あぱかば・ブログ篇

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2006年 12月 31日

特別病棟ルポ!

おととい、夫の祖母が入院している病室へお見舞いに行ってきた。
祖母は来年で94歳になるから、足腰も弱っていて、心臓の具合も悪い。
近ごろ、心臓がどきどきすると頻繁にいうので検査入院していた。
年寄りってなにかにつけて「心臓がどきどきする」と言うでしょう。
だからこちらはわりと楽観的でいたのだけれど、先日、心筋梗塞を起こしたと聞き、少しあわてた。

夫はおばあちゃん子だ。
うちの子供たちも、本当のふたりのおばあちゃんより、曾祖母のほうをおばあちゃんらしいおばあちゃんとして認識しているようなところがある。
というとややこしいのだが、祖母たちはまだまだ行動もぴんぴんしていて感覚も若いので、昔の人といったらまず曾祖母が浮かぶのだろう。

なにしろ年が年だから、どう病気が進んでもおかしくはない。
あれよあれよという間に万が一のことがあったら、夫も子供たちもどれほど落ち込むだろうか。
新年を無事に迎えられるんだろうか……ここ数日、やきもきしていた。
CCU (というのは、急性心筋梗塞などの患者をすみやかに収容する治療室のことだそうです)から出て、もと入院していた部屋に戻れたとの連絡が入ったので、さっそく下の子ふたりを連れて、お見舞いに行ってきた。

で、本題はここから!
祖母が入っている部屋は、そこらへんの入院患者とはまるっきりレベルがちがうんですよ!
叔父(義母の弟)夫婦ががんばって働いたおかげで、祖母はとてつもなく立派なお部屋に入院することになったのです!
(写真はすべて「アキタコマチ」撮影です)

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御茶ノ水駅で下車。順天堂の附属病院へ。
夕景の聖橋です。
最上階の特別病棟へ。ゲーノーの方とか、セージの方とかがいらっしゃる階。
エレベーターを出ると豪華な面取りガラスのドアがあり、インターホンで見舞客であることを告げると入れます。

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入り口に消毒液のボトルさえなければ、ホテルにしか見えません。
さあ、中に入ります。

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応接セット。スイートルームかい。
どうしようっていうくらい、広い部屋です。
祖母はゴージャスなベッドに横になっていました。
前日は、身体の苦痛と環境の激変に耐えかね、一時的な精神錯乱を起こしていたそうです。
これをICUシンドロームというそうで、ろれつが廻らなくなったり、脈絡のないことを口走ったりするので、ぼけが一気にきたようになり、周囲は不安を感じます。
でも数日待てば、もとに戻ってくるということでした(今日辺りはもうだいぶ戻ったそうです)。

子供たちは曾祖母の弱りように驚いていました。
「コシヒカリ」はどうしたらいいのかわからないようでしたが、「アキタコマチ」は、
「ゆっくり、はっきりした声で話しかけたほうがいいのよ。」
と教わり、すぐに
「お見舞いに来たよ。ほら、お花持ってきたよ。きれいでしょう。痛い?もう痛くないの、大丈夫?オレのしゃべるの、速い?」
などと、手をさすったりしながら話しかけていました。
けなげな子です。
そして合間を見て抜かりなく、生涯うちには縁のなさそうな室内を撮りまくっていました。

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こんなに大きい冷蔵庫は必要でしょうか?パーティーでも始めるんですか?

