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2017年 01月 26日

横浜中華街ドライブ

香港フード合宿もまだ中編までしか進んでいないが、香港で新たな刺激を受けたのか、「アキタコマチ」が
「オレの中華料理の腕は、このままだと限界だ。これ以上は、やっぱり中国人コックの料理から学ばなければ!」
と、いきなり言い出す。
「横浜中華街へ行く! そして食べて勉強する!」

そうは言ってもねえ。
横浜中華街にある店が、どこもかしこも勉強になる店ばかりじゃ、ないのよ……と、元横浜市民の私はひそかに思うが、張り切っているので一緒に行くことにした。
大学が春休みに入った「コシヒカリ」も連れて、3人で横浜ドライブ。
以前、「ササニシキ」がひまな大学生だったころには、運転の練習としてやっぱり横浜方面に行ったなあ。

あれは実に傑作なドライブだった(「ササニシキ」の不思議なノリをぜひ読んでください)。
「アキタコマチ」は、免許を取って1年以上たつが、なんと一度も高速道路を走ったことがないという。
これにはビックリした。
首都高は、慣れていないととても大変だ。
(ぶつけたわけじゃないけど精神的に)満身創痍、ヨレヨレと横浜にたどり着く。

2軒はしごして、小皿やセットメニューをいろいろと頼む。
料理の写真はなし。
うなるほどおいしいものが食べられなかったためだ。
ごくふつうの一般的な中華の店で、これなら遠くまで来なくても、結局うちのそばの中華料理屋の方がずっとおいしかったのでは、という身もふたもない結論。
「コシヒカリ」はひとりで盛り上がって、ごま団子や肉まん、天津甘栗など、好物をじゃんじゃん買っては食べている。


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あまり中華料理の勉強にはならなかったようだが、よく晴れた日だったのでドライブは楽しかった。
ふだんは子供たちと出かけることもないし、家では毎日顔を合わせているけれど、出かけているといろいろしゃべるので楽しい。
写真を撮って盛り上がったり。


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「今日は楽しかったね。」と「コシヒカリ」がデートの見本のようなことを言う。

夜は、私が体調不良で夕飯を作るのを渋っていると「アキタコマチ」がおいしい中華料理を作ってくれた。
中華料理ばっかり食べている日になったけど、「アキタコマチ」の作った蒸し魚とニラレバが一番おいしかった。


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イトヨリ。
超高級XO醤をうまく使ってくれた




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ニラレバをレバニラと最初に言ったのはバカボンのパパだとか


中華は火通しがすべてだそうで、たしかにニラレバのレバー、もやし、玉ねぎそれぞれの火通しは完璧であった。
運転は慣れていないからあまり上達しないが、料理は毎日やっているから上達しているな〜。


by apakaba | 2017-01-26 17:14 | 子供 | Comments(0)
2017年 01月 23日

香港フード合宿・中編

やや間が空いてしまったが、前編の続き。
中編は、フード合宿2大ハイライトのレストラン訪問である。

ひとつめは、初日のディナーで入ったプライベートダイニング「法租界」。
私が香港で、というか今のところ世界中で最も好きなレストランだ。
以前、仕事で記事を作ったので、詳細はそちらを見てほしい。



料理は言うまでもなく、スタッフの雰囲気もレストランのある場所も、すべてが刺激的なレストランなので、ここは絶対「アキタコマチ」が来るべき店だと前々から思っていた。
それがやっと叶い本望である。
「アキタコマチ」は予想以上にビビッドな反応をしていた。
これまで何度も来ているのに、仕事の原稿ばかり書いて、このブログを書く時間がなくなってしまったため、法租界の奇抜な料理を紹介したことがなかった。
この日のメニューは以下の通り。


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A Little Swaying Boat.Chao Phraya River.
左がなすのクネル、トムヤムクン風味。
右は魚の浮き袋、ゆず風味のマリネ。
詩的な料理名はシェフが考えるが、予約した相手には事前にメールで材料や調理法を知らせてくれるから安心。
以下、「アキタコマチ」の感想。
「完全に常温だ。冷たくも温かくもない。すごい。料理って、“温かくなければ!”とか“冷たくなければ!”とか縛りからたいていの料理人は自由になれないんだ。これはなかなかないね!」


