2006年 09月 26日
<初めて読まれる方へ> この旅行記は、私が大学卒業旅行でタイ・インド・パキスタン・ネパールを一ヶ月半まわっていたときの日記を、不定期に載せているものです。文章(註・レート換算含む)はすべて22歳当時のままです。 前回までのあらすじ パキスタンからインドのデリーまで戻ってきた私たち。つてを頼りに、タダで泊まれると信じていたホテルでは言葉が通じず、部屋は与えられなかった。 2月20日(つづき) とにかく腹ごしらえをしながら、宿の検討をしよう、と食堂に入り、トーストとオムレツとチャイの「決定版おなかにやさしい3点セット」を食べる。 まだ5時だというのに、食堂はもう店を開けている。ムスリムの街は、早朝のお祈りに間に合うように、早起きなのだ。 トーストに添えられているバターは、たいていいつでも不自然に黄色い。着色してあるのかなあ、でもなんのために、といつも疑問に思いながら使っている。 オムレツは私好みの生寸前のふわふわトロトロの焼き方、では全然なくて、フライパン一面に流した卵をよく焼いて、半分に畳んで半月形にしてあるのが多い。まあこれはこれで悪くない。このときもそういうオムレツを食べながら、ガイドブックを開いてメインバザール(*1)の安宿を調べた。 あーあカッタルイなあもう。 *1・・・ニューデリー駅前の庶民的なバザールで、バックパッカーはここの安宿に集中して泊まる。 メインバザールでは、早朝ということもあってかガイドブックに載っているような有名な安宿は満室ばかりで、結局、聞いたこともない宿に入ることとなった。整形前のマイケル・ジャクソンに似た、脚の妙に長い若者が野次馬の中から進み出て、ホテルダルパンというこの宿に案内してくれたのである。無名ではあるがマスターが物静かで信頼できそうな人だったのでここに決めた。 私たちが旅で体得した、人の善悪の見分け方は、「悪い奴はワルそうな顔だし、いい人はいい人そうな顔をしている」という単純無比なものであった。馬鹿にしてはいかんよ。日本人だとそう簡単にはいかないが、インド人にはこの大原則がとっても当てはまるのである。彼らのほうが性根が顔に出やすいのかな?とすると彼らのほうが結局は正直者なのかも? とにかく、モーローとした頭でパキスタンルピーの決算をして(*2)、素早く寝てしまった。枕元の窓が全開でどうやっても閉まらず(何故ならボロ宿だから)、頭がすーすー寒いのだが、そんなことはものともせずに眠りこけた。 *2・・・私たちは毎日お小遣い帳をつけていた。前日パキスタンを出国したので、ここで決算をしている。後述の銀行行きは、トラベラーズチェックをインドルピーに替えるため。 昼ごろ起きて、のたのたとバンクに行く。 コンノートプレイス(銀行や高級店舗が建ち並ぶ新市街)までの道のりを歩きつつ、インドはあったかいなあとしみじみ思った。日本でなら5月ごろのような感じの、ちょうど気持ちいい季節である。実際には排気ガスと牛の糞だらけのキッタナイ道のりだけれど、やっぱりパキスタンよりあったかくて気持ちいい。 バンクで両替をし、腹ペコなのでWINPYへ。コンノートで人気のあるハンバーガーショップだ。バンコクの安宿街のカオサンロードみたいに白人だらけだった。 1月に来たときには少しも見かけなかった日本人旅行者もいた。 そろそろ大学生の春休みの旅行シーズンに入っているのだが、女の子が5人ほど固まって座っていて、なんだかその様にはものすごい違和感がある。インドに日本人の女の子の集団はぜんぜん似つかわしくないぞ。なにが楽しくてインドなんか来るんだろうか。自分も来ているのに、ああして傍観するとそう思ってしまう。 旅の行き先の選び方によって、その人を判断するということができるのかな。 行き先の後ろに人間性が見えるような気もするし、それがとんだマチガイのときもある。インドに行ったからその人がいい人、とも限らないし、女の子は男勝りとか変わりもんとかいうわけでもないいだろう。でもなんとなく……、女の子でインドというのは、周囲からのコメントが多くなるような気がするなあ。 日本人同士が出くわすと妙に牽制してしまう。挨拶するのも知らんぷりするのも変というような。あのそらぞらしさといったらない。 WINPYのポテトには胸焼けしてしまった。それなのに食い合わせを無視してアイスクリームをNirula(ニルラ)という店で食べた。 インド人の男性で、トリプルサイズにバナナと生クリームの乗っかった、巨大なサンデーのようなものを食べている人がやけに目につく。すごい。甘いか辛いかどっちか、が好きなのだろうか、インド人は。
by apakaba
| 2006-09-26 18:11
| 1990年の春休み
|
Comments(4)
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K国
at 2006-09-27 17:33
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そうですね性格は顔に出ますね、人の良さそうな顔してズルイ人でも、何かの弾みに一瞬ズルイ顔が出ます、それなりに対応すればよし
漫画の島耕作描く人は、表情に性格を表すのが最高に上手い、こんな人いるなと思わせる、今インドが舞台ですがインド人や中国人を描いても上手い、ストーリーも練られてるし物語ですので出来すぎは愛嬌として よく研究下調べしてると思う
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apakaba at 2006-09-28 09:46
弘兼憲史ですね。まだ連載していたのか。
奥さんも漫画家ですが絵は彼よりずっと荒っぽいです。でもたしかに人の顔(性格)はうまく描いていたかな。
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のこラクダ
at 2006-10-03 21:24
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うわぁぁぁぁぁ。
なんかなつかしいなあ。 やはりメインバザール混んでましたか。私も結構苦戦しましたが少し高めのモスクの建物が宿になってるところが気に入って泊まりました。 インドで唯一マサラじゃない屋台メシといえばこのオムレツ&トーストですよね。 私も食べましたよ吸い寄せられるようにね。バターが美味しくてねえ。。。 朝のデリー駅の脇で焼いてもらったの覚えています。 そしてコンノートの銀行。 日本円のトラベラーズチェックの両替をしたかったんだけど、すごい苦労した~~~。だいいち、インドってトラベラーズチェック自体が両替できなくて。 ガイドブックじゃチェックでもって行きなさいってかんじで書いてあったのに・・・・。(涙) それにインドで会う女の子・・・ バックパッカーならいいんだけど、お嬢さんが束になってると違和感ありますねぇ。 本当に。 私の行った頃は猿岩石の後だったから余計多くて。あーなつかしい。
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apakaba at 2006-10-03 23:42
のこラクダさん、2月も後半なので、大学生がいっぱい旅行に来ている時期だったのね。それで満室ばかりと。
猿岩石かー、私はちょうど一人出産ラッシュ状態だったからか、そのブームのあおりは受けずにすんだような。 |
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以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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