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あぱかば・ブログ篇

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2010年 07月 14日

エステサロンでダイエットしようとしていた思い出

10年くらい前、私がまだ金銭的に余裕があった時代、大手エステサロンの痩身コースにかよっていました。
当時のあるとき、「私、太ってる!」ということがいきなり気になり始めたのです。
あとになって考えてみると、そんなに爆発的には太っていなかったと思います。
せいぜい、いつも履いているジーンズやスカートが「あれ、きつい?」と感じる程度だったような。
服が入らなくなってサイズを上げたこともなかったし。
それでも、そのときは魔が差したのか、エステサロンにアコガレを抱いたのか、とにかくエステにかなりお支払いしたと思います。

エステサロンは、いいことと悪いことがありました。
いいことは、まだ小さかった子供から離れてひとりでボケーッと、眺めのいいサロンのジャクージやサウナに入ってリフレッシュできることでした。
悪いことは、かよってもかよっても痩せないことでした。





痩せるためのハンドマッサージと全身パック(温かいものと冷たいものがある)をやるのは、なかなかいい気持ちでした。
セルライトを揉みほぐして排出しやすくするという掃除機のようなキカイにもかかりましたが、ハンドのほうがいい気持ちでした。
ただ、ハンドはエステティシャンにいろんな人がいて、人によっては私のふくらはぎが太いことを「脚、上下が逆ー?腿はどっち?って感じですねー。」と言ったりして、けっこう傷つきました。
「でもエステをやれば細くなりますよ!」という励ましのつもりだったのでしょうが、私には無神経な人に思えました。

エステティシャンはたくさんの女性がいるので、他のエステティシャンの陰口を言う人もいて可笑しかったというか、疑問だったというか。
「あの人は結婚したんですけど、結婚前に妊娠していて、流産したんですよー。それでしばらく休んでいたんです。」など、あまりにもプライベートなことを、ただの一顧客にマッサージしながらしゃべってしまうなんて、ひどいなと思いました(でもその噂をされた人は、私に「腿はどっち」と言った人だったので、もしかして無神経な言動でスタッフ同士でも嫌われていたのかもしれません。おそろしいことです)。

体の痩せたい箇所に、パッドを貼り付けて中周波を流し、筋肉を無理やり動かすというのもやりました。
代謝を上げて痩身効果を高めるため、こたつみたいに熱くなっているトンネル状のベッドに寝転がって、“寝ながらにして運動になる”というものでしたが、やってみると熱いばかりで、やはり本当に運動をするのには及ばないなあと思いました。

これをやるときはハダカになって、使い捨ての紙パンツを履きます。
まったく、エステというところはこの紙パンツが日夜大量消費されるところです。
エステティシャンには毎回ハダカを見せるのですが、当たり前とはいえ、あちらはきちんとした着衣の状態なのに、こっちだけが紙パンツ姿なのは、不公平というか情けない気分になります。
熱いトンネル状ベッドで、ひたすら「まだかな。早く終わらないかな。痩せるのかなあ?」と念じているところへ、なぜかエステティシャンではなく受付の女性が入ってきて、世間話をしていくこともありました。
本当にどうでもいいことをしゃべるので、「この人はどうして私のところに来てるんだ?そっちはスーツで、メイクもちゃんとしてるけど、私は汗ドロドロのハダカなんだから、ほっといてほしいのに。……あ、これはもしかして、サボりか?この部屋に篭って受付業務をサボってるんだ!」と考えたりしました。

マッサージの前に、ジェットバスといってジャクージよりももっともっと強いジェット噴射のバスタブに10分間入る、というのもありました。
お湯に痩せるオイルを入れて、ほぼ寝そべるような恰好でつかるのですが、湯あたり寸前で疲労感が残ります。
正しくは「痩身・若返り・リラックス」の3つのオイルから選べるのですが、私は100%「痩身お願いします!」と言っていました。
「こんなので痩せたら世話がない」と思ったけれど、これで痩せるというよりも、これをやってから施術を受けると効果が上がるというものだったようです。