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Shanghai Lake.Switzerland Mountain.
上海蟹の生姜風味と、スイスのサワークリームのソースを使ったダンプリング。
上下を混ぜて食べる。
「これは、中華と西洋料理が完璧に1対1だ。上海蟹は完璧に中華料理の手法、でも下のソースの酸味の付け方はまぎれもなく西洋料理の手法。中華にこういう酸味の付け方はない。両方がまったく譲らない。そして……うまい!」


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The Green Days in Mediterranean Sea.
左側は、オランダのムール貝の煮込みと日本のわかめを合わせたものに、揚げた黄ニラをトッピングしたもの。
右側はわけぎのグリッシーニ。
「もはや何が何だか……だが! うまい! ムール貝の煮方は西洋料理なのに、そこに迷いなくわかめを持ってくるとか。」


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Shaking Sleeve.Charcoal Fragrance From A Farm House.
右側は、チャイニーズマッシュルームの蒸し煮と韓国のじゃがいも麵にクリスピーなハモンセラーノをトッピング。
左側はシャントレル(アンズダケ)と、じっくり煮込んだフランス産あひるの胸肉。
「ううーん。すごい。まったく食べたことがない。一体どうしたらこんな料理を考えられるんだ!」


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Soft Pluma.Soft Rice.Fragrance.
plumaはスペイン語で「羽」。
イベリコ豚のプルマ(豚肉の部位の名前)のグリルと、上海風ベジタブルライス。
このお米はゆめぴりかを使っているという。
「あーっ! あまりにもうまくて写真を撮り忘れた!」


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Sumiyaki Coffee.
塩味カスタード入りの卵白を揚げたデザート。炭で色をつけている。
コーヒーマスカルポーネムースと共に。
「このどう見てもまずそうな外見、そして、うまい……! なんなんだよもう……!!!」

興奮しきったままディナーを終えた。
「もう、オレはがっくりと膝をついて泣き出したい気分だ。どうしたらこんな料理ができるんだ?
香港だからなんだな。この“プライドのなさ”は真似できないよ。
料理って、どうしても自分の専門や自分の国から離れられないんだよ。
日本人だったらやっぱり日本料理のセオリーから逃れられないとか、フランス人シェフが日本料理のテイストを入れると言っても、フレンチの中にアクセントとしてほんの少し取り入れるくらいとか。
だからほとんどのフュージョン料理はどっちつかずで失敗する。“創作料理”という名のおいしくない店がいっぱいある。
だけどここは完璧に変なプライドから自由だ。
西洋と東洋ということへの、コンプレックスもこだわりもない。まさに香港っていう土地の根無し草ぶりを体現した料理だよ。
こんな店は日本では絶対に生まれないね。参った。香港すごい。ほんとに、なんという料理だ。感動した! いやあ、うまかった!!」

私や夫は、何度来ても「おいしい!」「食べたことない!」という素人な感想しか出てこないのだが、コックが素材や調理など、料理を分析するとこういう感想になるのか。
しかし、ここのおもしろさを完璧に理解し、「香港という場所でしか生み出し得ない」というところにまで考察が及ぶのはえらいものだと思った。

いつも予約のメールをやりとりしている、サービスチーフのクリスさんは、「皿洗いの女性が休みで、今日はぼくが皿洗いをしなくちゃいけないので……」と、厨房の奥から出てこられず残念だった。
しかし、代わりに二番手の若いサービスマンが、時に筆談も交えつつ「アキタコマチ」に丁寧に説明をしてくれていた。
メールで「息子がコックで、貴店にとても興味を持っているから」と伝えておいたのだ。
「東京のフレンチレストランで働いている」と言うと、
「ぼくは日本の料理の本を読んで勉強しています。ええと、“カイセキリョウリ”の(“懐石料理”と紙に書く)。ええっとその本は、日本の学校の本で……(“辻調理”と紙に書く)。」
「あっ、ぼくはこの学校を卒業しました!」と「アキタコマチ」も驚き、若手サービスマンと盛り上がっていた。

