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2014年 01月 30日

ジェイミー・カラム来日公演 Bunkamuraオーチャードホール(1月29日)

よりによってオーチャードホールを“ライヴハウス”に選ぶとは。
昔、オペラのガラコンサートに来たことがある。
このホールは、ふだんはバレエやクラシックのコンサートがおこなわれる、お行儀のよい会場なのである。
そんなわけでもちろん音響は最高。
2010年のJCBホールもよかったが、今回はさらに音質のよさにしびれた。

ほぼ4年ぶり、おかえりー!
ジェイミー・カラム!
先行予約で1階の前から9列目というすばらしい席だったから、ジェイミーの表情まではっきりと見えて、前回よりグッと親しみが湧いた。
「こんばんは、ジャスティン・ビーバーです。」
とふざけると、皆「ジャスティーン!」「ジャスティーン!」とかけ声。
「いや、あのー。ボクの名前、わかってるよね……!?」

客層のバラエティーもすごかった。
20代から40代くらいが中心層とはいえ、かなりのおじいちゃんおばあちゃんも意外と来ている!
ノリノリで喜んでいる!
赤ん坊を抱えた夫婦が、前から3列目くらいで、哺乳瓶をくわえさせて聴いている!
いいなあこういうの。
後半は恒例の、客席に降りて女性客の手をガシッと握って見つめて熱唱したり練り歩いたり(私もタッチできた)、あげくに「前に来てもっとそばに寄れー!」と警備員泣かせの号令。
オーケストラピットに張ってある床板?跳び箱の踏み切り板のように上下に揺れる板張りの床が、みんなのジャンプでトランポリンのように激しく揺れ、踏み抜きそうだった。
震動にたまらず後方へ逃げて行く人もいるのでどんどん前に詰めることができ、最後は最前列ちかくまで寄れた。
無茶な号令をありがとう!
次回の来日でもこのホールを使えますように。

なぜ、この人は若いのに、こんなに“生きること”をわかっているんだろう?
愛すること。
苦しむこと。
受容すること。
楽しむこと。
生きることで知り、置いてくる、また見つけ出す、すべての感情を、音にして目の前にひろげてみせてくれる。
一曲の終わりには、「生きることはいいな。生きていこう。」と笑うことができる。
なぜ彼は、そんな高みにまで行ってしまっているのだろう。

自在に繰り出すピアノのソロで、美しい和音が響く間もなく、ちょっと据わりの悪い音、不安にさせる音を出し、それが耳に届くやいなや、またとろける調和に満ちた音を生むという、一瞬も気をそらすことができない演奏を繰り出す。
人生のすべてを一片の音楽で表してしまう。

前作『The Persuit』が出たとき、レビューにこう書いた。

今の彼は、甘いとかハスキーといったひとことで言い表せる声ではなく、キラキラとギラギラと乱反射するなにかの金属のような——その金属片で、細い爪のように、背中や腕の内側をつーっと引っかかれるような——歌声になっているのである。
痛みと快感を伴ってくるような声なのだ。


新作『Momentum』ではその“痛み”はやや鳴りを潜め、“快感”が増幅するような曲が多い。
前よりさらに「人生は上々だ」というムードがはっきり出ている。
私生活の充実が反映されているのだろうか。

だがカバーでのセクシーなアレンジは健在。
たとえば、彼がリアーナの『Don't stop the music』を唄うとき。
リアーナの声では「あの人と踊るこのひとときのための音楽を止めないで」と言っていると聞こえるが、ジェイミーが「Please don't stop the music」とくりかえし唄うと、「音楽を止めないで!どうか、“音楽”を……」と、musicの意味合いが違って聞こえる。
本当に“音楽そのもの”へ切実に手を伸ばしているさまが見えてくるのだ。

リアーナの原曲(忘れた方・知らない方は是非とも聴き較べてほしい)が、ダンサブルでいかにも“今”っぽい気分をいっぱいに表しているのに対し、ジェイミー・カラムのアレンジは“今”の気分だけでなく、かつて過去に置いてきた、さまざまなめくるめく思い出のシーンを思い起こさせるような、人の感情の細かいひだの間を自由自在に行き来するような音を以て、原曲にオマージュを捧げながらも野心的に彼からの回答を出す。
彼が「 I wanna take you away 」と唄うと男の歌になる。
あの声で「 I 」を発音するとき、荒っぽく肩を抱かれてどこかへ連れ去られていくような感覚になる。


以前レビューにこう書いたが、彼自身がとてもセクシーな人なので(外見は子供っぽいが)、彼が永遠に焦がれ続ける“音楽”に向かって手を伸ばすとき、その声はもっともセクシーに響いて人の心をとらえてしまうのだろう。

次はいつ来てくれるの。
そのとき、彼はどう変わっているだろう。
近年、来日してくるミュージシャンは年齢層が高いけれど、彼のような、この先まだずっと長く楽しめるミュージシャンのファンでいられることは、とても幸せだ。


