あぱかば・ブログ篇

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2008年 11月 29日

動きすぎ、ぐーにゃぐにゃ

風邪よー。

きのう、「アキタコマチ」の中学の保健室から、風邪で寝てしまっているから早退だと電話があり、迎えに行く。
保険証を「ササニシキ」が持っていて家にないので、保険証なしで内科へ行き、実費を負担する。

今日は朝からつまらない用事で飛び回っていた。
まず、「アキタコマチ」がむちうちで通院していた病院へ。
学校から保険が下りるので書類を書いてもらいに行った。
つづいてその病院の向かいの調剤薬局へ。

クリーニング店へ。

文房具店へ。

きのう、「アキタコマチ」が保険証なしで行った内科へ。
きのう払ったお金を払い戻してもらう。
つづいて調剤薬局へ。

「コシヒカリ」の骨折の通院も終わったので、また保険のための書類を書いてもらいに、整形外科へ。
つづいて調剤薬局へ。

昼ごはんの買い物にスーパーへ、いったん帰宅。

郵便局へ。
友だちのバースデープレゼントなどを送る。

TSUTAYAでDVD返却。

スーパーで晩の買い物。
明日の分のコーヒー豆がないことを思い出し、量り売りの店へ。
コーヒーを煎ってもらう間、ブックオフで立ち読み。

帰宅してすぐ犬の散歩。
このへんでいきなりがたがたと具合が悪くなった。
悪寒がして、地面がぐにゃーっと。

今夜のおかずは、さんまの塩焼き、ぎんなんを煎って、菊のおひたし、トマトとマッシュルームとブロッコリースプラウトのサラダ、キャベツのぬか漬け、ししとうのごま油炒め、これで飲むかうひひっと思っていたのだが、ぐにゃぐにゃになってしまい、なにもできない。

頼みの「アキタコマチ」は寝込んでいる。
でも!
「コシヒカリ」が、全部作ってくれた。
けっこうできるようになってきたのね。ヨカッタ。

PCを開いて、大阪旅行記のつづきと、バリ旅行記の写真のセレクトでもしようと思ったら、画面を見てもぐにゃああっと。
ダメぜんぜん。

でも娘が役立つようになったのでなによりなにより。とてもうれしい。
今日は飲んで寝ちゃう。
復活したらバリバリ書くわ。

by apakaba | 2008-11-29 23:12 | 生活の話題 | Comments(6)
2008年 11月 27日

インド同時テロ、タージマハル・ホテル雑感

朝起きて、寝ぼけている目に、インドの同時テロの映像が飛び込んできた。
「あ、あ、あ……」
ムンバイのタージマハル・ホテルが燃えている。
9.11の映像もたまたま夜中にテレビをつけていて中継を見てしまったが、あのときの気持ちと、またちがう感情が襲ってきた。

12年前に泊まった。
ひとりでインド国内をうろうろしていて、最後の夜だけ、日本から何ヶ月も前に予約を入れておいた。
その当時でさえ、一泊4万円だった。
でもこれを逃したら、もう二度とタージマハル・ホテルなんか泊まれないだろうと思っていたから、新館よりさらに割高な本館を指定して予約した。
室内は、さほど広々としていないが、なんともいえない香りが漂っていて、その香りが、香水や香料が苦手な私も部屋に入ったとたん深呼吸をくり返したくなるような、絶妙な加減なのであった。

旅行中、ずっと日焼け止めクリームだけしか塗っていなかった顔に、メイクをしてピンクの口紅をつけて、イッセイミヤケのロングワンピースを着た。
メイク道具もワンピースも、このホテルに泊まるためだけに、旅行カバンに持ち歩いていたのだ。
美しい部屋の中で1回だけしたおしゃれの支度。
大きな鏡で口紅をつけたら「あれ、きれいだ!」と自分で思った。
旅行中のボロ宿の汚い鏡に映る自分はひたすらダサく小汚く、うんざりしていた。
場所が人を作るんだな。
この由緒あるホテルは、これまでどんなすばらしい人々を泊めてきたんだろう。
新しいホテルにはない、風情と格式を、館内のどこを歩いていても感じた。
私が若かったせいもあると思うが、ワールドクラスとはこういうホテルかと初めて実感した場所だった。

天気も空気も治安も悪いボンベイ(当時)にあって、あのホテルの建物だけはひたすらに美しく、遠くから見ても至近から見ても、美しさにうっとりした。

その、思い出のホテルが、今朝のニュース映像で炎上していた。
思い出を焼かれるというのか……体のどこかの皮膚を焼かれたようなというのか……そう、とびきりの思い出の写真を、ことさらに目の前で焼かれるような、肉体的ではないがほとんど肉体的な苦痛を伴う驚きを持って、映像を眺めた。

