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あぱかば・ブログ篇

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2007年 07月 05日

「ササニシキ」の強さとは

先日、長男「ササニシキ」の保護者たちのランチ会に行ってきた。
息子が所属しているサッカー部の『母の会』というものがあり、参加したのはそこの親睦会である。

3月にここで書いたとおり、「ササニシキ」は本命の志望校に繰り上げ合格という形で滑り込んだ(その日の日記はこちら)。
4月から、超少数派の、高等部からの入学者としてその高校へ通い始めた。
今まで、子供たちの幼稚園から中学まで、私が行けば必ず「あらミタニさん」と誰かから声をかけてもらえていたのに、今度は本当にまったく知らないお母様ばかりで、入学式では久しぶりに孤独を感じた。

「あんた、どうなの高校生活は。知らない子ばっかりでしょう。あんた一人でいるの。他はみんな中等部からの持ち上がりで、友だち同士なんでしょ?」
とそれとなく尋ねてみると、
「そんなこと当たり前じゃん。オレは新入学なんだからみんなのこと知らないに決まってるじゃん。」
と、まったく意に介さず平然としていた。
毎日、学校が広い、図書館の蔵書が立派、学食がおもしろい、授業がおもしろくて速いから聞き逃せない、など、いいことばかりをぽつぽつ報告してくる。
友だちは、いつの間にやら作ったみたいだった。
部活帰りに牛丼を食べたり、試験前にいっしょに勉強する友だちができていった。

さて『サッカー部母の会』に行ってみると、皆さん素敵な奥様ばかり。
おしゃれでお金持ちっぽい。
でも、みんな口をそろえて、
「高等部から受験で入ったんでしょう、えらいわねえ!」
と褒める。
そして、中等部最後の個人面談のとき、担任の先生方にこう脅されたと聞いた。
「この成績順位で安心しないでください。これで4月になったら、280人(中等部)の“上に”あと50人が乗っかる、と考えて覚悟してください。」

……いや、うちのはそこまで利口でもないのですが。
先生の脅し文句はふるっているなあと思った。
そんなことを言われれば、当然、中等部からのエスカレーター組は戦々恐々となる。
「あんた!ちゃんと勉強しなさい!優秀な子が50人入ってくるのよ(だから優秀じゃないというのに)!」

やがて新学期、クラスにぽつん、ぽつんと異分子が混じってくる。
“コイツか、50人のうちの一人は”生徒たちは、いやでも意識するだろう。

そうやって、異分子を少しだけ放り込むことで、長い中・高の6年間(実は小学校もあったりするが)の真ん中で、いったん気が引き締まる。
マンネリになりがちな学習態度が活性化し、競争が生まれ、進学実績も期待できる……うまい方法だ。

学校の活性化にはよい手だが、その放り込まれる者の身になってみれば、自分が選んで入った学校とはいえ、孤独やプレッシャーもあるのだと思う。
母の会で聞いて初めて知ったが、新入学者の中でも、早くも不登校となって退学してしまった生徒もいるし、母親に「友だちがいない、孤独だ、イヤだ」と漏らす子もいるとか。

そうか。
「ササニシキ」は、ぼけっとしているところが、図太さになり、強みとなっているのか。
「新入学なんだから、最初は友だちいないに決まってんじゃん。」
というのはまったく当たり前で、私も「そりゃそうだよねえ」と聞き流していたが、その当たり前の感覚が、少し足りないと、もう「ダメだ、孤独だ」という考えに落ちていってしまう。
やめてしまった子は気の毒だが、やはり、この学校のシビアなやり方に合っていなかったとしか言いようがない。

いまどき、親のご機嫌を取るのに汲々とし、なんでもかんでも親からのクレームをハイハイと聞いてしまう学校も多い。
こういうシビアなスタンスを取る学校は、私には好ましいと思えるし、ぼけぼけといつの間にかプレッシャーを乗り越えていく「ササニシキ」に合っているのだと思う。
そんなこんなで一学期も終わりに近いが、やはり滑り込んでおいて、よかったなと思っている。

by apakaba | 2007-07-05 22:50 | 子供 | Comments(10)
Commented by K国 at 2007-07-06 07:20 x
知ってる人間が周りに居ないって事は、反対に相手も真っ白な自分を評価してくれる。先入観がないから新しい自分に気付かせてくれる事もある
ので面白い。自信になる子もいれば不登校になる子もいる。
仕事になればそれ以上厳しい、打たれ強くなるのも学習です。
Commented by のこのこ at 2007-07-06 07:58 x
小中といじめられっ子でそのイメージのおかげで友達が本当に作りにくかった私には高校でメンバー一新はありがたかったですよ。 大学はなおさら。

友達がいなくてかわいそう、と思うか、すべてが新しくなってわくわく、と思うかは本人の問題だから親や他人が友達いなくて寂しいでしょう?などとは一言も言ってはいけないんだと思う。
高校生ならまだいいけど幼小中あたりでそんな事誰かに言われたら自分がかわいそうな子だと思ってしまうから。

志望校に入れたらなおさらうれしいしね。良かったですね!
Commented by apakaba at 2007-07-06 08:19
高校レス。
K国さん、友だちにもまったく同じことを言われましたね。
地元の公立高校へ進まず、誰も自分を知らないという白紙の状態は、かえって「ササニシキ」にはプラスになるのではないかって。
あいつは中学時代、なにしろくだらない素行で悪評高かったので……先生も同級生も、「あーあの、変わったヤツでしょ。どうにもならないヘンなヤツ」という目で見られていました。
今はいろいろと幸せみたい。ヨカッタ。