今まで書いた記事
やっと、CATCHING TALES

アダルトになったJAMIE CULLUM『The Persuit』への賛辞

人生の節目、ジェイミー・カラムの歌声は流れる

by apakaba | 2014-01-30 23:28 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(6)
2014年 01月 28日

ナゼ今さら、2011年に読んだ本メモ

何故なら、ここに書いておかないとなんでもかんでも忘れてしまうからです。
前は今より仕事の時間が少なくて、ブログに読書感想も書いていたけど、だんだん面倒になってしまったな。
せめて、おもしろかった本のタイトルとコメントだけでも書こう。
2011年まで遡って、手帳にメモしていた分だけ発掘。

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贅肉がすごい


『オラクル・ナイト』 ポール・オースター(著),柴田元幸(訳)

読んでいる最中は引き込まれていたが、読後はわりとすぐに忘れてしまったなあ。


『香港路線バスの旅』 小柳淳(著)

この本は、ほんっとにバイブルだった。「あなたを香港・マカオに連れて行くよ」の旅は、この本のおかげでできた。香港バス乗車中の観察眼もさることながら、それを表現する文章力もすばらしい。


『河岸忘日抄』 堀江敏幸(著)

なんと何事も起こらない小説。でも手触りがいつまでも残る。


『アメリカン・デモクラシーの逆説』 渡辺靖(著)

おもしろく読んだのに忘れてしまった……でも新書って「あの本」と思い出せなくても、けっこう身になってる(はず)


『同時代ゲーム』 大江健三郎(著)

なぜかどうしてもおもしろくなかった。無念。『日常生活の冒険』は信じられないほどおもしろかったのに……!


『ひとはどこまで記憶できるのか—すごい記憶の法則—』 田中真知(著)

こうすれば覚えられるし忘れない!という記憶術皆伝の書、というわけではない。真知さんもいろんな本を書いているんだな。


『TRANSIT12号 永久保存版!美しきインドに呼ばれて』 ユーフォリアファクトリー(編集)

記事としてはごく一般的、行き先もごく一般的だけど、豪華な写真を見てると行きたくなるイメージ重視の旅本。


『ふしぎなキリスト教』 橋爪大三郎(著),大沢真幸(著)

もっと突拍子もないおもしろさかと思ったら案外ふつうだった。ある程度知識を持っていればさほど目新しくはない。


『居酒屋』 ゾラ(著),古賀照一(訳)

これはとんでもなくおもしろかったなあ。パリの腐ったにおいがステキ。


『ナナ』 ゾラ(著),川口篤(訳),古賀照一(訳)

無念、『居酒屋』はあんなにおもしろかったのにナゼ『ナナ』はイマイチなんだろう。群像劇が好きなんだよね。というかゾラも書くのに飽きてないか?


『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン(著),池央耿 (訳)

これはスゴカッタ!最後50ページほどのクライマックスに向かってまとまっていくばらばらのピース。組み上がっていく快感がスゴい!しかし一つだけ、未来の話としてはありえない描写が……登場人物がみんな、やたら煙草を吸っている。今のアメリカ小説なら絶対ありえないね。


『リヴァイアサン』 ポール・オースター(著),柴田元幸(訳)

あれ?読んだ記憶がまったくないがメモにタイトルがある。自分はオースターファンだと思ってたけど、どうしてこうも忘れてしまうんだろう。読んでいる最中の興奮が好きなだけなのか?大丈夫か。いや、昔読んだものは覚えているから、さほどでもなかったか、年で忘れっぽくなったかだ。


『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』 カズオ・イシグロ(著),土屋政雄(訳)

悪くもないがさほどよくもない、という感想。『わたしを離さないで』が強烈におもしろかったため、サラサラな印象。


『フェルメール 光の王国』 福岡伸一(著),小林廉宜 (写真)

しばらく「福岡先生もちょっと本書き過ぎでは?内容が薄まってるよ〜」と思って離れていたけど、これは心から興奮しました。 


『思想地図βvol.2 震災以後』 東浩紀 (著, 編集), 津田大介 (著), 和合亮一 (著), 藤村龍至 (著), 佐々木俊尚 (著), 竹熊健太郎 (著), 八代嘉美 (著), 猪瀬直樹 (著), 村上隆 (著), 鈴木謙介 (著), 福嶋亮大 (著), 浅子佳英 (著), 石垣のりこ (著), 瀬名秀明 (著), 中川恵一 (著), 新津保建秀 (著)

労作。東日本大震災について考えるのは、“理系”の人間だけがやることじゃない。おのがじし、自分の持ち場で考えることだ。あらためて“言論”の力を信じる気持ちになった。


『エージェント6』(上下巻) トム・ロブ スミス (著), 田口俊樹 (訳)

やっぱり初作の『チャイルド44』の疾走感が最高だったけど、完結編としての意味が大きい。アフガニスタンの砂漠のシーンもナイス。早いとこ、映画化切望!「主役はどの俳優かな〜」と想像しながら読むのも楽しい。


『僧侶と哲学者—チベット仏教をめぐる対話』 ジャン=フランソワ ルヴェル (著), マチウ リカール (著), 菊地昌実 (訳), 高砂伸邦 (訳), 高橋百代 (訳) 

