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あぱかば・ブログ篇

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2010年 12月 27日

帰省、気鬱

いよいよ、12月の最終週か〜。

私は、今日と明日までが通常通りの仕事(小学生に自宅を開放した塾をやっている)。
だが小学校が冬休みに入ると、うちに通うのも休んで、ご家族で帰省するお宅も多い。
私は、生徒のみんなが、どこに田舎があるのか聞くのが好きだ。
「キミは冬休みにはどこか田舎に帰るの?」
「ええとキミの田舎はどこだったっけ?どこか遠くだったよね。」
と尋ねると、みんな胸を張って答える。
「ボクの田舎は福井。いつ出発すると思う?なんと今夜遅くに出るんだ。クルマで。ボクは寝ていくの。お父さんが運転するの。」
「オレの田舎、宮崎!すげー田舎。こことはぜんぜんちがうよ、虫とかすごいし。夏は川で泳げる。」

もちろん、都内や、東京近郊にお父さんお母さんのご実家があるお宅もあり、そういうおうちの子は、田舎自慢をうらやましそうに聞いているが、前者の子たちからは
「ええ〜おじいちゃんおばあちゃんとしょっちゅう会えるじゃん。いいなー。うちなんて年にいっぺんくらいしか、会えないんだよ。」
と、逆にうらやましがられるのだ。

ひとり、暗い顔をしている男の子がいる。
「キミは田舎に帰るの?」
と聞いてみると、「うん。」
「どうしたの、なんで暗いんだ?」
まだ2年生で、お年玉も楽しみだろうし、女の子のようにかわいらしい顔の子だから、帰省したらさぞ喜ばれるだろうに。

「田舎、うれしくないの?」
「うれしいけど……オレ、イヤなのちょっとだけ。……おじいちゃんが。」
「おじいちゃんがイヤなの?ああ、『宿題やったか!』とか言って怖いのかな?(意外に、教育熱心な祖父母というのはいるもので、孫からは大体疎まれる)」
「そうじゃなくて。オレにはやさしい。こわくない。でも、オレが怪我したりすると、かあさんを怒るんだ。それがイヤなの。」
「んんんー?」
「オレ、怪我をするでしょ、自転車で急いでて転んだり。ほら、今もおでこにこぶがあるでしょう(見事なたんこぶ)。こういうの怒るの、おじいちゃんが、『なんで怪我させたんだ』って。かあさんに。」
「……。」
「オレが怪我するのは、かあさんが悪いわけじゃなくて、オレが勝手に転んだりしてるだけでオレのせいなのに、おじいちゃんはなんでもかあさんのせいにするの。オレはそれがイヤなんだ。」

どうも“おじいちゃん”は、彼の“かあさん”のお舅さんらしい。
嫁もつらいね。
孫がかわいいあまりというのはわかるけれど、小さい男の子が怪我ひとつしないなんて無理だよ。

私にも経験がある。
夫の祖母(うちの子供たちの曽祖母)が元気だったころ、いつも「ササニシキ」がなんでもかんでもバクバク食べるので、
「まあこの子ったら、なんにも食べさせてもらってないみたい。かわいそうに。」
と、よく言われた。
私は「ちゃんと食べさせてるよ……その証拠にこんなに大きくなってるじゃない。ただ大食いなだけなのに」と、心の中で言い返していた。
祖母に悪気があったはずはないが、若い母親はそういうちょっとした年寄りの物言いに傷つくものである。

もしかしたら、お母さんはお舅さんに直接言い返すことができないから、あとで息子に「いやんなっちゃう!」と当たっているのかもしれない。
母親を不憫に思う気持ちと、母親に“自分が不注意で怪我をしたばかりに”という申し訳なさと、おじいちゃんからの愛情を受け止めなければならない義務感で、楽しい帰省がちょっと気鬱になってしまっているのだな。
小さくても、ちゃんと社会勉強してるな。
早いとこそのたんこぶを引っ込めて、おじいちゃんがかあさんを責めないお正月を迎えられますように。
今日のうちへの通塾も、自転車ですっ転ばないように気をつけて来てね!