サービスチーフのクリスさんのことを見るや「あの人がチーフだね。いかにも切れ者っぽい。厳しそうな人だな。スタッフには厳しい人だね。見てすぐわかる。」とも言っていた。
このユニークなレストランに初めて来て、ここまで堪能して勉強してもらえたら、フード合宿も成功である。
次回は正統派フレンチレストランへ。
フード合宿のフィナーレとなる。
(後編に続く)





by apakaba | 2017-01-23 15:53 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2017年 01月 22日

集音器を買ってみた

耳硬化症(進行性の難聴)と上半器官裂隙症候群という病気で、なんとなーく聞こえづらい生活。
補聴器じゃ高いし、まだ本格的な難聴でもないので、機能が大変劣る「集音器」というものを買ってみることにした。
もうすぐ影絵人形劇団の次の公演があり、大きな声を出すと自声強聴(自分の声が頭に響く)にまた苦しむことになる予定。
もしも、集音器がその症状を和らげてくれるとしたら助かるなあと期待した。

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本文とまるで関係ありませんが。
ある日の飲み。
右にあるケジャンが大変おいしくて、幸せだった日



家電店でやたらと安い(1800円くらい)の集音器を買った。
結論をいうと「よく聞こえる」。
私の難聴はまだごく軽度で、調節の段階が5まであるダイヤルの0.5くらいで十分。
ただ、期待していた「自声強聴を抑えてくれる」効果については、まったくダメだった。
自分の声も大きく聞こえるじゃないか〜〜〜。
やはり安物だからね。

とはいえ、たとえば歌舞伎に行って声の小さい役者の出る幕などで、パッとつければ楽だね。
自宅でレンタルした映画を見ている時とか。
1800円分の使い出はあるかな。

もともと私は聴力がかなりすぐれていた。
今日、学生時代からの友達と話していて、私がいきなり
「あなたは昔から、ナの音が独特だった。おそらく上顎への舌の当たりが強めだからだと思う。ナ行の音の出し方がラリルレロの音に近い。パキッと響く」と指摘すると、ビックリしていた。
そんなふうに、人の声の特徴を細かく聞き分けられる。
だから、難聴だと騒いでいても実は人よりよく聞こえているのかもしれない。
これから長〜く長〜く続く、難聴への道のり。
その第一歩だ。


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よろしくお願いしまーす。


by apakaba | 2017-01-22 17:21 | 健康・病気 | Comments(0)
2017年 01月 16日

たいへん遅くなりましたが、今年の抱負

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はい。毎年お見苦しい文字でどうもすみません。
今年も、毎年恒例「ササニシキ」による絵馬でございます。
3月に大学院を卒業する「ササニシキ」は、晴れてプー太郎に。
あまり長くそのままでは困るので、いい仕事が見つかるようにというわけで。

私も、つい先日、去年の支払調書を見てガックリ。
おととしの金額の半分くらいじゃないの。
自分ではたくさん書いたつもりだったのに、去年はまるっきり書いていなかった時期もあったのでね。
今年は私の収入増も祈念してみることにします。

今はインドの記事がず〜〜っと載っています。

私のページ。
3月半ばくらいまで、インド続きです。
どっちにしろライターだけでは飛躍的に収入が増えることはないので、新しい仕事を始められるといいな〜。


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12月の散歩道


「ササニシキ」に「仕事の仕という字のつくりは、下が短いんだからね。武士の士と同じなんだから!」と言うと「うっひゃっひゃっひゃ!」と笑い転げる。
そんな「ササニシキ」も、私も、仕事にありつけますようにー。


by apakaba | 2017-01-16 22:50 | 生活の話題 | Comments(0)
2017年 01月 12日

カフカの影が街を覆う__「METAPHOR カフカとの対話」とギャラリー・トーク


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ギャラリー・バウハウスのホームページより


御茶の水のギャラリー・バウハウスで、小瀧達郎写真展「METAPHOR カフカとの対話」が開催されている。
10日、ギャラリーのトークイベント「ギャラリー・トーク お正月カフカ プラハ×アフリカ×病室」へ行ってきた。
カフカ研究者の頭木弘樹さん、作家の田中真知さん、館長の小瀧さんによる鼎談である。

トークが始まる前に、小瀧さんの展示を見た。
ここ数年内に開催されてきた小瀧さんの写真展にはすべて行っているが、プラハの写真は、2012年の「VENEZIA」以来のすばらしさだ。
古いライカのレンズで撮られたカフカの街・プラハの、影と陰(sillouette と shadow)。
プラハを撮ることへの写真家の喜びと静かな興奮が、プリントされている。

