2006年 11月 28日
先週の土曜日、「アキタコマチ」はご近所のパパに連れられて半日外出していた。 TBSラジオ主催の、海の環境を考える親子向けセミナーだという。 そこの家の親子で行くはずだったのが、子供の都合がつかなくなったため、急遽、うちの子供と「親子」ということにして参加したのだ。 あの子って、ほんとに屈託のない子供だなーと感心してしまう。 自分の子供時代を考えても、近所のお父さん(とかお母さん)と最初から最後まで二人だけで出かけるなんて決してしなかったと思う。 第一、そんなに大人になついていなかった。 でもあの子はいくらでもそれをやる。 私も平気で送り出す。 大人に対して目端が利いて、立ち回りのうまさももちろんあるけれど、やっぱり大人にかわいがられる、なにか天性のものを持っているように見える。 まあ、私もここに引っ越してきてから、気の合う友だちもたくさんできて、安心して子供を往き来させられるようになったというのもあるだろう。 思えばそのパパとも、小さいころから家族でよく遊んでいた。 彼の奥さん(私の飲み友だち)と、お互いの子供たちを連れて映画に行こうと約束していたのに、彼女が二日酔いで出てこられず、代わりにその旦那さんとふたりで、子供5人を引き連れて映画に出かけた。 電車の中や道行く人の視線が『この夫婦、5人の子持ちか!』と物語っていたことよ。 短期水泳教室にお互いの下の子を入れて、入室していない上の子たちが自由遊泳コースで泳ぎたいという付き添いに、そのパパといっしょに入ってやったこともあったな。 奥さんは 「あたしは絶対に水着になりたくなーい!眞紀ちゃんどーぞ!」 って、よそのおうちの旦那さんの前で水着になるのは知らない人の前で水着になるよりなんとなく気恥ずかしいものなのよ。 ——などというのはどうでもいいことだけど、とにかくうちがそういう雰囲気で、他のいくつかの家庭の大人とも、泊まりに行ったりいっしょにごはんを食べたりという親しいつきあいをしてきたから、自然と社交的になっていったのかもしれない。 いや、待てよ、子供3人とも同じように連れ歩いてきたのに、ひとり真ん中だけが、飛び抜けてずば抜けて社交的なのはどうしてだろう? この家に越してくる前に住んでいたところで、長男「ササニシキ」が小学校1年生だったころ、いじめられていたことがあった。 (そのときの話を「ササニシキ」が受けていたいじめの話として書いてあります) 子供と接していくとき、あの経験を思い出すことがある。たとえば、 「アキタコマチ」が他人の大人になれなれしくするのは、家庭での愛情が足りないからか? だからよその人からの愛を受けようとするのか? ——いや、そんなはずはない。彼の話にはいつも正面に向き合って聞いているし、いろいろなことを教えてやっているし教わってもいる。 とか、そんなふうに。 自問自答。自問自答。 子供と接していくのに、答えは出ない。 子供を“育てる”という意識は、もう私にはなくなった。 育てるという言葉は、赤ん坊をひざに抱いて食べ物を口に運んでやっていたころのことに思える。 子供はもう、強くなっている。 今では、子供と接する・相対するという意識だ。 今日『子供部屋』のコーナーにアップした「アキタコマチ」の小説を、私は、説明不足の感があり、読み手が混乱しやすいと言った。 彼が本気で「いい」と思って出してきたものについては、本気で批評する。 悔しそうに私の批評を聞いていたが、寝る支度をさっとすませて、小説用のノートをつかんで自分の部屋に引き上げた。 明日には書き直してくるのだろう。 やさしくて気が回る「アキタコマチ」には、さらに強くなってほしい。
by apakaba
| 2006-11-28 22:42
| 子供
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Comments(8)
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キョヤジ
at 2006-11-28 23:42
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親と書いて「しんぱい」と読む。
そういうものなんでしょ、ワシにはわからんが。
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Morikon
at 2006-11-29 01:17
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小6男子のサンプルが他にないので、
どうしても昔の自分&当時のクラスメートと比べざるをえませんが、先日一日半ほど一緒に過ごしてみて、しなやかで、しかもかなりタフな心を持っている子だな、と感じました。 もちろん、これから中学、高校・・・と新しい環境へ飛び込めば、 順風満帆といかない日が必ず来るでしょう。 でも、彼なら難なく乗り越えて行けるような気がします。 その根拠は、38年半生きてきたオジサンの勘、 としか書けないのですが・・・。
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K国
at 2006-11-29 07:34
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私は第二子長男ですが、同じ二番目としての意見
アキタコマチは二度遊びに来て、一緒に生活した感想も入れると たぶん好奇心が強いから、他の人と行動するのは楽しいのだと思う 自分の親と比較したり、新しい事に驚いたり喜んだり 気持ちが先に行くから文章も説明不足になるけど、それもよし 人を見る目は誰よりも優れてるので、人懐っこいけどしっかり見てる 怪しいヤツには騙されないでしょう 今からどう変身するか楽しみだ
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apakaba at 2006-11-29 09:11
ゆうべ、飲みながら書いていたのでまとまりなくくどいですね……反省。
キョヤジさん、そ、そうなのかそう読み下すのですか。 子と書いて「かねくい」と読み下すのかなー? 自分もそうだったから仕方がないわね。 Morikonさん、よく話しているように、親といっても自分の経験の範囲内でしかものを語れないというところがあるから、やはり最後は勘を信じていくって感じかなあ。私もほんと、彼にとって、「いい親」以前にいい人間でありたいと思うのですよ。 K国さん、あれも反抗期になるのかなあ?と不思議です。 反抗期じたいをすでにバカにしているんですよね。 子供らしいところもあれば、シニカルな、醒めきった感覚も持っている子です。
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K国
at 2006-11-29 17:58
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反抗期は無いと思う、アレは理不尽な大人に対する反抗だから
親が理解が良いと反抗する理由が無い、私の場合母親の小言が 嫌いだった、だから口を開く前に目の前からいなくなるように行動 したし、顔を合せなかった。常に腹が立ってるような顔をして牽制した、親父は怖かったので出来るだけ遭遇しないように注意した。 私の3人の子供は反抗期無しでした、押し付けなかったから 子供は楽だったと思う、私は自立して仕事をしろしか言わなかった 奥方も礼儀作法というか、最低のモラルだけは教えたと思う。
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apakaba at 2006-11-29 21:34
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K国
at 2006-11-30 07:25
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親に反発しないでいい分、エネルギーは他に使ってましたね
長男は高校3年の夏までサッカーしてたし、行ってた高校が数Ⅱまでしか教えてなかったので、自分で数Ⅲの参考書買ってきて独学で理解したみたいでした(私には何のことやら) 次男は別府のホテルに納める魚屋でバイト三昧、今日は800匹さばいた、疲れた~とか言って帰ってきてたし、娘は高校終わって スーパーで8時半までバイトしてました 小遣いが少ないので自分で稼いでました、長男だけは少ないなりに何とかしてました。 親が強すぎて無気力に反抗期が無い子供と、そのエネルギーを 自分の楽しみに持っていける子供の差では、16,7歳で世界を相手に活躍してる子もいる100あれば100のタイプがあるから面白い
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apakaba at 2006-11-30 08:17
K国さんのお子さん3人は、まるでうちの子供たちみたい。
長男は中学の社会科に飽きたらず、大学受験用の参考書を読んで楽しんでいるし(勉強というより趣味なんですよね。)、次男も長女も似た感じになりそう…… |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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