イスラム系過激派の犯行の疑いが報じられている。

12年前よりさらに昔にさかのぼり、20年ちかく前のデリーでのある夜を思い出す。
ムスリムの青年たちに、オールドデリーのイスラム地区で晩ごはんをごちそうになった。
「ボンベイ(当時)に行ったことある?ないの?是非行ってよ。僕らはボンベイの出身なんだ。ボンベイは……いいところだよ。美しい街だよ。次にインドに来るときには、行ってみてね。」
と穏やかに語る青年たちは親切で紳士的で、とくに“ボンベイ”という言葉に、アラビア海からの海風がふわっと吹いてくるような愛情がこもっていた。
インド人は自分の家族や故郷に、ひとかたならぬ愛情を込めて語る人が多いように思う。少なくとも日本人よりはずっと。
その青年たちに会って、ボンベイにいつか行ってみようと思ったのだ。

ムスリムの青年たちは、元気でいるなら、今では立派な中年になっているはずだ。
あの人はどうしただろう。あのときのあの人は?
旅をすれば、そこにいた人の顔が浮かぶ。
だから切なくなるんだな。
自分になにができるわけでもないが、テロは悲しい。
明日にはこんな思い出を子供に話そう。

by apakaba | 2008-11-27 23:48 | ニュース・評論 | Comments(2)
2008年 11月 25日

大阪滞在24時間 第5話 国立民族学博物館と万博記念公園

帝国ホテルをチェックアウトして一歩外へ出れば、夢は終わってただのしがない観光客だ。
大阪にまるで疎い我々は、駅の切符売り場でもいちいち立ち止まり、改札に入ってからもいちいち立ち止まり、と確認をくり返さなければ動けないので、非常に時間を無駄にしてしまう。
交通手段(バスかタクシーかその他か)の選択や乗り換えを「これでいいのかなあ?」「この行き方がほんとにベストなんだろうか?」と迷いながら動くのでなおさらだ。

息子の写真展は午後からなので、万博記念公園内の国立民族学博物館(通称みんぱく)へ行ってみた。
私は以前に行ったことがあるが夫は初めてである。
駅からタクシーに乗ると2100円かかり、あとから地図を見て
「こんなはずがない!絶対わざと公園の外周をぐるっと半周したぞ!」
といつまでも怒っていた。
いわれてみればそんな気もする、でもこういうことってわからない。
外国だとよくこういうことがあるけど……どうなんだろう?

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私が前に行ったときは、展示の量の多さに驚いてしまい、丁寧に見ていったら4時間近くかかってしまったことがあるので、あらかじめそれを言っておいた。
あんまり熱心に見ていると疲れ切るし時間がなくなると。
夫は、私に言われなくてもちゃんとスピードを心得ていたようで、かなり駆け足で一回りした。
だから1時間くらいであっさりと見終わった。

「どうだった?すごい量だったでしょう。」
「うーん。あれはなあ。きっと、あそこの人は、とても真面目な人たちなんだろうなあ。
でもなあ、無理なんだよ。あんなにいっぱい並べられても、人間はそれほど集中し続けられないものなんだ。お腹いっぱいになっちゃって。」
「あはは!長すぎる映画みたいに?監督の気持ちはわかるけど、2時間にまとめるのも芸のうち……って?」
「そうそう。あれも見せ方なんだよな。たとえばガイドツアーみたいなのを置いておいて、今日はここを重点的に見てみましょうとか学芸員が解説つけて詳しく見学させてくれるとか、そういうことをすればもっと生きるんだよな。
並べてみました!だけでは、人は食いつかないよ。」
「そうだねえ。すごい努力だけどねえ。」
「努力の方向性が大事なんだよ。……それよりこの公園はいったいなんなんだよ、なんだこの無駄な土地の使い方は。」
突然怒り出す。

「まったく徒歩の人間のことを考えてねーじゃねーか!クルマ前提かよ。バスはぜんっぜん来ない、駅からは遠すぎ、タクシーはぼるし。
自然文化園……?エキスポランド……千里住宅公園……?日本庭園。夢の池……ねぇ。国際児童文学館……とにかくなんでも持ってきたな?建ててみましたってヤツか。無茶苦茶なとこだなあ。こりゃ根本的に変えないと、こんな土地の利用じゃどうしようもねえぜ……」
「だけど大阪はお金がなくってそんな改革的なことできないんだよ。」
「だよなカネはないよな!利権がからんでくると身動きとれないっていういい例だよな……。うーん。司馬遼太郎行くか!」
突然行き先を変更する。
このまま、写真展の会場に直行するとばかり思っていたので驚く。

