2006年 12月 31日
おととい、夫の祖母が入院している病室へお見舞いに行ってきた。 祖母は来年で94歳になるから、足腰も弱っていて、心臓の具合も悪い。 近ごろ、心臓がどきどきすると頻繁にいうので検査入院していた。 年寄りってなにかにつけて「心臓がどきどきする」と言うでしょう。 だからこちらはわりと楽観的でいたのだけれど、先日、心筋梗塞を起こしたと聞き、少しあわてた。 夫はおばあちゃん子だ。 うちの子供たちも、本当のふたりのおばあちゃんより、曾祖母のほうをおばあちゃんらしいおばあちゃんとして認識しているようなところがある。 というとややこしいのだが、祖母たちはまだまだ行動もぴんぴんしていて感覚も若いので、昔の人といったらまず曾祖母が浮かぶのだろう。 なにしろ年が年だから、どう病気が進んでもおかしくはない。 あれよあれよという間に万が一のことがあったら、夫も子供たちもどれほど落ち込むだろうか。 新年を無事に迎えられるんだろうか……ここ数日、やきもきしていた。 CCU (というのは、急性心筋梗塞などの患者をすみやかに収容する治療室のことだそうです)から出て、もと入院していた部屋に戻れたとの連絡が入ったので、さっそく下の子ふたりを連れて、お見舞いに行ってきた。 で、本題はここから! 祖母が入っている部屋は、そこらへんの入院患者とはまるっきりレベルがちがうんですよ! 叔父(義母の弟)夫婦ががんばって働いたおかげで、祖母はとてつもなく立派なお部屋に入院することになったのです! (写真はすべて「アキタコマチ」撮影です) ↑ 御茶ノ水駅で下車。順天堂の附属病院へ。 夕景の聖橋です。 最上階の特別病棟へ。ゲーノーの方とか、セージの方とかがいらっしゃる階。 エレベーターを出ると豪華な面取りガラスのドアがあり、インターホンで見舞客であることを告げると入れます。 ↑ 入り口に消毒液のボトルさえなければ、ホテルにしか見えません。 さあ、中に入ります。 ↑ 応接セット。スイートルームかい。 どうしようっていうくらい、広い部屋です。 祖母はゴージャスなベッドに横になっていました。 前日は、身体の苦痛と環境の激変に耐えかね、一時的な精神錯乱を起こしていたそうです。 これをICUシンドロームというそうで、ろれつが廻らなくなったり、脈絡のないことを口走ったりするので、ぼけが一気にきたようになり、周囲は不安を感じます。 でも数日待てば、もとに戻ってくるということでした(今日辺りはもうだいぶ戻ったそうです)。 子供たちは曾祖母の弱りように驚いていました。 「コシヒカリ」はどうしたらいいのかわからないようでしたが、「アキタコマチ」は、 「ゆっくり、はっきりした声で話しかけたほうがいいのよ。」 と教わり、すぐに 「お見舞いに来たよ。ほら、お花持ってきたよ。きれいでしょう。痛い?もう痛くないの、大丈夫?オレのしゃべるの、速い?」 などと、手をさすったりしながら話しかけていました。 けなげな子です。 そして合間を見て抜かりなく、生涯うちには縁のなさそうな室内を撮りまくっていました。 ↑ こんなに大きい冷蔵庫は必要でしょうか?パーティーでも始めるんですか? ↑ うちよりずーっと広くてキレイなお風呂。 しばらく居候させてください。と頼みたい。 ↑ ん〜、ロマンチックな夜景! コラ、ホテルの展望バーなのか! ほんと、病室だってことを忘れそう。 でも、こんなにステキーなお部屋なのに、なんと看護の充実のために、下層階のふつうの個室に移されることになってしまいました。トホホ。 そこももちろん立派な部屋だけど、ここを見てしまったら、ねえ。 義母の話では、元旦に新年会をこの病室でやるか!となかば本気で計画していたのですよ。 例年のように、おせちを一品ずつ持ち寄ってパーティー、いえーい(冷蔵庫も活躍するし)。 ていうか、それじゃなにしに入院しているんでしょう? 間違えやすいけど、ホテルのスイートじゃないんだから! まあ、そういうノリノリの一族なのですが……残念、かなわぬ夢となりました。 祖母は、ふつうの個室へと移っていきました。 我々も移動をお手伝いしました。 ↑ 未練たらしく特別病棟の廊下にいるワタシ。 ああ、もうここに来ることもないのね。 祖母は、このあと10年も20年も生きられるようにはとうてい見えません。 でも一日でも長く、元気になって生きていてほしいなあ。 一日でも多く、子供たちに会わせてやりたいです。 とりあえず年越しはダイジョブそう。よかったー!
by apakaba
| 2006-12-31 00:43
| 生活の話題
|
Comments(5)
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花岡じった
at 2006-12-31 03:37
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さすがにこの時期は食いつき悪いかぁ。(笑)
にしてもスゲー部屋だなぁ。 VIP ROOMだな。 香港のホテルより確実に広いわな。 新館の方か? ・・・・髪の毛切った? さて、寝るべ。(パスポートを探し続けた俺)
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Morikon
at 2006-12-31 07:40
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私にも大正4年生まれの祖母が居て、かなり弱ってますが
ほとんどのことは自分でやっています。 遠くない将来にやってくる別れの日を覚悟してはいますが、 マキさんの御祖母様に対する気持ちと同様に、 一日でも長く生きてほしいです。 じったさん ・・・・ポニーテールにしてるだけっしょ。 で、見つかったんすか? パスポート。
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ogawa
at 2006-12-31 08:50
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のこのこ
at 2006-12-31 09:58
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いや、ふつーにゆるく縛ってるだけかと。
それにしても順天堂病院、私も行った事があるけど入った瞬間からすげー!って思う思う思う!!! VIPルーム体験できてよかったですね。。。 できるなら入院当初じゃなくてよくなって退院前にはいらせてあげたかったですね。。。苦しんでる本人にはそんな豪華さは関係ないんだもの。 90歳すぎてこうしてひ孫たちに愛されてるってなんて幸せなおばあちゃんなんでしょう! 長く生きるってほんとにすばらしいわ。それだけで感動します。
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apakaba at 2007-01-01 00:21
病院レス。31日は一日中ばたついていて、遅くなりまして。
じったさん、パスポート見つかってなによりでした。 年末年始はみんな忙しいのね、私のように。でも書けるだけ書くわ。 Morikonさん、へえーおばあちゃんがいるんですか。いいなあ。 私は年寄りからの愛情を知らずに育ったので、とてもうらやましいですね。 お互い、孫孝行しましょう!!あれちがうよ、祖母孝行か。 ogawaさん、ナゼこんなにバタバタになってしまったかというと、まさにこのお見舞いで予定がまる一日分遅れてしまったからなんです。 31日で全部仕上げるぜー!ということに。 でもやっぱりお見舞いにはかえられませんもの。 明日(今朝)あたり、疲れががくっときそうなヨカーン。 のこのこさん、てか皆さん、私のアタマはどうでもいいので……たしか髪留めで上げているだけだったと。 あそこって医学部儲かってるのよー。 病院ていうより、ホテルのノリだもんね。 入ってすぐにスタバのスタンド、食堂は山の上ホテルのHILL TOPだもん。 でも本当に、退院近くなら、パーティー気分で楽しかっただろうなー。お祭り騒ぎが大好きな人だから。 |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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