あぱかば・ブログ篇

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2012年 05月 08日

娘の行きたい京都へ行く 4.新選組以外の目的地(後編)

3.新選組以外の目的地(前編)のつづき。

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「下鴨神社にも行きたい!」と言うので歩いてみる。
桜門の手前にある小さな神社が、縁結びの神として有名な相生社。
「ウワアー!ここ!」とまたも娘が興奮する。
男っ気のない娘が、いつの間に縁結びになんか興味を持ち始めたんだ?といぶかるが、これも“聖地巡礼”のひとつであった。
「ここも『四畳半神話体系』に出てくるの!ウワー、アニメのまんまそっくり!」
屋根の苔が美しいなあ、とぼんやり考えながら、娘の興奮をうらやましく思う。

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桜門に至るまで、糺(ただす)ノ森をとぼとぼ歩く。
雨の中歩いてもちっとも楽しくないのだが、娘は雨も吹っ飛ばすくらい楽しんでいる。
というのも、糺ノ森は「『夜は短し歩けよ乙女』に出てくるのー!」
こんどは、ナンデスカ。

『夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)』も京都を舞台にした小説で、激しく雨に濡れながら娘からあらすじを懇切丁寧に説明された。
ここも何回か歩いたことがあるが、ここまで新鮮な喜びに満ちあふれた人と歩いたことはない。
娘にとっての“京都”とは、私が見ている京都とはまるでちがう輝きを帯びた聖地なのだろう。
地名の一つ一つに、いちいちあこがれ、感激している。
私にも世界のあちこちにそういう場所はある。
でも、いざそこに立って、果たして娘ほどに喜べるだろうか?
旅の初心者は、ぴかぴかと輝いているではないか。

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娘は銭湯好きでもある。
(初めての銭湯体験記は、こちら。小学生でした。)

京都の銭湯に、できるかぎり入っちゃおう!というのも今回の目標だった。
三つの銭湯に行った。
敬愛する漫画家グレゴリ青山氏のイラストによる、すばらしい銭湯ガイド『京の銭湯 本日あります(らくたび文庫)』も熟読してきたのだ。

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ゲストハウス金魚家から徒歩5分の船岡温泉。
“温泉”というのは銭湯のこと。
内装が驚きの充実ぶりだが、フロ部分はオーソドックスですっきり明るい。

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錦湯には前にも行ったが、今回は勇気を出して、番台のご主人に話しかけてみる。
「この子が銭湯が好きで……」
女の子をダシに使うとたいていのことはうまく運びます。
「東京から来たんですが、東京のお湯は熱すぎるし、カルキ臭くて、肌が荒れる感じがします。京都のお湯はちっともそんなことないですね!」
と言うと、ご主人は
「そうでしょう。京都のお湯は地下水を使っているから、お湯がやわらかくて、乾燥しないよ。うちの母親も毎日入ってるけど肌荒れしないから手入れのクリームなんかもまったくいらないんだよ(各自、京都弁に翻訳お願いします)。」
とお話ししてくださった。

奇妙なペンキ絵がかかっているのが不思議だったので、「以前に来たときにはなかったんですが、あの絵は?」と尋ねてみた。
『冒険チュートリアル』という番組の中でチュートリアルの描いたペンキ絵を飾っているのだそうだ。
1月いっぱいの予定だったが評判がいいので、もう少し飾っているとのことだった。
ただし女湯だけである。
「それはどうして……」
「やっぱり女の人のほうが好きだからねえ。こういうのは。女湯に飾れば女の人が来るでしょ。ワハハ。」
なるほど。
3月の初めにはあったが、もうないかも。

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東京へ帰る新幹線の時刻ぎりぎりに飛び込んだ旭湯。
タクシーに乗って、『京の銭湯 本日あります』を見せつつ「どこでもいいから、今から入って新幹線に間に合うところに乗せていってください!」とお願いする。
30代前半くらいの元気な運転手さんは、さんざん頭を悩ませながらも、ここへ連れていってくれた。
「銭湯が好きなんで、帰る前にもう一つ絶対に入りたいんです!」
「うーん、でもあそこだと渋滞にはまるといけないし……ここじゃちょっと京都駅から離れすぎてて時間を読めないし……ボクのオススメでもいいですか?(各自、京都弁に翻訳お願いします)」
「ええ!いいです!」
「船岡温泉。(←わずかに、ドヤ顔)」
「(二人で)そこ行きましたー!」
「ええっ、じゃあどうしよう!」
大騒ぎのタクシーだったが、「遅くとも○時には出て、道の反対側に渡ってタクシーを捕まえてくださいね。」などと、運転手さんはたいへん親切だった。
やっぱり大観光地だから、無理なことを言うヨソモノの扱いを心得ている。