司馬遼太郎と言っているのは、安藤忠雄作品のひとつである司馬遼太郎記念館のことである。もちろん、行きたいことは行きたいが、
「もう一箇所行くの?写真展に行くのが遅くなっちゃうよ?」
「いいじゃねーかせっかく遠くまで来たんだから!写真はどうせ夜まであいてるんだろ?まだ大丈夫だよ!」

ということで、このあとどっさりと乗り換えをして、司馬遼太郎記念館へ向かった。
往きで懲りて、もう絶対にみんぱくからタクシーに乗りたくない夫は、モノレールに乗るという。
本当は公園内に乗り入れているバスに乗ろうとしたのだが、時刻表を見ると1時間に1本あるかないかで、短気な夫は「この野郎ふざけんな!」と罵詈雑言をバス停に浴びせ、カリカリしながら広大な公園を徒歩で出て、モノレールの万博記念公園駅まで行った。
初めて知ったがそこはガンバ大阪のホームグラウンドの最寄り駅で、グラウンドからは、まだ昼なのに応援の練習をする声がこだましていた。
それを聞いていると、夫の苛ついていた気分が幾分か収まったようだ。
i Phoneでせっせとアクセス方法を調べ、万博記念公園駅→南茨木→淡路→天神橋筋六丁目→日本橋→河内小阪、と乗り換えた。

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南下するにつれ、庶民的に……


途中の南茨木で、昼ごはんにした。
当初の夫の希望「関西行ったら粉モン食いたい」をかなえるべく、お好み焼きやうどんの店などを探そうとしたが、駅から見える範囲では見つからず、街へ出てさがすには時間が足りないので、割り切って駅にあるコーヒーとホットドッグを食べてしまった。
初めてシアトルズベストコーヒーに入った。
ぜんぜんうどんじゃなくなって少しがっかりだが、コーヒーはなかなかおいしい。

私は「こんなに乗り換えるんですか……」とうんざりだったが、夫は大阪の街の様子、駅構内に立っている人たちの様子をめずらしげに眺めている。
「なんか……どんどん様子が……とくに“おっちゃん”が……!外国みたい……!俺って……こんな小ぎれいなカッコしちゃってひょっとしてバカみたい?浮いてるか?(一応、帝国ホテルから出てきたので)」
あなたの言いたいことはわかる。
ディープな感じになっていくのですよね。
朝にチェックアウトした帝国ホテルがスタンダードな大阪だと思ったら大間違いなのよ。

(つづく)

by apakaba | 2008-11-25 11:17 | 国内旅行 | Comments(10)
2008年 11月 23日

呼び捨て?ちゃん付け?……親はどうだった?

連休中って誰も読んでくれないからやる気出ず……大阪バナシは一時休憩です。

きのう、あるコメント欄で私が「自分の子供やペットに“ちゃん付け”ができない」と書いた。
自分で書いておいてそれがなぜなのかがわからずなんとなく考えていた。
母親がそうだったからなのね。

犬をニックネームやくん付けやちゃん付けで呼ぶと、自分の名前がよくわからなくなるから、犬は統一した呼び名で、呼び捨てにすべし。とは訓練士さんもよく言うし、私も親からそう教わった。
犬をずっと飼っていたが、呼び捨て以外で呼びかけたことがない。
よその犬も、呼び捨てでないとなんだか落ち着かない。
長年の習慣なのだな。
そこのお宅がくん・ちゃんを付けて呼んでいたらなるべくそれに沿おうとするが、正直に言って抵抗感はある。
犬は低く見るべしというのも、親からの刷り込みなんだなあ。
「○○ちゃん(←犬)に“ごはん”は“あげた”?」
などという会話を聞くとものすごく気持ち悪い。
犬は家族と対等ではなく、あくまで犬畜生なので、“餌”を“やる”と言っておけばよい。
ちなみに、正しい日本語としては“餌”という語に“あげる”という語は対応しない、ということも、高校の国語の時間に習った。
だから作文で「えさをあげる」と書くと、本来は減点だ。

今は「犬は家族」という認識が当たり前になっているから、「餌をやる」と言っている家も少なくなっているように思う。
うちの子供たちはやっぱり親(私)の影響で、“餌”を“やる”と思いきり言っていますねえ。

子供への呼びかけについても、私の両親は決して子供をちゃん付けで呼ばなかった。
「眞紀」という短い名前も、呼び捨てで怒りやすいからつけたなどと父に冗談で言われていた。
むしろ「眞紀さん」とは呼ばれたが、「眞紀ちゃん」とは呼ばれていない。
両親各々の親戚一同を思い返すと、とにかくみーんな、ちゃん付けで呼び合っている。
親もきょうだいも、ちゃん。ちゃん。ちゃん。と呼び合う。
その反動だったのかな?
「いい歳して“ちゃん付け”は、イマイチだぞ……」
自分たちの経験から私の両親はそう感じていたのかもしれない。