ジェットバスの換わりに、タラソテラピーを受けることもありました。
海藻のパックを全身に塗り、首だけを出したスチームバスに入って温まるというもので、これが猛烈に熱くて、私はいつも「少し、温度を下げてください」と頼んでいました。
熱くすればするほど痩せる効果は上がりますよ!と言われても、なんだかもう、なにもかも振り捨てて、ドームのフタを蹴飛ばして逃げたくなってくるくらい熱いのです。
海藻パックというのは、わかめの色をしていて、海藻のニホヒがして、爪の間に入ると黒くなってしまいます。
だからタラソをやるのはちょっと憂鬱でしたが、パックを塗ってもらっているときだけはいい気持ちでした。
ハダカで横たわり、見ず知らずの女性の手で全身をやさしく撫でられるのは、赤ちゃんになったみたいな気分でした。

以上のようないろんな施術をやっても、私がちっともはかばかしく痩せてこないので、「お食事手帳をつけてください」と言われました。
今で言うレコーディングダイエットのことです。
毎回、なにかしらケチをつけられる(のではなく、“指導が入る”)のが、またまた憂鬱でした。
「バナナではなく、カロリーの低いりんごにしましょう。」
「ベーコンはハムに替えてください。」
など、カロリーを抑えることが目的だから正しいのだけれど、毎回だと「いちいちうるさいなー」と思ってしまいます。
毎度しぶしぶ提出物を出しては叱られるくり返しで、落ちこぼれの小学生になったような気持ちでした。

それなりに大枚をはたいて、結果としては、とりたてて痩せませんでした。
そうこうするうちに、子供たちにお金がかかるようになり、私のエステ通いは終了しました。
なんだかんだいっても、人に身体を預けてケアしてもらうのは気持ちのいいことなので、「あんなお金、使わなければよかった」とは思っていませんが、もしこの先、お金に余裕ができても、もう痩身コースには行かないと思います。
もっと総合的に、運動やカロリーコントロールなどを見直さなければいけなかったのに、エステサロンだけでなんとかしてもらおうという考えでは、だめですね。

そのあと、気になっていた「私、太ってる!」という強迫観念は、エステに払うお金がなくなるとともに不思議と消えました。
「無い袖は振れない。太っていても、エステになんか使えないんだ。もうどっちでもいいや」と割り切ったからだと思います。
今は、痩せてはいないけどたいして太ってもいなくてごく一般的な体型です(よね?)。
自分のプロポーションより優先しないといけないことがあったほうが、かえっていいのかもしれません。
今日も、浪人生のお昼ごはんに、ソース焼きそばを私とふたり分で6人前つくりました。
ふたりなのに6人前?相撲取り……デスカ?
うちの長男は、体脂肪率5%にして信じられない大食いなのです。
そんな人の世話をしていたら、自分のことなんか二の次です。

by apakaba | 2010-07-14 16:19 | 思い出話 | Comments(10)
Commented by ぴよ at 2010-07-15 17:18 x
私こんなに「痩せたい痩せたい!」ってぎゃーぎゃー大騒ぎしてるクセに
何故かエステサロンで痩せようと思った事は一度もないわ。不思議~
まあ、外側からの刺激では人は絶対に痩せないと、何となく自分の中で思っている部分があるのと、単純にエステサロンに払う金があったら他の事(旅行)に使いたいと思っちゃうからかしらね。

でもうーんとお金があったら痩身エステじゃなくて脂肪吸引手術は受けたいと思う。そして2ちゃんねるの痩身板の「吸引手術失敗した人」というスレッドを読んでは溜息を付く日々。嗚呼(涙)
Commented by apakaba at 2010-07-15 17:54
ぴよさん、くだらないおもひでに付き合わせてどうもスミマセン。
おそらく、この10年くらい前の「私、太ってる!」症候群は、産後のカラダのゆるみが戻ってなかったことに加えて、家からほとんど出ない生活をしていたせいだろうな。
そして小さかった子供たちにつきあってお菓子バクバク。と。
でも、自分が「太ってる!」と思ったときが(ダイエットの)始めどきよね。

