2007年 01月 21日
今朝、ネットニュースを見ていた夫が、 「おおっ、堀江敏幸きたか!」 とうれしそうに小さく叫んだ。 きのうのセンター試験の国語の問題に、堀江敏幸の小説『送り火』が採り上げられていた。 自分が注目している作家の作品が、名門校の入試問題になっていたり、センター試験の問題になっているといつもうれしそう。 「俺の読み、よく当たるんだよ。ま、堀江敏幸はここ数年、注目してたからな。」 と得意になる。 「へえー、今年は堀江敏幸か……まあ、(受験した自分の生徒たちは)俺が教えたから、あいつら大丈夫だろう。」 こういうとき、夫は偉いもんだなあと素直に尊敬する。 国語の先生というと、まず浮かぶのは金八先生か? でも現実は金八先生とぜんぜんちがう、ずっとシビア〜〜だ。 東大をはじめとして難関校を志望する生徒を指導するためには、いつも“次に出題されるのは、誰の文章か”を探らなければならない。 夫も、つねに情報収集をしている。 自分の趣味の読書とはべつに、「これは」という書き手の本は、実際に買って読んで研究している(だからうちはいつも本で家がつぶれそうなの)。 学校の先生は何十年もおんなじことをやっているというのは誤ったイメージで、ほんとはいつでも知識の最前線に立っていなければならないのだもんね。 “好むと好まざるに関わらずあらゆる本を読む”ってことは、それだけで膨大な知識をいつの間にか得てしまうものだし。 ふだんは意識していないけれど、今朝みたいなちょっとした瞬間に、 「私はこの人には絶対に追いつけないな」 と身にしみる。
by apakaba
| 2007-01-21 17:28
| 文芸・文学・言語
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Comments(14)
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ミケ
at 2007-01-21 17:40
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プロフェッショナルな人ってステキですね~。
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かっこいい、やはり本代はけちるものじゃない。
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K国
at 2007-01-21 19:45
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人間研ぎ澄まされてくると、動きが読めるようになってくる
達人の境地ですね。
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apakaba at 2007-01-21 21:22
入試レス。
ミケさん、どんな職種でもプロ意識の高い人ってかっこいいですよね。 仕事自体が楽しいだろうし。 はなまちさん、本につぶされそうな我が家ですが、図書館みたいで私としては便利です。いつでもすぐ調べられるし、興味のある本がどっさりありますから。 K国さん、自分が解くのと、問題を作ったり教えたりするのってまた別なので、すごいな〜と思いますわ。こればっかりは。
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kaneniwa at 2007-01-21 21:43
加藤典洋(元国会図書館勤務で、今は明治学院大の先生)
さんが、 「最近、ボクの書いたものが入試問題に出るんだよね」 と言っていました。 しかし続けて、 「作者の意図するものをA~Dのなかから選べ」 という設問について 「ボクの意図するものが全然ないんだよ~」 と言って笑っていました。 わははは、そういう意味も含めて、入試問題の作り手の 立場になれば、国語というものがいちばん難しいと思います。 BYマーヒー
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apakaba at 2007-01-21 22:47
加藤典洋さんは村上春樹論をよく書いていましたね。
難関校といわれる学校の入試問題でも、「なんじゃこりゃ」っていうのはあります。 問題を作るのも人間ですからねえ。 それもこれも含めて、入試問題はその学校の看板ですよね。
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Kay
at 2007-01-22 01:06
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>「私はこの人には絶対に追いつけないな」
こういう部分がカップルとして長く続く点でしょうね。どんな点でもいい、何かで「この人にはどうしても勝てない、この部分はすごいな」と言う尊敬できる部分があると、普段はどうしようもない役に立たなくても一緒に人生を歩めるのでしょうね。うちの旦那様も家のことはまったく何も出来ず、役に立ちませんが、船に関しては誰にも出来ないことを普通にこなしてますね。これには脱帽。
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apakaba at 2007-01-22 09:26
Kayさん、相手を尊敬できないともうダメでしょうね。
私は彼からどんな尊敬を受けているだろう?むむむ? あー、よく「君の肝の据わり方には驚くぜ」と言っていますね……たんに呆れているだけという気もしますが……
文章の添削役でしょ。よほど認めていないとそういうのあり得ないもの。
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apakaba at 2007-01-22 18:03
その他あ〜んなこともこ〜んなことも。
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apakaba at 2007-01-23 08:28
あたくしがかわゆいからよ……ヒャハハ
Oh! My God!
師匠譲り。
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apakaba at 2007-01-24 10:21
師匠にしっかり伝授してもらってください。
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アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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