7歳上の姉のことも、
「おねえちゃんと呼んではいけない。7歳も上の人に対して、ちゃん付けはいけない。おねえさんと呼びなさい」
と厳しく言われた。
友だちで、姉や兄をさん付けで呼んでいる子は一人もいなかったので、私は恥ずかしかった。
「へえ、おねえさんって呼ぶの?なんか、変わってるー。なんか、すごいお嬢様の家みたい!」
と珍しがられた。
でも勝手に呼び方を変える勇気は私にはなかった。
私はとても従順な娘だったから。

自分が親になったとき、やはり、自分も“くん・ちゃん付け”はしなかった。
赤ん坊のときから呼び捨てにしていた。
そうやって赤ん坊を育てながら、自分の子供をちゃん付けするなんて、アホか!気持ち悪い!という刷り込みが、やっぱり私にもあるからなんだ!としみじみ感じていた。
最後の娘だけは、かわいくて、最後だという感慨もあり、3歳くらいまではたまにちゃん付けで呼んでいた。
でも幼稚園の後半までには完全に呼び捨てにした。
そして、今はむしろなにか付けるなら“さん”だ。

母親の影響は、こういう、ほんとにちょっとしたところに染みついている。
どの“子”も、やがていろんな場面でそれを痛感するときが来る。
もちろん、反面教師として現れてくるときもある。
私は、自分の子供たちには、「おにいちゃん」とちゃん付けで呼び合うことを許した。
許したというか、やっぱり幼い子供が「『ササニシキ』おにいさん。」とか呼び合っているのは不自然で居心地悪いよ。
自分が「イヤだなー」と感じてきたことは変えている。

犬と子供の呼び方のことを例に挙げたが、親になると、知らず知らずのうちに子供にどんな影響を与えているのかなあと考えてしまうときがあるのよねえ。

どうして私の親は、あんなに呼び方に厳格だったのだろう?
幼児語をとても嫌っていた。
じいじ・ばあば・にいに・ねえねetc.はもってのほか。
そういう甘ったるいコトバって、禁止されている身にはちょっぴり憧れがある。
でもダメだといったらダメっ!
親も若くて、子育てに張り切っていたのかもしれない。
私の生まれはものすごいビンボー下町の三軒長屋だったから、育ちの悪い言葉にはことかかない土地柄、染まらないようにと母がキリキリしていたのかも。

この歳になるとすっかり親もテキトーになってきて、ポリシーもなにもなくなるらしく、平気で私にも「眞紀ちゃん」とか呼びかける。あはは。

by apakaba | 2008-11-23 21:36 | 生活の話題 | Comments(6)
2008年 11月 21日

大阪滞在24時間 第4話 サヨナラ帝国ホテル大阪

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結婚式のお客さんもたくさん!
結婚式にうってつけのめでたい雰囲気の内装。


帝国ホテルを去る前に、あとひとつだけ、感動したことを記しておく。

朝食のビュッフェには、ザ・パークというロビーラウンジへ行った。
ロビーラウンジでの朝食は、日曜日の朝だけオープンするらしい。
カフェレストランよりも広々していて気持ちがいい。
それにしても、……品数が、少ないのか?
妙にこぢんまりしていないか?
と、やや不安を感じつつ近づいてみてわかった。
品数は、十分に多かった。
料理の載ったひとつひとつのお皿が、今まで見たこともないほど小さいのである。
だから実際よりずっとコンパクトに感じるのであった。
これはよほどスタッフが目配りしていないと、あっという間に料理が空になってしまうだろう。
そして取り皿を手にしたお客たちが不満を溜めて行列することだろう。
しかし、広いラウンジがほぼ満席なのにもかかわらず、そんなコーナーはひとつもなかった。

ディスプレイをよく見ると、いかにもおいしそうに見えるように工夫が凝らされている。
たとえばヨーグルトの容器をガラス瓶にたっぷりと入れて、砕いた氷を張った大きな箱に収めるなど、ひとつひとつは本当に小さな工夫だが、それによってぐっと見栄えがして「食べたい」と思わせる。

朝ごはんはいうまでもなく、おいしうございました。

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上階からロビーラウンジ「ザ・パーク」を見渡して、ステキさに驚く。


「ここのトップの人は相当のものだね!」
「チェックインのときも、遠くからベルボーイが『お持ちします』ってサッと駆けつけたしな。大事なのはあのタイミングの良さなんだよな。」
土曜の夕方6時に入って翌朝にはもう出て行くのが惜しまれるホテルだった。
つくづく、ニッポンの老舗ホテルっていいなあと思った。
帝国ホテル大阪には最初から最後まで、参りました。ぺこ。

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定宿にしたいです!
ちなみに一晩でいくら使ったのかは聞いていませんわ!

