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2013年 08月 24日

直島・犬島・豊島 瀬戸内へ家族旅行して考えたこと

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金髪中の「ササニシキ」は「オレの写真を撮れ」とうるさい

3年前に夫と直島旅行に行き(直島旅行2010の目次へ)、今年は子供と義父母とともに、7人で行ってきた。

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「ササニシキ」が撮れ撮れとうるさいので撮ってやる「アキタコマチ」

二重の意味で驚いた旅行だった。
ひとつは、自分の感受性と文章力の衰えを痛切に感じたという点で。
たった3年で。
同じアートを見て、最初の衝撃と同じ感想を持てというのは無理な話だが、最初のときにはスルスルと感動が言語化していったのに、今回はあのときの張りつめた気持ちが湧いてこない。

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犬島・家プロジェクト

もちろん、7人では人数が多すぎるというのはあると思う。
人と一緒にいると、どうしても相手に気を遣ってしまって集中力が落ちてしまうものだ。
一人旅だと完全に集中しているので、感動もしやすいし言語化もしやすい。
いや、きっとそのせいだな、うん。
そういうことにしよう。

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豊島横尾館は滝のインスタレーションが恐ろしくてよかった

もうひとつは、子供たちがアートをしっかり受け止める年齢に達したということだ。
長男「ササニシキ」に、「どうだった?」と聞くと、一言「さいこう」。
バカのように見えて、黙っていてもあれはあれで確実に作品の真髄をつかんでいる。
自分の感性が鈍ってきたのと入れ替わりに、子供たちがそれを磨き始めている。
考えてみれば、私も高校生からはどんどん美術館や旅行に行ったりしていたから当たり前か。

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義父母はこの旅行の代金をいろいろ支払ってくれたうえに、アートはちっともわからないと言ってあまり見て回らなかったけれど、生まれて初めての瀬戸大橋には大変感動していた。
とくに義父は、
「瀬戸大橋はすごい、絶対に見なきゃだめだ。人間はあんなにすごいものをつくるんだ。あれだって立派にアートだよ!!!!!!!」
と力説。
一同笑っていたが、私はその言葉にも心から賛成する。
現代建築の粋を結集した橋は、威風堂々として美しかった。

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直島、護王神社の地下室から入り口を撮るとまるで「光の教会」だ

今回は3年前には行かれなかった犬島と豊島にも行った。
イメージを喚起するという点で、犬島精錬所美術館のアートワークと、横尾忠則による豊島横尾館がとくに印象に残った。
ただ、私は去年の香港マカオ家族旅行のときもそうだったが、家族全員と旅行をしていると、「もうこれが最後かも」という感慨深さが先立ってしまい、実はあまりアートをよく見てない。
家族のスナップ写真を撮ったり、食べたものを撮ったりしてなんとなく時間が過ぎていった。

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ベネッセハウスのレストランで最も感銘を受けたのがこの鮎。フランス料理なのに、わたの苦みをソースに使っていて挑戦的

去年から仕事のことでずっと落ち着かず、すっかり文章を書くことをやめてしまっている(ウェブライターの仕事はしているが、商業ベースとは別に自分が書きたいように書くということを)。
あんなに書くことが好きだったのに、今は旅行や映画や読書や美術展などで刺激を取り入れても、それを文章という形にして出す気力がなくなってしまった。
なんかもう、私はだめだ。
これが年を取るということか。

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犬島ではかなり熱中症気味でしたね……

現代アートを見て、感動を、する、しないは各人に任されるが、それを言語化できるかどうかは私にとってきわめて重要だと再認識した。
「すごい」「きれい」「感動!」とかじゃなくて。
なんとかがんばりたい……がんばりたい。

by apakaba | 2013-08-24 18:37 | 国内旅行 | Comments(4)
2013年 08月 08日

「コシヒカリ」のオーストラリアホームステイ報告

「え、『コシヒカリ』ちゃんはもうオーストラリアに行っちゃったの?あの子はなんでもかんでも動物に触るでしょう。それをやったらいけないって注意しようと思ってたのに。大丈夫かしら。」
と、義母は心配していたが。

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きのう、娘の「コシヒカリ」が11日間のホームステイから帰ってきた(旅立った日の話はこちら→オーストラリアへ、行ってらっしゃい)。
出発の日、かなり心細そうにしょんぼりしていたのが気になって、11日間ずっと「ホームシックで泣いてないかなあ」なんて思っていたが、ホストファミリーの手厚いケアのおかげで、楽しく過ごしてきたらしい。
ホストファミリーは10歳と7歳の女の子がいる、そうとうエリートなご家庭だったらしく、犬が3匹いたのもうれしかったようだし、自然がたっぷりな環境での学校生活もよかったという。