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うちよりずーっと広くてキレイなお風呂。
しばらく居候させてください。と頼みたい。

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ん〜、ロマンチックな夜景!
コラ、ホテルの展望バーなのか!
ほんと、病室だってことを忘れそう。

でも、こんなにステキーなお部屋なのに、なんと看護の充実のために、下層階のふつうの個室に移されることになってしまいました。トホホ。
そこももちろん立派な部屋だけど、ここを見てしまったら、ねえ。
義母の話では、元旦に新年会をこの病室でやるか!となかば本気で計画していたのですよ。
例年のように、おせちを一品ずつ持ち寄ってパーティー、いえーい(冷蔵庫も活躍するし)。
ていうか、それじゃなにしに入院しているんでしょう?
間違えやすいけど、ホテルのスイートじゃないんだから!
まあ、そういうノリノリの一族なのですが……残念、かなわぬ夢となりました。
祖母は、ふつうの個室へと移っていきました。
我々も移動をお手伝いしました。

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未練たらしく特別病棟の廊下にいるワタシ。
ああ、もうここに来ることもないのね。

祖母は、このあと10年も20年も生きられるようにはとうてい見えません。
でも一日でも長く、元気になって生きていてほしいなあ。
一日でも多く、子供たちに会わせてやりたいです。
とりあえず年越しはダイジョブそう。よかったー!

by apakaba | 2006-12-31 00:43 | 生活の話題 | Comments(5)
2006年 12月 30日

今年たのしかったこと、Best10

ついさっきまで書評の総まとめとして今年読んだ本Best10を書いていたけど、夜中になってしまってあっさり断念。
代わりといってはなんですが、簡単な今年振り返りモノで。

1...
1月、比叡山とか彦根城とかを見に、家族で旅行に行ったこと。
京都・滋賀へ旅行に行きましたという記事を書きました。

2...
1月、のこのこさん結婚披露パーティーに行ったこと。
記事は大人のチカラとして書きました。
感動したよ。私も好きな小紋を着てスピーチさせていただきました。
ま、見た目演歌歌手みたいですが。

3...
1月、京都・大阪・神戸と駆け足で怒濤のオフ会行脚。
京都でなじみのお店が閉店するというので、あわてて行くことを決め、ついでに関西方面のネット友だち巡礼の旅となった。1日で3件とかの過密スケジュール。
45度の焼酎、おいしうございました、翌日は昼までゾンビでしたが。
神戸に行った話を、神戸メリケンパークの一隅で神戸の話のつづき。の2回に渡って書きましたね。

4...
4月、犬がやってきたこと。
犬を飼えることになったのだよ!で家族大騒ぎの末、コーシロー(幸四郎)に名前が決定。
最初の赤ちゃん・最後の赤ちゃんとして記事を書きました。

5...
5月、香港・マカオに行ったこと。
記事は「香港・マカオ旅行2006」としてカテゴリを作ってあります。
子供の進学がらみで(つまりお金がない)、しばらく海外へ行くことがかないそうにないので、今のうちに行ってしまえ!と近いトコへとにかく行ってみたけど、やっぱり私は旅行が好きなんだなーと再確認した旅でした。
旅に出ると、ほんとにいろんなことを感じるし、考えるものです。
それを自分で知るために行ったような気がしています。

6...
8月、夫婦でよく行く箱根のオーベルジュにまた行ってきました。
夫が妻を撮るとという、写真の話題に特化して書きましたね。

7...
10月、家族で木曽駒旅行に行ったこと。
松茸狩り篇千畳敷カールをめざす篇その1木曽駒ヶ岳登頂?篇に、写真満載で書きました。

8...
11月、のこのこさんの沼津のおうちへ、じったさん、Morikonさん、キョヤジさんとうちの子×2を連れて一泊旅行。
一人は日帰りになったけど、いつも飲み会で集まり散じていく顔ぶれが一晩泊まって飲んだりだらだら過ごしたりしたのは、ガクセイ時代に戻ったようでなつかし〜気分だったなあ。
トシいっても昔と似たようなことができるのは楽しいことだなと思う。

9...
12月、U2のコンサート。
U2来日公演最終日、12月4日さいたまスーパーアリーナとして、ハイな状態で一気にレポを書きました。
椅子を蹴って立ち上がるほどおいしいレストランとか、当代きっての歌舞伎役者の大見得とか、そんなのに通じるような、魂の底からの感動。だったなあ……。