(つづく)

by apakaba | 2008-11-21 20:05 | 国内旅行 | Comments(8)
2008年 11月 19日

大阪滞在24時間 第3話 レ セゾンその2

ふだんの夕飯でさえ最低でも1時間は飲んでいるので、フレンチでは3,4時間は平気で飲んでいる。
他のお客さんはそんなに長っ尻ではないから、入ったときにほぼ満席だった店内も、だんだんと空いてきた。お給仕のひとりが
「よろしければ窓際にお移りになりますか?」
と勧めてくれたので、席を移る。
「お食事中にばたばたさせてしまって申し訳ありません。パンは新しいものをお持ちします。」
と、食べかけのパンは新しくしてくれた。
夫は、
「飛行機がずいぶん低く飛ぶんだなあ!空港が街に近いんだな。」
と、窓からの景色に驚いていた。

ワインはいつものように途中でなくなってしまった。
昔たくさん飲んでいたころは、食前にビールを何杯も飲んで、白も赤もフルボトルで飲んでさらにウイスキー、といったメチャクチャな飲み方をしていたが、今は食後酒へと速やかに移行することにしている。
我々のテーブルについたソムリエ氏は、“氏”というより“くん”といったほうが似合いそうな、20代半ばくらいに見えるハンサムな人だ。
ソムリエくんは我々が酒と料理のことになるととても明るく反応するので、だんだんと我々のテーブルにとどまる時間が長くなってきた。
私が、こういっては何だがこちらのお料理は期待以上においしかったこと、国内外でいろんなフレンチの名店に行っているがまったく遜色なくて感激したことなどを言い、しばしジビエ談義をする。
若いのに似合わず話がこなれている。
プロだからワインや料理の“知識”が豊富なのは当たり前としても、自分の経験の失敗談や感動したことなどを、えらそうではなく素朴に話す。
さすが名店はすぐれた人を置くものだと思う。

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エレベーターの中も洒落ています。


コース外のチーズを頼むと、彼はとてもうれしそうにワゴンで運んできた。
「これを運んでこられるのが久しぶりでうれしいんです。あまり皆さん召し上がらないから。」
と言う。
めいっぱいクセのある、めいっぱい熟成したものばかりオーダーするとますますうれしそう!
「このチーズを切るのは久しぶりです!」
そこですかさず私が口を挟む。
「前から不思議だったんだけど。この、チーズを切ってくれるのって、目分量なんですよね?ということは、たくさん分けるかどうかはお兄さんのムネ一つで決まるわけですねっ?」
こういうおねだりが大の不得意な“東京・山の手・坊ちゃん育ち”三拍子の夫は
「……お兄さんってよぅ……」
と恥じ入るが、関西人のソムリエくんはこれがツボだったらしく、
「もちろん、多く取ります!ほんとに久しぶりですから!」

つづいて、ワインが切れたので食後酒になにか甘めのモノを尋ねてみると、彼は3本をワゴンに載せてきた。
両端のヴィンテージポートとソーテルヌならめずらしくないが、その真ん中に燦然と、トカイが!!!
しかもそのトカイは見たことのないボトルに入っていて、そのことにもそそられる。
「うわあ、これがいい、これがいい。」
と二人で常軌を逸した盛り上がりを見せると、ソムリエくんはまたそれもツボらしく、
「チーズととても合います!とくにこの、栗の葉に包んであるもの(私のチョイス。突拍子もないお味。嫌いな人は吐き気を催すと思う。)に!」
ふたたびすかさず
「それで、そのトカイを注ぐのも、やっぱりお兄さんのムネ一つ……なんですよねえ?」
と私がしゃあしゃあと言う、そこでふたたびソムリエくんは笑いながら
「もちろんです!」
と言う……レストランでは、楽しみたい人と楽しませたい人が、双方の共同作業で盛り上がるものだ。

トカイはもちろん、筆舌に尽くしがたいとしか言いようがございませんでした。

最後はデザート、紅玉りんごをバターでソテーして、コニャックでフランベしてバニラアイスクリームと供するという、シンプルでおいしいこと請け合いのものを頼むと、ソムリエくんがまたもワゴンに一式載せてきて、テーブルのそばでりんごのソテーから作り始めた。
コニャックの段では当然、またしても
「そのコニャックを入れる分量はやっぱり……(以下同文)」
「もちろんです!関西ですから!多く入れてます!」
掛け合いも3回くり返せば滑らかそのもの。
夫は観客のように爆笑している。
ふだん、海外旅行に行っても渉外はすべてこの調子で、私がやる。
愛想振りまいてふざけて値切って値切っておねだりして。
夫はお金払って荷物運ぶだけ。
「関西はいいな!外国と同じだ!」
すごいざっくりした括りだね……まあ役割分担ということで、私も楽しい。

