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2007年 01月 30日

子供に宛てる手紙・ふたたび

子供に宛てる手紙という話を昨年の6月に書いたばかりなのだが、今度は「コシヒカリ」が「道徳の授業で、いのちの大切さを勉強する」という。
「○○さんが生まれた日」という題で書けと。
しかも提出期限は明日だと、ついさっきお知らせを持ってきた。
またかい。
当日の朝よりはましなので、ささっと書いてみた。
以下のようなモノ。


「コシヒカリ」さんが生まれたのは10年前の夏です。
お兄ちゃんふたりがとてもかわいいので、「子供はふたりでいいかな」と思っていましたが、女の子が生まれるとわかってとてもうれしく、待ち遠しくしていました。

生まれた赤ちゃんはふかふかのパンみたいで、ずっしりしていたお兄ちゃんたちとぜんぜんちがっていました。
やわらかくていいにおいがしました。
私は毎日、赤ちゃんに向かって「お母さんのお姫様。お母さんのところに来た最後のプレゼントちゃん。」と呼んでいました。

お兄ちゃんたちには、「早く大きくなりな。強くて元気になりな。」と言っていたのに、最後の赤ちゃんには「ちっちゃいままでいいよ。ずっと大きくならなくていいよ。ゆっくりでいいよ。」と言っていました。

「コシヒカリ」さんも10年たってだいぶ大きくなりました。
でも、まだ、私に比べると少し小さいですね。
私は大人の中では小さい大人なので、きっとあと何年かすると、追いこされてしまうでしょうね。
そうするともうだっこできないですね。
さびしいけれど楽しみです。

by apakaba | 2007-01-30 22:25 | 子供 | Comments(29)
2007年 01月 29日

ひがむ女は、モテないの。

当ブログで連載中の、「1990年の春休み」では、美人のヒロと同行してひがんでいる私が読者の皆さんの憐れを誘っている(ものと思われる)。
サリーちゃんにたとえると、私ってさしずめ、よっちゃん?
ああ、すみれちゃんがよかったなあ。
でも17年ぶりに日記を読み返すと、“ひがんでむくれているからなおのことモテないんじゃん、ワタシ”とわかる。
柴門ふみが昔出したエッセイ(『愛についての個人的意見』だったかな)の中で、こういう状態のことを“ブスくれている”と表現していましたね。

大学を卒業しても、よく彼女の家に泊まりに行っていた。
彼女は転勤の多い仕事をしていたので、転勤先の一人暮らしのアパートや、ご両親の住む実家にも泊まった。

彼女の部屋は、いつも男性からのプレゼントがいっぱいだった。
「うわーいいなあー。CDとか……これはなに、置物?きれい、かわいーい。わーこの壁掛け、すごい派手!へえ、中国土産なの!え、その腕時計も〜?私そんなもの男にもらったことなんて、ないよ!いいなあーヒロはー!プレゼントだらけじゃん!」
私がひがんで暴れると、彼女は言った。
「だって眞紀ちゃんはミタニ(名字、呼び捨て。クラスメイトだから)がいるからいいじゃないの!私は独り者だもん。眞紀ちゃんだって独身だったらもっともらってるはずよ。べつにこんなお土産とかって深い意味ないよ。ただちょっと買ってくるのに、独り者の女のほうに渡してるだけのことよ。」
「でもでもやっぱりうらやましいー。いいなあーそういう人生。なんか華やかだよなー。旦那がいるからいいって、それとこれとはべつだよ。不特定多数の男からプレゼントなんてさ、私もそういうこともっとやりたかったよ。」

さらにひがむ私は攻撃をつづける。
「そんなにみんなぽんぽんモノをくれるなんてさ、おかしいよ。あなたのほうもなにかをあげたりしているわけでしょう?それって気を持たせることじゃないの?!」

彼女は困り笑いの顔になった。
「だからー……。自分が本当に好きな相手からもらうのがうれしいのよ。プレゼントというのは。ちょこっとしたモノのやりとりは挨拶みたいなものでしょ。気を持たせようなんて考えてないわよ。」
まったく腑に落ちなかった。

その後、これもクラスメイトだったヒロセくんと3人で会った。
私は彼を責めた。
「ちょっとー、あんたどうしてヒロにだけ中国のお土産送ってるのよ。あたしにはないの!?ひどーい。」
ヒロセくんは一言で私を黙らせた。
「そんなのあったりまえだろ。キミは結婚してるだろ、彼女は独身。彼女だけに買うのは当然だよなあ。」