ぐるりと一巡してみて、縦構図の写真が多いことにすぐに気づく。
元来が横構図であるはずの人間の視野からして、縦構図の写真というのは、それだけで意図的に切り取られた非日常への意志を予感させる。
小瀧さんの縦構図の写真は、視野をせばめられた不自由さが、風光明媚な風景写真となることをやんわりと、しかしはっきりと拒む。
展示作品すべてで、プラハという街を表す。
“この1枚”で完結する写真ではなく、ギャラリー全体をなんども歩き回り、断片を拾い集めるようにしてプラハを知っていく。
すべて見終わって初めて、プラハが立ち上がり、長く余韻が残る__そんな写真展だ。

川のほとりの街プラハをきっちりとらえた風景写真を見る。
中世から変わりのない美しい街のように感じる。
しかし、人影、彫像の輪郭、木の陰、ガラスのウインドー、いくら見ていても何を撮ったのか理解できない(だが惹かれる)光景、クローズアップで撮ったさまざまなもののさまざまなパーツといったものを見ていくうち、写真家にとってかならずしもプラハの“いい風景”が関心事なのではなく、ギャラリー全体でプラハという街を“表す”ことに関心があるのだと感じられる。
風景(=landscape)よりも、光景(=scene)や瞬間(=moment)を。
不思議な、ノスタルジックな、諧謔的な断片をバラバラっと撒く。
プラハにとって、欠けてはならないピース。


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陶然となるような小瀧さんの写真作品にかこまれて、トークイベントはスタートした。
いうまでもないことだが、真知さんも頭木さんも、徹頭徹尾人文系の語り口だ。
人文知が軽んじられがちな今の日本で、このように楽しく濃密なトークを聞けるのは快感でもあり、頼もしくもある。
プラハはカフカの生まれ育った街である。
頭木さんは二十歳の時に難病にかかり長期入院し、その後も入退院をくりかえしたという方で、ご自分が絶望の淵にある時にカフカの作品を読みふけったという。
カフカに関する予備知識がほぼない状態で聞いても、スルスルとカフカの人生や著作がわかってくるような気がする、大変お話の上手な方なのだった。

小瀧さんの写真、とりわけ、寄りで撮られた街角の断片(何なのか判別しがたい)を見ている時、しきりと諧謔的な精神を感じた。
「カフカに似ている。カフカみたいな街角だ」と思っていた。
カフカの文学作品に通じる、フッと笑うしかないような悪い冗談っぽさ、純粋がかえって仇になっていくような皮肉さ。
カフカとプラハが同義になる……だから展覧会名が「METAPHOR」なのか?
その印象は、お話上手な頭木さんによって明かされるカフカ本人の人となりを知っていくにつれ確信になっていく。
プラハが肉体を持ったものがカフカであり、カフカが遍在している街がプラハだった。

真知さんと頭木さんの対話を聞きつつ、しかしカフカという人は、一般的にイメージされている人物像よりも、はるかに“ふつうの”、さらには“健康的な”人だったのではないか、と思うようになっていった。
カフカは、精神的に異常性のあるタイプでもなんでもなく、たんに極度に感受性が強いだけで、言ってみれば「2クラスにひとりくらいはいそうな不思議ちゃん」タイプの人物だったように思える。
徹底的に弱くあることが強みとなるタイプの人というのは、洋の東西を問わずいつの時代にもいるものだ。
日本近代文学の作家たちだって、みんな極度に弱虫で偏食家で人並み以上に恋愛をしている。似たようなものだ。
そうなると、カフカと一般人を分かつものはたったひとつ、「書いた」ということになる。
プラハへの愛憎を終生持ち続けることでプラハの街と一体化し、もはや己の輪郭をぼんやりと失ってしまいそうなカフカは、書くことによって、書いたものによって初めて、くっきりと存在を刻印できたのだ。
それが、文学の力だ。