本当に、このソムリエくんはよくやってくれた。
テイストが我々にちょうどよい。
出過ぎず威張らず温かく、初々しさと老練さを持っていて、ノリはいいが悪ふざけは決してせず、心地よくしてくれる。
「彼、見事だなあ。」
「やっぱり一流はいいスタッフをそろえてるんだなあ。」
と二人で感心した。

レ セゾンに行ってみて、ますます帝国ホテル大阪を見直したのだった!
そして4時間も居座っていて完全にヨッパライになったのだった!
だから当初の目的地だったオールド インペリアル バーにはたどり着けずじまいとなってしまった……でもいいや。レ セゾンはおいしくて楽しかったもん。

(つづく)

by apakaba | 2008-11-19 23:52 | 国内旅行 | Comments(4)
2008年 11月 18日

大阪滞在24時間 第2話 レ セゾン

レ セゾンは高層階にあるだけあって、夜景がよく見える。
たしかに、電話で聞いていたとおり、窓際の席はいっぱいだった。

フレンチではいつも、食前酒にはシャンパンを果汁で割ったものか、ブランデーをジンジャーエールで割ったもの、もしその店のオリジナルの食前酒があればそれを頼むことにしている。
ここではオリジナルはないようなので、シャンパンをグレープフルーツで割ったものにした。
ホワイトミモザといえば注文の通りは早いが、私は
「シャンパンを甘めな果汁で割って、サワヤカな感じにしたようなものは……」
という曖昧な尋ね方をすることに決めている。
そこからお給仕の方との会話がスタートするから。
「ミモザ」とか「ベリーニ」などと注文したら、一言で終わっちゃうからつまんないでしょう。
「でしたらコレコレはいかがですか?今の季節にもぴったりですし。」
「ああ〜それがいいな。お願いします。」
「かしこまりました。」
などという短いやりとりの調子から、どんな店だか察したいし、私がどんな客だかを察してほしい。

レ セゾンのお料理は、思いがけずといったら本当に失礼だが、予想していたよりはるかにおいしかった。
第1話で書いた“ホテルに入っているフレンチはつまらない”という偏見は前菜からたちまち払拭された。
付き出しも前菜もお魚もお肉もデザートもみんなアイデアが新しくて、すばらしくおいしかったよ。ほんとに。うん。

私はレストランでお酒を飲むのがとてもとても好きなので、お料理に関するレビューは割愛して酒絡みだけを書いてみよう。

食前に“シャンパンをグレープフルーツ果汁で割ったもの”を飲みながらオーダーを決め、辞書のようなワインリストをもらう。
ここから、いつもおんなじ流れとなる。
最初は、ソムリエから夫にワインリストが手渡される。
夫が、大事な調べ物があるかのように、隅から隅まで眺める。
私はその間、おとなしく無言で待つ。
「うーむー。いろいろあるなあ。ま、頼んでくれ。」
と、おもむろにリストをこっちへ寄越す。
「予算どれくらいよ?」
と率直に聞く。
「まー、××くらいってとこじゃねーの?」

そこで私がソムリエを呼び、これ以降、夫は一言も発せず、私がソムリエと話をする。
好みの傾向を伝え、今まで飲んでおいしかったワインを(漠然と地区を言ったり、銘柄をいくつも細かく言ったり、いろいろと)伝え、でも見栄を張らずに
「……と、いうようなものが好きですけど、今日はもうちょっと予算抑えめで、これくらいの(値段を指さし)ところで、オススメを知りたいんです。」
と、最後はお任せ。
たいてい、いくつかの候補を即座に挙げてくれるので、説明の中でもっとも心惹かれたものに決める。
このときは二人でちょっぴり相談をする。
今回は、1999年のポイヤックのシャトー・クレール・ミロン(しかもグラン・クリュ・クラッセ!)が破格のお値段であったのでそれに決めた。

「これ、俺らの結婚式のときに披露宴で出した赤ワインなんだよ。だから思い出に残ってるんだ。」
と夫は感慨深げに言うが私は当時のことなどまったく覚えていないので、
「あっそうなの?よく覚えてるわね。」
と冷たい反応。

テイスティングはもちろん私に。
だってホラ、ワインのテイスティング、あたしにやらせてーですから。

おいしいです!ありがとうソムリエ氏!
さあ!長ーーーーーーく始めましょう。

(つづく)

by apakaba | 2008-11-18 23:51 | 国内旅行 | Comments(4)
2008年 11月 17日

大阪滞在24時間 第1話 帝国ホテル大阪

きのう・おとといで、大阪を駆け足で廻ってきた。
夫とふたりで、約24時間しかいられなかったにもかかわらず、貪欲に遊んだ。
これが意外におもしろかったので、写真入りでふりかえってみる。