無宗教で哲学者である父と、もと分子生物学者でダライ・ラマの弟子となった息子との対話。フランス人といえばカトリックと思ってたけどぜんぜんちがうのね。対談内容はオーソドックス。


『ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女』(上下巻) スティーグ・ラーソン (著), ヘレンハルメ美穂 (訳), 岩澤雅利 (訳)
『ミレニアム2 火と戯れる女』(上下巻) スティーグ・ラーソン (著), ヘレンハルメ美穂 (訳), 山田美明 (訳)
『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(上下巻) スティーグ・ラーソン (著), ヘレンハルメ美穂 (訳), 岩澤雅利 (訳)

6冊一気読み。こんなに読みまくるのって数年に一度しかないわ。とりあえず、日本人憧れの国のひとつスウェーデンなんて、ちっともいい国じゃないぞ!ってわかる。未完で作者急死が悔やまれた!続きを読ませて〜!


だいたい、こんなところ。
2011年は、3月に東日本大震災が起き、それ以来私は本を読むということがほとんどできなくなってしまい、ただただネットばかり見ていた。
読書量激落ち。
そのまんま現在に至るトホホ。
また2012年、2013年の読書メモも書いておこう。

by apakaba | 2014-01-28 14:18 | 文芸・文学・言語 | Comments(0)
2014年 01月 26日

台湾で、日本を考えていた 12.日月潭ビジターセンター

11.埔里バスターミナル〜日月潭サイクリングのつづき。(初回は台湾2013からどうぞ)

台湾のちょうど真ん中に位置する埔里(ほり/プゥリィ)のゲストハウスにチェックインすると、すぐバスに乗って日月潭へやってきた。
日月潭は中部の観光名所であるが私の目当ては湖そのものよりも、新しくできたビジターセンターである。
レンタサイクルで湖の周りを漕ぎ、やっと到着した!

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旅行に行くとき、毎回テーマを設定しているが、今回の台湾旅行のテーマは「原住民」と「建築」である。
この向山ビジターセンターは、日本人建築家の團紀彦氏の設計で、2011年に落成し、同年に台湾建築賞を受賞している。
ここの写真を見て強く惹き付けられた。
コンクリートの、波のように優美な曲線を見たくなった。

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小中学生が山ほど来ていた

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インフィニティプールのような人工池。湖に流れ落ちているように、水面がつながって見える

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ただの通路がただならぬ通路になる

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通路を見上げると、天井の最奥部はこんなに鋭角。でも曲線。

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大陸からのお客様たちは、ここが日本人建築家の作品だと解説を受けただろうか

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水際のクールなテラスには、雰囲気をぶち壊しにする人形が。團紀彦氏もこれを見たらうれしくないことだろう

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うねるような建物をいくらまわっても飽きない。どこを切っても美しい曲線

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コンクリートだが場所によっては木目模様を刻んでいる。これにより、とっつきにくい現代建築に温かみが生まれる

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まさかほんものの木なのか?と、何度も目を近づけてたしかめてしまった

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うーっ、この曲線!スロープを上がると屋上庭園に出られる。芝生が植えてあって、館内を涼しく保つ

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最も鋭角に曲がっている部分アップ。この曲線……!美しい!

コンクリートという現代的でチープで深みと無縁な素材を自在にうねらせて、湖の景観をこわさないように寄り添うように建てたビジターセンターを、とても慕わしく感じる。
カメラを向け、どこを切り取っても、岸辺に打ち寄せるさざ波のようなうねりを思わせる。
気がついたら、このビジターセンターだけで山ほど写真を撮っていた。

興奮醒めやらぬまま、カフェテリアに入って名物の無農薬台湾コーヒーを飲んでみた。

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おいしいです。
チーズケーキもおいしいです。
そしてここの店員さんたちが皆驚きのハンサム原住民のお顔立ちで、きびきびしていて客あしらいにも慣れており、大変気分のよいひとときであった。
一息入れてまた写真を撮って歩く。

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たまたまネットでヒットして興味を持った建築に、こうして実際来られることができてうれしい。
これも日本から近い場所であるおかげだ。

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レンタサイクル屋の凶暴な犬。こんな顔のくせに、近づくとギャウギャウと吠えまくる

またもと来た道をサイクリングで戻って、自転車を返却した。
すばらしい見学だった。
しかしまだ日が暮れるまで間がある。
もう一つ、行きたかったところへ行ってみる。
私の行きたいスポットはあまりガイドブックが役立たないところばかりなので、どうやって行ったらいいのかほとんどわからないながらも、とにかくバス停まで来てみた。

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バスを待つ人なんて一人もいないので、ただただじっとバスを待っている。
ほんとにここで待っていていいのか、道を尋ねようにも歩いている人間が皆無、流しのタクシーも絶無だ。
こういうとき、一人旅は心細い。
私が次に行きたいのは、やはり建築で、この近辺にあるらしい「紙でできた聖堂」というものなのである。