10...
12月、に限ったことではないけど、今年度も小学校で活動してきた図書ボランティアで、いろんな本を読み聞かせしたり、劇をやったりしたこと。
『坊ちゃん』朗読の朝人の役割などでも書きました。
これ以外にもあれこれ読んだりしました。
来年の2月には、ついに私の目標だった『夢十夜』を6年生に読むことができるハコビとなりました。図書室改造、どうせ“読み聞かせ”をやるならを書いて以来2年近くたって、やっと読めそう!
今度は体調を整えて、いつものようにぶっつけ本番ではなく練習もしていくぞ!

というわけで、うまいこと来年につながりました。
来年もたのしいことがいっぱいある年になるといいな。

by apakaba | 2006-12-30 01:17 | 思い出話 | Comments(4)
2006年 12月 28日

「アキタコマチ」の“パソコンをキレイにする裏技”

今日は、ボクがパソコンをキレイにする裏技を発表します。
(ノートパソコンの場合ですがデスクトップのの人も参考にして下さい)

1,まずは、スティックのりとしっかり湿らせたタオルを用意します。
2,ノートを閉じてタオルで表面が濡れるまで拭きます(コレはキレイにするのが目的ではなく濡らすのが目的です)。
3,濡らしたらすかさずスティックのりをぬります。ぬりまくっているとだんだん汚れが落ちてきます。
4,またタオルで拭きます。スティックのりと汚れを取る様にします。完全に取れなくてもその残ったのりには次の汚れを防止する作用があります。
5,タッチパッドの隣のあいているスペースにも同じことができますが、こちらは水がキーボードのところから中に入りやすいので、水を少なめにして中に入らないように注意してください。

これはボクが自分で考えた裏技です。
ひらめいたきっかけは、手にのりを塗ってこすると黒い垢が出てくるのを見て、おかーさんが「パソコンが汚いなあ」と言っていたときに試してみようと思ったからです。
やるときは、怒られると困るので、「テレビでやっていた(ウソ)」と言ってやってみたらとてもうまくいきました。

by apakaba | 2006-12-28 14:02 | 生活の話題 | Comments(2)
2006年 12月 27日

受験生の部屋

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「ササニシキ」の部屋にはいつもこの札がかかっています。
ドアの向こうは惨状の一言。
高校受験が終わって、春休みになれば片づけると言っていますがどうなんでしょう。
見た目は入学したての中学1年生みたいなのに、もうすぐ卒業です。
時のたつのは早いな。
あきれるほど子供っぽい長男が、早く大人っぽくなって……

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札のこっち側を提げて出かける日が来ればいいなと思っています。

by apakaba | 2006-12-27 22:56 | 子供 | Comments(9)
2006年 12月 26日

今年観た映画、Best8

年末なので総括に入りましょうかと。ま、DVDばかりです。
今年もおもしろくない映画をたくさん観てしまった。
おもしろかったなあと思い返せる映画がとっても少ない。
12月になってからずーっとベスト10のことを考えているんだけど、どうしても10本思い浮かばない。
なので数がそろわないけど、とりあえずいってみよう!

1...
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬


トミー・リー・ジョーンズの初監督作品。
誤って罪のないメルキアデス・エストラーダという男を殺してしまった男と、メルキアデスの死体と、メルキアデスの友人の旅。
その目的は、メルキアデスの遺体を故郷まで運んでやるため。
不可思議な展開の話だが、メキシコをバックに、3人(というのか)が馬で旅していく光景に惹かれる。

2...
タブロイド


メキシコ映画。
子供だけをねらった連続殺人犯の容疑者を、テレビの人気キャスターが獄中取材する。
容疑者がほんとの犯人なのか、キャスターは真実を追究しているのか、よくあるアメリカ映画的展開とはまったくちがう結末が、後味悪いようなよいような。
メキシコ映画の汗くさい雰囲気が好き。

