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あぱかば・ブログ篇

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2004年 09月 30日

家庭教師をしています。こんな会話もします

中学受験をする子供の家庭教師をしている。
国語一科目だけ、週一回、2時間やる。
休憩はまったくなし。
いまのところ、語句や文法の解説と、読解を中心に教えている。

長文読解の解説は、ひたすらテクニックに終始する。
ふだん読書の習慣がさほど定着していない子は、いきなり初めて目にする文章では、まず言葉数の多さに圧倒され、言葉の海に溺れがちになる。
よーく読めばたいした内容でなくても、「ワカラン、ワカラン」とパニックになりやすい。
そこへすかさず“分類、分類”と檄を飛ばす。
こういう、問題に出題されるような文章というのは、かならずうまーく分類できるようになっているの。
ここが、問いかけ。ここから、具体例。そしてここからが筆者の主張。そしてふたたび、具体例。
ホラ、蛍光ペンで色分けしたみたいにきれいに分類できた。
こうやって分ければ、長い文章でも整理されて、問題が解きやすくなるの。

テクニックを叩きこむとそれなりに正答率も上がるが、機械的に国語の問題を解いていくのは味気ない。
今日は、「日本の古来からの森林は災害に強く、長期的な展望がないままに植林された森林は、災害に弱い」とかいう内容の文章を読んだ。
バァーッと私が音読して、即座に問題に取りかかるのが常だが、教えている子が間近に迫った運動会の練習と準備で疲れている様子だったので、すこし話をした。

森についての、ここに書かれているような話は、知ってる?
と聞くと、知らないという。
日本に昔からあった森は、葉を茂らせる高い木があって、それが木陰を作って、低い木や下草があって、古い木が倒れるとそれが養分になってというふうに自然にうまく回転していたの。
でもスギみたいなすぐに育って木材になるような木を、それまでの森をだーっと拓いて植えたから、その回転は崩れたの。
そういう山は、たとえばゆうべみたいに大雨が降ったりしたときには、水を溜める力がなくて……
などなど、森のサイクルを、文章の補足的に口で説明した。
きのうの台風のことが記憶に新しいからか、真剣な表情で聞き入る。

あなたは勉強だのなんだので毎日けっこう忙しいでしょう。
大人はなにかというと本読めっていうけど、実際なかなかその暇もないよね。
でも、国語の勉強をするときに、知らず知らずのうちに、あなたはものすごい分量の文章を読んでるの。
それも、いつも段落に分けろとか分類しろとかって解法ばかりを頭に置きがちだけど、やっぱり文章そのものから受けとる知識の量も、受験用の問題見てるだけでもたいへんな分量になるわけよ。
それも、国語の勉強の、楽しさの一つになるの。
だから勉強したことは、絶対に無駄じゃない。
トカナントカ。

苦手科目だから家庭教師が来ているのだけど、今日はよく解いていました。

by apakaba | 2004-09-30 00:50 | 生活の話題 | Comments(0)


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