もともとの目的は、次男が参加するグループ写真展を見に行くということだった。
夫が行かれなければ私一人で日帰りして、写真展だけ行こうかと思っていたら、土曜の仕事を早くすませて夕方から出て泊まるという。
次男は試験前で行かれないし、それじゃ子供は留守番にして、ふたりで遊ぶかということになった。

ホテルを探すところからまったく歩調が合っていない。
私は、夜に到着して翌朝には出てしまうのだし、安いところで十分だと思い、一部屋一泊1万円以下のホテルを探していたのに、夫は「ダメだ!もっといいところに泊まる!」という。
彼はとっても贅沢屋さんアンド愛妻家なので、「君と泊まるのになんで安宿に泊まらなくちゃならない?!」といいたいらしい。
まあべつにあなたが払ってくれるならそれでいいのよ。
というわけで、帝国ホテルに決定。

帝国ホテルは、東京での印象がさほどよくなかったので(ひとりの夜、みんなの夜。帝国ホテル、ディナーバイキングの驚愕に関してとか書いたことあるし)、私はやや心配していた。
東京にもニューオープンのホテルが続々登場しつづけているし、老舗ホテルの生き残りはどうなんだろうと思っていたのだが……


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全室改装をしたばかりということで、モダンさと老舗らしい重厚さの両方を感じさせる内装に驚く。
もっと古くてボロい雰囲気を想像していた私が悪うございました。
もともと帝国ホテル大阪は1996年オープンなのだから、古くてボロいということがあるわけもない。
東京の、“老舗”の名にしがみつくばかりの老朽化ホテルをよく見ているから悪いイメージ先行となっていた。反省反省!


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水回りも、コンパクトで機能的ながら狭苦しい印象を感じさせず、ほどよく優雅な、うまい作り。
古いホテルは水回りが美しくない、安いホテルは水回りがもっとも安っぽい。


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読書灯がカッコイイ!
夜、夫が寝たあとで読書をちょっとだけしてみたが実に実にすばらしい使い勝手!
これ、くださーい!
と思ったらホテルのオリジナルギフトショップに売っていた。
小さいサイズでも37000円。高すぎます。
でもステキだったわ……!

すっかりいい気持ちになった夫は、
「ホテルのレストランで食おうぜ!」
と言い出す。
「え!お好み焼きじゃないの?いつも言ってるじゃん、関西来たら絶対粉モン食べないとイヤだって。大阪駅までバスで行って、お好みとビールでやっつけて、あとホテルのバーでも行くかって言ってたじゃん!」
「あのなーせっかくだから使わなきゃダメよ。カネは。」
「……ぜんぜん、言ってることがちがう……あなたがいいならいいけど……」
「レ セゾンに予約取れるか電話してみろ。」
「れ せぞん〜〜〜〜?ほんとに〜〜〜?!」
帝国ホテルのレ セゾンといえば東京でも有名な、それこそ老舗中の老舗レストランだ。
都内の一流レストランにはけっこう行っている(ではなくて行っていた。過去形。)けれど、レ セゾンは行ったことがない。
オーソドックスなものより最先端のスタイルのフレンチが好きな我々は、ホテルのダイニングというものにちょっと偏見があることも事実だ。
ホテルに入っているフレンチレストランは、万人向けの、我々からすると「ありきたりでつまらない」料理を出すところが多かったから。
だからわざわざ帝国のレ セゾンへ行こうとしたことがなかった。

でも彼はすっかりその気なので、ためしに部屋から電話を入れてみると、窓際の席以外ならすぐ入れるとのこと。
「窓なんかどうだっていいよ今さら。行こうぜ!」
大阪でフレンチ、しかも帝国のレ セゾンに行くとは予想だにしなかったので本当にびっくりした。
行く前はあんなに「カネがない。お好み食いてえ。酒はアレだ、バーで2,3杯ひっかけりゃ十分だろ」とか言っていたのに!
夫の変わり身の速さと贅沢好きにはほとほと驚かされる。

(つづく)

by apakaba | 2008-11-17 22:24 | 国内旅行 | Comments(7)
2008年 11月 14日

最後の新車、ホンダ FIT

隣に住む私の親が、クルマを買い換えた。
きのう、新車が来た。
ホンダのFIT、今ニッポンいち売れているか?
買い物などに出かけて、FITを見ない日ってないもの。

前のクルマは、同じホンダの、初代CR-Vだった。
10年くらい乗って走行距離13万キロ。
よく遊んでるねえ。
勤めを定年になるまではセダンだったが、定年になってから二人で遊ぼうと決めてSUVを買ったらしい。
私は初代CR-Vの乗り心地がどうにもつらくてほとんど乗ったことがなかったけど。
後部座席がせまくて直角で体を揺すられ、だれでも酔ってしまう。
うちの子供たちもみんな気持ち悪くなっていて、評判が悪かったけれど、親たちはすこぶる気に入っていた。