3...
やさしくキスをして


タイトルが恥ずかしいけど、よかったなあ。
イギリスの巨匠、ケン・ローチ監督作品。
ストーリーなどはこちらに書いたとおり。
3月に観たのに、今でも余韻が残る。
ただの、“結ばれるか、別れるか”のラブストーリーではなくて、それぞれの存在のバックに背負うものの重みを感じる。

4...
スイート・シックスティーン


ケン・ローチをつづけて数作鑑賞してみた。
これは一番、ラストがつらかった。
16歳の少年が、服役中の母親とふたりで暮らすためのお金を稼ぎたい一心で、犯罪の泥沼にはまっていく。
「ああ、そっちへ行っちゃダメ」という方へ方へと落ちて行ってしまう、見ていてもどうにもならない。

5...
お茶漬の味


小津安二郎監督作品。
見合いで結婚した夫婦一組を主人公に、夫婦ってなんだろう?ということを軽妙に問いかける。
女優たちのやりとりが可笑しすぎる!
現代の芝居にはありえないあのしゃべり!……でも、ああいう機関銃のようなやりとりはかえってリアルなのかもしれないと思う。

6...
エリザベスタウン


これを観て、初めて「アメリカをクルマで一人旅するのも、いいかもな」っと思った。
オーランド・ブルームが、ケンタッキー州“エリザベスタウン”で亡くなった父のお葬式に出席する。
遺体を火葬にして、灰の壺を助手席に乗せ、クルマで一人、アメリカを旅して帰る。
道々、父の灰を撒きながら。 
後半部分の車の旅に、アメリカの往年の名曲がかぶってきて、旅気分がいっぱい。
主演のへなちょこぶりもはまり役。スーザン・サランドンがさすがの名演。

7...
イン・ハー・シューズ


「こんなうまくいくわけないぞ」と細部では思うんだけど、やっぱり主演のダメ妹役のキャメロン・ディアスがだんだんと再生していくのを見ていくと、心が温かくなる。
男にはおもしろいのか、やや疑問だが、姉妹を持っている女性にはかならずどこかに共感するシーンがあるはず。
そしてシャーリー・マクレーンのさすがの名演。

8...
マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ


ラッセ・ハルストレム監督のスウェーデン映画。感想はここで書いたとおり。
家族がバラバラに暮らすこととなったイングマル少年が、いろんな大人や子供と関わっていきながら成長していくお話。
イングマル少年役の子供がものすごくうまい。演技しているように見えない。


1年間いろんな映画を観てきたけれど、以上8作品しか心に残りませんでした。
来年はもっともっとおもしろい映画をたくさん観たいな。

by apakaba | 2006-12-26 18:07 | 映画 | Comments(4)
2006年 12月 25日

サンタさん来なかった

今朝、居間へ入ると「コシヒカリ」がすでに起きて、ストーブにあたっていた。
「おはよう『コシヒカリ』。」
「おはよう、サンタさん来なかった。」
しょげている。
「お手紙を靴下に入れて寝たのに。あーあ。」
「アキタコマチ」が口を出した。
「そりゃあんなに部屋が散らかっていたらサンタさんなんか来ないよ。」
「そうね、『コシヒカリ』はここんとこ本当に部屋が汚いからね。あれじゃだめだね。」
「そうか……でもコーシローのお部屋はきれいだよ。どうしてコーシローにも来ないの。」
「はぁぁ?コーシローは人間の子供じゃないでしょう。犬にまでプレゼントは来ないんじゃないかなあ。」
「コーシローにもプレゼントをくださいってお手紙書いたのに。」

コーシローはいつもの朝と同じように、ストーブの前で伸びている。
犬小屋の上に、「コシヒカリ」の靴下が乗っていた。朝になって初めて気がついた。
「『音のなるボールをください。サンタさんへ 幸四郎』?なんだこれは。頼んであげたの?」
「うん、おもちゃが来るといいなあって。でもサンタさんがだめだったから、おかーさん買ってあげてよ。コーシローに。」
「そうね。買ってあげようね。」

