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あぱかば・ブログ篇

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2003年 01月 22日

怪我ばかりする「ササニシキ」を乗せてクルマを走らせる夜

夜9時ちかく、最寄り駅から電話がきた。
夫か長男のどちらかが事故か?と、どきっとしたが、
「お宅のササニシキくんが、構内の階段から落ちました。」
という。とたんにこみ上げる怒り。
またなのか!

車を、イライラした気持ちで駅へ走らせる。
あいつは何度ケガしたら気がすむんだ。
3学期の始業式の日も、駅の階段で転び、あごを切ったばかりだ。
1学期の終わりには、友だちとプロレスごっこをしていて足を骨折したんだ。
3年前には、学校の廊下をふざけて後ろ向きに歩いていて、前を向いたとたんにコンクリートの柱に顔から激突して、人間ではないような顔になってしまったこともある。

ガミガミ言っても仕方がないから、塾のかばんを受けとると、黙って怪我人を車に押し込む。

どうしていいのかわからないからとにかく薬局をさがす。
いくつも回ってみたが、どこももう閉まっている。
やっと見つけた小さなうす暗い薬局は、一歩入ると、なぜか生ゴミのにおいがたちこめていた。なんて薬局だ。
苛立ちは消え、においと一緒にふっと笑いたくなるような気分が、胸に流れてきた。
ほとんどが店じまいした商店街の、生ゴミくさい薬局。
ここで避妊具など選んでいると、かなり絵になるのだが・・・とりあえず湿布を買った。

家へ戻るため、また車に乗る。
この寒いのに、若いカップルが暗がりで寄り添っている。
オッ、キスしてるぞと思い、よく見ると、顔を寄せて小さなアルバムのようなものをのぞき込んでいたのだった。

スクーターの上に仰向けに寝そべり、たのしそうに携帯電話でしゃべっている若い男の子。
目は夜空を見あげている。
行きつけのお好み焼き屋の前を通りかかると、ソムリエの資格を持ついつものマスターが、なにをするでもなく店の前に立っていた。
皆、それぞれの夜を、過ごしてる。

家に車を停めると、後部座席で「ササニシキ」はのびている。
車に乗ってたちまち眠れるんだから、骨折の心配は、ないな。

by apakaba | 2003-01-22 13:34 | 子供 | Comments(0)


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