13.紙聖堂(ペーパードーム)へつづく)

by apakaba | 2014-01-26 22:50 | 台湾2013 | Comments(0)
2014年 01月 24日

取りっぱなしのメモは意味がない 「天上の舞 飛天の美」

昨年の11月、サントリー美術館で、開催四日目に「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」を見てきた。
かなり感動したので「これはブログに書こう!」と決めて、iPhoneでメモをどっさり取った。
以前は鉛筆でメモを書いていたが立ったまま書くと字がうまく書けず、あとで読めないことが多い。
最近は展覧会に行くとiPhoneのメモ機能にどんどん入れている。

が!
メモを取ったら満足してしまい、それきり忘れてしまった。
気づけばすでに会期終了!
モノスゴクがっかり。

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あのころ、街はクリスマスムードであった

が!
今日になってiPhoneに入れたメモを読み返してみても、やっぱりなんのことやらさっぱりわからない。
展示物に添えられた解説文を写しているのか、感想を書いているのか区別がつかない。
そのときは気持ちが高ぶっていて「ようし!メモしたから大丈夫!」という気になっているが、鉄は熱いうちに打たないと使い物にならないんだね。

会期も終了してしまったし今さら意味がないんだけど、とりあえず書きなぐり(というのも変だが)のメモを載せてみる。
誰も読まないと思うし読んでもおもしろくないけど。

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インドから日本
人類の飛ぶことへの憧れ
天上世界への願いの強さ
如来を讃え供養
ヨーロッパの要素を含む
マーラの誘惑 飛天両足を跳ね上げて舞う 一人だけ躍動的
鍍金舎利かく 中国 ひらひら自由になびく衣
飛天文のきひらかわら 単純な線だけで芸術的
薬師寺水煙 逆立ち真っ逆さま 大胆な構図 火焔ではなく遺骨を安置
菩薩五尊像 中国 おどっている感じ
迦陵頻迦?キンナラ 阿弥陀経

法隆寺金堂天蓋付属 素朴な透かし木彫り
ぶつ三尊せんぶつ ありえない姿勢 軽やか自由
阿弥陀如来及び 四天王寺 片足上げかわいい ヨガらしい 二人でバランス
金銅迦陵頻迦華鬘 鳥の足リアル 不思議な気持ち あるのかもしれない
ぐみょうちょう 異形への畏れ?畏敬?かわいく不気味 二つを併せ持つ
文殊菩薩像光背 ヨーロッパ風?

第三章 菩薩しょうじゅ がくそうしながら舞う姿 
往生の喜びを保証する 死は怖い
ごうしょうまんだらず 飛天のポジションは自由
ちょっと離れたところをひらひら

第四章 国宝寺外初公開
鳳凰堂内下品じょうしょうず 復元図
あざやか!これを大きくして、みたい ありがたみがいきなりわかる
構図完璧(阿弥陀にしたがい、奏楽舞踊の菩薩が雲に乗り四季のある山水の中をやってくる)
屋敷の中に死にかけた人と悲しむ人?僧侶?
すごい賑やかさ。死ぬのが怖くない
脳内麻薬ドクドク 死を恐れないための人間の知恵 しがあふれていた。
雲中 頭部は丸彫り 下半身にかけて浮き彫り 壁にかけて下から見る
仏師の力の差が面白い。
いつまでも見たいものに戻る
放心の表情のようにも見える。
復元CGは必見。

by apakaba | 2014-01-24 23:08 | 文芸・文学・言語 | Comments(0)
2014年 01月 23日

健康を損ない、漢方でがんばることにしました

マキ先生の喜びの日々で「健康に気をつけるよ」と園児と約束したのに……ゴメン、マキ先生は健康を損ないっぱなしです。

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今週の私(イメージ画像)

月曜日、長引く声帯結節(もう4ヶ月近い)で耳鼻科へ。
またも鼻にファイバーを突っ込むと、ひどくはないがやはり結節はある。
2月は、所属している影絵人形劇団の大きなイベントが二つあり、両方とも主演の私の声が出なくなったらかなりまずいので、投薬で積極的に治療することにした。
首の凝りも声帯結節には悪影響があるらしいから、ウェブライターの仕事の納品が終わったら首の集中マッサージに行こう。

月曜の夜、入浴中に猛烈に気分が悪くなってしまった。
温まって湯船から出ると吐き気と冷や汗、典型的な脳貧血。
貧血と脳貧血は別物というが、貧血がひどければ当然脳貧血にもなりやすいわけで、しかし着衣状態ならまだしも、ハダカで倒れるというのは実に難儀。
寒いし。
まだ頭も顔も洗ってないし。
気が遠くなりかけつつ必死で洗ってお風呂から出て、バスローブを羽織っただけでひっくり返ってしまった。

脳貧血は頭に血がめぐってくれば治るけれども、火曜日、前夜の騒ぎで体を冷やしてばっちり風邪を引いちゃった。
夕方、仕事から帰ってきたら悪寒がひどくなり、お風呂にいくら入っても寒くてブルブル。
熱って不思議だわ。
お風呂で、顔は汗をかいているのに体の芯がぞくぞくして寒い。
夜は38度出て、翌日には37度になっていたが仕事があるため内科へ行った。