頭木さんから小瀧さんへの質問で、古いレンズを使う意味を聞いていた。
小瀧さんがこの展覧会のために使ったレンズは、30〜50年代の古いライカだという。
最新型のレンズはスペック勝負になっており、写りの正確さは古いレンズが敵うべくもないが、実際、人間の目はそんなには見えないわけで、「そこまで正確に写らない」古いレンズの方が人間の目に近い世界を映し出せるから、というようなご回答であった。
また、古いレンズは個体差も大きく、写りのクセもひとつひとつ違うので、自分(被写体)との相性もよりシビアになってくるのだと。
その話を聞くうち、もしかして、小瀧さんはみんなの認識と逆のことを言いたいのでは?と思えてきた。
古いレンズの方が撮り手の意志(腕)が入る余地があり、新しいレンズは緻密にできているからキカイ任せになりがちだ、と多くの人は思うだろう。
しかし小瀧さんの言いたいことはまったく逆で、古いレンズは個体差が大きい、つまり各々が不完全で愛すべき人間のように「性格」を持っている生き物のようなもので、撮り手はレンズに「いい被写体を見つけたよ。いい味出して写してくれ。よろしく」とお願いするような気持ちで、シャッターを切るごとにレンズにお任せするのではないか?
機械を扱うということは、元来完全な主従関係(というのも変だが)だが、古いレンズは使うというよりもっと人間くさく、「付き合う」「相棒」のような感覚のものなのではないか?
そんなふうに感じていた。
そうやって作られた写真は、暗室作業も含め、やはり芸術である。

文学・芸術は人間が生きる上で真に必要なものだという真理に肉迫する、すばらしい鼎談であった。
やっぱり、ギャラリー・バウハウスはいつも最高である!

以前書いたギャラリー・バウハウスに関連する記事はこちら。



by apakaba | 2017-01-12 17:48 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)
2017年 01月 09日

香港フード合宿・前編

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夫が香港好きなので、私が毎年連れて行っている。
昨年の8月に行ったとき、次回は次男を連れてきてやろうということになった。
次男「アキタコマチ」はフランス料理のコックをしている。
毎日猛烈に働いている次男に、食べて食べて食べまくって味の勉強をしてもらう旅をプレゼントするわけだ。
その代わり、航空券は自分で買い、ホテルも3人部屋。
観光はナシ、ただ食べるだけ!
二泊三日の“フード合宿”だ。

では!
(なにしろ観光してないことだし!)食べ物記録いってみよー!


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早朝の羽田空港で、「アキタコマチ」のオーダーはこれ。大盛り。
若いってすごいね……。


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「アキタコマチ」の機内食は、リクエストしてあったベジタリアンヒンズーミール。
とにかくこの某航空会社の機内食は悲惨をきわめているため、特別機内食をオーダーすることにしている。
ちょっと味見したベジタリアンヒンズーミール、大変おいしうございました。


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これは私のベジタリアンミール。
こっちはたいしておいしくなかった。
しかし野菜だけなのは胃もたれせず、ありがたい。

空港に着くと、いきなり今夜飲むためのワインをDFSで選ぶ。
赤・白1本ずつ。これは「アキタコマチ」が買ってくれた。
その後、空港の「何洪記」で、麺と炒飯の昼食。
「アキタコマチ」は「乾物のだしがすごい。味付けした味じゃなくて、乾物のうまみから出てくる味が!」とさっそく感激していた。


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ホテルの部屋にあったノスタルジックなエスプレッソマシンを使う「アキタコマチ」。
「オレはそこらへんのカフェの店員よりは、よっぽど上手にエスプレッソを淹れられるよ。このマシンも勉強したから扱える」そうで、私が触ろうともしなかったマシンで私たちの分を作ってくれた。


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ディナーにはなじみのプライベートダイニング「法租界」へ。
詳しくは中編に書く。

ディナーのあと、まっすぐホテルへ帰るかと思いきや、さすが誘惑だらけのランカイフォン、男二人が「もう一軒行く!」と言って聞かない。
仕方なく(夫は財布も持ってきていない)適当なバーに飛び込んで大散財をしてしまった。


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勘弁してよ……しかし「フード合宿だ」とグッと我慢。
「アキタコマチ」は英語がしゃべれないくせに、なぜかお酒(スコッチウイスキー)の質問はひとりでガンガンしているようだった。
なんですかねあれは。