こっそり子供部屋に入って、「コシヒカリ」の枕元を見たら、こっちにも靴下に手紙が入っていた。
「キリストのでんきをください。」

「あのー『コシヒカリ』、キリストの伝記って?それが欲しかったの?」
「うん、クリスマスだから。キリストのでんきを読みたいなあって思ってたの。読んだことなかったから。」
「うーん、ナルホド。おかーさんが本屋さんで見てくるね。ちゃんと部屋を片づけたら来年は来るかもしれないよ。着替えて朝ごはんを食べなさい。」
「そうだね。じゃあおかーさんが買ってね。お部屋もかたづける。」
まだ少し元気がないが、親が買ってやることで納得したようだ。

2002年のクリスマスの朝
2003年のクリスマスの朝
2004年のクリスマスの朝
2005年のクリスマス

我が家のクリスマスの変遷だ。(読んでいない方は是非)
「コシヒカリ」が物心ついてから、今年は初めて、とうとう、サンタは来てくれなかった。
兄たちも、ゆうべ一日がかりで作ったごちそうだけで十分にクリスマス気分を味わって満足したらしく、年々、取り返しがつかないほど大きくなっていた妹へのウソ(こちら)も、つくのをやめた。
サンタの話題は、ごちそうの準備と引き替えるように消えていった。
1年たつと、1年分、子供が変わっていく。

by apakaba | 2006-12-25 11:34 | 子供 | Comments(8)
2006年 12月 23日

お墓リニューアル

ミタニ家はもともと兵庫の山奥の家だったらしいのです。
ご先祖さんが大阪に出て住んでいたため、大阪に一族のお墓があります。
でも、夫の祖父が学生時代に東京に出てきて、今ではもう東京にみんな住んでいるので、大阪のお墓を閉じて、お骨を東京の墓地に移しました。
今日はその供養に行ってきました。

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とっても広くてきれいなお墓!私は、初めて行きました。
この際きれいにしようということで、石をすべて新しくしました。
西方浄土という意味で、お墓は西を向いているのがいいのだそうです。

私の生家は日蓮宗だったので、なむみょうほうれんげきょうと唱えるお経に親しんできましたが、この家は臨済宗だそうで、「ぎゃー」という音が大変多く混じるお経です。
ぎゃーていぎゃーていはらぎゃーていという般若心経は、聞いているとヒンディー語っぽい響きで、なんとなくイイ感じ。

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「コシヒカリ」が「おそなえを持っていくのー」と、いつの間に作ったのか、粘土で人形を作っていきました。

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陽気がよくて、お墓もうれしそう。
それにしても、いまどきの仏花って洋風なんですねー。
おお、私の好きな菊とデルフィニウムが両方入っているじゃないの。
持って帰りたいくらいだわ。

大阪に出たというそのご先祖は山っ気のある人で、一代でかなりの資産を築いたらしいのですが、子孫はどんどん没落の一途。
その話を、大阪のお墓を閉じる旅から帰ってきた義母がとうとうと語るのですが、私は
「お義母さん。うちはもう、こんな具合で老い先決まっちゃってるんで、次の世代の子たちにその話をしてやってください。少しやる気出してがんばってもらいましょう。」
と言って、笑いました。

子孫がいるというのは、愉快なことです。

by apakaba | 2006-12-23 18:43 | 生活の話題 | Comments(5)
2006年 12月 22日

1990年の春休み.48 ふたたびのインド篇

<初めて読まれる方へ>
この旅行記は、私が大学卒業旅行でタイ・インド・パキスタン・ネパールを一ヶ月半まわっていたときの日記を、不定期に載せているものです。文章(註・レート換算含む)はすべて22歳当時のままです。
前回までのあらすじ
デリー発特急列車寝過ごし事件のせいで、インド中央部ボパールという見知らぬ街に降り立ってしまったふたり。とにかく観光してみよう、と腰を上げ、街の人の薦めに従い「ビルラ寺院」へバスで行くことにした。