エステサロンは高いよ。
あれはたくさんの人の手であれこれしてもらうことが気持ちいいのよね。
男も同じだね(あ、それはちがうサロンか)
Commented by minmei316 at 2010-07-15 19:13
非常に面白く、また興味深いお話でした
特にエステティシャンの陰口のところ・・・
ちょっと似たような接客業してますが
内内の陰口はだめっしょ
躾がなっておりませんね そこ
Commented by apakaba at 2010-07-15 22:17
minmeiさん、いやーなんだかどうもスミマセン。←なぜ、謝ってばかり

エステ通いの日々は、100%女だけ、の職場というもののおそろしさを感じました。
働くのも女だけならお客も女だけ、と。
でもお客はいい気持ちになりたいのだから、高くても「あ〜来てヨカッタ」と思えるところがいいですね。
Commented by グッドバランス at 2010-07-16 17:39 x
すごい! 400字詰め原稿用紙換算で7枚強の文量ですね。思い出の重みも伝わってきます。私がピンと来たのは、従業員さんの行動。同僚への言葉の暴力です。実は今日、小腹がすいたので、最寄駅の立ち食いうどんへ。そこの従業員のおばちゃんたち(いつも3名くらい)はメンバーが行くたびに変わるのですが、会話は大体同じ。“その場にいない人の悪口”です。自分が攻撃している間は、攻撃されませんから、その口数は減りません。こういうのを聞かされるのも、最初は微笑ましく思っていましたが、最近ではストレスに感じます。そういう“邪気”もエステサロンでは充満していたのではないでしょうか。エステの社員さんなら、心もエステしてほしいですね。
Commented by apakaba at 2010-07-16 22:28
グッドバランスさん、そんなに書いたのか。
いつの間にか長いものを書いてしまうので、友だちからも、よく「ブログは長文だと誰も読まない」と言われてます。
それだけ淘汰されるから私はありがたいんだけど。

いない人の悪口は所嫌わずですな。
まあ、私もどこかで言われてるんだろうなあ。
そう思うとガックリだけど、それが現実だなー。
Commented by あい at 2010-07-17 00:54 x
こんにちわ、はじめまして。

記事には関係なくてすみません。

「バリ 旅行」で検索をかけているうちにこちらへ辿り着きました。
リンクのほうも拝見しましたが、コメント覧を閉じていらしたので
こちらにコメントさせて頂きました。

私もバリには憧れておりまして、いつかは行ってみたいと
思っています。写真を拝見しましたが、ますます思いました。

apakabaさんはバリに限らず、色んなところへ海外旅行へ
行かれているのですね。
Commented by apakaba at 2010-07-17 10:58
あいさん、書き込みありがとうございます。
バリ旅行記、ストップしたままでどうもスミマセン!
しかも画像が落ちているところがあり、ガクリ。
このブログも大容量になったので、いずれあちらは閉じて、こちらに一本化して、キレーな写真も載せていきますね。
それまで気長によろしくお願いします。
喫緊の連載課題はシンガポール完結なので、まずはそちらをよろしくお願いします。トホホ。
Commented by MusicBlog at 2010-07-17 14:10
こんにちは。

痩せている=良いことって、いつ頃から言われ始めたのでしょう?
私にとって魅力のある人というのは、何かに夢中になって生き生きとしている人で、
痩せてるとか背が高いとか色白とは関係ありませんが・・・

痩せるために食事を抜いて死んだ魚みたいな目をした人より、スポーツ選手みたいに
パクパク食べて元気に動き回っている人の方が私にはステキに見えます。
まあ肥っているよりスリムな方が見た目は良いでしょうが、私ならエステにお金かけるくらい
ならその分を食費に回すでしょう。 食えないと、肥るどころか生きていけませんから・・・
Commented by apakaba at 2010-07-18 00:55
MusicBlogさん、久しぶりに書き込みありがとうございます。
ほんとに、本文を読んでいただければおわかりのように、エステで痩せようという試みなど、内実は滑稽そのものです。
トータルバランスを上げることなくして、寝ッ転がって痩せさせてくれなんて、無理だわ。

世の中の人が全員、MusicBlogさんみたいなことを言ってくれれば意識も変わるのかな……?
太ってないのに「痩せなくちゃ!」といきなり思ってしまうのって、ほとんどが精神的な問題ですねえ。


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