あぱかば・ブログ篇

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2012年 05月 21日

“南の楽園”はいくつあったの  20.シンガポールのシーク教寺院(その2)

19.シンガポールのシーク教寺院(その1)のつづき(1.はこちら)。

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これがギーの灯明

ギー(インド料理に使う油)をずっと灯しつづけている祈りの塔(願いごとをするらしい)では、おばさんは
「こんなのもったいないことだわ。ギーは台所で使うもの、食べるものじゃないの。火を絶やさないために燃やすなんて、バカバカしい。口に入れたほうがよほど人のためになるわよ!」
と口を極めて反対していた。



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おばさんは辛辣だったが願いごとをしに訪れる人は多かった

食堂へ行くと、ダールカレー(豆のカレー)がふるまわれた。
もう昼時は終わってしまったようで、ダールとごはんしか残っていなかったが、おいしかった!からくないし!
思わず「バグース(インドネシア語で「イイネ!」)」と言いそうになり、食事はマカン(これもインドネシア語)じゃなくて、なんだっけ……と脳みそフル回転して「アッチャーカーナー(おいしいごはん)」と叫んでみたりする。

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すごい枚数のお皿。ランチタイムの終わりごろ

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みんなの働きを開祖グル・ナーナクが見守っているぞよ

「私ダールが好きなの」と言うと、おばさんは喜んで、
「ダールはおいしいわよね!うちの息子はダールキチガイで、毎日食べるのよ!アタマがへんでしょ!」
と言う。

私がインドに何度か行き、ヒマーチャル・プラデーシュまで行ったと話すと、「すごいわねえ!」と驚く。
そしてシャールク(インドの俳優。私が世界一好きな人)が好きだと言うと、おばさんは
「ハンサムよねー!アイシュワリヤー・ラーイ(インド女優。現在公開中映画『ロボット』のヒロイン)も美人よね!」
と盛り上がってくれる。
この年の女性でもばっちり映画トークができるので、ますますうれしくなった。

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蛇口からチャイが出てくる。砂糖抜きもあるのだ

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この寺院へ来て、施しのカレーをいただくことを、何ヶ月も夢見てきました……!

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カラフルなシーク教徒に交じって、私のような異教徒もいる。あきらかに施しカレー目当てで来ている白人のおばさんもいた。

おばさんは看護師をしていて、今日は近くの病院で旦那さんが目の手術をするため、3時ごろまでここで待っていると言う。
私はおばさんの堪能な英語に、ただ圧倒された。
なにしろよくしゃべるので、聞き取りが大変である。

おばさんは、アンティオキモの近くに住んでいるという。
「その辺りはインド人が多い地域なの?」
と聞くと、きっぱり否定する。
「いいえ。シンガポールではね、すべての民族が交じり合って住んでいるの。マレー、チャイナ、インド……コミュニティーを作ったりはしないわ。
かたまって、コミュニティーを作れば、衝突の元になる。
あらゆるところで、交じり合って住んでいれば、いさかいは起こらない。
この国のプレジデントはほんとにアタマがいいわよ。」
と、「アタマがいい」という言葉を、幾度となくくりかえして強調する。
自国の政策にこんなに満足しているのか……と、私にはうらやましく思えた。

シンガポールにも、さまざまな問題はあるだろうけど……少なくとも、この国を旅行をしていて、「こんな国いやだ」という態度を表している人を見たことがない。
皆、そこそこに幸せそうに見える。

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食べたら洗い場へ

チャイもすてきなおいしさだった。
食べ終わると、お礼として後片づけを手伝うのだという。
ユースホステルみたいだなあ。
「あなたは行っていいわよ!私が洗うから。飛行機に乗り遅れちゃたいへん!」
と言われ、私は免除してもらった。
最後におばさんの名前を、やっと「アープカナームキャーヘイ(あなたの名前はなんですか)?」と、思い出して尋ねると、「Bir(バー)」という。
バーさん(おばさんだが)は、メールアドレスをくれた。

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ありがとうバーさん!

本当にやさしくしてくれて、うれしかった。
シーク教がますます好きになったよ。
旅の計画のときから、この寺院に来れば、なにかいいことが待っていそうな予感はしていたが。
期待以上のすばらしい時間を過ごせた。
シンガポールは、私にはいつもやさしい。

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受付の男性に、レンタルのターバンを返却しようとすると、「持って帰っていいんだよ」と言う。「これで世界中のシーク教寺院に入れるだろ?」いつの日か必ず、このターバンを携えてアムリトサルを再訪します、と誓った

21.プラナカンハウスとブラック&ホワイトハウスの建築探訪につづく)

by apakaba | 2012-05-21 22:36 | バリ&シンガポール2011.11 | Comments(0)


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