水曜日、内科へ行くと、とたんに有無を言わせずインフルエンザ検査。
予防接種をしているからインフルエンザじゃないと思うが、急に熱が上がったから疑われても仕方がない(結果はマイナス)。

というわけで、声帯結節の薬に加え、風邪薬も投入〜。
内科の先生は、私に貧血の診断をして(貧血が私のだめな性格をつくる)、「この値は男性ならふらふらで立っていられないレベル」と言った人だ。
風邪の診察のついでに、
「貧血をなんとかしたいです。しかし鉄剤は吐き気がしてお腹の具合も悪くなり、合いません。漢方薬を使いたいです」
と相談してみる。
あらかじめネットで調べておいた「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」を飲んでみたいと自らリクエストする。
当帰芍薬散の解説ページを読んで、「これはまさに私のための薬だよ!」と思ったのだ。

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内科のそばの社。なんにも願い事を聞いてくれなさそうなそっけないところがいい

というわけで、漢方薬も投入〜。
声帯結節にも、抗生物質の他に柴朴湯(解説ページ)という漢方薬を飲んでいるので漢方薬2種類と付き合うことになった。
数日間なら、西洋医学の薬でガツンと病気をやっつけるのもいいが、長期間飲み続けるには漢方薬のほうが抵抗感が少ない。
長く飲み続けて元気になりたい。
体が虚弱というのは、ほんとに何につけてもダメだ。
考え方も暗く消極的になるし、明るい気持ちのつもりでいても、ぶっ倒れればまた「私ってダメだ」と落ち込んで結局暗くなる。
自分を低く評価するようになる。
「私ってダメだ」としか思えず、自分を信じられなくなる。
悪循環から抜け出したい!

by apakaba | 2014-01-23 08:48 | 健康・病気 | Comments(6)
2014年 01月 16日

有名店は大変

吉祥寺の某有名ラーメン店へ。
初めて入った。
炎上がおそろしいので店名は厳に自粛するが、写真だけでわかる人にはすぐわかるであろう。

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はい、これです。
豚骨醤油系、背脂チャッチャ系の元祖といわれる本店。
長男「ササニシキ」が、
「高校生のときさんざん入った。600円で安いから高校生の味方だった」
と言うので、今日一緒に行ってみた。
以下はあくまで私個人の感想ですからね!

まず店に入ると、いやな脂のにおいが鼻を打つ。
獣臭いというか。
食べてないのにすでに胸焼け。
麺がグニャグニャとやわらかい。
どうりで、みんな「硬め」と注文しているわけだ。
もやしはゆでてあって常温で置いてあり、出来上がりに載せるだけだから、どうしてももやしの載った部分はスープの温度が下がる。
いくら背脂載せとはいえ、スープがぬるくなってしまう。
味玉はハードボイルドで好みではなく、チャーシューはパサパサのペラペラ。
こんなに脂ぎっちりにするなら、ネギをもっとたっぷりにしたほうがくどさが相殺されるのでは?

途方に暮れてしまった。
だが!
この店の売りのひとつである自家製豆板醤のような辛味調味料をひとさじ足してみると……!!!!!

いきなりすべてが気にならなくなる!
獣臭も消え去る!
脂もなんとも感じなくなって、スープをぐいぐい飲めちゃう!
そして異様に胃もたれして、そのあとずっとお腹が空いてこない!

いい年をして、まったくトホホな体験であった。
こういう食事をしていては、いけないね。
というか、私が敏感すぎるのかな?
あの獣のようなすごいにおい。
誰も感じないのだろうか?
それにしてもあの辛味調味料の威力ときたら。
結局、インドとかのやたらと強いスパイスも、食べられないような(鮮度などに問題がある)食材も、気にならなくなっておいしく食べてしまえるようになっている場面は、多々あるのだろう。
(スパイスの本来の役割は別でも、食材の傷みに気づきにくいということは起こるので。)

しかし外食産業というのは、大変だなあ。
この味のファンが数多くいるのだ。
たとえば私が、この味の作り方に、先述のような不満を感じたとしても、それを採用して調味や調理法をおいそれと変えてしまったら、現在のファンは離れるだろう。
でももしかしたら、もっと多くの新たなファンを獲得できるのかもしれない。
そこは賭けだ。
いやー大変だなあ。

私は、あのままの味なら再訪はないな。

追記・・・このままではあまりにもひどいので、フォローするとすれば、店員さんたちは気持ちのいい態度だし、あんなに脂がすごいのにオープンキッチンはきれいに磨き上げていて清潔。
店内の有線ぽい音楽も場末情緒にあふれていい感じ。
赤と黄色のお品書きや外看板も好み。

by apakaba | 2014-01-16 23:02 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2014年 01月 15日

