないのよね。


2.デートの時、相手がありえないような服装。あなたの一言は?

ワタシの夫はすごくお洒落な男なので、現在その心配はいっさいない、むしろこっちがつりあうかどうか気を遣う。
でも学生のころのつきあいとかだと、やっぱり相手は貧乏学生なので、情けない服装でしたねえ。
でも『ありえない服装』って、たんに安っぽいとかよれよれとかではなく、レイザーラモンHGみたいな格好とかそういうもののことかな。


Q3.デートの時、相手が携帯ばかりいじっててこっちを見てくれません。その時の一言は?

そういう経験がないけど。
仕事とか急ぎのメールをやりとりしているとかだったら気にしないで終わるまで待っているだろうし、万が一ゲームをしているとかだったらそりゃ愛されてないってことだろう。
そのふたり、愛が成り立っていないわ。


Q4.会計に行こうとした時に、相手が『ちょっとトイレに行ってくるから先に行ってて!!』 どうします?

なんかだんだん、答えるのがほんとにツラくなってきたな……
ワタシに支払わせようというつもりでトイレに行ってしまったのなら、そりゃ愛されてないってことだろう……?
お金のない人とつきあっていても、
「ごめん。お金がないからここは払ってほしい。」
と、面と向かって言われれば気持ちよく出してあげることができますよね。
でも、夫婦でも外食したあと、内心で『ゲゲエ、トイレに行っちゃったよ!アタシに出せってこと?勘弁してよ、今月苦しいのにー』とか、とっても現実的に嘆くことはしばしばですねえ。
その逆に、夫婦でバーなんかに飲みに行って、飲み代出してくれると「きゃあーありがとうございます!」とか本気で喜んでしまいます。

男女でいてどのシーンでどっちがどれだけぱっと払うか、は、勘の働かせ処ではないでしょうか。
タイミングはずすとただ鈍くさいだけでしょ。


Q5.相手の人とお揃いの携帯にしたい!とか思った事ありますか?

なぜこの質問は“携帯”が出てくるのかなあ。
そうとう携帯に縛られた生活を送っているヤツが考えたんだろうな。
つきあう相手とおそろいの物を持ちたいと思った経験がない。
なんなんだよこの質問。 


Q6.付き合ってまだ1ヵ月。親に紹介して欲しいと相手に言われたらどうする?

結婚を前提としてつきあいたい、という姿勢を見せているのかしら。この“相手”は。
ワタシは高校生くらいから、いわゆる“交際”を始めると、とにかくすぐに家に連れて行き、親に見せていたので、抵抗ないだろうなー。
母もそのたびに、まるでワタシが初めて男を連れてきたかのように「あら〜いらっしゃい」と明るく歓迎してくれていました……ご協力ありがとうございました。
あとになって、「眞紀の連れて来る男の子はみんなかわいくていい子たちだった。お母さんはあのなかのだれと結婚してもいいと思ってたわ。」とかモノスゴイことを言っていましたね。
ワタシもそういうことを言える母になりたいと思っています。
ご苦労様でした。


Q7.大好きな人から結婚を申し込まれました。即返事が欲しいって。あなたは何て答える?

もう知らん。勝手にやってください。
って投げていても仕方がないですが、こんなコト答えようがない。
だって、いくら好きでも結婚ができない相手だったらできないもんはできないんだし、できそうな見込みのある相手ならすればいいでしょう。
一般論になって答えちゃ、ダメなの?


……、やっぱりダメだった。若い人向けの恋愛バトンは。
おもしろくなくてごめんなさい。
バトン渡す相手も、まったく思いつきません。
答えてみたいひと、どうぞ。

by apakaba | 2006-01-28 13:07 | サイト・ブログについて | Comments(10)
2006年 01月 27日

モーツァルト生誕250年らしい。今日

ほとんど聴かない……クラシックじたいほとんど聴かない。
たまに聴くならショパンとバッハのピアノ曲、まれにドビュッシーとラフマニノフくらい。
さらにまれにベートーベンとモーツァルト、というレベルだから、もちろん曲名とかぜんぜん知りません。なんとか協奏曲第何番とか、いくら聞いても聞いたそばから忘れますわ。
そもそもピアノの入らない曲はあんまりグッとこないんですねえ。
シロート好みといわれようと、まあやっぱり、ショパンとバッハだなー。

by apakaba | 2006-01-27 22:37 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(8)
2006年 01月 26日

