2013年 03月 22日
国立科学博物館で開催されている特別展「グレートジャーニー 人類の旅」に、娘と行ってきた。 探検家の関野吉晴氏の監修だというので期待して行った。 剥製がたくさんあって迫力満点。 生き物好きの娘は盛り上がっていた。 天井から下がっている写真は血みどろの狩りの様子だが、それもよかった。 「シロクマに抱きついてモフモフしたーい」と言うが触ってはいけません。 写真はセイウチの首。 トナカイをナイフで殺すシーンを映像で流しており、その見事さには二人で感銘を受けた。 アラスカの男性が、歩いているトナカイにさりげなく寄っていって、刃渡り20センチほどのナイフを首の後ろに突き刺す。 どうしてそんなに長いものが頸椎に当たらずにすーっと入ってしまうのか不思議でならないが、針の穴を通すような正確さで柄(つか)まで一気に突き刺すと、トナカイは電池が切れたようにぱたっと倒れる。 すばらしい手並み! 残酷さのかけらもない。 あの名人芸に達するまで、いかに大変な思い(大失敗)を繰り返しただろう! 目当てのひとつが、エジプトよりも2000年も前からミイラを作っていたという南米のミイラだった。 これもよかった! 生後1年前後の赤ん坊のミイラの本物が展示されていたが、顔を覆うマスクをつけていて、とてもかわいい。 ミイラとともに呼び物だったのが、エクアドルの「干し首」というものだった。 首狩りの風習は世界各国で見られる。 私が先日行ってきたばかりの台湾でも、原住民は日本統治時代末期まで首狩りをしていたという。 エクアドルの先住民は、刈った首の頭骨を抜き取り、後頭部から小さく縮めて縫い合わせ、こぶしほどの大きさにまでするという、独特の加工を施したのだった。 その実物が3体展示されていた。 まつげや眉毛はそのままに、唇はこぶし大のサイズに見合うように裏側から小さく縫い止められていて、職人技というか、その技芸の見事さと、人間だったモノがこれほど小さくされてしまうとは……という純粋なおもしろさに、目が離せなかった。 入り口すぐのところに展示してある「ラエトリの足跡」が、第二展示室では主役となる。 「ラエトリの足跡」とは、エチオピアのラエトリで発見された、360万年前のアファール猿人の足跡のことである。 そのレプリカが展示してある。 足跡は2列になっており、ひとつは大きな足跡、半歩ほど遅れ気味に小さな足跡が並んでいるが、大きな足跡は実は二重になっていて、もとの大きな足跡をそのままたどるように、やや小さめの足跡が重なっているのだった。 これにより、父親がまず周囲に警戒しながら、子供と手をつないで並んで歩き、子供はわずかに遅れながらそれについていき、父親がつけた足跡の上を、母親が歩いていったという推測がなされた。 この3体の親子の復元プロジェクトがとてもよかった。 復元のためのモデルとして、ナインティナインの岡村氏が3体の表情を作っていたのである。 このためのメイキングシーンの映像と、解説文もよかった。 なぜ彼がモデルに選ばれたのか、どのように表情を作ったか、行ったら解説を是非読んでほしい。 三者三様の表情。とてもいい! とりわけ、20代後半という設定の(そういわれてもねえ)母親の表情作りは、解説文でも絶賛されていた。 遊びがたっぷり入ったこの企画は、ロマンを感じさせて、私にはとてもおもしろかった。 世界とか自然とか人類史とかをひっくるめ、わかりやすく誰でも目を見張る派手な展示で見せている。 心躍る! 会期6月9日まで。
by apakaba
| 2013-03-22 22:59
| 歌舞伎・音楽・美術など
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以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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