マキ先生の喜びの日々

マキ先生パズルを作ってくれた女の子とは別の、6歳の女の子が、紙を持ってきて「新聞を作る」と言う。
「マキ先生、これは新聞なの。ニュースを書くの。ここに『くもりのちはれ』って書いて。」
子供は先生にいろいろ書かせるのがとても好きだ。
つい『自分で書けばいいのに』と思ってしまうが、大人に「やってやって」と甘えてそのとおりにしてもらえることが快感らしい。

「つぎは『ひがしにほんだいしんさい』って書いて。」
「どうして?」
「いいの、ニュースだから!」
この子は3年前の震災当時、3歳になったばかりだっただろう。
まさにこの園のこのホールで、午睡時間中に揺れたはずだ。
そのことはたしかめなかった。

「これはあたしの新聞。つぎにマキ先生の新聞をつくってあげる。あたしが書くから。」
「新聞だから紙を重ねて折り畳むの。」と言いながら作ってくれた。

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真っ黒な目を光らせてきっぱりと言い切る。
「けんこうに必要なのは。
1、運動。体を動かすんだよ。
2、野菜。野菜をいっぱい食べるの。
3、鍛える。体を鍛えます。
4、水。運動したらお水をしっかり飲むの。
そしてダイエットもね!はいこれ、マキ先生の新聞ね。けんこうにだいじだからね!持っててね。」

「ありがとう。言われた通りに健康に気をつけるよ。これは誰?」
「ん、マキ先生のママ。」
「わーありがとう、でも先生のママはこんなにかわいくないと思うよ……もうおばあさんだよ……」
「いいの!ママなの!」
「はい。ありがとう。」

よく見たら数字のところは「20」と書くのが「110」となっているけど、気持ちはわかる。
小学校に入ったら教わってください。

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お見苦しい字でスミマセン。
うちの長男「ササニシキ」謹書。
家族全員で初詣に行って絵馬を買って、絵馬の裏側に今年の願い事を書く。
私が考えて、「ササニシキ」が書く。
これが家族全員の百人一首と並んで新年の恒例行事になっている。

私が何よりも一番ほしいものは、「お金」だ。
お金があれば、ほとんどの悩みはなくなるか減る。
でも絵馬にあまり露骨なことを書くのも下品だから、毎年「幸せ(=お金があれば幸せになれる)」とか「優雅(=お金があれば優雅な暮らし)」とか「神頼み(=お金持ちになれるように神頼み)」といった婉曲的表現で、「ようするにお金がほしいです」と願っている。
今年は少し字数を増やして「お金があれば喜びの日々」という意味にした。

書くこと(描くこと)は、子供の身近な遊び。
大人の願い。決意。プラスとマイナスの感情の吐露。
書いたもの(描いたもの)が自分や人の心を動かしてくれる。
神様の心も動いて、私に喜びの日々がきますように!

by apakaba | 2014-01-15 11:02 | 生活の話題 | Comments(0)
2014年 01月 14日

リクルートスーツとチシャトウの日

きのうはいろんなことをした一日だった。
私の母がぼろぼろの携帯電話をiPhone5cに替えに行って、昼まではすったもんだと過ぎる。
それから次男「アキタコマチ」のスーツを買いに夫と3人で出かける。
「アキタコマチ」は、来年度には就活が始まるので、リクルートスーツを買ってくれとのこと。
私は男物のスーツはよくわからないので行く必要はないが、晩ごはんの買い物もあるから一緒に行った。

あちこち見て歩く。
今の若い人向けの洋服って、安いのねえ。
私は70000円くらいかなと思っていたのに、30000円もしないでスーツを買えるとは。
しかし「アキタコマチ」はすごくやせているので、なかなか服選びも大変なのだ。
カジュアルならやせていてもどうにかこうにか着こなせるが、スーツとなると胸が薄いのは致命的。
やはりやせている「ササニシキ」に買ってやったとき(就活ではなく成人のお祝い)にも苦労したけれど、「アキタコマチ」はさらにずっとやせている。

「あんなにやせてちゃ似合うスーツなんてないよ。」
試着をくり返す次男を見ながらと夫に言うと、
「俺のほうがまだマシか。」
「そうだね。あなたも昔やせてたけど、あそこまではやせてなかったわ。」
急に夫が笑い転げて、
「そうか、あなたは、俺があいつの年(19歳)のときから俺を知ってるんだもんな。あなたもすごいな。あんな子供のときから……すごい年月だ。」
なにがおもしろかったのかさっぱりわからないが、なにか心にはまるものがあったらしい。
「それが次男のリクルートスーツだもんなあ。」
と、一人でしみじみしていた。

トカナントカ歩いているうちに、風邪を引いたらしく、私はだんだん具合が悪くなってきた。
ちょうど次男もアルバイトが休みだったので、吉祥寺アトレの「ロンロン市場」を歩きながら「なにか作って」と甘える。
このロンロン市場には、肉でも野菜でも他の店ではまず売っていないような変わったものが売っているから、私も次男も大好きなのだ。

野菜のコーナーに、見たことのない野菜を発見した。
ふきのようでもあり、マコモダケのようでもあるがどちらでもない。
棚と棚の間の隙間みたいなところに、隠すようにして幾束か立ててあった。
しかも、名前はなんだろうと思って手に取ってみると、ラベルにはこんなことが!

