あぱかば・ブログ篇

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2012年 07月 15日

2011年8月〜12月に観た映画(DVD)つづき

前回のつづき。
最近観た映画の備忘録です。

第9地区
エイリアンものかぁ、と斜に構えて見るとあとで正座することになる、急展開のおもしろさ!
30歳の若手監督がここまで撮る(ストーリーの組み立て・グロシーンの作り込みのていねいさ・ドキュメンタリーを装う手法など)とは……と驚いて調べると、南アフリカ共和国出身。
本作の舞台もヨハネスブルクであり、アパルトヘイトの黒い歴史がエイリアンとの共存の伏線となっていることにまた感心。
まだまだ、新しくおもしろい作品はつくられるのだという希望を感じた一本だった。

理由
主演ショーン・コネリーを圧する存在感のローレンス・フィッシュバーンがお見事。
黒人差別はアメリカ映画界の永遠のテーマだが、本作も、差別意識を巧みに使って、誰が悪いやつなのかを混乱させる作りがスリリングだ。

水曜日のエミリア
おもしろくなかった……という理由は、「そんなのナタリー・ポートマンのほうがいいに決まってるじゃん!」と誰もが叫びたくなる話だから?
ナタリー・ポートマンが妻から奪い取ろうとしている不倫相手の男が、また魅力ゼロ。
なんであんな男にがんばってるの?
不倫男の妻も、ババアだし美しさは当然はるかに劣るしヒステリックで魅力ゼロ。
まあナタリー・ポートマンがきれいで上手だから、べつにいいんだけどね。

トゥー・フォー・ザ・マネー
アル・パチーノとマシュー・マコノヒーという画面が暑苦しくなるおふたり。
元フットボール選手とスポーツ情報会社の経営者が組んで、フットボールの試合の予想を立てて顧客から手数料をとり、巨万の富を築く。
驚異的な的中率を誇っていた元選手(マコノヒー)だったが、徐々に経営者(パチーノ)に不信感を抱くようになっていく。
カラダ自慢のマコノヒーは本作でもムキムキさせてます。
まあまあの作品だが、やっぱうまいわ、ふたりとも。

アジャストメント
いかにも!フィリップ・K・ディック!
人は自分に課せられた運命を、どこまで自分の手で変えることができるのか。
自分の存在・自分の記憶は、どこまでほんものなのか。
そうしたものへの根本的な疑念を描き出すのがディックのSF小説。
本作も見事にディック世界であった。マット・デイモンはなにやってもうまい。

トゥルー・グリット
たったいまマット・デイモンはなにやってもうまいと書きましたが。
本作は、どうもおもしろくなかったのね。
父親を殺された少女が復讐を誓って、保安官と犯人を追う話。
アメリカ西部開拓時代やキリスト教文化について、そうとう知識がないと日本人にはただの時代遅れ気味の西部劇にしか見えないのだろう。
実は暗喩に富んだ作品だというのは町山智浩氏の解説でわかるが、やっぱり見ているときにわくわくしないのは映画として致命的だった。

黒く濁る村
ひさびさにノワールな韓国映画。
韓国映画ってなんでこんなにドロドロとおもしろいんだろう。
山奥の村で起きた、キリスト教徒たちの集団自殺。
指導者だった父親の死の知らせを受けて村へやってきた青年は、この村がなにかを隠していることに気付き、しばらく留まることにする。
会う村民の誰もがあやしく見える、そのうちに忍び寄る、暴力の気配……。
ストーリーが破綻していようとなんだろうと、見ている間中ぞくっとこわい、韓国映画はほんとに好きだ。

フルメタル・ジャケット
まだ見てなかったキューブリック。
ヴェトナム戦争さなか、地獄の訓練を受ける新兵たちの日々から始まり、月日が流れてテト攻勢での戦いに至るまでを全編男まみれで描く。
キューブリックといえば、網膜に焼きつくほどの完璧な画面だが、この映画ではトイレでの血みどろシーンでよく現れていたと思う。
オリバー・ストーンぽい反戦なつくりではなく、しつこい場面描写のわりには主張はあっさり。
ストーンズの挿入歌『Paint It, Black』がかっこいい。

ヒア アフター
評判がいまいちだったので心配だった本作だが、やっぱりイーストウッド。
胸に迫る感動。
3人の、出自も現在の状況もまるで異なる主人公たちが、死の体験を経て結ばれていく……というスピリチュアル世界モノの触れ込みだったのに、見てみたらいつものイーストウッドらしい、人間と人生を信じたくなる直球映画だった。
マット・デイモンが双子の子供マーカスの霊視をするシーンは泣けた。必見。


うーあと一回で、2011年分は終わらせます。

by apakaba | 2012-07-15 14:21 | 映画 | Comments(6)
Commented by Akiko at 2012-07-16 03:58 x
こっちの映画は私にとって二番手くらいが多いかな。見ていないものも。アジャストメント、エミリア、DVD鑑賞であまり印象ないですがコーエン兄弟が好きなのでトゥルー・グリッドは良かった。第九地区は快作でしたねー
Commented by apakaba at 2012-07-16 21:45
こちらは古めなのが混じってますね。
私はコーエン兄弟って、なんか少し惜しいです。
せっかく、自ら持ってるものは多いのに、それを表現しきれてないような?
私の感受性の鈍さかな?

もう少し映画備忘録つづけますね。
Commented by タカモト at 2012-07-18 09:31 x
おっと、いけね~
コメがガタンと減る映画系にはコメせねば。

第9地区
へーイマイチどーしようかと思ってたんだけど借りるわ。

理由
またずいぶんレトロな作品ですなぁ。(未見だけど)

アジャストメント
おいおい、個人的なお話かよ、規模小さすぎと思った記憶が。

フルメタル・ジャケット
この監督作品は見たことないなぁ。
あっ、時計じかけのオレンジは見たんだっけ。
まー意味不明だからコイツも意味不明なんだろうとパスしてたけど。

他は知らないなぁ。
最近はDVDすら(借りて)見なくなったわ。
Commented by apakaba at 2012-07-19 21:22
タカモトさん、いつもありがとう。
映画って……見ない人は見ないもんね。
私も見てるとはいえないけど、やっぱり映画は好き!

「アジャストメント」は、あれでべつに過不足ないと思います。
たぶんマット・デイモンが出てる時点で「世界救う系」と思い込んでしまうのではないかと。
あの踊りをやるネーちゃんもけっこうよかったしね。
Commented by Morikon at 2012-07-24 00:25 x
第9地区は、レンタル始まってスグに借りたのと、
ちょっと前の地上波放映の2度見ましたが、
やっぱり面白かった!
映画に限らないけど「脚本が良ければ、その時点で
半分以上勝っている」という見本みたいな作品。
低予算の割には画面作りも凝っていて驚き。

フルメタル・ジャケットも、ビデオレンタルし始めて
スグに借りた記憶が。
新兵教育のシーンが、
中学時代の部活とダブりました(苦笑)
Commented by apakaba at 2012-07-24 06:54
Morikonさん、映画へのコメントは少ないからうれしい!
(というか最近はブログのコメ欄にコメントすることがなくなってるもんね)

第9地区はまさにおっしゃるとおり。
わりと期待薄で見たから、丹念なグロ作りや人情(というのか)もよかったし、ヨハネスブルクという舞台も意表をつきましたね。

フルメタルジャケットは今見ると古いけど、当時はセンセーショナルだったのかなあ。
キューブリックにあんまり詳しくないままですが。


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