そ、そうなのね……。
学生時代は彼ともしょっちゅうつるんでいて、私も彼女も同等の扱いだと信じていたのに……あんたまで、そうなのかい。

美人はいいなあとひがんでいたところへ、華麗な独身生活を謳歌している(ように映った)彼女、とどめに男友達のこの態度。
私はひとつ、そこで吹っ切れましたね。

とかなんとか、今思い出して書いていると、誰も彼も言動が若くて恥ずかしい。
そんな彼や彼女たちも、今ではみんな結婚しましたねえ。

by apakaba | 2007-01-29 18:08 | 思い出話 | Comments(9)
2007年 01月 29日

八岐大蛇

「コシヒカリ」:おかーさん、あのね“やまたのおろち”って、どうして首が八つで首の股は七つなのに、やまたなの。それなら、ななまたのおろちじゃないの。

私:あー、指の股とかいうから?指は5本で指の股は四つと。ははあ。おとーさんに聞きなさい。

コ:おとーさん、どうしてやまたのおろちはやまたっていうの。ななまたじゃないの。

夫:股というのは、分かれているその間だけをいうわけじゃないんだよ。分かれている部分そのものを差すときもあるの。“二股の道”とかいうとき、道は2本だろ?道の間は一つだけど二股っていうだろう?

コ:そうかー。

「アキタコマチ」:ふふ、おとーさんのほうが一枚上手だったね。ちゃんと説明できたね。やっぱりおとーさんはすごいね。おかーさんはめんどくさくなるとすぐにおとーさんに押しつけるんだよ。

私:「コシヒカリ」、それは自分で考えたの?

コ:ううん、ちがう。「ドラえもん」で読んだの。のび太がその質問をするの。

私:はーなるほど。それでその質問に対する答えは出ていないの?

コ:うん、答えは書いてないの。『キミはしつこいなあ』とかドラえもんが言って、終わっちゃうの。

私:ははは……それじゃダメだね。……スサノオだよね。退治したのは。

「ササニシキ」:うん、そうそうスサノオ。

ア:えっ、ヤマトタケルじゃないの?草薙の剣で。

夫:どっちだったっけなあ。

私:なに言ってんのよスサノオよ。決まってんじゃない。ヤマトタケルはずっと後になって出てくるのよ。

サ:うん、そうそうスサノオ。

私:だよねえ。

夫:うるせえな調べろよ。俺はヨッパライだから。

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調べたらやっぱりスサノオだった。うひひ。
だって大学3年のとき、実は上代文学を専攻していたんだもんね。
つまんなくて1年でやめちゃったんだけどー。

by apakaba | 2007-01-29 00:04 | 文芸・文学・言語 | Comments(10)
2007年 01月 27日

ごはんのことばかり考える自分がいやだ

朝ごはん、夫のお弁当のおかずの残りをみんなで食べる。
味付きの焼き肉と、隣にもらった天ぷらをさっと煮付けた。
せりの混ぜ込みごはんも作る。
私は大好きだが白米派の長男と夫はさほどでもない。春の香りがするのに。

昼ごはん、チャーハンとみかん。

晩ごはん、目鯛を煮付ける。
目鯛ってなんなのさ。昔からこの名前だったか?
おいしいのかなんだかいつも忘れてしまうが安かったのでとりあえず。
しょうがをいつもよりたくさん入れてみる。しょうがが利いていると寝ぼけた味の魚もおいしい。
かぶとハムとキウイのサラダを子供たちが作る。
すべて薄切りにしてフレンチドレッシング。簡単。
しらすを大根おろしに乗せる。
しいたけ、エリンギ、舞茸すべて半額の品を買ってきて、網焼きにしてしょうが醤油。
かぶの葉部分をゆでて、納豆和え。ネギ、青のり、鰹節、ごまも。

毎日毎日、次のごはんの支度のことばかり考えている。
イヤになってくる。
昨年の11月にのこのこさんのおうちからコメを30キロ、格安で分けていただいたが1ヶ月ももたない。
これが自分の仕事なのだから不平をいうのはいけないが、年々歳々食費が上がっていくことが恐怖だ。

by apakaba | 2007-01-27 19:53 | 食べたり飲んだり | Comments(29)
2007年 01月 26日

ドトールの一隅で

「アキタコマチ」が鼻とのどの風邪を引き、学校を休んでいる。
午前中に、病院へ行った。
熱はないので、そのままお昼ごはんをどこかで食べようということになり、子供に聞くと「ドトールがいい」という。安上がりだな。