2月22日(つづき)
 ビルラ寺院だと乗客たちに言われてバスを降り、しばし呆然とした。
 「な・ん・な・の、この土地は?」
 バス通りの片隅に、全く整地されていない赤土むき出しの土手のようなものがどどんとあり、入り口の門が堅く閉ざされている。私たちは途方に暮れた。
 その門から心細ーくひとすじの道が坂の上へと延びているので、この道をのぼっていけば寺があるということなのだろうか。
 その小径をはさんだ右側は造りかけの公園のようであり、左側には土の上にいきなり無秩序にレンガが放りまかれている。よくもまあ、これだけしっちゃかめっちゃかに置けるものである。四角いものなのだからきちんと並べておこうとすればいくらでもできるのに、気持ち悪くないのだろうか。
 私たちは一瞬、このレンガは迷路だろうか、ここで遊べということなのか、と迷ったが、すぐにそんなわけはないと思い直して、周囲に誰もいないのをいいことに、柵を乗り越えて坂道を上がっていった。

 おそらくこの寺院はできて間もないのだ。きっとここは裏口で、整備がまだなされていないのだろう。
 坂道は途中から急な階段に変わり、あえぎつつ昇る。なにもない土手が終わって、田舎びた集落の中を突っ切っていき、やっと階段がとぎれて、ビルラ寺院の脇の道に出た。その道で、子供たちがクリケットのまねごとをして遊んでいた。

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寺院裏手の集落の様子。

 一安心して見学すると、なかなかやる気に満ちた寺院である。
 新しくて美しく、ありがたみは薄いけれど、緑が多くて、植え込みがきっちりと手入れされていて、公園を散歩している気分である。お金をかけているなあ(*1)。バスから降りたときはどうなるかと思ったけど。

*1・・・「ビルラ」はインドの大富豪の名前で、多くの学校や寺院を建てたり、乞食に食事を提供している。この寺院も「ビルラ寺院」というのは通称だろう。

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変な写真でごめんなさい。
手塚治虫っぽい装飾の、寺院入り口。

 突然、ヒロが観光客らしいインド女性に話しかけられた。
 若いような年のような、薄幸そうなその人はミナと名乗り、自分の写真を撮って、プリントしたら送ってほしいと言い出したのである。
 急な申し出にヒロは早くも軽いパニック状態で、あたふたとカメラを構えていたが、私はすることもないので、カメラに向かってわずかに微笑むミナの顔を傍らから見ていた。
 すると彼女の顔の右半分の皮膚が、崩れてちょっと下に流れたような感じになっていることに気がついた。私は、顔をじっと眺めるのがきゅうにいけないことのように思われて、やり場を失った視線がうろうろし始めた。
 火傷か、らい病かなにかの病気の痕か?本人は気にしていないのかな。
 写真を撮り終え、ミナは喜んで自分の住所を書いて去っていった。
 ヒロにミナの顔のことを言うと、
 「ええ?あたしちっとも気がつかなかった。とにかく焦っちゃって。」
 だと。

 寺を見たあと、坂の途中にあった村へと行ってみた。これが予想外におもしろかった。
 非常に貧しげな集落である。
 壁は牛糞を固めたものかあるいはそこらへんのなるべく四角に近そうな石を積んであり、屋根はゴミとしか見えない藁、細い木の枝、破れたトタン、ぐちゃぐちゃのビニールシート、乗っけられそうなものならなんでも乗っけて作ってみたといった様子である。
 密集している割にはさほど狭っ苦しく感じないのは、どの家もものすごく屋根が低いせいである。直立して中に入れるのは牛が限度、というくらいに低いのだ。室内では座り込むか寝っ転がっているしかないだろう。