by apakaba | 2010-12-27 09:00 | 生活の話題 | Comments(8)
Commented by えみぞう at 2010-12-27 13:40 x
みんな かわええなぁ(ハート)
私も田舎が遠く、夏しか帰省しなかったので、お年玉は母方の祖母が送ってくれるだけだったので、近い親戚うらやましい組でした。
Commented by apakaba at 2010-12-27 18:18
ね〜ホントに、子供の言うことってかわいいですわ。
プライドとコンプレックスが、どの子にも両方ともあって。
遠くの親戚より近くの他人というけど、私などは週に二回ずつ彼らと会っているのだから、遠くの親戚よりもずっとたくさん交流しているのですよね。
Commented by ぴよ at 2010-12-27 19:18 x
まあ、そんないたいけな子供が小さな胸を痛めているのね・・・
でもそのお舅さんはよくないわよね。アナタ自身は息子を育てている過程で
一度も我が子に怪我させなかったの?と聞いてやりたくなるわ。

子供って大人が思っている以上に注意深く大人の行動を見ているわね。
よく大人は「所詮子供だから(どうせ判りゃしない)」って言うけど
そういう一言すら子供達は傷ついているのかもしれない・・・

まあ、私の周囲には子供がいないのできっと誰も傷つけてないと思うけど!
Commented by apakaba at 2010-12-27 20:30
人って自分が子供だったころのことも忘れてしまうし、自分が子育てしていたときのことも忘れてしまうし。
まーよくもぽんぽんぽんぽん忘れるものだと思いますわ。

最近、うち(私の塾)って、お父さんたちにとっての焼鳥屋みたいな感じかなと思う。
家でも学校でも友だち同士でもない場所。
勉強をする場所だというのは当然、第一義としてあるわけだけど、それ以外にも、ちょっとした本音が見える場所というか。
週二回、独特の安らぎ(帰宅前にいっぱい飲んで帰る、みたいな)があるんだろうなあと。
子供の世界は小さい世界だけど、それなりにストレスはあるものだからね。
Commented by kajikko at 2010-12-27 21:37 x
「かわいそうに」って、上から目線なんだよね。まあ、お年寄なんだから、上なんだが。さらに、その状況を引き起こしている人物に対しての非難が入っている(ように聞こえる)。なので、その人物にとって、「かわいそうに」はきつい。怒るわけにもいかんし。怒れる人に言われるんなら、まだ楽なんだけどね。
Commented by apakaba at 2010-12-27 22:43
子供が小さいころによくあったケースだけど。
見知らぬ大人が食べ物をくれようとしていて、ごはんの前とか急いでいるとかなんだとか、子供に事情があるから遠慮するときがあるでしょ。
そうすると、その大人は「食べたがっているのに、かわいそうに」と親に言うのね。
ほんと、余計なお世話ね。
Commented by グッドバランス at 2010-12-30 01:31 x
執着、気忙しさが、お孫さんの心を痛めているようですね。おじいさんといっても、まだまだ元気な方なんでしょう。目ざとさ、といったら失礼ですけど、いろんなことに気が向くのでしょうね。別の視点では、おじいさん自体が評価欲求が強い、または、評価してほしいのにされていない(と本人が思っている)傾向でしょうか。まぁ、こんな分析をしても、件のお孫さんの救いにはならないのが残念ですが…高齢化社会の新たな問題ですね。
Commented by apakaba at 2010-12-31 15:13
帰省レス。
子供にとっては、なにもかも社会勉強……と考えるしかないです。
「かわいそうに」発言は、高齢者もそうだけど、早くも「おばさん」世代からは言い始めます。
おばさんっぽい女性はよく言います。


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