ドトールで向かい合わせに座り、サンドイッチなどを食べていると、隣の席のお年寄りが、指を3本立てながら「何年生?3年生?」と、とつぜん息子に向かって話しかけてきた。
つぶらな目の、和製サンタクロースとでもいうような風貌の人だ。
座席の横に杖が置いてあり、ウールの中折れ帽をかぶっていた。
「6年生です。ろく、ねん、せい、です。」
息子は子供っぽい顔つきなので幼く見られたようだが、年寄り慣れしているので、耳が遠そうだと見るとはきはきした声を作って答えた。

「そーぅ、6年生。もうすぐ中学生。おかーさん、お子さん何人?ひとり?ふたり?」
指を独特の形に立てる。
そのおじいちゃんは私と隣り合っているので、私の腕をつつきながら質問する。
「3人です。さん、にん。」
私も指を3本立てて答えた。だいぶ、耳が遠そう。声も老人らしくかすれている。
「ほーぅ。3人。兄弟どんなふうなの、弟、妹、この子が一番上なの?」
私の腕をバシバシ。
「この子が真ん中で、お兄ちゃんと妹がいるんです。」
「そーぅなの。へえー。じゃあお兄ちゃんは、高校生だ。」
「中3なんで、もうすぐ高校生です。」
「中3。3年生。3年生なの、もうすぐ高校生、ほーぉ。」
いつの間にか「アキタコマチ」に向かってしゃべっている。あれ、「アキタコマチ」が中3になってしまったようだ。
「アキタコマチ」はとくに訂正もせず、笑顔でうんうんと黙ってうなずいている。

「なんに、なる。」
とつぜん聞く。
「えっ。」
息子はパンをもぐもぐやりながらとまどう。
「なんになるの。んー、大人になったら。医者になるの。」
「いしゃ……うーん……?」
あいまいに笑って首をかしげる。
「はっはっはっ、勉強をいっぱいして、医者になりなさい。ねえおかーさん。」
私の腕をバシバシ。

「私の孫はね、医科歯科大あるでしょ、御茶ノ水の。医科歯科を出てね、いま、留学してるのアメリカに。それでもうすぐ帰ってくるの。」
「はあー、そうですか。」
懐からごそごそとA4サイズくらいの紙を取り出す。
どこかの診察券が拡大コピーしてある。
名前の欄に、なぜか『三女 洋子の夫』と書いてある。
「これね、私の娘の旦那の病院なの。脳神経科。」
「そうなんですか。」
「医者はいいよーハハハ。ね、お兄ちゃんも医者になりなさい。」
腕をバシバシ。

お財布の中を長いこと探っている。
くしゃくしゃの名刺を出した。
「私はね、医者なの。ほら『医師』って書いてあるでしょう。そうなの医者なんだよ。医者はいいよ。うんと勉強して、医者になりなさい。はっはっは。ねえおかーさん。」
腕をバシバシ。

甘そうなコーヒーが残っているおじいちゃんを残し、私たちは先に席を立った。
おじいちゃんは中折れ帽を持ち上げた。
外出時はいつも野球帽をかぶっている「アキタコマチ」も、帽子をちょっと取った。
「じゃあ、さようならあ。失礼しまーす。」
帽子を上げた息子を指さして「ねえ、おかーさん。」
おじいちゃんはうれしそうな顔をした。

「おかーさん、あの名刺さ……」
「ふふふ、ヘンだったね。名前と住所と、『医師』としか書いてないもんね。なんという病院の何科の医者なんだかさっぱりわからない。あれってきっと迷子札と同じなのよ。あのおじいちゃんはきっと昔はお医者さんだったのね。でももう引退しちゃって、働いてないのね。」
「そうだよね。あの名刺じゃうちのお父さんが学校名も書かないで『教師』だけなのと同じだもん。よたよただし、もうとっくに働いてないよ。」
「たぶん、あのおじいちゃんの子供たちが、作って持たせてあげているのね。」
「そだね。ふふふ。」

by apakaba | 2007-01-26 17:35 | 生活の話題 | Comments(12)
2007年 01月 24日

歌とか。表現すること。

夫とクルマに乗っているとき、私は歌唱禁止にさせられている。
音楽をかけていると、私はついつい唄ってしまう。
それもちょっとハミングするとかいう程度ではなく、声を限りに絶唱しちゃうのね。
「唄いすぎだよ!」
「オマエの歌を聴きたくてかけてるんじゃねーだろ!」
と怒り出すので、いっしょに出かけるときは我慢させられる。
ウイークデイは一人で運転しているから、うれしいことに唄い放題なのです。