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美人の顔はぼかしですが……こんな足場に山羊が。

 人がほとんどいなかった。
 そのかわり、家の前には必ず牛か山羊がつながれており、彼らがまるで人間のような顔をして、「あら、まあ、この人たちは誰かしら。」と言いたげに部外者の私たちを眺めていた。
 ちょっとした広場で、選挙演説をやっていた。そうだったボパールは選挙前だった、と、駅前の喧噪を思い出した。
 やけに人気がないと思っていたらみんなここに集まっていたのね。
 さりげなく聴衆に加わったつもりだったがそれはやっぱり無理な話で、人々、とりわけ子供たちは私たちのことを驚きの顔でじいっと見つめ始めてしまい、演説などそっちのけになってしまった。まじめそうな候補者の男性も、突然現れた東洋人たちに座を奪われて、迷惑なような自分も興味があるような複雑な視線をちらちらと向け、それまでの大熱弁も滞りがちである。
 悪いことをしてしまったと思い、私たちは意味不明のにやにや笑いを残して早々に村を去った。

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人気のない村を、勝手に探検気分。

 特急を寝過ごしてこの街に運ばれてきたときには本当に絶望していたが、今やすっかりボパールを気に入ってしまった。あーアタシたちってほんとにプラス思考だわ。
 ビルラ寺院もよかったし、寺の建つ高台から街を見下ろしたら、大きな湖が見えて、とてもきれいだった。
 そして村に侵入したのは、わずかな時間だけれど胸の高鳴る体験であったことよ。
 無責任な旅行者は、意気揚々と引き上げた。

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ビルラ寺院の高台より。
数時間の滞在だったが、いいところだったなあー。

by apakaba | 2006-12-22 18:22 | 1990年の春休み | Comments(9)
2006年 12月 21日

挨拶代わりに「馬鹿野郎」という夫

きのうの日記で、「うるせーな」と夫に言われているということに関連して。

うちの夫は、私の知っているあらゆる男性の中で、もっとも言葉づかいの荒っぽい人です。
だから、夫に較べると他のあらゆる男性が、みんなやさしげで丁寧な人に見えてしまいます。

「うるせーな」「馬鹿野郎」「殺されてーのか」くらいは、私も毎日言われています。
たとえば、きのうの会話。
夫はたまたま外の仕事で、午前中で終わったので昼過ぎに直帰してきました。
「あれ、おかえり。」
「ただいま、ハラ減った。なんも食ってねーんだよ。」
「そうなの?言ってくれたら待ってたのに、私もう一人で食べちゃったよ。」
「いやー、ラーメン食いてーなとか思ってさあ、駅前で食えるかと思ったら休んでやがってよう。」
「ああ、あそこ水曜定休だから。」
「水曜定休なのか!ちくしょう食いっぱぐれたぜ。ハラ減った。なんか食いてえ。食いもん、なんかあんの。」
「じゃあ今から買い物に出ようと思ってたから、クルマ乗ってく?どっかラーメン屋で落とすから。」
「おう、そうしてくれよ。頼むわ。今日も寒いわ。ちくしょう曇ってきやがったな。ったくようロクでもねえ天気だぜ。」

あらためて書いていると、やくざみたいで悲しくなりますが、ほんとにいつもこの調子なのです。

「〜〜している」は「しやがる」。「してしまう」は「しちまう」。縮め気味に言う。

「したい(ai)」などは「してえ(e-)」に音便化。

「おっ死(ち)んだ」「ぶっ殺す」「すっ転ぶ」「ばっ散らかる」など、語に勢いを付けるための接頭語の多用(しかし「とっ散らかる」ならまだしも、ナゼ「ばっ」とつくのか……)。