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「アキタコマチ」に聞いてみた。
「ちょっとこの“野菜”ってなに?」
すると次男は、
「ん!これ、見たことある。学校で。調理したこともある。ええとこれの名前は……思い出した。チシャトウだ!」
まさか本当に名前を知っているとは思わなかった。

「これはねえチシャトウ(萵苣薹。読めない書けない)っていって、別名は茎レタス。中国では炒め物にしてよく使うんだけど、ものすごく外側の皮が硬くて、むくのが大変なの。うどみたいに、厚くむくときれいな緑色のしゃきしゃきした芯が出てくるんだけど、すごく鬆(す)が立ちやすいんだよね。
中国料理では鬆が立っても平気で使っちゃうけど、日本料理では鬆が立ったものなんて絶対に使わないから、鬆が立ちにくいようにこれを品種改良したものがあるんだ。それを『ともぎ』というんだけど……『ともぎ』はさすがに、検索しても出てこないくらいの、ほんとにマイナーな野菜だよ。チシャトウはけっこう出てくるね。(ネット検索しながら)そう、西京漬けにしたりする。
茎の部分はそんなふうにして使って、葉の部分はサンチュになる。でもこれは葉っぱがほとんどだめになってるから食べられないね……ああ、オレ楽しみになってきた!まさか家で、チシャトウを扱えるなんて!習ったばっかりのこんなマイナーな食材が手に入るなんて!」
さっきまでショッピングで疲れたと言っていたのに、猛烈に張り切り始めた。

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言われてみればこの葉っぱ部分のにんにく炒めを、台湾や香港でさんざん食べたような……漠然と「ベジタブル」と注文していたが

こういうところは、私にちっとも似てないなあ。
私は好き嫌いが皆無で、めずらしい食材が大好きだけれど、やっぱり料理はメンドクサイという気持ちが先立つことは事実。
でも「アキタコマチ」は本当にうれしがる。

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チシャトウの頑固な皮でのかつらむきの練習を、大喜びでやっていた。
「うほほっ、楽しい〜!これはほんとに危険だよ、おかーさんはやらないほうがいいよ。力がいるから、ざくっといくかもしれないからね。こんなにいい練習が家でできるなんておもしろいなあ〜!」
180円でこんなに喜んでくれるとはね。
厚くかつらむきをすると、美しい緑色が出てきた。
中国ではこれを翡翠の色に見立て、縁起のいい食材とされているという。

中華風に炒めるか、京風漬け物にするか、さんざん迷っていたが、梅肉とだしで和え物にした。

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野趣あふれる歯触りを楽しむために塩ゆでもせず、ジャキジャキとした硬さだが、みんな喜んで食べた。
日本料理店で出すなら、塩ゆでしてやわらかくすることだろう。
「うちはいいね、新しい食材でもみんな抵抗なく食べるし、第一おかーさんがなんでもおもしろがって買ってくるし。おかーさんがいなかったら、こういうオレは生まれなかったと思うよ。」
「アキタコマチ」が言うと、「コシヒカリ」が
「『育たなかったと思うよ』でしょう。おかーさんがめずらしい食べ物をおもしろがる人だからそういうふうに育ったんでしょう。おかーさんがいるから、うちはこういううちなんだよ。」
と訂正する。

リクルートスーツを買って、こんな話をして、感慨深い日だったなあ。
「アキタコマチ」の就活がんばってほしいなあ。

by apakaba | 2014-01-14 21:54 | 生活の話題 | Comments(0)
2014年 01月 09日

鼻血とかブログでの記録とか。

「お正月は救急車を呼ぶのが我が家の定番」になったら、嫌だなあ。

去年の元旦に、おじいちゃんが酔って転んで顔を切り救急車を呼ぶ騒ぎがあり(「元旦の騒動で」を書きました。けっこう泣き笑いな話)、これで1年分の厄が落ちたかと思っていたが、また今年もだった。

5日の日曜日、次男「アキタコマチ」が鼻血で救急車を呼んだ。
私と夫は歌舞伎に行っていて留守だった。
もともと「アキタコマチ」は子供のころから鼻血を出しやすかったが、最近大きな血管を傷つけたようで、年末からそうとうひどく出血していた。
下を向いていると、ポタポタポタポタと、水道の蛇口を閉め損ねたくらいの速度で血が落ちてしまう。
指で抑えると、ポタポタ滴るのではなくてターッと流れ出るくらい。
さすがの私も、その血の量には気分が悪くなるほどだった。

“さすがの私も”というのは、私が物心ついたときからずっと鼻血に苦しみ続けてきたからだ。
私も、幼稚園のときに家中のバスタオルをすべて使い果たすほどの鼻血が出て、夜中に救急車を呼んだのだ。
同じじゃん。
だから、鼻血がいかにつらくて、そのわりに人からつらさをわかってもらいにくいことかが、よ〜くわかるのである。