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翌朝は上環にあるコーヒー店「Brew Bros Coffee」へ。
日本人バリスタが店主で、私もなじみのお店なのだ。
ここのことを書いた記事はこちら。


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がっ、つい最近、2号店をオープンさせ、店主の小野さんはそちらへ行っていて留守であった。
「アキタコマチ」に、海外で飲食を勉強した人のお話を聞かせてもらえたらいいだろうと思って連れてきたのだが、残念。


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あいかわらず、キリリと酸っぱい、フレッシュなコーヒーであった。
私はフィルターで「ルワンダ」というコーヒーを選んだ。
1994年の大虐殺のことを思い出したからであるが、現在のルワンダは大躍進を遂げているという。
「アキタコマチ」は、初めての味にぶったまげていた。
「こんなコーヒーは初めてだ! コーヒーというより、お茶のようだ。でもワインのようでもある……」と感動している。
「ものすごく、飛び上がるほど酸っぱいけど、少しも嫌な酸っぱさじゃない。いやこれは初めての体験だ!」
どうしても店主の小野さんと会わせたくなり、午後からひとりで2号店へ行かせることにした。


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「アキタコマチ」がひとりで三つ星レストランのランチへ出かけている間、私たちは分相応に質素なランチ。
ねぎと生姜の麵と、臓物入りおかゆ。
「アキタコマチ」は、三つ星レストランよりも、そのあとに行った「Brew Bros Coffee」2号店の方がよほどおいしかったという。
ランチのあとなのに、勧められるままにカフェランチを食べてしまったと。
若いってすごいね……。

小野さんは、オーストラリアでコーヒーの勉強をして、そのまま日本へ帰らず香港で自分の店を開いたという人。
「日本がまったく視野に入っていないところがすごい!」と、ひたすら刺激を受けたようだった。
世界は広い。
そして飲食業で世界を渡っていくことは、いくらでもできるんだ。

ディナーは、これもなじみのフレンチレストラン「カプリス」で。
詳しくは後編に書く。

翌日の朝食は、フォーシーズンズホテルでいつも入る「Blue Bar」。
おいしくて何度もおかわりに立つ。
この朝食がとっても高いのだけど、これもフード合宿のためだとがんばる。


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私だけでも、これくらいは食べる。
いわんやをや。男二人の元を取ることといったら。
ひっくり返るほど食べてから、部屋でゆうべのディナーのプティフルールを詰めてもらったのを、さらに食べる。


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機内食、私のベジタリアンミールは、やっぱりたいしておいしくなかった。
サラダにドレッシングはおろか塩すらも付いてこず、レモンを絞って食べるというストイックなものであった。


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一方、「アキタコマチ」のベジタリアンヒンズーミールは、やっぱりバカウマなのである(サラダは同じだったが)。
損した気分。
新宿でお好み焼きをササッと食べて、フード合宿終了。
大変な散財をした。
しかし、この先おそらく一生ないであろう、この3人での合宿は、我々両親が予想していたよりはるかに、「アキタコマチ」には得るものがどっさりあったようである。
中編に続く。



by apakaba | 2017-01-09 22:19 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2017年 01月 01日

自分に宛てる手紙、10年経ちました

あけましておめでとうございます。

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「アキタコマチ」が作ったきのうのディナー。
豚ヒレのバスク風ナントカ。
クレソンのリゾット。
バスク風ナントカは「アキタコマチ」が考えた料理らしい。
リゾットは「アキタコマチ」の自信の品で、「東京で一番おいしいリゾットはオレが作ったリゾット」だそうだ。


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焼いた菜の花に、オレンジの角切りをのせる。
香ばしく、ほろ苦くておいしい。
おせちも大掃除も、子供たちがみんなやってくれるので、いつの間にか年末は楽な日々になっちゃった。
昔はあんなに大変だったのに。


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毎年恒例、自分に宛てる手紙読み中。
床下収納の縁の下に、1年後の自分に書いた手紙を入れておく。

10年続けているのか。
いつまでやるかなあ。

子供は頼もしくなり、私は年々虚弱さが増していきますが〜、子供が頼もしくなっているから大丈夫。
今年も1年、よろしくお願いします。


by apakaba | 2017-01-01 14:24 | 生活の話題 | Comments(0)