「なにか」は「なんか」、「あるの」は「あんの」、「やっているのではない」は「やってんじゃねー」など、撥音便の多用。

ラ行すべて巻き舌気味。

「そうしろと言ってもねぇ」は「そうしろっつったってよぅ」など、促音便の多用。

「馬鹿野郎」はほぼ挨拶言葉、「どこに目ぇつけて歩いてやがる」「大口叩いてんじゃねえよ」「おととい来やがれ」「でけえツラさげてんじゃねえぞ」「居眠りぶっこいてやがる」「あそこも婆さんくたばったからな。」など、荒い言い方が会話の中にふつうに出ている。

今、思いつくだけでもこの有様です。
ますます書いていて悲しくなってきました。
というのも、私の母はとても言葉づかいに厳しくて、私は幼いころに、「〜〜だよ。」は女の子は言ってはダメ、「〜〜よ。」と言いなさい、などと注意されていたのです。
友だち同士では「だよ」と言っていても、母の前では必ず「よ。」というように気をつけていました。
私の生まれ育ったところは、横浜の海のほうで、男も女も、東京とも横浜の山の手ともまたちがう、独特の田舎臭い荒っぽさのある言葉づかいをしていました。
兄弟を「あんちゃん」「ねえちゃん」と呼んだり、「〜〜じゃんかさ。」とか、「〜〜だべ?」「だべ?」とか。
今の横浜駅前あたりで育った母にはなじまなかったようでした。

それが、結婚した相手がこれでは。
私も、子供たちが「食った」とか言うと、「食べたと言いなさい。」などとまめに注意しています。
子供たちも、さすがにお父さんの言葉づかいの凄さまでにはとうてい追いつけない、と呆れているようですが……でもあれって、移るんですよ。
あんなに厳しく母から注意されてきたのに、毎日耳にしていると、私も、やっぱり移ってしまうんですよね。
ふとしたときに、「ハラ減った。」とか、「もう食えん。」とか、口をついて出てしまっているのです。
ああ、イヤだー。

夫は、黙っていれば、どちらかというと品がよさそうに見えます。
山の手の坊ちゃん風です。
曲がりなりにも女子校で国語の先生をしているので、人より日本語はできます。
でも、ふだんの言葉を聞いていると、ああ、この人って本当に江戸の人間なんだわ、と思います。
それでも、「てやんでえ、べらぼうめ」とか「あたりきしゃりきのこんこんちきよ」とか「顔洗って出直してこい、このすっとこどっこい」とか、そこまでは言わないな。今やもう、落語の中にしか出てこない言葉かな。
あ、ちなみに「ちゃんちゃらおかしいぜ。」は日常的に言っていますね(それに関係する話をこの日の日記に書きました)、私は言わないけど。
私は江戸の人間じゃ、ないもん。

子供たちに、どれくらい引き継がれるのかな?この荒い言葉づかいは。

by apakaba | 2006-12-21 15:05 | 文芸・文学・言語 | Comments(13)
2006年 12月 20日

夫婦で泳いだり、しゃべったりする

夫の仕事が昼までで終わりだというので、二人でプールへ行った。
たまに時間があるときは、二人で泳ぎに行く。

テニスとか卓球とかとちがって、泳ぐことって個人のスポーツだから、いっしょに行くといっても、コースの端や、打たせ湯とかジャクジーでしゃべったりするだけだ。
でも一人で行くよりはちょっと楽しいかな。
入場料出してくれるしー。

「アディダスbyステラ・マッカートニーのワンピース水着ほしい。」
「買えよ自分で。」
「買ってよ。」
「うるせーな買えよそれくらい。なんだよそりゃ。かっこいいのか。」
「うん、やっぱり“ちがう”って感じ。人気あるからすぐ売り切れるの。」
「はーん。」
とか、ほとんど意味のない会話しかしないけど、そういうことをちょこちょこ言っているといつか買ってくれたりするしー。

by apakaba | 2006-12-20 17:57 | 生活の話題 | Comments(6)