2008年 09月 02日
毎晩、飲み始めるときに、夫が i Podで音楽をかける。 私: なにこれは。 夫: Mike + The Mechanics。 私: 知らないけど……新しい人? 夫: いや、80年代だよ。 私: 音が80年代っぽいもんね、ああ、なんか、ジェネシスが80年代に作ってた音っぽいね。……あれ、ああこれか。『マイアミ・ヴァイス』のサントラに入ってた曲でしょ。 名曲『PAR AVION』でやっと気づく。 これ、いい曲だよなあー。 知らずに言っていたが、ジェネシスが80年代に……というのはまさにそのとおりで、このバンドはジェネシスのマイク・ラザフォードが作ったバンドだったのね。 我ながら鋭いじゃないの。 夫: 70年代アメリカン・ロックから、80年代に入ってブリティッシュがヒットチャートを席捲していくじゃない、あれがイヤだったなー。デュラン・デュランとかよう。 私: 私も嫌だったよ。でも当時はイヤでも、今になるとそれなりに懐かしいもんだよね。 夫: そりゃ、流行ってたからなあ。 私: ええとー、ほら、あれにも似てる、80年代の終わりに流行った……wherever you go...whatever you do...(唄う) 夫: あー、あったなあ、誰だっけ。 私: ええっとー、誰だっけ?ああ、思い出せない!ちょっと前ならすらすら出たのに!もうトシかね? 夫: うん、そうだろうけど、でもたしかそんなにメジャーな人じゃないよ。 私: ちがうのよう!そんなことないのよ!私ね、インドの山奥に行ったときね。 インドの、ものすごい僻地で、チベット人しか住んでいないとこに行ってね。そのとき、英語の通訳の男の人がいて、その人と「あんたはどんなミュージシャンが好きか」とかしゃべってたの。それでそのチベット人が、「ボクはナニナニが好きだ」って、言ったのよ!その名前が出ない! 夫: はー。 私: 私はそのとき、「へえ!ナニナニが好きなの!wherever you go...でしょ!ってヤッパリ同じように唄って、そうそう!とか言って盛り上がったのよ。あの歌いいよねーとか言ってさあ! 夫: はあー。検索かけろよ。 検索 私: わかったあー!リチャード・マークスだ!そのチベット人が「ボクはリチャード・マークスが好きだ」って言ったとたんに盛り上がったから、当時はまだ頭が若かったんだね。私。 夫: まあそういうことだろうな。 私:でもね、この曲はあなたの思い出の曲なんだよ。あなたにとって大事な曲なんだよ? 夫: へ?あなたの? 私: あなたのよ! 夫: そうなの? 私: 忘れたでしょう。 夫: うん、忘れた。 私: この曲はさあ。私が卒業旅行で一ヶ月半、あなたを捨て置いて旅行してたときにさ。あなたは待っていてさ。私の帰るのを。 夫: あなたはたいてい俺を置いていくからな。たいてい、俺は待っているからな。 私: その、私を待っている間、ずーっとこの「I will be right here waiting for you...」ってヤツを聴いて待っていたんだと言ったんだよ。帰ってきたら歌まで唄ったんだよ。アカペラで。それでそれを聞いて、いい人だなあと思って結婚したんだよ。 夫: はー。 私: 忘れたでしょう。 夫: うん。忘れた。 私: この詳細を聞いても、思い出さないでしょう。 夫: うん。思い出さない。大体、君は記憶力がよすぎ。 私: ああ、がっかりだよ。今ショックでここにゲロ吐きそうだよ。 夫: きたねえなあ。表現がきたねえよ。四十ヅラ下げてゲロとかいうなよ。 夫: でもその話は忘れたけど、あなたからもらった手紙とか俺の書いた手紙とかは、けっこう覚えているんだぜ。 私: へー。それはすべて忘れたなあ。手紙も捨てたしね。 夫: ほらな。人によって、覚えていることはそれぞれちがうんだよ。
by apakaba
| 2008-09-02 23:23
| 思い出話
|
Comments(4)
Commented
by
ぴよ
at 2008-09-03 02:19
x
ごめんね・・・
80年代、思いっきり「ブリティッシュロック」にハマったぴよです。 デュラン、好きだったよ。アルバム買ったよ。 カルチャークラブなんてめっちゃ好きだったさ。 時代は進むけど80年代後半はペットショップボーイズとかさ。 でも一番好きだったのは「ABC」ってバンドだった。マイナーだけど。 そもそも「洋楽」に入ったきっかけがビートルズだったんだから ぴよの中でブリロックは切り離せない存在だったんすよ。 話の本筋とはズレましたが・・・ 同じ時間を共有しているハズなのに「思い出」の部分が全く違うというのはとてもよく判りますよ。正にぴよ家もそーです。 ぴよにとって「思い出深い(忘れられない)あの場面」をダーが全く一片のカケラも覚えていないと言い切られた時には、軽く殺意を覚えたものです。ええ。