帰りに一泊して立ち寄ったシンガポールも、友達は皆「オーストラリアのほうがよかった。オーストラリアに戻りたい!」と言っていたけれど「コシヒカリ」には興味が尽きない場所だったらしい。
チャンギ空港で「好きな店で自由に食事をしていい」と先生に言われて、皆ゾロゾロとバーガーキングに入りそうになっていたのを
「ちょっと待って!ハンバーガーは日本でも食べられるから、せっかくなら麵の店にでも入ってみよう」
と麺専門店に連れて行ったというのも、旅慣れている娘らしい話だ、うん、まあそんなもんだろう。
それはいいのだが、私の心配は義母と同じく、この子が無類の生き物好きという点にある。

「楽しい経験でよかったね。ところで。なにか野生動物に触った?」
「うん。道端で、野生のカンガルーに触った。」

……“やっぱり……”という思いと、うっそーカンガルーって触れるの?という半信半疑な気持ちで、いきさつを聞いてみた。
聞けば聞くほど、それはとんでもない話だった……

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ホストファミリー全員と「コシヒカリ」が車で森に遊びにいく途中、小型のカンガルーが数頭いた。
カンガルーを見かけることはめずらしくないが、ファミリーは娘の動物好きを察して停車してくれた。
小型のカンガルーは、立ち上がっても120センチくらいしか高さがなく、若い一頭がひょこひょこ近づいてきた。
娘はじっくり時間をかけて徐々に距離を詰めていき、手を伸ばせば触れるくらいまで近づいてから、手を差し出すと、カンガルーは手のにおいを嗅ぎ、お菓子のにおいを感じてさらに近づいてきた。
「コシヒカリ」は顔を近づけて、カンガルーと鼻と鼻をくっつけ合った。
そして犬によくやるように、首根っこを掻いてやると、カンガルーは気持ちよさそうに体を娘の手に預けてきた。
ファミリーの娘たちもビックリしていた。

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コラーーーーーーーーーーー!
あれほど野生動物は触るなと言ったのに!
この子のナウシカ気分は、いったいいつになったらなくなるの?
いや、ここまでやれるのはすごいとは思う。
すごいとは思うけれど、どアップで撮ったそのカンガルーの写真に写っている鋭い爪を見てぞっとした。
たとえカンガルーに敵意がなくても、万が一、なにかに驚いた拍子にうっかり娘をひっかいてしまったら。
カンガルーを触った手で、うっかり目をこすったり、自分の傷口に触れたりしていたら。
野生動物は家畜やペットとは別物なのだということを、この際、徹底的に教えなければ。

と、私が驚いていると、兄の「アキタコマチ」が先に厳しく叱ってくれた。
「あのねえ、野生動物はほんとに汚い環境で生きているんだよ。すっごい汚い水とか飲んでるんだし、寄生虫が山ほどいるような生き物を餌にしたりしているんだから。それで生きていられるんだから体のつくりが人間とはちがうの。いくらかわいいからって触ったらダメ。もういいかげんに心得なさい。」
まったく、まったくそのとおりです。

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たしかに、こりゃかわいいや。

娘は愛嬌のない女の子だが、生活ということになれば案外適応力を発揮するのかもしれない。
その点は、心配する必要はなかったのかもしれない。
しかしまさか野生のカンガルーと鼻をくっつけ合うなんて、そこまで大馬鹿者だったなんて、少し予想はしていたけどやっぱりショック。
まだまだ子育ての心配は続く。
エイズやエボラ出血熱だって、もとは野生動物と人間との接触から広まったのだし!
(なんか思いがけないステイ報告になってしまったよ……)

by apakaba | 2013-08-08 15:24 | 子供 | Comments(4)
2013年 08月 07日

夏季バイト終了して、ねぎらってもらったが

きのうで保育園の一ヶ月限定夏季アルバイトが終了した。
6月いっぱいは幼稚園でアルバイトをして、7月でいったん終了し、夏休みをはさんで9月からまた復帰する予定でいたのだが、その期間中に保育園で働いてみたら保育園のほうがずっとおもしろいので、9月から幼稚園に戻るのはやめて、保育園で働き続けることにした。
幼稚園は園バスの運転もしろと言われていたし、時給の範囲を超えた仕事もあれこれやらないといけないらしいので、片道1時間の通勤をしてまで時給のバイトを続ける価値はないと判断した。
保育園なら通勤は徒歩1分!