“ラジオ”買いました。〜ウチのオーディオ事情

前に住んでいた家ではオーディオシステムが充実していて、木枠のスピーカーとか、ひとつずつブランドのちがうプレーヤー、チューナー、アンプなどが積んであったが、東京の狭い家に越してきたらそんなスペースありません。
だからずっとCDMDラジオつきのもの(あれはなんという商品名だ?ラジカセじゃないし)を置いてあった。
でも12月の記事に書いたとおり、夫が i Pod nano を買ってくれてしまったために、そのラジカセ風はお払い箱となり、非常用のトランジスタ・ラジオしか聴けなくなった。
音、悪い。
ダイニングキッチンにテレビを置いていないからラジオをつけている時間が長いのに、なんかこの音じゃまるで災害のときみたいでわびしい。

というわけで、“ラジオ”を買いました。
いまどきラジオ単体(トランジスタではなくて、ちゃんとしたラジオ)って売ってないのね。
品薄。品数すくない。
選んだのはこれ。

c0042704_23325637.jpg


ワタシが一日の大半を過ごす、せまーいダイニングキッチンの出窓はこんな具合です。
省スペース、だけどそれなりにかっこいいでしょ。
向かって右側がラジオ単体、左側がBOSEのスピーカー。
昔ながらのオーディオシステムは懐かしいけど、なかなかね……

by apakaba | 2006-01-26 23:31 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(11)
2006年 01月 25日

「ササニシキ」の料理

「おかーさん、たまにはオレが料理をしたい。」
料理上手な「アキタコマチ」ではなく、めずらしく長男の「ササニシキ」が言い出す。
「家庭科の教科書に載ってる料理ならなんでも作ってあげるよ、なにがいい。」
「へえー、あんたが作ってくれるの。うれしいなあ、じゃあムニエルと粉ふきいもがいいなあ。」
中学校の家庭科って絶対に粉ふきいもをやるよね。
どうしてなのかな。
とりあえずこれをリクエストした。

教科書では鮭のムニエルだったけれど、スーパーに行ったら養殖のサーモンしかなかったから(養殖魚は買わないので)、真鱈にした。
鮭に較べて身が崩れやすいからちょっと心配だがまあやらせてみよう。

「じゃあ今夜はおかーさんが作らなくていいのね。先におフロに入っていいかな。」
「いいですよ、お入りなさぁい。あとはこのオレにまかせて!(「ササニシキ」はワタシに対してこういう妙な言葉遣いをする)」
「そう、じゃ遠慮なく。」
と、入ったはいいけれど、しょっちゅう「おかーさん、どうすればいいの」と聞きに来るからゆっくりできやしない。

「おかーさん、もう粉つけていいの。」
「おかーさん、もう水捨てていいの。」
「おかーさん、いまから焼き始めるとさめちゃうんだけどどうすればいいの。」
あわただしいおフロだなあ……どう考えても隣に立っていっしょにやるほうが早くて能率的なんだけど、まあこれも踏むべき段階だ。
忍耐強く、ドア越しに説明する。

しかし最後に「おかーさん、これは……」と、お風呂場のドアをがばーっと開けられたらさすがに「開けるなばかもん!」と怒った。
中2でしょ……遠慮してほしいなあ。
母親に対しては、みんなこんなもんなのか?
私は女家族だったからそのへんがわからないのだけど。

おフロから上がったら、食事はおいしくできていた。

by apakaba | 2006-01-25 21:27 | 子供 | Comments(19)
2006年 01月 24日

「アサヒカメラ」2月号をめくってみた

めずらしく「アサヒカメラ」がうちにあるじゃないの。
『Fマウント カール ツァイスレンズ登場』、ははあ夫の目当ての記事はこれか。

写真を眺めることはバカなワタシでもできるが、カメラのことはからっきしわからないから、最初からぱらぱら眺めていく。
いろんな写真家の作品が載っている、アマチュアの投稿写真もいっぱい。
こんなにいっぺんにいろんな撮り手の写真を見比べると、あ、これが好きだなというタイプが、だんだんわかってくる。
ミーハーっぽいけど、作品では椎名誠のスナップ、記事ではハナブサリュウの『ポートレートのレッスン』がよかったな。

ハナブサリュウっていま流行りの、ヌードを撮る人なのね。
ヌードよりもふつうに服を着ている写真のほうがすぐれているように見えるんだけどな?
モデルがまた、若き日のメイプルソープや、永遠の色男ジャン・ユーグ・アングラード、ロマーヌ・ボーランジェなどとびきりの被写体ばっかりそろえているんだから、そりゃーキレイに撮れるでしょ!という気もするけれど、それよりも、
「ポートレートの場合、ピントは絶対に目に合わせるべし!!!逆にいえば目にさえピントがきていればあとはどうとでもなる」
と力説していたのが可笑しかった。
これってひょっとして、すごくカメラ初心者なヒト向けの文章なのかしら。
だって目にピントがきていないポートレイトで、すてきな写真はいくらでもあるのにこんなに極論するなんて。
でも機材の記事などは上級者向けにも見えるし、ほとんど初めて読んだ雑誌なのでターゲットがだれなのかよくわからなかったわ。

