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あぱかば・ブログ篇

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2014年 12月 17日

文庫本とともに旅をする

今夜から、次男「アキタコマチ」がドイツ旅行に行った。
今日は準備をあれこれしていたが、「持っていく本をどうしよう」と迷っている。
とりあえず本人は『ノルウェイの森』の文庫本上下巻を兄の「ササニシキ」から借りていた。
だが私が「『ノルウェイの森』はどんどんいっちゃうからもしかしたら旅行中に読み終わっちゃうかもよ。読み終わった本ほどむかつくものはないよ。」と言うと、「もっと持っていった方がいいのかな!」と考え始めた。

「アキタコマチ」 :なんかおもしろい新書ないの?小説続きじゃなくて間に新書をはさみたい。

私 :ここにあるのはちょっと……お前は無教養だからねえ……『源氏物語論(吉本隆明)』とかじゃあね。

「ササニシキ」 :『罪と罰』を持っていけばまず大丈夫。

「ア」 :だから小説じゃなくて……まあいいけど。どこにあるの。

「サ」 :新潮文庫のはオレの部屋にある。(持ってくる)ちなみにこれという手もある。

「ア」 :なにそれ。

「サ」 :『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』。オレはもう最初のほうでだめだったけど。

私 :なに、“太った娘”が出てきていやになった?

「サ」 :いや、“太った娘”は出てこない。最初のページのエレベーターがどうのこうのというところでもう嫌になった。(朗読)

私 :あっはっは!そんなだったっけ。気障だよねえ。

「ア」 :結局どうすればいいの。『罪と罰』もいいんだけど、オレは今度の旅行では『ノルウェイの森』を読もうって決めてたから……Kindleになんか入ってないの?

私 :『悪霊』の新訳版が入ってるけど。でもファースト・ドストエフスキーに『悪霊』はすすめないよ。

「サ」 :最初に『カラマーゾフの兄弟』を読んでしまうのも失敗だ。『罪と罰』からがいいと思う。オレは高2のときに『カラマーゾフの兄弟』を読んで途中で挫折していた。

私 :まあKindleにもいろいろ入ってるけどね……

文庫本とともに旅をする_c0042704_22165744.jpg
今日の昼に「アキタコマチ」が作った丼。牛すじを煮たあとの煮汁を固めた煮こごりで作っていた

トカナントカ、ワーワーとやりあって結局『ノルウェイの森』上下巻と、『罪と罰(新潮文庫版)』の上巻だけを持つことにしたらしい。
「ササニシキ」が弟に本を渡すとき、「あれ、なんだこれは?」と、中から出てきた栞のような紙を取り出すと、バスのチケットだった。
「ササニシキ」が「アキタコマチ」くらいの年に、夜中にいきなり「あーあオレもどこか行きたいな。マレーシアに行こう」と言ってエアアジアのサイトを開き、そのまま航空券を取って旅行に行ってしまったとき、持っていった本が『ノルウェイの森』だったらしい。
マラッカに行ってマラッカ川を見ながら何時間も本を読んでいた、オレはその時間が一番好きだった……と帰ってきてから何度か私に話していた。

バスのチケットを抜いて、手渡していた。

「アキタコマチ」からはさっきメールが入って、今から飛ぶという。
文庫本数冊を持って一人旅、昔はよくやってたなあ。

by apakaba | 2014-12-17 22:19 | 旅行の話 | Comments(3)
Commented by kajikko at 2014-12-17 23:38 x
海外行く時は、古本屋で文庫本を買って、読んだらホテルに置いてくるようにしているんだけど、おもしろかったら、つい持って帰ってきたり。
スケール小さいけど、帰省の際の往復の新幹線でなに読むか考えています。娘はアガサ・クリスティあたりか。ライトノベルだと、あっという間に読み終わってしまうらしい。
電子書籍だと、最悪、その場で買えるし、荷物にもならないので、読みごたえのありそうな本を物色しておかなければ。
ドストエフスキーの「罪と罰」の亀山訳文庫本を買っておいて、読んでないな。あれを持っていくという手もあるか。
Commented by apakaba at 2014-12-18 07:49
海外旅行で文庫を置いていくって、なんか古典的でいいなあ〜。
今は海外にはとにかくKindle一択なので、そういうのもないな。
新幹線は私も何を読もうか考えます。
で、結局ずっと寝っぱなしなことが多い。
Commented by apakaba at 2014-12-18 07:50
うちも亀山版『罪と罰』は上巻だけ買って読んでないまま。
もしかしたら亀山版が合わないのかなと思ってしまって。
でも、Kindleで夫が『悪霊』を買ったら、すごくおもしろいらしいよ!
私も正月休みに読むわよー


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