0
Commented
by
apakaba at 2008-09-03 15:18
ぴよさん、流行ってたもんねえー。
私はピンポイントで好きだったな。 ザ・パワー・ステーションのSome like it hot はよかったよ! 必要以上のズントコズントコが快感でしたねえ。 ABCというのは知りませんでした。 カルチャークラブは好きってこともないけど(ものまね混じりで)唄える。 ちなみにペット・ショップ・ボーイズはかな〜り大好きです。 あれ、やっぱり好きなのかUK? 本文では割愛したけど、ほんとは「ヒュー・グラントの『ラブソングができるまで』はそうとう刺さるぞ!」って夫に力説していた。 あの映画は我々世代向きだよね。 今の音楽シーンは、UKバンドが圧倒的に元気でカッコイイですな。 「おっ、このバンドいいな」と思うと絶対UK。 アメリカものはどうしちゃったんだろ? 本筋はそんなわけで音楽バナシで……ラヴはどうでもいいので、あはは。 私は「ふたりの記念日ぃ」とかには無関心だけど、「ああいうイイコトを言ってくれたなあ」とかをずっと励みにして大事にしていたのに、相手が忘れ果てているのは本当に不思議だよ。
Commented
by
タカモト
at 2008-09-03 22:21
x
ABCのLOOK OF LOVEは名曲だよなぁ。
たまに80年代の曲を聴いてると(You Tubeとかで) 嫁から「相変わらず【振り返り野郎】だね」と言われるが。 良いものはいいのだよ。 自サイト(mixiか?)でも以前書いたことあるが。 俺的には「デキシード・ミッドナイト・ランナーズ」の「カモン・アイリーン」だな。 UKと言うよりアイルランド系なんすがね。 でも、究極は「Ultravox」の「New Europeans」かな。 知らねーよな。 あっ、俺もズレたな。
Commented
by
apakaba at 2008-09-04 08:29
タカモトさん、今、You Tubeで聴いてるけど、知らない曲だった…… The look of love.
なんで知らないんだろ? でも映像はかなり時代がかっていてイイ感じ。 あとのはもちろん、うーん、全然知らない! 音楽ってその時代に聞き逃すとダメね。 知らないままでいってしまう。 振り返り野郎といわれても、新しいのはいいのがなかなか出ないんだからしょうがない。 さりげなくリミックスで出したりしてるのも、嫌だなー。 |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
ご案内
直島の旅行情報 blog links (エキサイトブログ以外) 彼の地への道すがら 三毛猫日記 ムスリムの女たちのインド 王様の耳そうじ 細道 紀行地図へと続く道。 「いい子」をやめたら人生がきらめく! greenmanbaliの日記 すきなものだけでいいです Avance(アヴァンセ)でいこうっ ライオンシティからリバーシティへ カテゴリ
全体 映画・ドラマ 歌舞伎・音楽・美術など 生活の話題 子供 国内旅行 旅行の話 ニュース・評論 文芸・文学・言語 健康・病気 食べたり飲んだり ファッション ベトナム2023.3 ソウル2022.11 思い出話 サイト・ブログについて 1990年の春休み 1990年の春休み.remix ver. 香港・マカオ2006 シンガポール2010 直島旅行2010 バリ&シンガポール2011.1 香港マカオ2011 香港2011夏 バリ&シンガポール2011.11 台北2012 家族旅行香港マカオ2012 ボルネオ 台湾2013 ヨルダン・シリア1998 イスラエル1999 エッセイ フランス インド2000 香港2013 スコットランド 大腸がん闘病 ソウル2023.1~3 シンガポール2023 台北旅行2023 未分類 最新のコメント
ライフログ
お気に入りブログ
Tatsuo Kotaki 草仏教ブログ ガタム ( ghatam ) 子供部屋 紅茶国C村の日々 梟通信~ホンの戯言 みんなのヒンディー語教室 勝手に僻地散歩 Atelier Kotaro SALTY SPEEDY シニアバイクマンⅡ FC2ブログに移転しました 旅行・映画ライター前原利... 塩と胡椒 いいあんべぇブログ 折原恵のニューヨーク写真... ブログパーツ
以前の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||