鼻血は、痛くない。
ただ、なんにもできなくて実に時間が無駄。
貧血で具合が悪くなる。
洋服が血で汚れる。出ている間は、それを拭くこともできない。
運転中にいきなり出始めると危険。
外出時は見苦しい。
人に嘲笑される。
人を気味悪がらせる。
救急車を呼んで、だんだん止まっていくと、「これくらいのことで大げさだ」と白い目で見られる。
うん、わかるよ。つらさがわかる。

私はこれに耐えかねて、2007年に、鼻の中の血管を焼いた。
その話をブログに書いていた(鼻血を止める治療へ)。
その後の経過も書いた(鼻血・レーザー治療その後)。
この手術を、搬送先の耳鼻科で「アキタコマチ」もやってきたという。
親が遊びに出かけている間に、一人で救急車に乗って、手術もやってこられるのだから、まあたいしたことがないのは間違いないが、とにかくこれでうっとうしくもいまいましい鼻血から解放されるのはめでたいことだ。

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本文と無関係ですが、シンガポールで飲んだタイガービール。台湾の連載を終わらせて香港の旅行記を作り、シンガポールの連載をスタートできるのはいつの日か……でもやる

それにしても、この話を書くために過去記事を思い出し、「記録は大事だ」と再認識した次第。
(リンクを張った過去記事がどれも可笑しいので是非!)
おじいちゃんが転んだエピソードも、鼻血の手術の様子も、その後気になって鼻の穴に指を突っ込んだことも、書いていなければこんなに細かく覚えていなかった。
今年の抱負は、「つまらない日常のことでも、できるだけブログを書こう」にしよう。
去年は書かなさすぎたな。
ガンバロー!

by apakaba | 2014-01-09 09:15 | 健康・病気 | Comments(0)
2014年 01月 01日

2013年フィナーレの鹿肉

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


長男「ササニシキ」は大学生になってから、年末に「冬の大感謝祭」と言って家族へ肉をプレゼントしている。
今年は「鹿肉が食べたい。『アキタコマチ』に鹿肉で何か作らせよう。」と言い出した。
次男「アキタコマチ」は北海道の猟師直営ネット通販で、鹿ヒレ肉を1.4キロ取り寄せた。
牛肉に較べて、鹿は非常に安い。
しかも鉄分豊富でヒレには脂肪が少なく、健康にもよい。
ふだん大量の肉を食べつけないため、肉の脂肪がきわめて苦手、でもやっぱり肉は食べたい我が家にはもってこい!

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「アキタコマチ」のバイト先のビストロバーで出している看板メニュー「熟成肉のロースト」を自宅でやってみたいというので、すべて任せてみた。
調味料に漬け込んだ肉と、そのままの生肉と2種類用意した。
2種類にした理由は、味わいのちがいを較べたいということと、もう一つ、万が一熟成肉がうまくできなかったときに、シンプルに焼くだけの生肉も保険として取っておきたいということだった。

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調味料で全体をくるんで数時間放置後、流水で塩抜き

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熟成肉の断面を切ると、調味料がしみ込んで周りが黒っぽくなっているのがわかる

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完成。
生肉より熟成肉のほうが、肉の中から味がしみ出してくる感じがいい。
ソースは肉汁とポートワインとカラマンシーで作っていた。
調理中、「ササニシキ」が、「予算より鹿肉代がだいぶ安く済んだから」と、シラーズのワインを買ってきた。
1.4キロの肉もワインも瞬く間になくなり、「こんなおいしいワインのあとに1000円代のワインは飲めない!」となって、私の旅行土産のグレンフィディックを出すことに。

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じゃーん!みんな大好きなグレンフィディック。マデイラ・カスクフィニッシュ、まさにマデイラワインの香り

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高級そうな箱に入ってます。天使がプープーと息をかけています

「アキタコマチ」が張り切って腕を振るい、「ササニシキ」は「オレはパトロン。(弟と)ナイスな連携」と悦に入っていると、どうしても「コシヒカリ」の影が薄い。

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「コシヒカリ」が夏のオーストラリアでお土産に買ってきてくれたショットグラスを使うと、「あっ、わたしが買ってきたお土産で飲むの!」と満足していた。

おせち料理の準備を一日だけでやったので、この大晦日の食事は夜10時過ぎからになってしまったけど、いい年越しになった。

それにしても、「アキタコマチ」の腕の上げ方はすごい。
小学生のころからかなり料理はできると思っていたが、学校で本格的な勉強をして、超人気店のアルバイトで実践を鍛えて、手際と味覚の発達が1年前とは段違いだ。
「ササニシキ」は今年は4年生だが大学院に進むつもりだからまだまだ学生。
「コシヒカリ」もまだまだ高校生。
「アキタコマチ」が、あと1年学生生活を送ったら、きょうだいの内で一番最初に社会に出る。
甘ったれな妹と、マイペースな兄を引っ張っていってくれ。

by apakaba | 2014-01-01 13:41 | 食べたり飲んだり | Comments(0)