歌は、ヘタでもないけど特にうまいというほどでもない。
人前で唄ってもなんとかみっともなくはないくらいのレベル。
でも唄うのは好きだ。
うちは、住宅が密集している家なので、部屋で唄っていると筒抜けになって恥ずかしい。
私が唯一好きなように唄える場所が、クルマの中なのです。

でも私の場合、唄うというより演技とか、物真似に近いかも。
好きな歌い手の声を聴いていると、
「うまいなあ。このうまさはどうやって表現しているんだろう。なぜこんなに、この人の歌に惹きつけられるんだろう。」
と、その表現力のもとを知りたくなってくる。
そうすると、無性にそっくりに唄ってみたくなるのだ。
なんでもそうでしょう。
自分の表現をつかむには、模倣から入れって。
ナンテ、ちょっと大げさだけど、私はどんなジャンルでも、表現することにとっても魅力を感じるのです。
まあ、あまり歌に入り込んでしまうと危ないのよね。運転中。
だからほんとは助手席がいいんだけどなぁ……(冒頭にもどる)

by apakaba | 2007-01-24 19:27 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(34)
2007年 01月 23日

1990年の春休み.50 ふたたびのインド篇

<初めて読まれる方へ>
この旅行記は、私が大学卒業旅行でタイ・インド・パキスタン・ネパールを一ヶ月半まわっていたときの日記を、不定期に載せているものです。文章(註・レート換算含む)はすべて22歳当時のままです。
前回までのあらすじ
ぼろぼろの夜行バスでカジュラホへやってきた。宿でラケシュと名乗る日本語が堪能なインド人に出会い、行動を共にする約束をした。

2月23日(つづき)
 部屋に戻ってから、久しぶりの大洗濯をした。外はポカポカとして、見上げるほどの高さのブーゲンビリアが満開で、すっかり南国気分である。いい気持ちになり、徹夜のくせにまるで眠くなくなっていたので、そのままお昼を食べに出かけた。

 パンジャブという名前の店で、チャーハンと焼きそばを頼む。
 ごはんがめずらしくポロポロでなくしっとりしている。おいしかった。
 店を出るとすぐに、頭の上から「一緒に飲みませんかあ。」と声をかけられた。
 二階建てのこの店は屋上もレストランで、ビールを囲んだ日本人の若者がそこからふたりで手招きしている。一見したところ好みのタイプでもないし、あーめんどくさい、と思いつつも、旅の情報を得られるかもしれないので、今出たばかりの店に戻って一緒に少し話した。
 その席に、ラケシュの弟だという少年が混じっていた。
 「この子さあ、結構おもしろいんだよ。」
 と紹介されたが、私は一目で気に入らんと思った。何となく裏のありそうな、抜け目なさそうな印象を受けたからである。
 「俺たちこれから宝石見に行くんだけど、一緒に来てくれない?この子のお兄さん(ラケシュの兄でもある)が宝石屋をやってるからって誘われてんだけど、やっぱ女の人がいないと……、高く売りつけられそうでさあ。」
 なんかとっても頼りない人たちなのである。宝石には興味がないけれども、つきあって見に行った。
 兄はラケシュにそっくりであった。日本語もなかなか巧みだ。しかし弟同様、まったく好きになれない。てことはやっぱりラケシュも悪者なのかな?