のこのこさん、のこのこさんの好きな「ササニシキ」はおかげさまで、こんな調子で居場所を見つけています。
メンバー一新は、親たちにとってカワイソウなことという認識が強いみたい。
でも高校受験は、本人がすべて偏差値や学校の場所や街の環境とかも調べてきて、入りたいと志望して決めてきたことだから、一人になるのは当然なのよね。
「寂しいでしょう!かわいそう!」と周りが言ったら、「そうなんだー、オレって可哀想な子なんだ」とその気になってしまうものね。
さりげなく盛り立ててやるのも周りの役目かなあ。
Commented by はなまち at 2007-07-06 09:58 x
>「そんなこと当たり前じゃん。オレは新入学なんだからみんなのこと知らないに決まってるじゃん。」

流石、三谷家の長男、腹が据わっていますね。
そもそも英語さえ通じない国に個人旅行する人が、子供には「寂しくないの?」
これは解せない。
旅行者を受け入れているところで、相手の組織に害のないと認められれば、それなりに
歓迎してくれるもの。これは痛いほど母親が体得しているのでは???
学校だって、こいつが入ってイメージダウンと判断されない限り、厳しいかもしれないが大事にしてくれるでしょう。
大事にしてくれる概念が違うかもしれない・・・・学力をつけることこそ大事にする、
その本質を大切にしている気がしますね。
親の無理難題に対応することはどうでもいい気がしますね。
Commented by 那由他 at 2007-07-06 09:59 x
ササニシキくん、学校になじんでこられたようで、よかったですね。

やはり部活も、大きな役割をしてくれたのではないでしょうか?
自分のクラスだけでなく、他クラス、他学年にも顔見知りが増え、同じ種目をがんばるという、共通の体験をするわけですから、お互い親しくなれるのでしょう。
自分の高校時代のことを思い出しても、やっぱり部活っていいものだなと思います。

うちの子達の場合、書道部と演劇で、体育会系でなかったせいか、部活の保護者の会はなかったのですが、スポーツ少年団の保護者の方たちは、熱心にサポートされていました。
練習試合のたびに車を出したり、お茶当番、金銭的にもサポートしたり。
高校の場合は、それほどでもないようで、試合の応援くらいのようですが、ササニシキ君の学校のサッカー部は、保護者同士の親睦にも熱心なのでしょう。
私学と公立の違いや、地域の差かもしれないですね。

眞紀さんも「母の会」でお友達の輪が広がるといいですね。
でも、「母の会」っていうからには、父親は疎外されてるのかしら?
なんでかな?
Commented by apakaba at 2007-07-06 12:10
高校レスつづき。
はなまちさん、入ってみて、やはり伝統校は強気なところがいいなあという感じですね。
寂しくないの?とは聞いていませんが、近況をそれとなく聞いてみてはいました。
男子なのであまり学校生活をぺらぺら語るということはないですが、端々から満足感はうかがえます。
近ごろは、親子そろって「打たれ弱い」人が増えているそうで、自分に弱さがある人ほど、責任をすべて外側(学校とか)に求めようとする、ようですねえ。
いちいちかまっていられませんね。

那由他さん、ありがとうございます。
部活の役割は大きいですね。
でも、入部率は40%くらいらしいですよ。みんないったいなにをやってるんだ?→勉強しているらしいです。トホホ。
スポーツに打ち込む生徒は大体、親も若いころ打ち込んだ経験があるか、子供の活動と自分の応援が一心同体になっている人が多いようです。
とりあえず母の会の親睦は、いろんなことを教えてもらえるので有意義です。
父がどうなっているのかというと、女同士あつまってキャーキャーしゃべるのが楽しいからというだけの名目みたいですねえ。
Commented by ぴよ at 2007-07-06 22:32 x
ぴよには経験がないけど、転校生みたいなのと同じ感覚なのかな?
どんな環境に置かれようと基本は「本人」の気持ちだよね。
ササニシキ君は今の環境を自ら望んで飛び込んだ。だからこそ新しい環境が「怖い」じゃなくて「ドキドキわくわく♪」なんじゃないかな?
「おどおどモジモジ」してたら友達なんて出来ないもんね。
ポジティブ・シンキングってよく言うけど、それを努力しなければ出来ない人もいれば、天然で備わってる人もいると思います。
ササニシキ君は多分「天然」なんじゃないかな?
・・・そしてぴよも「天然」です。(苦笑)
Commented by apakaba at 2007-07-06 22:51
天然が一番強いんだろうね。
世の中全員が天然じゃダメで、周りはみんな天然君をはらはら見守っていて、本人は見守られていることすら気づかずに過ぎていく。
まー、おもしろい人です。
ぴよさんも今度会ってやって。
多分……気に入る。
Commented by 満腹ボクサー at 2007-10-20 15:10 x
>小中といじめられっ子でそのイメージのおかげで友達が本当に作りにくかった私には高校でメンバー一新はありがたかったですよ。 大学はなおさら。

オレも幼稚園のときのあだ名が「うんこ人間」だったんで、小学校にあがるときに引越しできたのはありがたかった。
小学校、高校でも転校したけど、転校も悪いもんじゃないよ。
高校の時には、好きな女の子がいたんで転校したくなかったんだけど、転校したとたんに、また好きな子ができちゃったしね。
Commented by apakaba at 2007-10-22 15:34
どうしてうんこ人間になっちゃったんだろう。
小さい子供ってすさまじいことを平気で言うし、やるからね。


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