このまま、CR-Vを乗りつぶして、そのうち運転も引退するだろうと思っていたのに。
70を越してから新車を買うとは思っていなかった。
これが最後の買い物だろう。
安全運転でお願いしますよ。

しかし、自分が運転したことのないクルマって、手放すときもまったく未練も愛着も感じないものなのね。
自分の手から離れるわけではないから「手放す」という言い方も当てはまらないのだが、私が結婚前に実家で運転させてもらっていた親のクルマを買い換えるときのほうが、感慨深かった。
今のうちのクルマは2台目だが、1台目を手放すときも、やっぱり寂しかった。
新車はうれしいけど前のクルマもかわいかった、という感慨。
でもCR-Vは結局一度も運転せずじまいだったから、うちの子供たちがさんざんいろんなところへ遊びに連れて行ってもらっていたのにぜんぜんなにも感じない。
なにも感じない私に較べ、子供たちは、写真を撮ったり「オレが最後に乗ったぜ」などと言い合って、それなりに別れを惜しんでいたようだ。

クルマも、ひとつのスキンシップなのかな。
触った回数が重なれば、かわいく感じられる……と……あとは思い出と結びつくかどうか、とか。
新車FITを私が運転する機会は今のところなさそうだけど、ちょっと運転させてもらうと、かわいく感じるようになるのかもしれない。
サヨナラ、初代CR-Vよ。
これからくれぐれも安全運転でお願いしますよ(しつこい!)

by apakaba | 2008-11-14 18:24 | 生活の話題 | Comments(10)
2008年 11月 12日

まだまだコドモ、まだまだ修行中

すっかり夕方になってから、皮膚科に行かなければならなかったことを思い出した。
脂漏性皮膚炎になって1年たつが、飲み薬を1日2回飲まないとたちまち顔のブツブツが復活する。
今日中に行かないと、今夜の分からもう薬がなかったのだった。

「きゃー忘れてた!おかーさんどうしても皮膚科に行かなきゃ!」
「アキタコマチ」が学校から帰ってきたので、犬の散歩かごはんの支度か、どっちか手伝って!と頼む。
「ごはんの支度やっといてあげるよ。今日はなに作るの?」
「ありがとう!じゃあコーシローの散歩をさせながら皮膚科に行ってくるわ。今日は、麻婆豆腐・大根葉と長ねぎのみそ汁・大根葉の納豆和え・じゃがいもとしその酢の物・さつまいもと豚肉の煮物。あと、ごはん。」
「わかった。できるのからやっとくから。」
「さつまいもは切り抜いたレシピがあるからそれ見ながらやって。」
「わかった。レシピがあればオレはどんな料理でも作れるからね。」

皮膚科に行って戻ってくると、すでにごはんが炊いてあり、おみそ汁と麻婆豆腐もできあがっていた。
麻婆豆腐は私が作るよりずっとおいしそう。
豆腐がまったく崩れていないし、盛りつけ方が見本の写真みたいにきれいだ。
「うわー上手だねえ。もうこんなに作ったの!」
「ふふん、俺様にかかればちょろいよ。今、さつまいもをやってるとこ。おかーさん、1カップってさ、200ccのことだよね?」
「うん、そうだよ。じゃあおかーさんは先にお風呂に入っちゃうね。急いでお風呂に入ってから、『コシヒカリ』の塾にお迎えに行くから。」
「いいよ、今、水を入れたところだから、あとは水気が飛んでしょうゆを入れたら出来上がりだからね。」
「ありがとう!水気がなくなるまでにお風呂から出なきゃ。」

さつまいもと豚肉を炒めてから煮る、簡単な料理だ。
鍋の中を確認しないで急いでお風呂から出ると、なんか変?
水がちっとも減っていない、というよりそもそも、多すぎませんか。
いもと肉が煮汁の中で泳いでいる。
レシピには「水1 1/2カップを加えて煮詰め」と書いてある。

「あんた、ちゃんと1 1/2カップ入れた?」
「入れたよ?」
「いちとにぶんのいちカップだよ?いちとにぶんのいちカップって、300ccだよ?」
「ええっとー、うん、レシピどおり。……あれ?いちとにぶんのいち?」
「そうよ。」
「……あああーっ!うぉかーさん!大変!にぶんのじゅういちカップ入れた!」
「か、仮分数かよ?」
「だって、だって、11/2って書いてあると思って……!だから……1リットルと100cc入れちゃった!」
「アハハハハハハハ!バカだね!料理では仮分数は使わないのよ。算数だけだよ仮分数なんて使うのは!」
「だってそう見えるじゃん!どうしよう!さつまいも、離乳食になっちゃう。」

by apakaba | 2008-11-12 21:01 | 子供 | Comments(4)