いつもとちがう雑誌を見てみるのも、おもしろいなあ。

by apakaba | 2006-01-24 17:43 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(14)
2006年 01月 23日

新しい恋の相手に、一から知ってもらうのは……

とある男性と飲む。
独身だけどそろそろ結婚かな。
順調に、話は進んでいるかな。
こっちは勝手にそう思っていたら、なんだか表情が浮かない。
この相手でいいのか、いまひとつ踏ん切りがつかないらしい。
そのうちに相手から徐々に外堀を固められていき、だれが見ても“もうあの人との結婚はキマリでしょ!”っていう状態になってしまっているようだ。
よくある話……といってしまえば身も蓋もないんですが。

私は彼が好きだがお相手の女性のことは全然知らないので、べつに友だちである彼さえ幸せになってくれればこちらとしてはそれでうれしいから、
「迷いがあるんだったら、相手には気の毒だけど距離を置いて見直してみてもいいんじゃないの?あなたにもっと合う女の人が、どこかにいるかもしれないよ。」
とか言った。
まあこれも一般的な忠告のコトバ。
私がびっくりしたのは、彼の返事だ。
「それもそうだなってわかってるんだけど、新しい相手にまた出会って、また一から自分のことを知ってもらうのも、それはそれでめんどくさい。」

なんてこったい!!

そんなんでいいのか、まだ私よりもず〜っと若いのに!!
長いつきあいで、自分のことを“わかってくれている”人がいつもそばにいるのって、もちろんいいと思う。
(関係ないけどRCサクセションの曲であるでしょ“君が、僕を、知ってる〜”という名曲。アレの心境ね)
でもほんとにそれは“わかってくれている”のかなあ?

私は18歳のときから夫と仲のいい友だちだった。
幼なじみモードといってもいいくらいだ。
それでも、結婚式当日の朝、電話で最後の打ち合わせのようなことをやりとりしているうちに、なぜかケンカになって、私は泣いてしまった。
結婚まですると決めたのに、というかあと何時間かで結婚式をするのに、それでもまだこんなつまらないことで言い合いをするなんて、“わかりあえてない”じゃない。だめじゃんこんなんじゃ。

婚約者は言った。
「あのなあ、君はもしかして、人間というのははじめから“わかりあえてる”ものだという前提を持ってるんじゃねえのか。だからちょっとでも思いどおりにいかなかったり、ぶつかったりすると、すぐにそうやって悲しくなっちまうんだろ。逆だよ。人間はもともとわかりあえないの。わかりあえていないから、“わかりあえた”と感じられたときにそれだけうれしくなるものなの。ワカッタ?」

よく考えるとうまいこと言いくるめられたみたいだけど、そのときぱあっと心が晴れて、涙が止まったのだった。

恋の相手とか、結婚相手の話ではなくても、新しい出会いを面倒だと感じるのはとてもさびしくて残念なことだと思える。
私は初めてだれかと会う、というのが大好き。
一から知ってもらうのも好きだ。
まあたいていは自分の話などしないで終わることがほとんどだけど、会って顔を知ってもらうことじたいとても意義深いことだと思うので。『面通し』っていうでしょ。
なにより、合う人とは、知り合ってからの長さは関係なく、「そうそう!」「やっぱり!?」と、“わかりあえた”と感じられる瞬間をたっっっくさん持っているものだから。
だから新しい出会いを「面倒」だなんてさびしいことを言わないでほしいのです。
あなたの幸せな人生のために。(読んでいるかなー。)

by apakaba | 2006-01-23 12:32 | 生活の話題 | Comments(24)
2006年 01月 22日

センター試験に関連して——入試問題が著作権侵害だとかナントカ

入試の季節だ。
国語の現代文の入試問題は、現在活躍中の作家の作品を出題することが多い。
自分の作品の一部分が、さまざまな入試過去問題集に掲載されるのをよしとしない作家たちが、損害賠償を求めているという話を、ここ数年よく目にする。
あれって、どうなんでしょう。

私には、なんておろかしく、浅ましいことかと思える。
先日も本欄に書いたとおり、問題文として一部を読んだことがきっかけで興味を持ち、本を買いに行ったりすることだってある。
なにより、知の財産は、ほんらい共有されるべきものではないのか。
音楽だって、ショップで試聴できるでしょ。
本だって立ち読みできるでしょ。
いったいだれが焚きつけているのか知らないけれど、日本の著作権保護って、だれのためにもなっていないように思える、ほんの一部の濡れ手に粟の輩をのぞいて。

by apakaba | 2006-01-22 19:15 | ニュース・評論 | Comments(20)