保育園は、これまではフルタイムで出ていたが、9月から夕方2時間だけのパート勤務に替えた。
一ヶ月だけだからもったけれど、フルタイムで、副業である旅ライターの原稿も書くのはやっぱりキツい!
家族の協力がなければ立ち行かない。
フルタイムだと園児の生活ほとんどに立ち会うことになるため、園全体の一日や、その子のことがよく見えるけれど、そうはいってもうちのことがあまりにもおろそかになるのもねえ。
今までがんばったので9月からは家のこととライターの仕事のほうを充実させよう。
保育園からの収入は減るけれど、その分は原稿を書いた出来高を上げていけばいいのだ。

仕事がコロコロ変わるのは好きだ。
おそらく、私は元来、なにもできない人間なのだろう。
だから一つ所にとどまって、一つのことを長く続けることに飽きてしまう。
新しい仕事を始めるのは興奮で身が引き締まる。
去年まで長く自宅の塾の仕事をやってきたけれど、それをやめたことで自由になった感じ。

そんな元祖フリーターみたいな私を、家族がねぎらってくれる。

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ゆうべ「アキタコマチ」が作ってくれた牛タンシチュー。

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にんじんを刺身のツマ並みに細く切る練習をしている「アキタコマチ」にとって、にんじん千切りを含むシチューは格好の練習材料になったようだが、料理は朝の弁当作りだけで手一杯な私には感激の味だった。

夫はいきなりこれをくれた。

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バイトバイトで読むことはおろか、買うことさえできなかった蔵前さんの新刊『あの日、僕は旅に出た』だ!
そしてなぜか……Kindle?なんで?
なんだかわからないけど、ねぎらってくれているらしいのでありがたく受け取る。
元祖フリーターみたいな主婦だが、生涯続ける仕事は、やっぱり主婦だなあ。
がんばらないとなあ。
と、家族からのねぎらいを前に、反省しましたね。

by apakaba | 2013-08-07 22:33 | 生活の話題 | Comments(2)
2013年 08月 01日

もう小さい子供ではない

保育園で仕事をしていると、自分の子供たちがこの年齢だったころのことをしょっちゅう思い出す。
あまりにも鮮明に思い出すので、保育園の子供に接しているうち、いつの間にか、自分の子供たちが今もまだうんと小さい幼児だったような錯覚を起こすときさえある。
“いや待て待て。うちの子たちはとっくにずっと大きくなっている”

「ササニシキ」は大学のゼミ合宿、「アキタコマチ」は飲食店でのバイト、「コシヒカリ」はオーストラリアへホームステイに行っているので、最近は毎晩夫と二人だけで食事をしている。
今夜は、めずらしく「アキタコマチ」がバイトがないというので、ごはんを作ってくれた。

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ラムチョップの香草パン粉焼き。
マッシュルームとセロリの炒め(ラム肉の肉汁使用)。
にんじんのソースヴィネグレット和え(ごく細い千切り、手で切ってます。ソースも自家製)。

料理は調理学校に行くようになってからすっかり本気度合いが変わった。
そしてワインは、
「初めてのバイト代が入った。だからお父さんおかーさん、これを飲んでください。」
と、初月給ならぬ初バイト代で買ってきてくれたのだった。

私の好きなピーター・レーマンのワインだ。
(余談ながらピーター・レーマン氏が6月末に肝臓がんで亡くなっていたことを今知った!)
しかし未成年なのに、酒屋に行っていいのか!
「大丈夫、成人女性に付き合ってもらったから。」
抜かりないのねこの人。
成人女性とは酒屋の隣の美容院の女性美容師さんのことで、髪を切りに行ったついでに彼女に酒屋まで付いてきてもらったのだと言う。

「アキタコマチ」が行き始めたバイト先は、私が紹介した新宿のバー&ビストロなのだ。
私はその店のオーナーの大ファンで、かねてから、息子にはこの人の下について接客業の神髄を学んでほしいなあと思っていたのだった。
私がここ数年で「アキタコマチ」にしてやった一番いいことは、その店をバイト先として推してやったことかもしれないと思っている。
オーナー氏は若くして天才バーテンダーであり、やり手の経営者でもあり、この先、息子が料理の世界・接客の世界で学ぶべきことを30歳そこそこですべて持っている人なのである。
息子は、叱られながらも毎日毎日、ほんとにスゴい人の下で働いて、勉強している。
帰ってくると、オーナー氏の所作がいかに美しいか、いかに客さばきがうまいか、興奮して語る。
時給でいったら、牛丼屋やコンビニの深夜バイトのほうが稼げるだろうが、お金には代え難い勉強をしていると思う。

そんなエキサイティングでやりがいにあふれたバイト先で稼いだ、初めての給料でワインを買ってくれた。
保育園の子供たちと同じ年齢だった時代から、わずか15年くらいで、子供ってこんなになっちゃうのね。
仕事先の子供たちが「せんせい」と言ってぎゅーっと抱っこしてくるのを抱き上げたりしながら、体の重みとともに時の流れの重みを感じる。
こんなに小さくてシンプルなイキモノである子たちが、やがて親にいろんな形で恩を返してくれるようになるのだからねえ。
かわいいものですよねえ。

*バイト先はアフターテイストというお店で、FBページはこちら、食べログ掲載ページはこちらです。混んでるよ〜

by apakaba | 2013-08-01 23:00 | 子供 | Comments(7)