 穴蔵のような狭くて蒸し暑い店のなかに、一時間もいてしまった。私たちはすっかり白けていた。
 どれも粗悪で、ぜんぜん買う気になれないものばかりなのに、若者たちは「彼女に買っていきたいなあ、ねえどう思う、これなんか……。」とか言ってさんざん迷い、当然ながらラケシュの兄に執拗に迫られて困っている。よくもあんなちゃちで細工の悪い石を4万円だのなんだのと言えたものである。
 結局高すぎて、彼らには手が出なかった。

 そうこうしているうちに、ラケシュ本人がその店にひょっこりとやって来た。
 私たちが日本人と4人で連れ立っているのを見て、露骨にイヤな顔をした。
 「日本人は群れたがるからイヤなのねえ。」
 とか言っている。べつに私たちはのべつ日本人同士でくっついているわけじゃない!ちょっと不愉快だったが、いい潮時だとも思って彼らと別れ、宝石屋を出た。
 ラケシュは暇らしく、これからバイクで案内をしてくれるという。三人乗りで寺院(*1)を見学することになった。

*1・・・カジュラホ観光は、950〜1050年に築かれたヒンドゥー教とジャイナ教寺院の見学が目玉、というかそれしかない。寺院群は西群・南群・東群と三つに分かれている。周辺はのどかな農村。

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カジュラホは田舎。池で水浴び(沐浴)をする人がいた。


 せっかくバイクがあるので、一番遠い南群へ足を伸ばした。
 広々とした田圃ばかりの景色が続く。よい気分である。しかしなんとなく、心おきなく楽しめない。なぜだろうか?
 3人でしゃべるにつれ、そのわけがだんだんはっきりしてきた。
 ラケシュは初めに会ったときから、ヒロのことを異常に気に入っていて、私などいないかのように振る舞うのである。あーあまたかよ。この旅行でこういう目に遭うのは、一体何度目でしょうか。アタシってつくづく人気がないわね。そりゃヒロに較べて顔も愛想もよくないけどさー。いい加減ぐれるよホント。
 それにしても奴の態度はあまりにも露骨であった。
 たとえば私がなにか言ってラケシュがげらげら笑ったあと、「あーホントおもスィろいねえ、ヒロミちゃんは。」いつの間にかヒロが言ったことになっていたりする。ヒロは私がのけ者になっているということにまだ気づいていないようで、「ラケシュってお兄さんみたい。」とか言ってすっかりなついていた。

 つまらん。つまらないぞ。

by apakaba | 2007-01-23 22:09 | 1990年の春休み | Comments(8)
2007年 01月 22日

高校入試準備

きのうの日曜日、夫は「ササニシキ」の私立校用の願書を1時間がかりで書いていた。
何校か併願するので、書類書きも一大事だ。
「ああ〜もうすっげえたいへん!」
万年筆を吹っ飛ばしそう。
「でも重要書類だからね。テキトーに書くわけにもいかないから気を遣うよね。」
「そうそう。だから疲れるんだよ。」
「あなたが自分から書類書くなんてめずらしいねえ。私じゃ信用ないからでしょう。」
「まあ、ねえー。君じゃあ、ねえー。」
「書き損じたらぐじゃぐじゃっとか線引いて消しそうで、こわいんでしょう。」
「まあねえ、君はやっぱり、ねえー。やりかねないからねえー。」
私って本当に信用されていない。

今日は、カメラを出してきて願書に添付する息子の写真を撮っていた。
「ええーおとーさんが撮るの?駅前のインスタントじゃだめなの?」
「ササニシキ」はイヤそう。
「うるせーな俺が撮った方がいいんだよ!もったいねえだろ!文句つけんな!」
怒鳴り倒しながら、何ポーズか撮っていた。
ちょうどうちは壁も白いし、照明もいい感じ。

どっさりプリントアウトして、「ササニシキ」のいないところで
「ちょっとちょっと、見て。」
私を呼び出す。
「どっちがいいと思う?白黒とカラーと。」
「どっちでもいいんじゃない。どうせ規制ないんだし。同じ顔じゃん。」
「真面目に選べよ!」
「カラーのほうがかわいいじゃん。」
「ん〜、でも、髪がさ……。」
「なに。」
「髪が茶髪っぽく見えねー?あいつ、ちょっと髪が赤っぽいんだよ。だから茶髪に見えても、ナンじゃない。」
「はぁぁ〜?あ、いわれてみればそうだね。うん、茶髪っぽい。私も髪の色が少し薄いから、似たんだね……」
「だろー?だからちょっとさ。どうかなって。」
「でも実際は茶髪にしてないんだし、顔見れば真面目そうじゃない。白黒よりかわいく見えていいと思うよ。茶髪っぽいというだけで選考もれるとも思えないよ。」
「そう、だよなあ。うーん、じゃあ、カラーでいいか……。」