旭湯はスーパー銭湯風の、広々としたお風呂だった。
時間切れであまり長く浸かれなかったのが悔しい。

5.新選組めぐり・光縁寺につづく)

by apakaba | 2012-05-08 06:03 | 国内旅行 | Comments(9)
Commented by kaneniwa at 2012-05-08 21:40
京都駅正面口(烏丸通)から北を見て、右に歩いて信号渡ってすぐに
「東湯」があります。
ビルの3階なのですが、これがまったく普通の
銭湯で360円だったと思います。

それから、八条口(新幹線乗り場なら近い)なら
九条湯という、これは情緒たっぷりの銭湯が
ありますよ。

いけね、断筆中だった。
今夜こそ練習せねば。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2012-05-08 21:56
へええ!
両方とも、行ってみたいです!
私も銭湯女子、いや銭湯ババーなのでねえ。
京都は興味が尽きません。
がんばって練習してください
Commented by 那由他 at 2012-05-09 17:27 x
小さい頃、野々神町の祖父の家に行く時、河原町から市バスに乗って行っていたのですが(地下鉄の無い頃)、放送の「次は~」という車内放送、音だけ聞いていたので、「糺の森」のことを、ずっと「カラスの森」だと思ってました。「くまのプーさん」の「フクロ」が住んでる「百町森」の連想もあったのかもしれません。
「糺の森」の名前を見て、小さい頃のことを思い出しました。
Commented by kaneniwa at 2012-05-10 15:45
日にちの勘違いはあったものの、
一時は「高くつくがライブのためだけに京都に行く」
と決意してくれたことは、
照れくさいが嬉しかったぞ。
照れくさいが、礼を言うぞ。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2012-05-11 21:06
那由他さん、「糺す」という字も、めったに見かけないですしね。
それにしても「地下鉄のないころ」、というのが、なんだかすごいわーーー!
Commented by apakaba at 2012-05-11 21:07
マーヒーさん、すっかりお騒がせしてごめんなさい。
なぜ一日まちがえたかというと、きっと「行きたい」気持ちが強くて、勝手に脳内で「土曜なら行けるなー。→土曜だよね」と変換していたのですね。
もしかんちがいしたまま、本当に京都に一日早く行ってしまっていたら、どうなっていただろう?
私は、なにをして過ごしただろうか?
Commented by 那由他 at 2012-05-12 17:00 x
市電が走ってた時も知ってますよ。もっとすごいことを言いますと、さすがに半分夢みたいにおぼろげなんです、多分、「壬生」に行く時かな、トロリーバスというのがあった気がします。普通のバスと違っていたので子供心に印象に残ったのだと思います。

森見登美彦さんの作品は、「夜は短し・・・」が初見です。
「四畳半神話体系」は知りませんでしたし、そのアニメも知りませんでした。
Wikiで見たところライトノベルの「今日から(マ)のつく自由業」みたいな感じかなと思いました。

「夜は短し・・・」は面白いとは思いましたが、なぜか森見ワールドにはまりませんでした。
薄ぼんやりとした理由は思い当たりますが、それは置いておいて…。
その後、「恋文の技術」を読んだきりで、他の作品は読んでいません。

「夜は短し・・・」に出てくる下鴨神社の古本市、京都古書研究会主催で、春はみやこメッセ、夏は下鴨神社、秋は知恩寺で開催されていて「古本の神さま」は見かけたことはないですが、掘り出し物も見つかる楽しいイベントです。
(ちなみに知恩寺では、毎月15日「手作り市」というのもやってます。これも面白いです。)
Commented by 那由他 at 2012-05-13 14:10 x
連投、失礼します。

1つ、訂正します。
前の投稿で、森見作品、「夜は短し・・・」と「恋文の技術」だけしか読んでないと書きましたが、「新釈走れメロス」も読んでました。

京都市営地下鉄は、まず烏丸線が1981年に開通したのですが、この工事中、地面を掘り起こすと、京都という土地柄、どこをほっても、なんらかの遺跡だとか遺物がでてきて、考古学的な調査をしないといけないので、計画よりずっと長く工事期間がかかったと記憶しています。
Commented by apakaba at 2012-05-13 20:12
地下鉄の開通は、私が思っていたより遅かったのですね。
横浜では横浜市営地下鉄というものがあり、結婚したら東京には地下鉄がいっぱい走っていたので、なんとなく地下鉄はず〜っと昔からあるものだというイメージがありました。

娘は「おかーさんも森見作品を読んだら」と熱心にすすめてきますが、私は私で読むものがあるのでねえ。


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