意外だ。
長男と親父(夫)は、なにかとまともにぶつかり合う。
いつでもけんか腰だ(とくに、なぜか夫の方が)。
それでもやっぱり、気にしてるんだね。
もしかしたら、私よりずっと真剣に思いやっているのかもしれない。
親として当たり前のことなんだけど、ここ二日で意外に感じた。

by apakaba | 2007-01-22 22:43 | 生活の話題 | Comments(11)
2007年 01月 21日

センター試験の朝に感じたこと

今朝、ネットニュースを見ていた夫が、
「おおっ、堀江敏幸きたか!」
とうれしそうに小さく叫んだ。
きのうのセンター試験の国語の問題に、堀江敏幸の小説『送り火』が採り上げられていた。
自分が注目している作家の作品が、名門校の入試問題になっていたり、センター試験の問題になっているといつもうれしそう。
「俺の読み、よく当たるんだよ。ま、堀江敏幸はここ数年、注目してたからな。」
と得意になる。

「へえー、今年は堀江敏幸か……まあ、(受験した自分の生徒たちは)俺が教えたから、あいつら大丈夫だろう。」
こういうとき、夫は偉いもんだなあと素直に尊敬する。

国語の先生というと、まず浮かぶのは金八先生か?
でも現実は金八先生とぜんぜんちがう、ずっとシビア〜〜だ。
東大をはじめとして難関校を志望する生徒を指導するためには、いつも“次に出題されるのは、誰の文章か”を探らなければならない。
夫も、つねに情報収集をしている。
自分の趣味の読書とはべつに、「これは」という書き手の本は、実際に買って読んで研究している(だからうちはいつも本で家がつぶれそうなの)。
学校の先生は何十年もおんなじことをやっているというのは誤ったイメージで、ほんとはいつでも知識の最前線に立っていなければならないのだもんね。
“好むと好まざるに関わらずあらゆる本を読む”ってことは、それだけで膨大な知識をいつの間にか得てしまうものだし。

ふだんは意識していないけれど、今朝みたいなちょっとした瞬間に、
「私はこの人には絶対に追いつけないな」
と身にしみる。

by apakaba | 2007-01-21 17:28 | 文芸・文学・言語 | Comments(14)
2007年 01月 19日

恋愛映画Best10

本のBest10のつづきはどうなったんだという疑問にはいつの日か答えるさ。
なんとなく、ベストものを作りたい気分の今日この頃。

ラブストーリーはあまり熱心に見るほうではないので、あまり知らない。
たま〜に「ああ!いいなあ!」って入り込んじゃうラブものもある。
今まで観てきた中で、心に残ったラブ映画はこんなトコ。

1...
恋人までの距離《ディスタンス》


恋人までの距離《ディスタンス》までのディスタンスに書いたとおり、イーサン・ホークとジュリー・デルピーのふたりがすばらしくフレッシュで自然な名演。
旅先のみじかい恋、そうそう、こんなふうに始まる……ナンテ、実際は始まったこともないくせに思わされてしまう。
ウィーンのレコード店のせまい試聴室に入り、お互い、一方が顔を眺めているともう一方は視線をそらし、ふと目が合うとこんどはもう一方が顔を見て、相手は目をそらし……というあたり、「あるある」って感覚が随所に。

2...
ビフォア・サンセット


『恋人までの距離《ディスタンス》』の続編。
(ついでに前作の原題は『ビフォア・サンライズ』といって、旅先で知り合ったふたりが夜を過ごし、夜明けに別れていくという展開だった。)
前作の夜明けが来て別れる前、「半年後に、この時間、このホームで!」と約束するが果たせず、そのまま9年の月日が流れる。
そしてパリで偶然の再会。男は結婚して父親になり、女はまだ独り身でいた。
さ、こんどはどんな会話をして、どうディスタンスを縮めるの?
年に1回くらいしか劇場へ行かないワタシが、この作品が公開したときは2回観に行ってしまいました。ジュリー・デルピーのかわいらしくセクシーな歌声にもうっとり。
それにしてもこのふたり、演技超えてるんじゃないの?っていうくらい、お似合い。

3...
天使のくれた時間


かきくどきの名手ニコラス・ケイジの『天使のくれた時間』というのを書いた。
レビューはそっち読んでね。
「I choose us.」というセリフにグッと来て、「君は13年前よりずっときれいになった」というセリフにグッと来たねえ。

4...
ニューヨークの恋人


レビューで、19世紀の公爵の古風な言い回しについて書いたことがあったな。
ストーリーの強引な運びもラストのやたらあっさりした幕切れも、ヒュー・ジャックマンが男前なのでこの際なにも言うことナシって感じでしょうか。
ウソじゃなくてホントに王子様のかっこ、一歩間違えたらバカ殿になりかねない大げさなコスチュームも彼ならばっちり。
うたた寝するメグ・ライアンの隣に座って、「恋に落ちた自分は、これからどうすべきか」と一人でもの思いに沈む表情はお見事な美しさだった。

5...
恋する遺伝子


ヒュー・ジャックマンが男前なら言うことナシって感じでしょうか。
だってなんだかんだ言ってもラブものの男は男前でなくては!
いくら『恋人たちの予感』が秀逸でも、ビリー・クリスタルじゃぁ、さぁ〜。そうでしょ?
X-メンシリーズやヴァン・ヘルシング、『ニューヨークの恋人』と、今やコスプレ俳優の感ありのヒュー・ジャックマンだが、素のお姿はやはりかっこええ〜。脚、長ーい。ハンサム〜。
ヒロインにしてはやや薹の立っているアシュレイ・ジャッドも、この映画ではかわいい!
ストーリーは、まあ、ふつう。いいの、かっこよければなんでも。

6...
妹の恋人


うさぎみたいにかわいいお顔の、若いころのジョニー・デップだが、チャップリンのパフォーマンスを真似たりパントマイムで大道芸を見せたりと芸達者ぶりを披露してくれる。
兄と妹の二人暮らしのところへ転がり込んできた、変わり者の青年役。
自閉症気味の妹を思いやる兄だけが現実世界の人間で、恋に落ちていく妹と青年はなんだかおとぎ話の国の人みたい。
でも、一昔前の雰囲気の音楽と相まって、ほのぼのと心に残る佳作。

7...
恋する40days


ジョシュ君が大まじめに演じる「恋する40デイズ」というレビューを書いた。
国内の劇場公開もなかった小作品だけど、なんか好き。
これもジョシュ・ハートネットの、きまじめな感じのエロ・ラブコメが成功しているんだと思う。
もっと砕けた雰囲気の俳優だったら、魅力も半減だったような。

8...
DDLJ 勇者は花嫁を連れて行く


インド映画から、珠玉の1本。
MOVIEバトンのつづき!(遅い!)の中で、力の限り「好きだ〜〜っ!」とレビューしているのにほぼ無反応、いいの。どうせマイナーですもの。
観たい人、いつでもDVDお貸しします。

9...
恋のためらい フランキー&ジョニー


アル・パチーノが大好きでした。もうだいぶ年とったけど、ギリギリでラブもいけてたころ。
しがないウエイトレスとムショ出のしがないコック、若くないふたりのちょっともどかしい感じのラブ。
ストーリーはふつうだけどいいシーン満載。
夜の路上、初めてのキスをする瞬間、ふたりの後ろに花屋のトラックが積んでいた花を降ろすために、積み荷のシャッターをがらがらがらっと開ける。ふたりのバックに色彩があふれ出す。
パーティーに呼ばれてアル・パチーノがダンスするシーン。
ダンスする俳優がとても好き……とは、親密すぎるうちあけ話のレビューでも書いたとおり。
ヒロインのミシェル・ファイファーが、初めてのベッドインのときに
「お願い、(イクときに)声を出して」
と頼み、ふたりそろってとんでもない大声を発して達するシーンも、可笑しいけど妙に印象的。
ミシェル・ファイファーの声はほんとにセクシーだ!!
『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』でもステキな声で唄っていたねー。

10...
テキーラ・サンライズ


メル・ギブソンのアクションドラマなんだけど、今になってみると思い出すのはラブの記憶ばかり。
カート・ラッセルとつきあい始めたミシェル・ファイファーに恋するメル・ギブソンが秀逸!
「君を誘いたくて……」という一言が出るまでの表情と間合いがタマラン。
ラブの展開はあくまでアクションの添え物なので、三角関係がばんばん壊れていくのがややついていけないが、「いい女」の代名詞のようだったミシェル・ファイファーに片思いするメル・ギブソンはよかったなー。

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ああ、こんなに長くなりました。長くてごめん。

by apakaba | 2007-01-19 18:17 | 映画 | Comments(12)